2018年公開のマンガ実写映画化まとめ!名作の予感ばかり!?

映画コラム

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2018年も早くも1ヶ月が経ちました。話題作が続々と公開されており、その中には日本が誇る娯楽であり文化であるマンガを原作とした映画も数多くあります。ここでは、2018年に公開されるマンガの実写映画化作品をまとめてみます!

※昨年のまとめはこちら
期待できる?それともイヤな予感しかしない?2017年公開の漫画の実写映画化作品まとめ!

『ちょっとまて野球部!』(2018年1月27日公開 ※上映中)

ちょっとまて野球部! ポスター

(C)2017ゆくえ高那・新潮社/「ちょっとまて野球部!」製作委員会

監督:宝来忠昭
主演:須賀健太、小関裕太、山本涼介

高校3年生最後の夏が過ぎ、残された野球部員たちが織りなすほのぼのコメディ作品です。原作はボンクラな男子高校生らしいクスクス笑えるやりとりで大部分が構成されていました。映画においてもスポ根ドラマではなく、部活内のすったもんだが主軸となっていそうです。

『不能犯』(2018年2月1日公開 ※上映中)

(C)宮月新・神崎裕也/集英社 2018「不能犯」製作委員会

監督:白石晃士
主演:松坂桃李、沢尻エリカ

マインドコントロールを使ってターゲットを狙う殺人鬼と、それを追う女性刑事の対決を描いたサスペンススリラーです。『エイプリルフールズ』や『彼女がその名を知らない鳥たち』などでクズ演技が高く評価された松坂桃李のさらなる飛躍にも期待したいところ。共演者も『ちはやふる』の新田真剣佑や『全員死刑』の間宮祥太朗など豪華です。監督が『貞子vs伽椰子』の白石晃士ということで、エッジの効いた作品になっていることはほぼ間違いないでしょう。

『羊の木』(2018年2月3日公開)

監督:吉田大八
主演:錦戸亮

寂れた漁村が過疎問題を解決するために元受刑者を受け入れ、“町にやってきた6人の中の誰かが殺人犯だ”という疑心暗鬼が起こるヒューマンミステリーです。映画ファンから絶賛された『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が良い意味でのイヤな雰囲気をどのように作り出すか、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平という豪華共演者にも注目です。

『金沢シャッターガール』(2018年2月9日公開)

監督:寺内康太郎
主演:小牧那凪(芸名“のえる”でクレジット)

女子高生たちによる東京の街歩きと隠れスポット撮影を描いた『東京シャッターガール』は、2013年に3人の監督によるオムニバス作品として映画化されていました。その姉妹編を原作とした本作は、金沢在住の現役高校生を中心にしたキャストが出演し、オール石川県ロケを敢行しています。青春映画としての魅力にも期待しています。

『リバーズ・エッジ』(2018年2月16日公開)

監督:行定勲
主演:二階堂ふみ、吉沢亮

原作は若者たちの性や鬱屈した生活を赤裸々に描き、1990年代にカルト的人気を博した作品です。映画も、人間の死体を見つけた秘密を共有してしまう物語を主軸としながらも、過食障害のモデルや、父親の分からない子どもを妊娠する少女などを並行して描く群像劇になっているようです。R15+指定ならではの過激な描写もあることでしょう。『世界の中心で、愛をさけぶ』や『ナラタージュ』の行定勲監督と原作の相性も良さそうです。

『チェリーボーイズ』(2018年2月17日公開)

監督:西海謙一郎
主演:林遣都、栁俊太郎、前野朋哉

25歳にして童貞なボンクラ青年3人組によるコメディ映画です。情けない自分を変えるために一念発起して“脱童貞作戦”に乗り出す、というあらすじにはグッと来るものがありますね。脚本を担当するのは『アズミ・ハルコは行方不明』やテレビドラマ『バイプレイヤーズ』などで監督を務めている松居大悟です。

『花は咲くか』(2018年2月24日公開)

監督:谷本佳織
主演:渡邉剣、天野浩成

アラフォーのおじさんが大学生の青年と出会い、日本家屋に訪問していくうちに、その関係性が親密になっていくというBL(ボーイズラブ)作品です。『動物戦隊ジュウオウジャー』などの渡邉剣と『仮面ライダー剣』などの天野浩成のダブル主演作であるため、戦隊ものの役者が好き合うという内容にもなっていますね。原作は広告代理店の様子がとてもリアルであったので、そのディテールにも期待しています。

