12月29日(金)、映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』大ヒット御礼舞台が東京・新宿バルト9にて行われました。
平成レジェンドライダーがオリジナルキャストのまま、その後の姿として登場することでも話題を呼んでいる本作。舞台挨拶には仮面ライダーシリーズには6年ぶりとなる仮面ライダーオーズ/火野映司役の渡部秀さんとアンク役の三浦涼介さん、仮面ライダー鎧武/葛葉紘汰役の佐野岳さん、仮面ライダーゴースト/天空寺タケル役の西銘駿さん、本作が映画初監督となる上堀内監督の5名が登壇。
登壇した平成レジェンドライダーたちが口々に「ただいま!」と仮面ライダーシリーズへの復帰を込めた挨拶をすると、会場からは「おかえりー!」の声援と大きな拍手が巻き起こり、冒頭から熱気に包まれた舞台挨拶となりました。
フリーター神様の人生クランクアップ!?
挨拶後のトークタイムは、仮面ライダー鎧武/葛葉紘汰役の佐野岳さん、仮面ライダーゴースト/天空寺タケル役の西銘駿さん、上堀内監督の3名による前半と、仮面ライダーオーズ/火野映司役の渡部秀さんとアンク役の三浦涼介さん、上堀内監督による後半に分けて行われました。
前半では、まず、3年ぶりの復活が決まった際の感想を聞かれた佐野さんが「前回出られなかった分、今回出られてうれしい。無事(仮面ライダーに)戻って来られてうれしかった」と率直な感想をコメント。
これに対し、助監督時代からの付き合いである上堀内監督が、現場で「紘汰じゃない!」とダメ出しをしたエピソードに触れて「(雰囲気が変わっていて)心の中で『おっ、ちょっとした登山家が来た』と思ってた」と吐露して会場を沸かせます。
続けて、登場シーンに関して上堀内監督から「(テレビ本編で)神様になっちゃったから、大変だったよね」と振られると、「そもそも神様で出てくるのか、どうしましょう?と、監督とも相談してた。でも、(ファンが)見たいのは元気な紘汰だったり、神様になる前の紘汰なのかなと話し合わせて頂いて、神様だけど格好はああいう形にさせて頂きました」と裏話を披露。
これについて上堀内監督も「実は(テレビ本編でも)あまり神様の紘汰と会ってないんだよね。だから尚更アルバイト紘汰の方を見たかった。(神になって地球に)戻ってきてもフリーター装うんだって(笑)」と、自身の希望もあったことを明かします。
また、アクションシーンについて聞かれた佐野さん。並行世界移動装置の「エニグマ」が現れるシーンについて、「元々、手を振りかざすだけだったんです。でも、折角だからアクションしたいなと、監督に相談したら、当日トランポリンが用意されてました」とエピソードを紹介。
すると、上堀内監督が会場のお客さんに向けて「橋の上で飛んでたじゃないですか、あれ、本当にあのまま橋の上で飛んでるんですよ」と明かすと会場からはどよめきが起きます。
上堀内監督が「ちょっと鈍かったらピョーンと行って、そのままダムの下に落ちてたね(笑)」と続けると、佐野さんが「人生クランプアップでしたね」と返して会場を沸かせます。これには上堀内監督も「違う意味で成長したね〜(笑)」と楽しげでした。
続けて、アクションシーンに関して佐野さんが「久しぶりにライダーキックさせてもらって、久しぶりに(スーツアクターの)高岩(成二)さんともお会いできてうれしかった。鎧武スーツにも高岩さんが入ってくれたので、個人的にすごくうれしかった」と感慨深げに語リます。
司会を務めたプロデューサー・高橋一浩さんは「レジェンドライダーが来るので、変身だけは高岩さん全部お願いしますと言って、無理して来てもらった」と裏話を。上堀内監督から「ぶっちゃけますね、あのMCの方(笑)」とツッコミが入る一幕も。
本物のレジェンドになって帰ってくる
西銘さんは「僕はみなさんから『4回死んでるゴーストって凄いね』ってよく言われるんですけど、神様(佐野さん)を前にすると弱いんじゃないかなと、オーラで負けないように今日も赤い衣装で頑張って来ました。(撮影時も)2年ぶりの変身ということで、すごく気合い入れて現場に行きました」と、そうそうたるレジェンドメンバーに加わった事に、恐縮しきりといった様子。
これに対し、現場での西銘さんについて聞かれた上堀内監督は「変わんねえなと思った。現場で会うと『おはようざまーっす!』っていう感じで、う〜ん、いつもの西銘〜と思った。ただ、変身はカッコ良かったですよ。目つきが違う、やっぱり死ぬのを繰り返すと違うのかなと思った(笑)」と、西銘さんのテレビ本編の頃と変わらない元気な部分と成長した部分の対比をコメント。
これに対し、「何回か消滅させて頂いているので…」と、西銘さんが司会の高橋プロデューサーに恨めしそうに訴えると、「こっち見ないで、今日はMCだから」と切り返されて撃沈。会場には笑いの渦が起こりました。
