■オジンオズボーンオジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会
現在日曜朝9:00からテレビ朝日系で放送中の『仮面ライダージオウ』。本作は、平成仮面ライダーの力を使うことができる仮面ライダージオウが最善最高の王となるべく、時空を行き来しながら、歴史を改変しようとするタイムジャッカーが生み出すアナザーライダーと戦う物語。
そんなジオウたちがメインライダーとして登場する映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER(フォーエバー)』は、平成仮面ライダーがすべて登場することや、スーパータイムジャッカー・ティード(大東駿介)が仮面ライダーの歴史ごと消そうとするというストーリーが話題に。平成仮面ライダー20作を記念する映画として、盛り上がりを見せています。
そこで、これまで数多くの平成仮面ライダーを生み出し、『ジオウ』のプロデューサーとして本作を手がける白倉伸一郎プロデューサーと武部直美プロデューサーに、「シネマズプラス」で特撮コラムを連載中のオジンオズボーン・篠宮暁が直撃! 『ジオウ』そして『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』について、ファン目線でお話を伺ってきました。
オジンオズボーン・篠宮暁(以下、篠宮):映画の前に、『ジオウ』本編のお話を伺いたいです。取材時点では9話まで放送されていますが、手応えはいかがですか?
白倉伸一郎プロデューサー(以下、白倉P):どうですか? 武部さん。
武部直美プロデューサー(以下、武部P):設定が難しいので、わかってもらえるかなとか、ややこしいと言われてしまうかなという気持ちもありましたが、思っていた以上に面白いという声をいただいていますね。
篠宮:正直、最初はちょっとややこしいなと思ったんですけど、3、4話くらいから見方がわかってきました。
武部P:あと、思っていた以上にレジェンドの方がご出演くださったことがうれしいですし、その反響は大きいなと。歴代作品のファンの方々にも喜んでもらっているように思います。
篠宮:『ジオウ』は、レジェンドの方に出ていただける前提でスタートしたわけではないんですか?
白倉P:いえ、ここまでご出演いただけるとは思っていなかったんです。レジェンドキャストが登場しなくても展開する形で考えてはいたけれど、僕らがレジェンドシリーズと考えていたところは結果的に、ほぼほぼレジェンドの方にご出演いただけたという感じですね。
武部P:そうですね。
白倉P:皆さんお忙しいので、この人とこの人の2ショットが見たいということが叶わないとかいうことはあるけれど、仮面ライダーを愛してくださってるんだなぁと思いましたね。
武部P:でも、いろんな登場の仕方ができるというのは面白いところですね。例えば『仮面ライダーOOO/オーズ』で火野映司を演じた渡部秀くんには、もうひとつの未来というか「映司が政治家になったとしたら」という、ifの世界として登場してもらいました。
篠宮:そういったキャスティング方法は『仮面ライダーディケイド』の頃とはまた違う感じですよね。
白倉P:『ディケイド』で、オリジナルキャストではない方々にお願いしているというのは、仮面ライダーのご紹介番組という面があったから。例えば『仮面ライダーキバ』という番組をひと言で言うとこんな感じ、とあくまでその作品を見ていなかった人に対してのまとめサイト的な役割も持たせていたんです。
武部P:2話でわかる「仮面ライダー●●」的な。
白倉P:それをオリジナルキャストでやると、逆に訳がわからなくなってしまう。「前と役が違うじゃないか」と。もちろんお子さんたちが主体だから、『ジオウ』も知らない人が見て楽しめるという前提はありつつ、一方でシリーズの紹介をしようとしているわけではないので、感覚はだいぶ違いますね。
武部P:レジェンドキャストがライダーであるということを語っていないですもんね。『仮面ライダー555』の乾巧(半田健人)の紹介もそうですし、変身もしていないですし。
白倉P:知らなかったら、知らないままでも楽しめる話になっていますから。 武部P:通りすがりのお兄さんでもいいんです。 白倉P:知ってる人にとってはうれしい要素だけれど、知らない人にはライダーとしてではない楽しみ方をしてもらえたらいい。もうひとつ、これまでの冬映画の中でお助けヒーロー的な登場の仕方をしていることにジレンマがあって。出演してくれたことは非常にうれしいことだけど、ヒーローとして駆けつけてくれるとすると、誰でもよくなってしまう。
篠宮:うーん(悩)!