『ラーメン食いてぇ!』(2018年3月3日公開)

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監督:熊谷祐紀
主演:中村ゆりか

タイトルだけ聞くとコメディかグルメマンガのようですが、実際の原作は人生に絶望した3者がラーメンに本気で救われていくという一風変わったヒューマンドラマでした(もちろんラーメンも食べたくなります)。確かに、食に対しての欲求は何よりも生きるための希望にもなるのかもしれませんよね。祖父のラーメン店店主役を石橋蓮司、遭難した料理評論家を片桐仁、主人公の親友を葵わかなが演じています。

『坂道のアポロン』(2018年3月10日公開)

監督:三木孝浩
主演:知念侑李

原作はテレビアニメ化もされた大人気作。長崎県の佐世保という舞台と、ジャズの音楽と、父を亡くした少年の心の変化が見どころになっていそうです。監督は『くちびるに歌を』や『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』などで映画ファンからも高く評価されていた三木孝浩ということで大いに期待しています。ディーン・フジオカと真野恵里菜も重要な役を演じているようです。

『ちはやふる 結び』(2018年3月17日公開)

監督:小泉徳宏
主演:広瀬すず

2016年に2部作で公開され、カルタ競技の迫力やキャストの熱演などで絶賛が相次いだ作品の続編です。監督や主要キャストもほぼそのままなので、その面白さはほぼ保証済みと言ってもいいでしょう。前作の物語から2年が経過しており、新入生として連続テレビ小説『あまちゃん』の優希美青や『ミックス。』の佐野勇斗がキャスティングされている他、映画オリジナルキャラクターを『3月のライオン』の清原果耶、史上最強の名人を『森山中教習所』の賀来賢人が演じています。

『曇天に笑う』(2018年3月21日公開)

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監督:本広克行
主演:福士蒼汰

原作はアニメ化だけでなく舞台化もされた大人気作。明治維新後の滋賀県・大津を舞台に、主人公を含む3兄弟、岩倉具視の直属部隊、最強の忍者集団それぞれが、人間に災いをもたらす大蛇を巡って三つ巴の戦いを繰り広げるファンタジー大作になっているようです。本広克行監督はかつて「……」と無言になってしまう作品を連発していましたが、近年では『幕が上がる』や『亜人』などで映画ファンからも評価されているようになっているので期待しています。

『ミスミソウ』(2018年4月7日公開)


監督:内藤瑛亮
主演:山田杏奈

田舎町で苛烈なイジメに合うばかりか、家族を焼き殺されてしまった少女の壮絶な復讐劇を描いた作品です。内藤瑛亮監督は同じくR15+指定がされたマンガの実写映画化作品『ライチ☆光クラブ』でも卓越した手腕を発揮していたので、今回も妥協のない作品になっていることでしょう。タテタカコの主題歌が流れる特報が秀逸な出来で、原作を読んでいた筆者はこれだけで泣きそうになってしまいました。『渇き。』や『ちはやふる』2部作でも素晴らしかった清水尋也の演技にも注目。個人的にはこの記事で挙げた映画の中でもナンバーワンの期待作です。

『いぬやしき』(2018年4月20日公開)

監督:佐藤信介
主演:木梨憲武、佐藤健

機械に改造されてしまった心優しい初老のサラリーマンと、容赦なく人々を殺していく青年との戦いが描かれたSFアクションです。監督は『GANTZ』2部作に続き同原作者の実写映画化を手がける佐藤信介、『アイアムアヒーロー』でもハイクオリティの画を作り上げていたので、その信頼度は半端なものではありません。伊勢谷友介、斉藤由貴、本郷奏多、二階堂ふみら豪華キャストが脇を固めています。

–{あの伝説的な少女マンガも実写映画化!}–

『となりの怪物くん』(2018年4月27日公開)


監督:月川翔
主演:菅田将暉、土屋太鳳

イケメンだけど行動が予想不能で周囲から怖がられている少年と、冷静で淡白かつガリ勉の少女とのラブストーリーです。菅田将暉と土屋太鳳はマンガの実写映画化作品、または中高生向け恋愛映画の常連ですが、その演技力と“まるで2次元”な存在感を見れば、引っ張りだこになるのは納得ですね(さすがに年齢的に高校生役が厳しくなってきたことも否めませんが……)。共演者は古川雄輝や山田裕貴と、これまた豪華です。

