<登壇者>仮面ライダージオウ/常盤ソウゴ:奥野壮、 仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツ:押田岳、 ツクヨミ:大幡しえり、ウォズ:渡邊圭祐、 仮面ライダービルド/桐生戦兎:犬飼貴丈、 石動美空:高田夏帆、 仮面ライダーグリス/猿渡一海:武田航平、 仮面ライダーローグ/氷室幻徳:水上剣星、ティード:大東駿介、 久永アタル:福崎那由他、 山口恭平監督
12月22日(土)、『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』シリーズ最新作であり、同シリーズの最終作となる映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』が全国公開され、東京・新宿バルト9にて初日舞台挨拶行われた。
舞台挨拶には『仮面ライダージオウ』から奥野壮さん、押田岳さん、大幡しえりさん、渡邊圭祐さん、『仮面ライダービルド』から犬飼貴丈さん、高田夏帆さん、武田航平さん、水上剣星さんのほか、本作で全ての平成仮面ライダーの歴史を消滅させようとするスーパータイムジャッカー・ティードを演じた劇場版ゲストの大東駿介さん、仮面ライダーファンでありながら仮面ライダーはフィクションであると告げる高校生を演じた福崎那由さん、本作のメガホンをとった山口恭平監督が登壇。
ウォズの失態にキャストから総ツッコミ
舞台挨拶冒頭の挨拶では、奥野さんが自身の演じるソウゴの口癖に合わせ「なんか、この映画大ヒットする気がする!」と挨拶をすると、押田さんも「早くおまえらに映画観せたくてウズウズしている」とゲイツの口癖に合わせた挨拶で会場を盛り上げる。しかし、続くツクヨミ役の大幡さんが普通の挨拶をすると、「何もせいへんの?」と大東さん。「ごめんなさい」と、大幡さんはかわいらしい一幕ものぞかせた。
一方渡邊さんは、ウォズの決め台詞に合わせ「祝え!『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』上映の瞬間である」と言おうとして「祝え!仮面ライダージェネ…平成ジェネレーションズFOREVER」と、噛んでしまい「おい!」「一番やっちゃいけないやつ!」「一番やったらあかんやつ(笑)」と登壇者から総ツッコミを受け天を仰いだ。
気を取り直して言い直すも、「祝え!平成ジェネレーションズ FOREVER…」と言ったところで肝心の『仮面ライダー』が抜けたことに気づいて「また間違えた!」と自己申告。3度目の正直で無事言い切ると会場からは一際大きな歓声が上がった。
この流れを受けた仮面ライダービルド/桐生戦兎役の犬飼さんは「そういう感じの挨拶なんですね。忘れてましたね、僕たち」と、自分たちが初めて舞台挨拶をした頃と重ねて感慨深げに応え、「じゃあ、新鮮な気持ちで(決め台詞を)やろうかな」と、会場に背を向けて劇中の佐藤太郎のセリフ「夜は焼き肉っしょー!」を発すると見せかけてからの「勝利の法則は決まった!」の決め台詞で会場を沸かせた。
続く、石動美空役の高田さんも、ビルドファンにはお馴染みの「みんなのアイドル!みーたんだよ!」の掛け声で会場を盛り上げたるも、仮面ライダーグリス/猿渡一海役の武田さんは自己紹介程度のあっさりした挨拶をして、犬飼さんから「さらっといくんだ」とツッコミを入れられつつ、続いて仮面ライダーローグ/氷室幻徳役の水上さんが「ヒゲ役の水上剣星です」と、劇中での武田さんからの呼び名で自己紹介をして会場の笑いを誘い、ビルドチームの変わらぬチームワークと仲のよさを見せた。
改めて、公開を迎えた率直な気持ちを聞かれた犬飼さんは「ジオウチームとビルドチームで映画というのは初めてなんですけど、どういう化学反応が起きているのか。僕たちもまだ観れてないので、すごく楽しみです」と、映画としては初めてとなるジオウチームとの共演作への期待を語った。
初めての映画公開を迎えた奥野さんは「(この映画を)早く届けたい、皆さんに届けたいという気持ちがあったので、ドキドキとうれしさとで胸がいっぱいです」と、満足げな笑顔で応えた。
ジオウチームの見どころはソウゴ、ゲイツ、ツクヨミのキャラ変
この映画の見どころについてジオウチームでのクロストークを求められた奥野さんが「ソウゴとゲイツとツクヨミがそれぞれ(本来とは)別のキャラクターになっているのがひとつの見どころになっています」と語る。それに対し大幡さんが「全然別のキャラクターだよね」と相づちを入れたところで、ビルドチームであるはずの犬飼さんが「そうね、ジオウとしても映画は初めてだから…」と会話に割って入りジオウチームを困惑させると、武田さんが「いけいけ、今日はビルドVSジオウだから」と煽って会場に笑いの渦を起こした。
