(C)2016 TOHO CO.,LTD.
公開直前までベールに包まれていた『シン・ゴジラ』が、ついに封切され大きな話題を巻き起こしている。
本作は、戦争と核の恐怖の記憶から間もない頃に作られた『ゴジラ』(1954年)と同様の精神を宿し、2011年の「災後」を経た現代の日本だからこそ作られた、「ゴジラ(想定外の国難)が現れた時、この国はどう対処出来るのか?」を問う映画だ。
ただアップデートするだけではなく、神のような完全な生命体であり、また破壊と平和利用という核が持つ二面性といったゴジラの根本的なエッセンスを、1本の映画で見事に表しているのも感心。
そのほとんどは政治家と関係者たちのディスカッションが続く、『ゴジラ』映画、怪獣映画としては異色の作品だが、素早いカッティングに早口の会話劇が織り成すテンポがスピーディーで気持ちが良い!
まさに未曾有(みぞう)と言える危機に対して、官民一体となって日本が総力戦を展開する様は、あの春に惨事を食い止めるべく奮闘した勇気ある人々を彷彿とさせる。
しかし、まだ深刻な事態は現在進行形で続いており、それはスクリーンの中だけではなく、現実でもそうだったことを思い出させられるラストは、現実と虚構がせめぎ合う本作ならではの戒めではないだろうか。
ゴジラが商品を持つ!『シン・ゴジラ』の印象的なタイアッププロモーション
そんな本作のキャッチコピーは、ズバリ「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」。『シン・ゴジラ』ではこのキャッチコピーをその企業・自治体に合わせてアレンジしたタイアッププロモーションを、まさに総力戦のごとく様々な業種で展開している。
さらに、本作のタイアップで特徴的だったのはゴジラの手にタイアップ先の商品や、イメージさせる物を持たせたビジュアルを多く展開していること!
劇中のあの恐ろしい姿はそのままに、スケール感を無視して商品を持ったビジュアルは、インターネット上でのいわゆる「クソコラグランプリ」的な唐突さに面白みがあり、話題性を創出している。
通常の映画タイアッププロモーションでは、その映画のポスターをはじめとした宣伝用の画像素材をそのまま使用することが多い中、こうした特殊な見せ方が出来たのは、製作・配給の東宝が自社で著作権を持つゴジラだからこそ出来たのだろうと思われる。
ゴジラにここまでやらさせて良いかという是非は置いておいて、目を惹いて話題になりやすいクリエイティブが多かったということは、第一に消費者に注目してもらう必要がある広告においては有効な施策だったと思う。
ここでは、発見出来た限りではあるがそんな『シン・ゴジラ』のタイアッププロモーションの数々を一挙に見てみよう。
※実施期間も含めた詳細なプロモーション内容は、各リンク先でご確認ください。
ゴジラで遊んじゃってるタイアップ編
まずはゴジラに色々なものを持たせたり、顔をいじってしまった広告ビジュアルのタイアップを列挙してみよう。
西川リビング
キャッチコピー:「西川リビングのクール寝具 対 熱帯夜。」
寝具メーカーの西川リビングは、クール寝具で夏の熱帯夜を迎え撃つというコンセプトで『シン・ゴジラ』とタイアップ。
『シン・ゴジラ』とかけて「COOL寝具・ゴジラ」という題した広告ビジュアルでは、なんとゴジラも快適に眠っている!『シン・ゴジラ』のゴジラの目は人間の眼をモデルにしているが、目をつぶったかわいらしいまつ毛まで描き足され、「Zzz」と完全に沈黙(熟睡)してしまっている…
オリジナルの映画ポスターの背景が赤に対し、涼しさをイメージさせるさわやかな青に変えられているのも、クール寝具という商品特性ならでは。
ロッテリア
キャッチコピー:「飲む(ドリンク)か喰う(バーガー)か。」
「ロッテリア対シン・ゴジラ」と題したこのキャンペーンのビジュアルは、ゴジラが絶品チーズバーガーとドリンクを持っている!