『ママレード・ボーイ』(2018年4月27日公開)

監督:廣木隆一
主演:桜井日奈子、吉沢亮

1990年代に絶大な人気を誇った少女マンガの実写映画化です。「互いの両親がそろって再婚をしてしまって一緒に暮らすことになってどうしよう!」というシチュエーションは今でも面白いですよね。昨年および一昨年には『ピーチガール』や『イタズラなKiss』も公開されていましたし、少し前の人気少女マンガを実写映画化する流れも生まれてきているのかもしれません。

『サムライせんせい』(2018年春公開予定)

監督:渡辺一志
主演:市原隼人

実在の幕末志士である武市半平太が、現代にタイムスリップして塾講師として現代社会の疑問を暴いていく姿を描いたコメディ作で、テレビドラマ化もされていました。侍が現代のお菓子職人になる錦戸亮主演の『ちょんまげぷりん』や、古代ローマの風呂技師が現代の日本にやってくる『テルマエ・ロマエ』もそうですが、異なる文化に触れてドギマギしてしまう“カルチャーギャップコメディ”としての魅力が大きそうです。

『恋は雨上がりのように』(2018年5月25日公開)

監督:永井聡
主演:小松菜奈、大泉洋

女子高生が冴えないファミレス店長に片思いをするラブストーリーです。原作からして美麗な画や表情でこそ心情を語る“まるで映画”のような演出が多かったので、実写作品との愛称はとても良いのではないでしょうか。大泉洋は『アイアムアヒーロー』や『青天の霹靂』などでも冴えない中年役が抜群にハマっていたので、今回も適役であることは間違いないでしょう。現在、テレビアニメ版も放送中です。

『BLEACH』(2018年7月20日公開)

監督:佐藤信介
主演:福士蒼汰

原作は死神となった高校生が活躍する大ヒット作です。現時点では監督と主演以外の情報はほとんど公開されていませんが、『鋼の錬金術士』と同様に“実写映画化すること自体が難しい”原作であるため、どのように実写作品としてアレンジするか(または忠実にするか)が評価のカギになってくるでしょう。個人的には原作で頻出する台詞「なん…だと…」が登場するか否かにも注目しています。

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018年7月公開予定)

監督:湯浅弘章
主演:南沙良、蒔田彩珠

1巻完結の原作は、吃音を持つ少女がかわいらしく描かれた優れた青春物語でした。注目は“15歳の美少女がダブル主演”ということ。知名度よりも実年齢を重視し、何より原作マンガから設定を変えずに、しっかりと少女同士の友情を押し出した内容になっていそうです。吃音に悩む方も、きっと勇気づけられることでしょう。ちなみに、同原作者の『スイートプールサイド』も実写映画化されており、そちらは中学生の男の子が女の子のすね毛を剃ってあげることを主題にした、やや変態チックな作品でした。

『虹色デイズ』(2018年7月公開予定)

監督:飯塚健
主演:佐野玲於、中川大志、高杉真宙、横浜流星

少女マンガの実写映画化作品は数多いですが、こちらは男子高校生4人が主人公という異色の内容。人気若手俳優が“カルテット主演”しているのはなんと日本映画史上初なのだとか。原作はコメディ成分が多く、キャラのやり取りが魅力になっているようなので、実写映画においてどれだけ再現されているかにも注目です。

『累 かさね』(2018年9月7日公開)

監督:佐藤祐市
主演:芳根京子、土屋太鳳

醜い容姿にコンプレックスを持っていた主人公が、“魔法の口紅”と卓越した演技力を駆使して舞台女優の道を歩んでいくサスペンスです。特筆すべきは、芳根京子と土屋太鳳が映画『フェイス・オフ』のように“1人2役”だけでなく“2人1役”をこなしているということ。魔法の口紅はキスをした相手と顔が入れ替わるという設定であるため、彼女たちには“同じ人間である(それも2人ぶん)”ことを想起させる演技が必要とされるのです。良い意味でドロドロとした人間ドラマにも期待に胸はずみます。

『響 HIBIKI』(2018年秋公開予定)

監督:月川翔
主演:(現時点では発表なし)

