【著名人コメント】
『ピータールー マンチェスターの悲劇』
2019年8月9日(金)TOHOシネマズ シャンテ他 全国順次公開
イギリスの名匠、マイク・リー監督が監督生命のすべてを賭けて、1819年マンチェスターで起きた英国史上最も悪名高き事件“ピータールーの虐殺”を描いた『ピータールー マンチェスターの悲劇』。民主主義の原点を問うこの悲劇の物語にいち早く触れた各界著名人達から、衝撃と称賛のコメントが到着した。
本作は、選挙権を求める民衆6万人の平和的なデモに、あろうことか騎兵隊と武装した軍隊が突進し多数の死者を出した恐ろしい事件を、200年の時を経て、その全貌を明かす歴史一大絵巻。長くこの史実を知らなかったというリー監督は、この事件に関する本を初めて読んだ際、「この事件は現代につながっている。誰かがこの事件を映画化するべきだ」と“英国史の暗部”ともいえるこの出来事を映画として残すことを決意。
さらに、「製作を決定してから、今に至る2019年までの5年間で色々な事件が起きた。私のいるイギリスではブレグジット(イギリスのEU離脱)があり、香港デモで民衆が抑圧されたり、世界中で正気の沙汰ではないことが起こっている。この映画が描くのは、今と何も変わらない民主主義についての物語なんだ。」とこの物語が持つ“現代性”を力説。本作は第75回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門でHuman Rights Film Network Awardを受賞した。
コメント(順不同・敬称略)
山田洋次(映画監督)
渾身の力を込めて映画を作るというのは、こういうことなのだろう。
マイク・リー監督をはじめスタッフはもちろん、イギリスという国まで褒めたくなるような傑作。
上野千鶴子(社会学者)
いつの時代も、どの社会でも、権力は民衆を怖れるものと見える。
悲劇に向けて緊張を高めていく画面から、目が離せない。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
200年前と今とではイギリスの社会は大分変わりましたが、中央と地方、支配者と労働者の対立を見るとブレクシットの問題に直結しているように見えます。
内田樹(思想家・武道家)
この映画は立ち上がる市民たちとそれを弾圧する権力者たちが次々と自説を語る、一種の『スピーチコンテスト』として観ることができる。最も薄っぺらで、最も定型的な言葉づかいが最大の現実変成力を持つという皮肉すぎる事実に私は衝撃を受けた。
三浦瑠麗(国際政治学者)
観客はピータールーの悲劇に逆らいがたく向かっていく人々の日常を目にする。
抑圧者は何を考えていたのか。惰性、恐怖、同じ人間だと思わない態度。
監督は19世紀英国の労働者と同じ目線に立ち、現代の人々に「考えること」を要求する。
ハリー杉山(タレント)
英国の歴史を永遠に変えた虐殺。
生きる上の宿命とは何か、未来の為に自分は何をするべきなのかが自然と見えてくる。
今でも言葉と存在が押し殺されてる人々がいる時代に見なくてはならない傑作。
公開情報
『ピータールー マンチェスターの悲劇』
監督:マイク・リー『秘密と嘘』『ヴェラ・ドレイク』
出演:ロリー・キニア『007 スペクター』、マクシーン・ピーク『博士と彼女のセオリー』、デヴィッド・ムースト、
ピアース・クイグリー 原題:PETERLOO /2018年/イギリス/カラー/ビスタ/5.1ch/155分/字幕翻訳:牧野琴子/配給:ギャガ
公式HP:gaga.ne.jp/peterloo/
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