白倉P:『仮面ライダービルド』なら桐生戦兎(犬飼貴丈)、『仮面ライダーエグゼイド』なら宝生永夢(飯島寛騎)と、架空のキャラクターとはいえ、各々の世界の人間として生きている彼らには、ライダーじゃなくても人間としての価値がある。賑やかしのお助けヒーローとしてではなくて、戦兎なら戦兎、永夢なら永夢の、それぞれの人としてのありようみたいなのを描くというのが裏テーマにはあるんです。一応、1〜2話、3〜4話あたりは、新しい仮面ライダー作品としての走り出しということで、この人は仮面ライダーなんだけど、そうじゃなくなって…ということを描いていますが。
武部P:レジェンドライダーの力が失われて、その力でジオウが変身をするという流れですね。 白倉P:5話の乾巧、草加雅人(村上幸平)あたりから、仮面ライダーではなくなっているということに対してどう描けるのか、という延長線上にありますね。
–{「レジェンドから逃げない!」}–
篠宮:その構想というのは、白倉さんがテレビシリーズから離れている間に頭にあったんですか?
白倉P:いえ。かけらも。
武部P:(笑)。
篠宮:なかったんですね! へぇ〜!
白倉P:『ジオウ』を作ると決まってからですね。レジェンド全部を出すというのは考え方としてはあるんだけど、それも大変だし、考えるのも辛くなってきたので、レジェンドという考え方をやめようと思ったんだけど、武部さんから「レジェンドから逃げない!」と言われて…。
武部P:逃げている場合ではありません!と(笑)。
白倉P:ノートに「レジェンドから逃げない!」と書いて(笑)。
武部P:打ち合わせ部屋のホワイトボードにも「レジェンドから逃げない!」と書いたら、今度は田﨑竜太監督から「時間から逃げない」と言われ(笑)。 そう、企画スタートのときはロボットに乗る仮面ライダーでしたもんね。ロボットで巨大戦をするっていう構想が一番最初の最初。 篠宮:それはタイムマジーン?
武部P:そうですね。あとレジェンドライダーの鎧というか、変身スーツもロボットみたいな感じですよね。
白倉P:巨大ロボとか、アーマータイムとか。いろんなロボットやメカを駆使するライダー。
武部P:それぞれのライダーの小さいメカがあるというイメージを出したり、犬みたいなタイプがあったり、いろいろと面白い案がありましたね。
白倉P:ディケイド型巨大ロボとかもね。レジェンドロボシリーズみたいな。 武部P:全部がすごくいかついようなイメージだったけど、どこをどうなったのか…。 白倉P:かけらも残ってないじゃんって(笑)。
武部P:だから、そのレジェンドライダーの鎧もまぁロボの延長ですよね。それを着て戦う。
白倉P:なんでアーマーが自立するんだって(笑)。
武部P:自立したり、飛んできたり。オール20体のロボがいるみたいな。
篠宮:レジェンドや時間から逃げないということと真っ向勝負してるなって感じるんですが、そこはどうですか?
白倉P:…つらいですね。
篠宮:あはは!
武部P:企画側として、どういう企画ってひと言で説明できなくてはいけないっていうのがありますよね。そのときに、『ディケイド』みたいなものを20作でやるんです、というのがいちばんわかりやすいし、受けもよかったんです。
白倉P:通りが良かったですよね。シリーズとしては『ディケイド2』、エピソードとしては『仮面ライダー電王2』。
武部P:電王とかぶるから時間モノはやめよう、とか。そんなこともありましたけど。
白倉P:時間はやめましょうと言ったら、田﨑監督が「顔が時計なのに、時間モノじゃないというのはないでしょう」と(笑)。
武部P:デザインがやっぱり先に決まっているので。なんでそうなったんでしたっけ?
白倉P:平成ってものを、時代ってものをどうしたら仮面ライダーで表現できるんだろうという議論の果てに。 武部P:でも、腕時計は小さくて弱そうなんですよ。そのモチーフだけだとぺしゃっと潰れそうだから、顔にライダーの文字をいれて他にないものにしたという。腕時計だけだと、いかにやっても力強さが出せなかったんですよね。
白倉P:かっこよくはあるんだけど、エグゼイドの眼力に勝てない。
武部P:あと、髪型とかね。
白倉P:レジェンドで並んだときのことを考えると、エグゼイドのインパクトにかなわないっていう(笑)。
篠宮:でも、もう今はそのマスクがカッコよく見えますもんね!