原作は「響~小説家になる方法~」というタイトルで、出版業界が不況に苦しむ現代で、やや非常識なところがある女子高生がベストセラー小説を生み出していくという物語でした。現在は監督が『君の膵臓をたべたい』の月川翔、脚本が『泥棒役者』の西田征史であることが発表されているものの、主演や他キャストはまだわかりません。サクセスストーリーと恋愛要素がどのような配分で描かれるかにも注目です。

『ギャングース』(2018年公開予定)

監督:入江悠
主演:高杉真宙、加藤諒、渡辺大知

原作はノンフィクション書籍「家のない少年たち」を原案としており、生々しい犯罪や、まっとうな社会生活を送れていない少年少女たちの姿が真正面から描かれている作品でした。『SR サイタマノラッパー』や『ビジランテ』で閉塞感の漂う田舎を描いていた入江悠監督の相性も抜群なのではないでしょうか。三者三様の魅力がある若手役者たちの演技も楽しみです。

『ハード・コア』(2018年公開予定)

監督:山下敦弘
主演:山田孝之、佐藤健

1990年に連載された伝説的コミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」の実写映画化作品で、山田孝之と佐藤健が兄弟役を演じています。廃工場で見つけた古びたロボットが現代の科学を凌駕する力を持っており、そのロボットと不思議な友情を築いていく一方で、巨額の埋蔵金を密かに発見してしまう……という一風変わった物語になっているようです。個性派俳優として確固たる地位を築いている荒川良々も、重要な役で出演しています。

まとめ:同じ監督作や同じ俳優の主演作が、こんなにも公開されている!

以上に挙げた作品の他にも、2018年のマンガの実写映画化作品には『プリンシパル 恋する私はヒロインですか?』(3月3日公開)、『honey』(3月31日公開)、『天使じゃないッ!』および『天使じゃないッ!2』(2018年4月公開予定)、『3D彼女 リアルガール』(2018年秋公開予定)、『パーフェクト・ワールド』(10月5日公開)、『ういらぶ。』(2018年公開予定)、『センセイ君主』(2018年公開予定)、『あのコの、トリコ。』(2018年公開)、『銀魂パート2(仮題)』(2018年公開予定)があります。

よほどのマンガファンおよび映画好きであっても「全ては観きれないよ!」と思うほどにたくさんの作品が公開されていますね。

同じ若手人気俳優がマンガの実写映画化作品に続々とキャスティングされるケースも多くなっているようです。例えば、福士蒼汰は『曇天に笑う』と『BLEACH』で、佐藤健は『いぬやしき』と『ハード・コア』で、高杉真宙は『虹色デイズ』と『ギャングース』で、土屋太鳳は『となりの怪物くん』と『累 かさね』で2作ずつマンガの実写映画化作品で主演を務めるほか、中川大志は『坂道のアポロン』に出演で『虹色デイズ』で主演、小松菜奈は『坂道のアポロン』に出演で『恋は雨上がりのように』で主演、古川雄輝は『曇天に笑う』と『となりの怪物くん』に出演しています。

吉沢亮に至っては『リバーズ・エッジ』と『ママレード・ボーイ』と『あのコの、トリコ。』と、1年でなんと3作もマンガの実写映画化作品で主演に選ばれています。

また、佐藤信介監督は『いぬやしき』と『BLEACH』で2作、佐藤祐市監督は『累 かさね』と『ういらぶ。』で2作、月川翔監督に至っては『となりの怪物くん』と『響 HIBIKI』と『センセイ君主』で2018年だけで3作もマンガの実写映画化作品を手がけると、同じ監督が多忙を極めていることも多くなっていますね。

さらに、日本ではなくハリウッド製作ですが、日本のマンガ「銃夢」を実写映画化した『アリタ:バトル・エンジェル(原題)』が全米で7月20日に、日本では2018年夏に公開予定となっています。ヒロインの目が大きく描かれているのは「マンガの目を写実的に見せたい」ということが理由とのこと。それだけでも作品へのリスペクト具合がわかりますね。

近年のマンガの実写映画化作品は、映画ファンや評論家も唸る名作も多くなっています。もちろん過去にはそうではない作品もありましたが、現在は原作への愛に溢れ、キャストとスタッフも最高の作品を作ろうとする志の高さを感じる映画が大半になっている、と言っていいでしょう。2018年も、マンガの実写映画化作品の名作が観られることを期待しています!

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(文:ヒナタカ)