その短い腕では口まで届かなさそうだが…ゴジラは口から捕食する必要はあるのか?と、本作のゴジラの短すぎる腕の存在に疑問を投げかけるようなビジュアルだ(考え過ぎ)。
そんな本キャンペーンでは、「シン・ゴジラバケツポテト」、「シン・ゴジラバケツチキンからあげっと」、「シン・ゴジラバケツジェラート」という、特大サイズのコラボレーション商品が登場。
また、ゴジラのほかにモスラや、キングギドラ、メカゴジラといった人気キャラクターがデザインされたグッズが付いてくる「シン・ゴジラセット」も発売。
さらに、今年2016年4月1日のエイプリルフールネタとして発表され、その後実際に様々な商品を展開している一大プロジェクト「ゴジラ対エヴァンゲリオン」のゴジネルフマークがデザインされた「ゴジネルフ ツールボックス ロッテリア特別セット」が一部店舗限定で販売されるなど、力の入ったコラボレーションが展開されている。
–{映画館!大阪!タワレコも!}–
イオンシネマ
キャッチコピー:「ホットドック対ゴジラ。」
な、な、なんとゴジラがホットドッグを!?ゴジラが食べたくなるほどボリュームMAXな『シン・ホットドッグ』は7/1(金)より販売開始!【特製ミニカレンダープレゼント&特製ドッグバッグでご提供】というオマケつき☆ pic.twitter.com/nDZLqlRQH4
— イオンシネマ福岡 (@ac_fukuoka) 2016年6月28日
シネコンチェーンのイオンシネマの売店では、「シン・ホットドック」を販売!ゴジラの尻尾をイメージさせるような、長いソーセージが特徴的。
http://www.aeoncinema.com/store/images/sgz_hotdog_l.jpg
ポスターでは、ゴジラがしっかりと「シン・ホットドック」と、購入するともらえる限定ミニカレンダーを両手に持っている。ゴジラさん、完全に自分の商品の宣伝じゃないですか…
大阪府 大阪880万人訓練
キャッチコピー:「大阪対災害。」
大阪府民の災害時の自助意識を高め、人的被害を軽減するため9月5日(月)に実施される「大阪880万人訓練」と『シン・ゴジラ』のタイアップポスターでは、ゴジラが非常用持出袋と懐中電灯を持っている!「災害はお前やろ!」というツッコミ待ちのような、ある意味大阪らしいポスターだ!
劇中では、ゴジラは東京周辺を襲撃しており大阪には直接的な被害の描写はない(西日本に東京からの避難民が押し寄せ、混乱状態であることは語られる)。
川を遡上して折り重なる船、瓦礫の山に停電、そして防護服に放射能と、311のイメージが随所に散りばめられ、慄然とさせられる本作。
巨大不明生物は虚構かも知れないが、大規模災害は現実の日本で起きている。大阪府民、東京都民だけではなく、日本全国が今後発生し得る災害に備えていくべきだ。
タワーレコード
キャッチコピー:「諦めず、最後までその在庫を探そう」
タワーレコードの他店舗在庫お取り寄せサービス「在庫発見伝」とのコラボポスターでは、ゴジラはタワーレコードの黄色い手提げ袋を持って、どうやら買い物帰りの様子。
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注目すべきは、キャッチコピーの「諦めず、最後までその在庫を探そう」!
これは、店頭にない商品を全国のタワーレコードから探し、受け取り希望店舗までお取り寄せできるサービス内容を示したものだが、矢口蘭堂(長谷川博己)の熱いセリフ「諦めず、最後までこの国を見捨てずにやろう」にかけている!
映画を見た人なら、思わず、うなずいてしまうタイアップのコンセプトだ!
an
キャッチコピー:「現像(カメラ)対虚構(ゴジラ)。」
アルバイト情報のanでは、『シン・ゴジラ』レッドカーペットイベントのカメラマンのバイトを募集。キャンペーンタイトルは、「シン・カメラマン」!タイアップビジュアルでは、カメラを首から下げたゴジラが!