気を取り直してトークを再開しようとするも、事の成り行きを見守っていた大東さんの笑顔に含みを感じた奥野さんは気になってトークに集中できない様子。 そんな大東さんがジオウチームに「みんなはもう(この映画)観たの?」と質問すると、「昨日観ました。(ジオウチームの)4人で」との答えにビルドチームから「僕らまだ観てない」とクレームとも思える声が上がり、自身も未鑑賞である大東さんからは「なんかもう差がついてる」との恨み節が出た。
続けて犬飼さんが「どんな感じだったんですか?」と奥野さんに問いかけると、既に映画を観た自分たちにプレッシャーをかけていると勘違いした奥野さんが「怖い怖い怖い」と笑いながら後ずさりして、「俺だけに任せんとって」とジオウチームの仲間に助けを求める一幕も。 本当にどんな出来栄えなのかを聞きたいのだと犬飼さんに説明された奥野さんが「演じてた僕ら自身が鳥肌が立つような映画になってます」と応えると、武田さんからは「自画自賛だな!」「流石だよ。いいよ、いいよ。いけいけ、もっといけ」とエールとも発破ともとれる言葉が掛けられていた。
同じくこの映画の見どころを聞かれた押田さんは「前半にコメディー調のシーンがあるんですけど、(テレビシリーズでの)いつものキャラとは全然違うキャラを演じているので、そこがひとつの見どころかなと思います」と、テレビとは違ったキャラ作りの魅力を上げてコメント。 次に話を振られた大幡さんは「びっくりサプライズがあるよね」と、本作に仕掛けられたサプライズ演出を上げると、「マジで、そんなのあるの!? 俺らマジで観てないから分かんない!」と武田さんがオーバーリアクションで割って入り、「駿介(大東さん)も観てないでしょ? 多分、若手とおじさんで分けられてる気がする」と発言して会場の笑いを誘った。
おじさんという言葉を受けて大東さんが「おじさん、っていうか先輩ライダーと共演してどうだったですか?」と、奥野さんに問いかけると「(テレビシリーズの)1〜2話でも共演させてもらっているので、(そこから)ちょっと成長した姿を見せられたらなあという思いで現場に挑んだんですけど、僕たちが成長したみたいな話を全然されてなくてちょっとショックを受けています」と、少し寂しげな心境を吐露。これに対して犬飼さんは「いや、分かんないですよ。そんな成長とか言われても…」と困惑した様子で応えつつ、「でも、(初めて)会った頃よりも体つきも目つきもたくましくなったかなというのは感じましたよ」とフォローしていた。
そんな弱気な態度を見せる奥野さんに対し、武田さんが「奥野くん、主役なんだからもっと堂々して!」と檄を飛ばすと、大東さんが「お前ら裏で圧力かけてるな!?」とツッコミ。慌てた武田さんは「かけてない! かけてない! さっき『あいつら、絶対ぇひと言もしゃべらせない』とか言ったけど、ふざけて言ってるだけで間違った伝わり方してる」と、弁解すると会場に笑いが起こる。
改めてこの映画の見どころを聞かれた渡邊さんが「やっぱり、この3人(ソウゴ、ゲイツ、ツクヨミ)が…」と話し始めると、「同じ事しゃべるなよ」と、奥野さんからのツッコミが入る。他に思いつかずに困った渡邊さんが思わず「でも、そこ以外ない気がして…」と、しどろもどろになると、すぐ隣にいた山口監督が「それ以外ないって事はないだろ」と詰め寄り会場を沸かせた。
焦った渡邊さんが「ああ、あとはエンドロールのところですよね」と山口監督に同意を求めるも、「エンドロール!?」と聞き返されて撃沈。 しかし、これに対して押田さんが「エンドロールでクジゴジ堂に帰るシーンがあるんですよ。4人で揃って、っていうのはテレビシリーズではやった事がなくて、映画で初めてなので、そこぜひ観て欲しいなと思います」と説明してフォローした。これで気を取り直した渡邊さんが「昨日実際に観たら、僕らが(完成前の)取材で話していた事と違ってました。取材では難しい内容だって、みんなで言っていたんですけど、1回観るだけで全然理解できちゃう内容というか、すっと入ってくるような物語だったので、そこも是非注目して観ていただきたいと思います」とジオウチームのトークをまとめた。
–{ビルドチームの見どころは?}–
ビルドチームとしての見どころは牙を抜かれた猿渡と万丈!?