白倉P:不思議なもので。
武部P:あと、子供が似顔絵を描きやすいとか、学校には必ず時計があるので、それを見たら思い出してくれるっていうこともありましたけど。大元は平成を代表するもの、ということでしたね。
篠宮:お二人はAmazonプライム・ビデオでの配信作品『仮面ライダーアマゾンズ』も担当されていらっしゃいましたが、『アマゾンズ』以前、以後で考え方は変わりましたか?
白倉P:変わってはいないと思いたんですが、割り切れるようになっているかもしれないですね。『ジオウ』は日曜午前の番組で、配信ベースの番組『アマゾンズ』とはターゲットが違うし、環境も違う。日曜朝から見たくないあまりに暗いシーンとか、汚い言葉、気分が悪くなるようなことはしないと意識するのは当然のこと。それ以外にもいろんな制約が増えているので、今のテレビを取り巻く環境というものを改めてぶつけられたような気はしますね。でも、『アマゾンズ』を経てきたから、これはこういうものと逆に割り切れる。
武部P:そうですね。別に窮屈な感じはしないですね。変な話、テレビシリーズは武器やフォームがたくさん出てきたり、新しいライダーも出てきますけど、それはそれで盛り上がるので。華やかになって、子供受けもしますし、やっぱり足枷とは感じない。なんか変わりましたかね? 『アマゾンズ』を経て。
白倉P:『アマゾンズ』をやっていなければ、もっとぶつかってたかもしれないですね。
武部P:『アマゾンズ』に比べれば…みたいな(笑)。昔からするとだいぶ変わったなっていう気はしますよね。私も『仮面ライダー鎧武/ガイム』から5年ぶりくらいのテレビシリーズなので。やることが多いといったら変なんですけど、ネットの配信もあって、絶えず何かを発信しつづけてる番組という気がしますね。
篠宮:TTFC(東映特撮ファンクラブ)では、『仮面ライダージオウ 補完計画』を配信していますね。あれは白倉さん発案なんですか?
白倉P:そうですね。
武部P:昔のネットムービーシリーズみたいな感じですね。
篠宮:ありましたね! 『電王』の頃とか。
武部P:『ディケイド』でもありました。あのときもみんなで意見を出し合って作っていました。『電王』のデネブのソフビを作ろう、とか。
–{ゲイツ役・押田岳は『龍騎』の松田悟志と似ている!?}–
篠宮:『ジオウ』主演の奥野壮くんについて、いろんな媒体を見てると白倉さんがべた褒めしてらっしゃる印象なんですが、やっぱりすごいですか?
武部P:白倉さんは最初から推してましたね。
白倉P:真面目な人ですね。
篠宮:やっぱり王様になりたい、っていうのはなかなか突飛な役どころだと思うのですが。
武部P:達観的というか、現実離れしてるというか。 篠宮:それを見事に演じられている。
白倉P:うん。
武部P:最初から、彼にはそんなところがありましたよね。「高校辞めました」って言われて、「え? 両立できるんじゃ?」と凡人は思ってしまうんですが(笑)。
篠宮:押田岳さん演じるゲイツは、白倉さん作品の2号ライダーのいいところが詰まってる感じがします。ザ・2号ライダーという感じで!
武部P:えー⁉︎ そうですか? だって弱いですよ、ゲイツって(笑)。噛ませじゃないですけど、ジオウはあんまり負けられないので。何かというとゲイツが飛ばされて、変身解除してる(笑)。
白倉P:だから最近、ある監督がアフレコ中に「お前、やられが本当にうまいな」って(笑)。
武部P:それをいうんなら、『龍騎』のナイト(松田悟志)とかもめっちゃやられてたわ〜!って、思い出しますね。
篠宮:そう、ナイトの松田悟志さんとかぶるところがあります。
武部P:似てますよね〜。ああいう風にツンツンの髪型にしたら。
白倉P:1話の撮影で初めて現場にきたときに、カメラマンさんが「松田、いや松田じゃない、押田!」って(笑)。
武部P:あはは。田﨑監督も言ってましたよ。この子が最終に残ってます、って写真を見せたら「松田悟志じゃない?」って。「いや、もうちょっと若いです(笑)」って。 篠宮:そうだったんですね(笑)。でも、髪型だけじゃなく、声とか、演技の仕方も似てると思います。
武部P:骨格なのかな。劇中での立場も似てますしね。『龍騎』、懐かしいですね。
–{『平成ジェネレーションズ FOREVER』について語る!}–
篠宮:それでは、映画についてもお伺いしたいのですが、今作の内容はどのように詰めていかれたんですか?