豪華キャストが集うレッドカーペットのシン・カメラマン募集!
カメラの経験や知識は一切不問だよ!#シンゴジラ #an #カメラ対ゴジラ @godzilla_jphttps://t.co/pddpnzgJB4 pic.twitter.com/4I2Hbch7VY— アンドー(an) (@weban) 2016年7月14日
anはこれまでも様々な映画と、作品にちなんだバイトを募集するタイアップを行っており、今回も過去の企画とほぼ同種の内容。
それにしても、「カメラ対ゴジラ」というキャッチコピーは一瞬、日本の二大怪獣夢の対決かと空目してしまう…
※応募はすでに終了しています。
–{雨戸!パルコ!スパも!}–
あんみつ雨戸
窓ガラスメーカーのあけぼの通商が販売する「あんみつ雨戸」の広告クリエイティブでは、両手に「あんみつ雨戸」を抱えたゴジラが!そんなに雨戸が欲しかったのか!
また、タイアップCMでは窓ガラスが割れるシーンを用いて逆説的に商品の強さをアピール。怪獣による破壊が描かれる映画であれば、「物が壊れるシーンがあるのはNGで…」とタイアップが敬遠されてしまいそうなものだが、そんな思い込みをひっくり返すプロモーションだ!
パルコ
パルコでは、恒例となっている夏のグランバザールにて『シン・ゴジラ』とタイアップ。パルコのキャラクターであるパルコアラのチェックの耳が付いている、茶目っ気のあるゴジラが広告に登場!
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http://www.parco.co.jp/pdf/jp/cname_20160615123041.pdf
CMでは、巨大なパルコアラがゴジラを迎え撃つ!劇中の1シーンにパルコアラが合成されていて、なかなか大胆なタイアップCMになっている…
また、渋谷パルコの看板はゴジラによって破壊されている!思わず写真に撮りたくなるSNSでの拡散が狙えそうな仕掛けにより、8月7日(日)からの立て替えに伴って一時休業となる渋谷パルコの良い盛り上げとなっている。
名古屋パルコにも「シン・ゴジラ」襲来!!西館壁面に巨大ゴジラが登場!ロゴが破壊されてるっ!! pic.twitter.com/DPejIEbxf1
— ゴジラ (@godzilla_jp) 2016年7月1日
そして名古屋パルコでも、あたかもゴジラが、パルコのロゴを破壊してしまったかのような演出が!高感度な客層が多く集まる商業施設の壁面を、ダイナミックにデコレーションしたのは作品の露出につながるだけではなく、ゴジラらしさのある展開だ。
箕面温泉スパーガーデン
大阪の温泉テーマパーク「箕面温泉スパーガーデン」では、『シン・ゴジラ』公開記念タイアップイベントを実施。
イベントのビジュアルは、ゴジラが風呂桶と手ぬぐいを持っている!え~っと、ゴジラさんが入れるようなサイズの温泉はないと思います…
このイベントでは、歴代ゴジラポスター展やフォトコーナー、オリジナルグッズが当たるゴジラクイズといった企画を実施。
–{お菓子!メロンパン!ビームスも!}–
様々な対決!タイアップ編
映画のキャッチコピーを活かしたタイアップでは、様々な対決が繰り広げられている!
おやつカンパニー
キャッチコピー:「アナタ対辛(シン)ゴジラ。」
駄菓子でおなじみのおやつカンパニーは、ベビースターラーメンやブタメンにてコラボ商品を発売。「アナタ対辛(シン)ゴジラ。」というキャッチコピーの通り、コラボ商品のコンセプトは「辛さ」。
というわけで、「ゴジラも火を吹く」とパッケージに記載されている「ゴジラブタメン」を食べてみた。
スープの色は通常のブタメンよりも赤みが増しており、飲んでみると確かに辛い!ミニサイズの駄菓子カップメンという見かけにだまされてはいけない!他のカップラーメンメーカーが発売している、同様のスパイシーさが売りの商品を上回る辛さ。後からくるタイプの辛さで、あっという間に汗が噴き出てくる!