ビルドチームとしての見どころを聞かれた高田さんが「航平さんと赤楚くんと演じたシーンではアドリブ禁止令が出てたので、ビルドならではのアドリブは(他のシーンで)観られます?」と、武田さんに話を振ると、「アドリブ禁止令は、普段僕らがやり過ぎていたから出されてしまって、完全に『牙を抜かれた猿渡一海』と『牙を抜かれた万丈龍牙』です。なので、ちょっと静かに見えるかもしれませんが、本来それぐらいがちょうどいいバランスであって、今まで僕らがやり過ぎてたんだなと、役者として反省させられました。ゼロからやり直そうと思います」とコメント。
これに対して「そんな事はないですよね?」と、司会から確認を求められた山口監督が「そんな事ないと思います。ま…そんな事ないと思います」と、何かを言いかけて言葉に詰まると、すかさず武田さんが「滅茶苦茶(言葉に)詰まっちゃてるじゃないですか!」とツッコミを入れて会場を沸かせる一幕も。
改めてビルドチームの見どころを聞かれた水上さんは「僕はもう、武田くんとの(共演シーン)。ただ、観てないんでね…」と答えつつ奥野さんに向かって「奥野くん、出てた、僕?」と、自身の出演シーンがカットされていないかを確認し、奥野さんの「はい、しっかり出てました」との返しに安心した様子で、「じゃあ、大丈夫です」と実にマイペースなコメントで会場の笑いを誘った。
ゲストの二人と監督の本作へのこだわりとは
本作のゲストとして、スーパータイムジャッカー・ティードを演じた大東さんは、今回の役を演じる上でのこだわりを聞かれ、「僕が学生の時に平成仮面ライダーシリーズが始まって、その時から観ていたので『仮面ライダーはフィクションなのか』といった部分で今回の劇中と重なるところがあります。僕もお客さんとして仮面ライダーを観ていたので、そうした当時の憧れの気持ちも自分の役に活かしたし、タイムジャッカーって何なのかって追っかけてテレビ(本編)を観てましたね」と、仮面ライダーファンであり、ジオウのテレビ放送も観ていることを明かし、「どうやらライダーが未来であまりよろしくない魔王になっちゃってるということで、(役の上で)その時代に僕は生きているので、世界を悪い方向に持っていったやつに対する『俺の方が上手くいくんちゃうんか』っていう気持ちを持って演じた感じですかね」とコメントして笑顔を見せた。
また、ティードの特徴的なビジュアルについて触れられると、「衣装もすごくかっこいいのを用意して頂きました。あとは、どこの国かはわかりませんが闘志を表すために身体にタトゥーを入れたりするので、(オーマジオウのいる)未来の事は分からないですけど、ティードのライダーに対する闘志の表れとして身体にペイントすることを衣装合わせの時に提案させていただきました」と、予告編にも登場する手の甲のペイントは自身の提案によるものである事を明かした。
重要な役どころである高校生・久永アタルを演じた福崎さんは演じた上でのこだわりについて「僕自身、小さい頃から仮面ライダーにハマっていました。今は毎週見るという程ではないんですが、(自分の役が)ライダー好きの少年という事で、その当時の気持ちというか、一視聴者として(ファンの)皆さんと同じ立場に立って、仮面ライダーを好きな少年として映画の中にいられるように気をつけました」と、撮影時を振り返った。
–{山口恭平監督が作品にかけた熱い想いを語る}–
