映画『東京喰種 トーキョーグール』が7月29日(土)、遂に世界公開となり、初日舞台挨拶が行われました。
東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われた舞台挨拶では、主演の窪田正孝さんのほか、共演の鈴木伸之さん、桜田ひよりさん、大泉洋さん、村井國夫さん、小笠原海さん、白石隼也さん、そして、本作が長編映画デビューとなる萩原健太郎監督が登壇されました。
『東京喰種 トーキョーグール』ストーリー
物語の舞台は、人の姿をしながら人を喰らう怪人“喰種(グール)”が潜む東京。そこに暮らす読書好きの平凡な大学生である金木研(カネキ)は、ある事件に遭い瀕死の重症を負ってしまうが、同じく瀕死の状態で病院に運び込まれた喰種の臓器を移植されることで一命を取り留めるも、半喰種となってしまう。
人間とも喰種ともつかない立場となったカネキは悩み苦しみながらも、喰種の拠り所となっている喫茶店『あんていく』のマスターや従業員たちに助けられながら、喰種の立場や感情を知り、そして共感していく。
やがて、カネキは喰種を駆逐しようとする人間側の組織『CCG(Commision of Counter Ghoul』と喰種との熾烈な戦いに巻き込まれながら、お互いにとって、あるべき世界を模索していく。
会場に集まったのは「勇気のあるお客様」?
初日舞台挨拶は朝7:45からの上映回にもかかわらず、会場は満席状態で本作の人気の高さがうかがえます。 そして、司会者の呼び込みで主演の窪田さんをはじめ登壇されるキャスト・監督が登場すると満員の会場は大歓声に包まれました。
主人公・金木研(カネキ)役、主演の窪田さんは「7時45分からこの作品を(ご覧になって)凄く濃厚な1日になるんじゃないでしょうか。皆さんにお届けできる日が来たんだという実感が(まだ)無いんですが、お一人お一人に観た感想を聞かせて貰いたい気持ちです」と率直な心境をコメント。
CCGの捜査官・亜門鋼太郎役の鈴木伸之さんは「朝からこんな満席でうれしいです。自分も初日の特別感がありますし、いよいよ皆さんに『東京喰種 トーキョーグール』を観て頂けるだなという期待でいっぱいです」と、期待感を表すも、唐突に「全然関係無いんですけど、今日ドラクエも発売日なんですよ。僕そっちも気になって…」と会場の笑いを誘い、隣りに立つ村井國夫さんから「関係ないだろ」とツッコミを入れられる一幕も。
一方、亜門の上司である真戸呉緒を演じた大泉洋さんは「(観客の皆さんは)7時45分から、この映画をご覧になっていると。7時45分というと言いますと、私が丁度お風呂に入っていた時間でありまして、皆さんが『東京喰種』を観始めた時間に僕はすっぽんぽんだったかと思うと、こんなことじゃいけないなあと思いました」と会場を沸かせると、
「裸でしたからね、私はその時間に。私はすっぽんぽんで」と畳み掛け、隣りにいた窪田さんが「すっぽんぽんはもうイイです」とすかざすツッコミを入れるも、「真戸呉緒がすっぽんぽん」とだめ押し。
「もう今(本作を)観て頂いたということで、この後皆さんはちょっと遅い朝ごはんかランチをするんでしょうけど、(グロテスクなシーンがある本作を観たのに)果たしてご飯が食べられるのか心配です」と最後まで会場に笑いを起こし続けました。
大泉さんの挨拶を受けて、喰種たちが身を寄せる喫茶店『あんていく』のマスター·芳村役の村井國夫さんは「食事はできなくてもコーヒーは飲めるんじゃないですか? 美味しいコーヒーをね」と自身の役に絡めてコメントされ、「7時45分から、(ダークファンタジーな本作を観る)勇気のあるお客様でありがたいです」と大泉さんのコメントに被せて会場の笑いを誘います。
次に、人を襲わない喰種·笛口リョーコの娘・笛口雛実を演じた桜田ひよりさんは「今日は楽しみで、朝からテンションが上がりすぎて(電車で)降りる駅を一つ間違えてしまいました」と可愛らしいコメントで会場を和ませてくれました。
主人公カネキの親友・永近英良(ヒデ)を演じた小笠原海(かい)さんは、「ここ日本から世界に広がる映画ができたんじゃないかと、本当にうれしく思います」と映画の完成度に満足げな様子。
カネキやヒデたちの大学の先輩で、実は喰種である西尾錦を演じた白石隼也さんは、完成の喜びを表しつつ、「こういう場が本当に苦手で、緊張していて、『馬のクソでも食ってるような気分』です」と自身が演じた西尾錦のセリフを絡めて挨拶を締めくくり、会場の笑いを誘います。
最後に、萩原健太郎監督が「撮影を始めたのが1年1ヶ月ぐらい前で、そこから本当に色々なことがあって、ようやく初日が迎えられて、朝早いのにこんなに沢山の方が来てくださって、こんなに拍手してくださって、本当にうれしく思っています」と、ここまでの過程を振り返りつつ感謝の気持ちを。
続けて、「ここにいるキャスト以外にも沢山の方がこの映画に関わってくださっているので、その思いが画面を通して伝わればイイなと思っています」と、スタッフ・キャストの思いが込められた作品であることをアピールしました。
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–{クイズ対決で「大泉劇場」炸裂!!}–
人間VS喰種のクイズ対決!?