「ゴジラブタメン」、かなりの強敵だったので立ち向かう際には(自分を)冷却する作戦を立てて臨もう。
リョーユーパン
キャッチコピー:「メロンパン対ゴジラ。」
西日本で展開するパンメーカー「リョーユーパン」では、『シン・ゴジラ』とタイアップしたその名も「ガオーショコラ」を発売。
http://www.ryoyupan.co.jp/news/docs/gaochocolat.pdf
リョ―ユーパンとシン・ゴジラのコラボ商品「ガオ―ショコラ」が
本日7月1日より発売!※販売エリアは、九州、中・四国、関西の一部です。
詳しくはコチラ⇒ https://t.co/gXKDP6zgOS#シンゴジラ #ゴジラ pic.twitter.com/JsfkRIEhUt
— ゴジラ (@godzilla_jp) 2016年6月30日
チョコとココア入りのクッキー生地の黒いメロンパンで、その見た目はゴジラの表皮のよう…
ビームス ジャパン
キャッチコピー:「ビームス対ゴジラ。」
新宿の「ビームス ジャパン」では、「シン・ゴジラ展」を開催。
新宿・BEAMS JAPANで映画『シン・ゴジラ』展開催!
限定アイテム販売の他、1/60サイズ シン・ゴジラ像も登場!https://t.co/VFUJTDd6ad#シンゴジラ #ゴジラ pic.twitter.com/QANXgatbN5— ゴジラ (@godzilla_jp) 2016年7月12日
「1/60サイズ シン・ゴジラ像」の展示や、限定オリジナルグッズを販売。ビームスならではのストリートなゴジラアパレルだ!
ナンジャタウン
東京・池袋のナンジャタウンでは、「シン・ゴジラ対ナンジャタウン」を開催。「ゴジラ」初のARを用いたアトラクションや、シリーズ歴代怪獣をイメージしたコラボメニュー、ナンジャタウンのキャラクターとゴジラがコラボした限定グッズを発売。
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また、ナンジャタウンがある池袋「サンシャインシティ」内には、まるでゴジラの足で天井が踏みつぶされてしまったかのようなフォトスポットが出現!周囲のガレキもリアルで、何も知らない人が見たら驚くはず!
近畿司法書士会連合会
キャッチコピー:「法律問題(トラブル)対司法書士。」
近畿司法書士会連合会のタイアップポスターでは、「法律相談窓口はゴジラ(こちら)です。」というダジャレが!司法書士の団体としては、なかなかくだけたコピーである…ゴジラのごとくやっかいな法律問題と立ち向かう、司法書士の方々の姿が思い浮かびそうだ。
–{セブンイレブン!そして自衛隊も!?}–
『シン・ゴジラ』のキャラクターの気分になれるタイアップ
映画に登場した商品のほか、登場人物と同じ職業に勧誘する告知まで、映画のキャラクターの気分が味わえそうなタイアップもある。
セブン-イレブン(東洋水産)
コンビニのセブン-イレブンでは「ゴジラ対エヴァンゲリオン」との様々なタイアップを展開。
メカゴジラ初号機VERフィギュア付き映画前売券の販売、オリジナルnanacoカードの発行、『ゴジラ対エヴァンゲリオン』オリジナルノートがもれなくもらえるパンのキャンペーンなど、様々な展開が行われる中で今回注目したいのは、「『ゴジラ対エヴァンゲリオン』フタのせフィギュアプレゼント」キャンペーン!
\ミニサイズが可愛い☆/
映画「シン・ゴジラ」公開特別企画!セブン‐イレブン限定☆対象のカップ麺を2個買うと「ゴジラ対エヴァンゲリオン フタのせフィギュア(全6種)」をプレゼント♪ https://t.co/7jzuOH99wF pic.twitter.com/R69E1owGud— セブン-イレブン・ジャパン (@711SEJ) 2016年7月18日
これは東洋水産のマルちゃん商品を2個買うと、ゴジラやエヴァンゲリオンなどがマルちゃん商品をパロったデザインのカップメン型フタのせフィギュア(お湯を入れて待つ間、カップメンのフタが開かないように置くフィギュア)がもらえるというもの。
『シン・ゴジラ』の劇中では、ゴジラ対策に不眠不休で取り組む政府関係者たちが、東洋水産の商品を食べてひとときの休息を取るシーンがあり、観賞後はなんとなくカップメンが食べたくなってしまった!