山口監督は、本作へのこだわりについてコメントを求められると「僕は『仮面ライダー龍騎』から助監督として関わらせてもらって、そこから今に至るまでずっと演出家として育ててもらったという恩と、平成仮面ライダーが20作も続けてこられたのは仮面ライダーを愛してくれたファンの皆さんのおかげだと思いますので、是非その恩返しがしたいなという思いで今回(監督を)やらせていただきました。仮面ライダーに対する皆さんの愛と、僕自身の愛情表現でこの映画をつくれたらという部分を意識させていただきました」と、本作に込めた思いを語るも、次第に気持ちが高ぶったのか「懐かしいライダーも出てきますし、自分が好きだったライダーとまた会えますし、もちろんジオウ・ビルドも大活躍しますし、平成ライダー過去の作品からも何人も出てきて大活躍します。乗れる限りバイクも出しましたし、(仮面ライダーの)皆さんキックもバンバン撃ってますし、最後に大爆発もしますので…」と、早口になってしまい、「雑だよ! 監督」と武田さんからツッコミが入って会場に笑いを起こした。
また、平成仮面ライダー20作品で映画が40本作られ3500万人以上が観ているという話を受けて、大東さんは「今回は敵役で入っていたので、それなりの心構えで現場に行ったんですけど、やっぱり現場で初めて仮面ライダーに会った時『うわあっ、ライダーかっこいい』ってなったんです。それと同時に、この映画に関わっているスタッフさん全員が子供たちの憧れを今ここで産んでるんだという責任感を持っていることをすごく感じました。その姿が本当にかっこよくて、俺もこのライダーの名前を背負って頑張らないといけないなという気持ちにさせてくれました」と、撮影現場での体験を振り返り、「今回平成仮面ライダー20作のライダーが全員登場しますけど、そのひとつひとつが歴史であって終わった過去の作品じゃないんだっていう実感があるんです。多分、今、ビルドやジオウから見始めている子供達が初期の平成ライダーを見ても、きっと新しい発見があるだろうし、昔、平成仮面ライダーを観ていた人たちにも新しい仮面ライダーを見て欲しいと思います」と、今回の映画に込めた思いを届けた。
仮面ライダーは時代とともに、いつの時代もここにいる
最後に、犬飼さん、奥野さんに平成仮面ライダー20作の存在についてどう思うか、という質問が投げかけられると、犬飼さんは「平成仮面ライダー、そして、仮面ライダーが本当に色んな人に愛されているんだなという事を感じましたし、仮面ライダーっていうものが時代とともに一緒に生きているヒーローだからこそ皆さんがここまで愛してくれるような存在になったのかなって事に気付かされましたね」と、平成仮面ライダーのみならず仮面ライダーシリーズとして愛され続ける理由についての思いを語った。
続いて奥野さんは「この映画では仮面ライダーはフィクションだという事が1つの大きなテーマになっていますが、ただのフィクションだったら20作という仮面ライダーの歴史が作られなかったと思うので、『僕たち仮面ライダーはいつの時代も確かにここにいるんだぞ!』という存在なんだと思いました」と、映画のテーマに絡めて熱い想いを語ってトークセッションを締めくくった。
フォトセッションでは可愛いハプニングも
トークセッション終了後は、キャストの皆さんと監督が客席に移動し、歴代平成ライダーの印刷されたうちわを掲げた観客とのフォトセッションが行われた。 フォトセッションの最後には主演の奥野さん、犬飼さんの掛け声に続けて全員での発声に合わせてエアキャノンによってメタリックリボンが発射される演出がされた。
本番前の練習では奥野さんの「冬休み映画の王様になる!」、犬飼さんの「仮面ライダー平成ジェネレーションズ!」の掛け声に続いて「FOREVER!」と、観客を含めた全員が声を合わせる事ができたのだが、いざ本場となって、奥野さんが「冬休み映画の王様になる!」と発声した直後に客席のちびっ子が「ふぉーえばー」と、まさかのフライング。 この可愛らしいハプニングに登壇者も思わず顔をほころばせていた。
仕切り直しの2テイク目ではしっかりと全員で声を合わせる事ができ、エアキャノンが発射されると会場は歓声に包まれ、初日舞台挨拶が締めくくられた。
映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』は、絶賛上映中。
(写真・取材・文:いぢま)