武部P:平成仮面ライダーの本当に最後なので、みんなが駆けつけて、みんなで悪い奴をキックする、っていう映画はダメだ、となって。じゃあ、どうするんだろう、と(笑)。
白倉P:とはいえ、最後に強い敵が出てきて、どんどん駆けつけて…ということに違いはないんです、とか。
武部P:そう。それも大事とか。丸ごと直しを何回もやり、やってもやっても、プロットとか脚本打ち合わせが終わらず…。いつになったら、この台本は出来上がるんだろう…みたいな(笑)。
篠宮:じゃあ、何稿も何稿も繰り返して。
武部P:10稿くらいですね。
篠宮:え〜!!
武部P:「準備期間ゼロの中、ありがとうございました」って監督がクランクアップのときにおっしゃったんですけど(笑)。普通だったら20日間くらい準備期間があるのに、クランクイン前のお祓いをする日にようやくみんなの手元に台本が渡り、撮影と同時進行で打ち合わせとかロケハンをしてたみたいな。
篠宮:時間を扱うという点で、『電王』の映画や『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』が浮かんだんですけど、今回はさらに深いところに挑戦されているなという印象でした。現実と虚構という…。
武部P:そうなんですよね。それ言っちゃっていいんだ、っていうところに切り込んだんですけど。どうですか、白倉さんからこの映画を話すと。
白倉P:平成仮面ライダーという言葉は、もともとファンが言い始めたというか、平成ゴジラとか平成ガメラ、平成ウルトラマンを経て、外からやって来たワードなんですよね。「通りがいいから」と無自覚に使い始めたフレーズでありながら、“平成ライダー何作記念”とか、“平成ジェネレーションズ”とまで言い放ち、ここまで我々が言い続けた平成ってなにさ、と。平成と仮面ライダーの関わりとは? 平成が終わって、時代が終わるということ、それは仮面ライダーにとっていったい何が終わるのか? 当たり前ですけど、平成とはなんなのかということに一回たりとも向き合ったことがなかったんですよね。
『ジオウ』が20作記念と称してレジェンドライダーをピックアップしていくテレビシリーズの役割とは別に、今回この映画でやるべきことは仮面ライダーと平成との関わりをきちんと見つめなおすことだと思ったんです。そこで、平成とは何かを考えると、当たり前ですけど、平成は“現実”なんですね。で、平成という“現実”と仮面ライダーという“虚構”が合わさったときに、平成仮面ライダーという謎の概念が生まれているわけです。どうしたって現実は仮面ライダーの外にあって、我々を含めた視聴者、観客としての現実から目を背けることはできないんです。
篠宮:現実を巻き込む感じが、『超光戦士シャンゼリオン』にも通じるところがあるなと。
武部P:最終回ですね。構造的なお話でした。
篠宮:そういう作り方が白倉さんらしいのかななんて、勝手に思ったんですが。
白倉P:そういう仕掛け的なことがやりたかったというよりも、現実世界っていうものを描きたかったんですよね。でもそれを描くとエンターテイメントにならないので、どうにかそれをエンタメにするために、二重構造とはちょっと違うんですけど、現実と虚構みたいな形に…。『ネバーエンディングストーリー』とか『ドラえもん のび太の魔界大冒険』とかもそうかな? コンセプトとしてはそういうことなんだけど、どうしたらエンターテイメントにできるんだ、っていう。
「平成ライダーとは?」という定義がしたいわけじゃないんですね。要するに現実を生きている視聴者、当時子供で今は大人になったという人もたくさんいらっしゃるでしょうけど、我々を含めてそういう人たちと一緒に仮面ライダーが歩いてきたんだということをきちんとお客さんに返すものにしたかった。
武部P:そうですね。平成の終わりにふさわしい仮面ライダー映画というと、平成ライダーファンに送るというテーマにならざるを得ないというか。『仮面ライダーアギト』とか『龍騎』とかを見てたけど、今は見てないっていう人も含めて、そういう人たちに贈る映画、ということですよね。『電王』を選んだのも時間モノということだけではなくて、子供の頃に『電王』を見てた人は今ちょうど大人になっていて、その世代にもハマるということですよね?