通常の舞台挨拶ではその後映画に関する質問や思い入れなどを伺うところですが、今回は上映後ということもあり、人間と人間を喰らう怪人・喰種の対決を描く本作に因んで、キャスト・監督が『人間チーム』と『喰種チーム』に分かれて本作に関するクイズ対決をすることに。
ここで、無事に冒頭の挨拶を終えて気持ちが解放されたのか、大泉さん、村井さんのトークにエンジンが掛かります(笑)。
司会者がクイズの説明を始めると、早速「僕と村井さんは(舞台があって)忙しいんで、帰ってイイですか?」「これからクイズするんですか?」と大泉さんがぼやき始め、「すごい賞品をご用意してます」との司会者の説明に「ああ、そうですか」と大泉さんが引き下がると、今度は村井さんが「誰が貰うんですか? 勝ったチーム? それじゃ(会場の)みんなは喜ばないよ」と司会者を困らせる一幕も。
キャストの皆さんに促されて、ようやく大人しくなったところで賞品が「関係者も監督でさえも貰えない、来場者プレゼントのコースター全種セット」であると発表されると、またしても大泉さんが「こんな事は言いたくないですけど、関係者も貰えないって、そんな事があるんですか!? 僕ら関係者ですよ? 出てるんですよ?」とぼやき始め、会場は爆笑の渦に。
司会者が「全種類まとめては貰えない激レアなものなんです」と説明するも、「激レアにも程が有るな」と最後までぼやきつつ、ようやくクイズが始められました。
1問目の「喫茶店『あんていく』の店長、芳村が淹れるおすすめコーヒーの名前は何でしょう?」という問題に芳村役の村井さんが「僕らは珈琲淹れる勉強に(窪田さんと)二人で行ったんだよ」と自信を見せると、大泉さんが「こっちは監督がいるんだから。ね、監督、ちょっと僕は自分のシーンしか観てないから(お願いします)。自分のシーン以外興味ないから」と監督任せにして再び会場は笑いの渦に。
人間・喰種両チームともに『あんていくブレンド』と答え、正解すると、大泉さんはすかさず「俺は分かってたよ。一番好きなシーンだ」と手のひら返しでまたも会場の笑いを誘います。
2問目は「カネキとリゼの出会いのきっかけとなった、二人が好きな小説家の名前は?」という問題では、両チームとも『高槻泉』と正解を出すも、ひらがなで書かれた人間チームのフリップを見た村井さんが「これ違うわ『つ』の字が小さいもん。たかっきせん!」だとクレームを付けると、「そろそろ舞台行ったらどうですか」と大泉さんが反撃。二人の掛け合いにまたも会場は爆笑の渦に。
3問目の「草場が亜門にオススメするうどん屋のメニューは?」という問題には、大泉さんが「草場なんて出てた?」ととぼけて見せ、窪田さんは「うどんだったかな? そばだったかな? 丼もの? ステーキ屋さんじゃないですか」と惑わせようとするも、正解の『海老天うどん』が出ず両チームとも不正解。決着は最終問題に持ち越されました。
最終問題「真戸さんの奥さんの名前は?」に対し、大泉さんは「こっちには真戸呉緒がいるんだよ?『マドクレのみてくれ』でお馴染みのだよ?」と自信満々。
両チームが出した答えは、喰種チームが『まど かすみ』、人間チームが『まど かすか』と見事に分かれ、勝敗を決する正解は『真戸微(まどかすか)』で、人間チームが1ポイント差の勝利を納めました。
勝利のコメントを求められた鈴木さんは「真戸さんがこっちのチームで、監督も海くんも一緒で、みんなで掴み取った勝ちなので最高です」と喜びを爆発させると、大泉さんも「チームワークの勝利だなあ」とご満悦の様子。
「いやあ、クイズ最高に楽しかったですね。もう終わりですか? もう5〜6門やりたいんですけど」と、大泉さんはクイズを始める時のぼやきは何処へやらといった態度で、またも会場に笑いを巻き起こします。
「石田先生、ボケてないじゃない!」と大泉洋がクレーム?
