『小説 仮面ライダー電王 デネブ勧進帳』が面白い!史実と電王を絡めた傑作

篠宮暁の“特撮”向上委員会

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

「電王」

この二文字を見ると、いつだって心が浮き上がってしまいます。

電王のテレビ放送が終わったのは2008年の1月。

もうすぐ13年が経とうとしてるのに未だに新鮮で人気があるのは、とにかくことあるごとに作品が登場するんです。

特に映画がものすごい数で。

『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』

『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』

『劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』

『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』

『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』

『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』

『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー』

『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』

『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』 

『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』

『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』

『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』

『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』

『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』

『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』

主役の作品から、ちょっとの出演のものまで合わせて16作品。

「トリロジー」をどうカウントするかはあなた次第。

ちょっとの出演でも、ちゃんと電王の声をモモタロスの関俊彦さんがやってくれるから、毎回爪痕を残し、ガッツリ記憶に残ります。

もうないかなと思ってたら、今年の夏に新作『仮面ライダー電王 プリティ電王とうじょう!』が公開されました。

こんな仮面ライダー、他にいません。

そして先日には、こちらが発売されました。

『小説 仮面ライダー電王 デネブ勧進帳』

「電王」のプロデューサーを務めた白倉伸一郎さんが書かれてるんですが、目ぇひん剥くほど面白い。

めちゃくちゃ「電王」。

このタイムスリップの仕方、大好き。

ちなみに白倉さんが電王の小説を書かれるのは実は2冊目で

1冊目は2013年に「小説 仮面ライダー電王 東京ワールドタワーの魔犬」を出版されてるんですが、これを読んでなくともストーリーは続きではないので大丈夫です。

もちろん1冊目も傑作なので、是非読むことをおすすめします。

ここからは内容について少し触れていきます。

–{「デネブ勧進帳」の感想は次のページで}–

主人公は良太郎ではなく、なんと侑斗。

舞台は、なんとあの源頼朝が鎌倉幕府を興す直前の平安時代末期。

そうです、史実を思いっきり取り入れてる作品なんです。

「俺、誕生!」でも真田幸村が出てきたり、「さらば電王」では徳川吉宗に献上される象が東海道を歩いて見物人で溢れ返ったなど、これまでも史実を取り入れてる部分はあったんですが、今回のそれはレベルが違う。

僕自身、江戸末期の日本史は好きだし、小説でも漫画でも舞台になることが多いので、なんとなく時代の流れもわかるんですが、恥ずかしい話、この本の舞台である平安末期や鎌倉時代は中学校で習って以来で、ぼんやりとしか覚えていませんでした。

しかしこれを読み終わった後は歴史にも興味が湧き上がりすぎて、事実確認をしながら貪るように調べてしまいました。

源義経と弁慶がこの物語では重要な役で出てくるんですが、後半の方は義経についての有名な都市伝説を電王テイストにみごとに仕立て上げていて、興奮させてくれます。

ちなみにこの都市伝説についても読んだ後、もっと知りたくなってYouTubeを見漁ってしまいました。

決戦の様子はまるで『ロード・オブ・ザ・リング』のような壮大な画が頭に浮かび、決めのポイントポイントでは勝手に脳内で電王の音楽が流れ、声も完全にご本人の声で再生。

エンディングテーマはなぜか俺、誕生の175R「夢で逢えたなら」。

どっぷり電王ワールドに浸らせていただきました。

きっと「電王」はまだまだ僕らを楽しませてくれるはずなので、期待してその時を待っていたいと思います。

願わくば、もっと史実に電王を絡ませていっていただきたい。

平安京の上空で戦うデンライナー。

黒船に横付けするデンライナー。

太平洋戦争のど真ん中を走るデンライナー。

見てみたいですね。

(文:篠宮暁)

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