久し振りに仮面ライダーの現場に帰ってきた感想を聞かれた佐野さん。
「僕が鎧武をやってた当時、カミホリさん(上堀内監督)は助監督だったんで、(監督になって)すごくうれしかった。でも、現場で『監督』と呼ぶのは恥ずかしかった」と、当時を知る上堀内監督の初監督作への出演がうれしくもあり、照れ臭くもありといった本音を明かし、「(上堀内監督は)当時からライダー愛があって、僕たちに寄り添ってくれていた。色々相談すると役者の気持ちをくんでくれて、すごくありがたかった。監督になって、一層愛情が増していて、僕たちのパートも変身シーンも役としての葛葉紘汰としても(単なるゲストではなく)しっかりと扱ってくれたのでうれしかった」と続けて、会場からは大きな拍手が起きます。
これに対し、上堀内監督も「まず、顔が違うんですよ。当時のフリーターが似合っていた紘汰が、顔つきがキリッとして人としても役者としても伸びて帰ってきてくれたのがうれしかった」と応えます。
最後に、西銘さんが「2年ぶりに『平成ジェネレーションズ FINAL』に戻って来られてうれしかった。ライダーの先輩方は本物のレジェンドで、僕はまだまだだなと思った。僕は仮の状態のレジェンドなので、本物を身に付けて10年後、20年後にキリッとした素晴らしい顔つきで戻ってきたいと思っています」とレジェンドとして一層の成長を誓います。
また、佐野さんも「平成ラストという大作に出られて、本当にうれしく思っています。今後も色々なところで皆さんとお会いできるように頑張って行きますので、仮面ライダーと佐野岳をよろしくお願いいたします」と新たなステージへ向けた決意を語ってトークタイムの前半を締めくくりました。
トークタイム後半では、佐野さん、西銘さんに変わって、渡部さん、三浦さんが登壇され、赤裸々なトークが展開されました。
–{「オーズ」パートのトークタイムも必見!}–
まず、6年ぶりのコンビ復活について聞かれた渡部さんは「今日この日まで自然な流れだった。僕もこういう瞬間を待っていましたし、オーズとしてもう一度出て頂けませんか、という話を聞いてから結構色々考えて、りょんくん(三浦さん)に相談するところまでは割とあっという間だった。やりとりしてから衣装合わせまでもすごく早かった。その流れが運命的だったと思います」と、コメント。
三浦さんも「それも、上堀内監督が居なかったら、合わなかったからね」と続け、伝説のコンビ復活の裏に監督の存在があったことを明かします。
これに対し、二人の出演決定を聞いた際の感想を聞かれた上堀内監督は「マジで?!と思った。正直出るとは思ってなかった。(これまでの仮面ライダーシリーズに)なかなか帰って来てくれないから、二人で来るってホントかなと思った」と、当時の心境を打ち明けます。
また、出演を決めるにいたる心境の変化はあったのかを質問された三浦さんは「今年30歳になったんですが、30になった途端にいろんな事を考えはじめて、よくも悪くも、プライベートでもお仕事でも求めてもらえることが減ってきている気がした。そんななかで、待っていてくださる方や求めてくださる方たちがいてくれる間に、何かしておこうかなと思った。全く振り向いてもらえなくなる前に、ちょっと行っとこうかなみたいな感じです」と、少し弱気とも取れる、その心境を打ち明けます。
これに対し、高橋プロデューサーが「何を言ってるんですか。みなさん、アンクだったらいつでも待ってますよね?」と会場に問いかけると、会場からは盛大な拍手と声援が起こり、変わらぬ人気の高さを見せつけてくれました。
今回のコンビ復活のキーマンとなった渡部さんは、本作に臨む際のこだわりについて「りょんくん(三浦さん)が出てくれるって事が決まってから、この日をずっと待ってましたし、(テレビ本編の最終回でアンクの)メダルが割れてからずっと旅に出ていた映司の旅の新たなスタートが切れる良い作品にしたいと思った。りょんくんともすごく考えて、僕たちの中ではアイスキャンディーとか(二人を象徴する)色々なアイテムがあって、そういうのを大事にしていきたいと(テレビ本編の)放送当時から考えていたので、メダル以上に大事なアイテムだなと思って(今回の映画でも)その辺をすごく考えました」と、ずっと大切にしてきた思いを語ってくれました。
続けて「(プロデューサーの)高橋さんと(アンクとの過去の)回想シーンに何を使うかなどのやりとりをして思い入れが強くなった。撮影当時はものすごく楽しみだった」とコメントすると、司会の高橋プロデューサーが「あのシーンは、実は渡部君に選んでもらったんです」と補足し、会場からは納得と感嘆の声が漏れます。
渡部秀がなくしたものは、かわいげ!?