白倉P:そう。大人でもないんだけどね。奥野くんとか、今18歳の子が見ていたのが『電王』とか『キバ』とか。
武部P:2000年にスタートした『仮面ライダークウガ』の歳に生まれ、仮面ライダーと同じ時代を生きてきた子は『電王』くらいがジャスト。
白倉P:奥野くんが『クウガ』を見てないっていうのは、生まれる前に始まった作品だからね。番組は見てないけど、一緒に人生を歩んできているという事実だけはある。そこをどういう風に物語として咀嚼していくのか。そこで、作品としては『電王』、『仮面ライダーW』をフィーチャーしている。
篠宮:脚本を担当した下山健人さんとも、そのあたりのお話を最初にされたわけですか?
白倉P:そうですね。
武部P:そういう話をしているうちに、もう1人の男の子、2000年くらいに生まれた裏ソウゴというか、やはり2000年に生まれて影を歩いてきた存在というのはどうか、という話も出てきましたよね。同じ平成を歩んできた人生といいますか。あと、仮面ライダーの遺伝子が入ってるとか、すべての時代で実は仮面ライダーと会っている男の子とかそういうお話もありましたね。でも、やはり主役となるべき、ジオウとなるべき運命をもった少年、という存在が王様になっているんですね。その辺のところも映画に凝縮されているんでしょうか。
白倉P:その思いはある。 篠宮:映画をみて、お客さんも「このとき、何してた」って思い出すでしょうね。
武部P:それもあると思います。大人になって最近の作品は見ていない、という人たちにみていただけたらうれしいですね。
–{山口恭平監督抜擢の理由とは?}–
篠宮:山口恭平監督を抜擢した理由については?
武部P:頑張って欲しいから。『龍騎』の頃から助監督として現場に入って、ある意味、仮面ライダーを支え、仮面ライダーとともに育ってきて。それこそ柴﨑貴行監督が劇場版デビューをし、上堀内佳寿也監督、杉原輝昭監督と、助監督世代がデビューをして、彼が最後の助監督世代。
白倉P:劇場版の監督はやってなかったんですよね。平成ライダーの歴史といった時に、山口恭平という男が現場を担ってきた、それは間違いない。『龍騎』からずっとやってるのかな。
武部P:すべてを知っている人も少なくなってきましたよね。昔は石田秀範監督といのくままさおさん、柴﨑助監督か、みたいな時代もありましたが。
白倉P:シリーズ全部やってるのは照明の斗沢秀さん、美術の大嶋修一さん、彼らは『クウガ』もタッチしてるから。その二人くらいだと思う。
武部P:そういう意味では、山口監督は長いですよね。
篠宮:歴史をたどっても山口監督が適任ということだったんですね。今回、『ビルド』のキャストも出てますが、いかがでしたか?
武部P:『ビルド』&『ジオウ』という冬映画の意味もあって、たくさん出てますよね。『ビルド』にとっては最後の映画ですし。
篠宮:白倉さんはビルド見てたんですか?
白倉P:なんとなくは。
武部P:いいんですか?そんな発言で(笑)。
篠宮:ジオウメンバーとビルドメンバーの化学反応はみたいなものは?
白倉P:比較するとですけど、ビルドメンバーは年齢が高いので、大人ノリというか。ジオウチームは比較すると若い。大人と子供というほど離れているわけではないんだけれども、お互いに刺激し合うところがあったようには思いますね。
武部P:ビルドチームは落ち着きがありますね。それに、演技が安定してていいなと、TVシリーズを見てる時ときから思ってました。
–{ネタバレを超える今後の『ジオウ』の見どころ}–
篠宮:それでは最後に、これからの『ジオウ』の見どころを教えてください!
白倉P:12月23日放送の16話までが、我々がレジェンド編と呼んでいた『ジオウ』序盤なんですよ。で、年明けからがようやく第2章というか「ジオウ」の本領発揮…とまでは言いませんけども、また新展開が待っています。残念ながら今の時代はネットバレが多くて、事前に情報を知っている人が多いんですよね。この前、街の工事現場の人たちが『ジオウ』がどうのと話していて、てっきり建築用語にもあるのかなって思ってたら、番組の話で。しかも、2月くらいに登場するアイテムの話をしていた。
武部P:ネットを探せばある、っていう感じなんでしょうね。
白倉:でも、そんな先々のことをわかっているつもりの方々をも絶対に、どんな人の予想も裏切るような展開をしていきます。バレ対策でもなんでもなくて、多少のネタバレなんてものともしないですよ(笑)!
篠宮:おぉ! 驚かせてくれる展開が待っているということで、期待してます!!
(撮影:井嶋輝文、インタビュー:篠宮暁、文:大谷和美)
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「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映