大泉さん、村井さんのベテラン二人が盛り上げ役になり、大いに盛り上がったクイズ対決が終わると、登壇キャストへのサプライズプレゼントがアナウンス。
ジャパンプレミアの際に窪田さんに贈られたものと同様に、原作者の石田スイ先生がこの映画のために書き下ろしたオリジナルイラストが、原作編集の集英社週間ヤングジャンプ編集部・松尾淳平さんからキャストのみなさんそれぞれに手渡されました。
西尾錦役の白石さんが手渡されたイラストを会場に見せると、会場からは拍手が起こり、他のキャストからも「おー、かっこいい!」と歓声が上がって、白石さんもご満悦の様子。
続いて、イラストを受け取った笛口雛実役の桜田さんもうれしさが溢れるこの笑顔。
そして、前回のジャパンプレミアで一番羨ましがっていた大泉さんは、大はしゃぎで受け取ると「ちょっと、石田先生、ボケてないじゃない! もっとヒドイ『水曜どうでしょう』のだと思って、散々前振りしてたのに」と笑いを取れない悔しさをにじませるも、あまりに格好良く描かれた自分のイラストに「やべえ、カッチェー! 死んだらコレ飾りますわ。お葬式はもう真戸でいきますよ!」と大喜びです。
永近英良を演じた小笠原さんのイラストは色も鮮やかで、キャストのみなさんからも「かわいい!」「ヒデのカラーがある」と歓声が上がります。
芳村役の村井さんもイラストの出来に「ありがたい。先生大好き」とご満悦で、大泉さんからも「日本人じゃないみたい」との感想が聞かれました。
最後にイラストを受け取った亜門鋼太郎役・鈴木さんは、手にしたイラストを見るや否や「マジか! カッコイイ! 俺の絵が一番いいかもしれない」と大喜び。
これには大泉さんも「あれ、こう見ると段々俺のが見劣りしてきたな」「でも、元(絵のモデル)の違いだなあ。石田先生のせいじゃないな」と悔しさを滲ませていました。
『東京喰種 トーキョーグール』を世界へ発信してほしい
締めの挨拶に立った窪田さんは「この作品はダークな部分だったり、人間の裏の部分をむき出しにエンターテイメントとしてお贈りさせていただいてますが、その裏にメッセージという裏の裏があるので、そういった部分も拾っていただいて二度三度と友達やご家族と観ていただけたらうれしいです。みんなで思いを込めて作ったものが皆様の元にお届けできる事をよかったなと感じています。是非、皆さんの手で『東京喰種 トーキョーグール』を世界に発信していただけたらうれしいと思います」と映画に込めた思いを述べて舞台挨拶を締めくくりました。
終始笑いの絶えない明るく楽しい舞台挨拶となりましたが、人間と喰種の存亡を掛けた戦いや、それぞれの愛や悲しみといった重いテーマを持ったヒューマンドラマでもある本作を観た観客にとっては、それを中和するに充分だったのではないでしょうか。
また、登壇されたキャストの皆さんの仲の良さから、本作に関わったキャスト・スタッフの皆さんが如何に団結して本作を作り上げてきたかも垣間見る事ができ、会場にいらっしゃった皆さん益々この映画『東京喰種 トーキョーグール』への思いを強くしたのではないかと感じられる素晴らしい舞台挨拶となりました。
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(写真・取材・文:いぢま)