久し振りに現場へ来た感想を聞かれた三浦さんは「緊張はしてました。久し振りだし、みんなどういう感じに出てくるかなと思って多少計ってはいました。お昼ご飯の時にようやく仲よくなれた(笑)。『ああ、よかった、みんな変わってないや』ってなったのがお昼のお弁当の時でした」と久し振りの現場に緊張したことを振り返ります。
また、上堀内監督について渡部さんは「この企画がスタートしてカミホリさんが監督になると聞いたところから僕らは絶大なる信頼を置いているので、そこが(出演を決める)決め手ではあった。(助監督時代の)当時から細かいところを全てフォローしてくださっていたということもあるので、後押しになった」と、上堀内監督への信頼を語りました。
これを受け、現場で彼らにあまり指示を出していなかったことを指摘された上堀内監督は「出すことがなかったですね。こっちも構えて行ったんですよ。(自分が)結構言っちゃうかなと思っていたら、段取りやった時点で『じゃ、それでお願いします』ってこっちがなる。言うことがなくて(笑)」と、オーズチームとしての二人の健在ぶりを賞賛しつつ、「ただ、ひとつ思ったのは『渡部秀、なんだ、この無駄な貫禄は』、何歳だ?ってことですね」とコメントして会場の笑いを誘います。
これに三浦さんも「それは(テレビ本編の)当時からある」と追い討ちをかけると、渡部さんは「当時は(19歳だったので)大人っぽくいなきゃ、引っ張っていかなきゃって思いが強かったから、そういう癖が付いちゃってるんだと思うですよね」と自己分析。
これに対して上堀内監督が「何か、やだもん。かわいげないもん」と拗ねたような態度をとると、何かに思い至ったように三浦さんが「確かにかわいげがない!」と声をあげます。
すると渡部さんは「いや、かわいいですよ、俺」と頬に指を立ててお茶目なポーズをとって反論。
会場からは「かわいい〜!」と歓声が上がりますが、三浦さんは「(テレビ本編の)当時と何がいちばん変わりましたか?って結構質問されるんですよ。かわいげがなくなった。当時はすごくたくさん食べてるとか、かわいげあったのに、『朝はあんまり食べないです』とか『コーヒー飲みたいな』とか言いはじめるんです。そうだ、(変わったのは)かわいげ!」と妙に納得した様子で会場の笑いを誘います。
あの日に置いてきた思いを…
最後に渡部さんが「今回、僕の中でターニングポイントになった。あの日置いてきた思いを、またひとつこうやって、スタッフの方々や共演の方々と共にレジェンドライダーという形で出演することで取り戻した。僕たちも(テレビ放送)当時、先輩役者さんから、励ましやお力添えを頂いて進んできた仮面ライダーだったので、こうして今度は僕らが返していける立場になって、皆様に作品をお届けできるのがすごく光栄です。そして、何よりも今回こうやって、りょんくん(三浦さん)がアンクとして帰ってきてくれて、オーズチームとしてしっかりとした次なるステップを踏めるいい作品になったと思う。また機会がありましたら、りょんくんの力も借りて何かの形で皆様の前に現れたいと思います」と、ファンの皆さんへのメッセージで舞台挨拶を締めくくりました。
今回の舞台挨拶は前後編に分かれていた分、それぞれのコアな話が聞けた密度の濃い舞台挨拶でした。 本作は、現在放送中の『仮面ライダービルド』と前作の『仮面ライダーエグゼイド』の世界が中心となっています。そこへ、平成ライダーに助監督として携わってきた上堀内監督の元に、そうそうたるレジェンドライダー達が集結したことも話題の作品です。
しかも、レジェンドライダーも単なるゲスト出演ではなく物語として十分に描かれた、上堀内監督やスタッフ・出演者の方々の仮面ライダー愛に溢れた作品になっていて、トークタイムからも、そんな仮面ライダー愛がひしひしと伝わってきました。
「ビルド」や「エグゼイド」のファンだけでなく、「オーズ」や「フォーゼ」などをオンタイムで見ていた方々も納得の作品になっていますので、まだご覧になっていないのであれば、是非劇場に足をお運びください。 お子様だけでなく、大人が見ても充分見応えがある作品になっていますよ!
映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』は、絶賛上映中です。
(写真・取材・文:いぢま)