「リュウソウジャー」ファンの皆さん、大丈夫ですか?
ナダロスにはなってませんでしょうか?
無理もありません。
僕も例外ではなく泣いてしまった一人です。
先に謝っておきます。
正直スーパー戦隊のことを結構知ってるんだぜ風で、のうのうと過ごしてましたが何にもわかってませんでした。
これではナメてたと言われても仕方ありません。冷や水を浴びせられた気分です。
まさかナダが死ぬとは。
ガイソーグを纏いながらも心を支配されなくなったナダの活躍がここから始まると思った矢先でした。
こんな死に方、見たことありません。
26話で初登場、新たなリュウソウ族、しかもレッドになりきれなかった男という肩書は、王子になれなかった『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のブライが個人的には頭によぎり、間違いなくドラマが面白くなる予感をさせました。
さらに『スーパー戦隊最強バトル』から引っ張ってきたガイソーグの正体がナダだと判明したときには、驚きと同時に待ってましたという期待感も感じ、ナダはええとこめっちゃ持ってくなー、いっそ根こそぎいってくれと思うようにまでなりました。
コウを後ろから斬りつけたときなんかは「おいおい、やめやめー! どんなけ好きな展開にしてくれんねん、ほんま人間くさいやっちゃでー、こら改心した後のメイン回とか楽しみやで」などと思ったり…。
–{ナダの死に、なぜこんなに驚いたのか?}–
そして待ちに待ったナダの改心、正義の為に纏うガイソーグ。
リュウソウ?ガイソー?どっちでもええところを丁寧に描くのみんな好きなやつやん。
とホクホクしてたら、突然訪れたナダの死。
何を勝手にナダが活躍すると思ってたんだろう。
だって今まではこんなことは。
今までのセオリー?
そんなのはなかっただろ?
裏切ってひっくり返して、40数年驚かせ続けてくれたのがスーパー戦隊でしょ?
気持ちの整理がつくまでに結構時間はかかりました。
このナダの死がなぜこんなに驚いたのか。それは登場から退場までの早さにあると思います。
追加戦士が死んだ例をいくつか挙げてみます。
–{追加戦士が死んだシリーズをまとめてみた}–
まず「ジュウレンジャー」のブライは初登場が17話、死んだのが42話で25話存命。
続いて『未来戦隊タイムレンジャー』の滝沢直人。初登場が28話、ゼニットに撃たれて死んだのが48話なので20話存命。
『爆竜戦隊アバレンジャー』の仲代美琴は初登場17話でデズモゾーリャを体から消して、死んだのが48話なので存命31話。
『特捜戦隊ゴーバスターズ』の陣マサトは14話初登場、バラバラにデータ化して死んだのが50話なので存命36週。
『獣電戦隊キョウリュウジャー』のトリンは1話から登場、シルバーになったのが36話、ダンテツに殺されたのが45話なので存命45週。
どんなに短くても20週は登場するところ、ナダは初登場26話で死んだのが33話の存命8話。
かなり短いです。
こんな短いことは今までなかったのでとにかく驚きました。
しかし、よく考えてみるとたったこれだけの登場話数で普通はこんなにも愛されません。
やはりそこは脚本の妙。
コウたちの先輩として頼もしいだけでなく、リュウソウジャーになりきれなかった不完全なところとレッドになったコウへの隠しきれない嫉妬という
ヒーローらしくない部分をさらけ出したナダだったからこそ、登場話数がたった8話にもかかわらず、親近感が湧き、ファンから愛された理由ではないでしょうか。
33話にして早くもどでかい山場を作り、残すところまだ10数話ある「リュウソウジャー」。
ここから入ってくであろう怒涛の展開、しっかり見届けたいと思います。
上堀内佳寿也監督、人の死を描くのほんまにうますぎる。
あと黒画面へのフェードアウトがかっこいいんだよなぁ。
(文:篠宮暁)
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