マルちゃん商品をセブン-イレブンで買ってキャンペーンに参加すれば、フタのせフィギュアだけではなく、ゴジラ対策に取り組む巨災対の面々の気分でカップメンを食べるという体験も出来るのだ!
自衛隊
『シン・ゴジラ』は、『ゴジラ』映画史上もっとも自衛隊が活写された作品と言える。自衛隊の協力を得たリサーチに基づき描写された、出撃から会敵までのプロセス、そしてようやく下された攻撃命令による正確な一斉射撃…
ただのやられ役でも怪獣の引き立て役でもない上に、攻撃だけが役割ではないと避難者への炊き出しなどを行う姿も描かれ、巨大不明生物が起こす災害に様々な面で対処する雄姿がそこにはあった。
「シン・ゴジラ」、「X-ファイル」それぞれのタイアップポスターを大阪府内の理髪店(全店舗ではない)の店内に掲示していただきます!!ちなみに中の人はX-ファイルをあまり存じていない・・・。笑 最近の子は知ってるのかな??(イッチー) pic.twitter.com/2fBJjzGSTC
— 自衛隊大阪地方協力本部@公式 (@osaka_pco) 2016年7月20日
そんな自衛隊も、やはりというか自衛官募集ポスターにて『シン・ゴジラ』とタイアップ。全面協力映画であるし、これは実にしっくりくるタイアップ…
–{そしてロケ地タイアップ!}–
映画ロケ地タイアップ編
『シン・ゴジラ』の舞台となった場所では、映画公開を記念とした様々な企画を展開。巨大不明生物の爪痕を辿りながら、こうしたイベントに参加すればゴジラ一色の夏が過ごせそうだ。
海ほたる
『シン・ゴジラ』劇中で、最初にゴジラの被害に遭う東京湾アクアライン。この東京湾アクアライン上にある海ほたるパーキングエリアでは、「シン・ゴジラ×海ほたる キャンペーン」を開催中。
「1/60サイズ シン・ゴジラ像」、原寸大のゴジラの足跡、初公開となる『シン・ゴジラ』撮影時のメイキングフォトの展示や、スタンプラリーなど様々な企画を展開。
現地で「こんな海に囲まれた場所で、ゴジラに遭遇したら…」と想像すれば、劇中冒頭のパニックがリアルに感じられそうだ。
大田区
キャッチコピー:「大田区対ゴジラ。」
映画のロケ地となった大田区では、商店街にフラッグを掲出して頭上をゴジラ一色に染めている。
さらに、銭湯の「大田黒湯温泉 第二日の出湯」の浴室内にはゴジラのペンキ絵が出現!
【銭湯NEWS】
映画「シン・ゴジラ」と銭湯がまさかのコラボ! 夏休みは「ゴジラ湯」でひとっ風呂、いかが!? #銭湯 #銭湯サポーターhttps://t.co/Uzfx4QiHBK pic.twitter.com/kZghtiVQw3— 東京銭湯情報 (@tokyo_sento) 2016年7月21日
「ラドン温泉」ならあるが、「ゴジラ温泉」というのは聞いたことないぞ!温泉でゴジラの雄姿をながめるのも、乙なものだろうなぁ…
川崎市
川崎市は、武蔵小杉がゴジラに対する自衛隊の攻撃が行われた舞台となったことで、各地で「1/60サイズ シン・ゴジラ像」の展示や、ゴジラの足跡が出現するほか、川崎ロケパネル展などのイベントを開催。
神奈川県警
さらに、川崎市のある神奈川県警ではサギを防ぐための啓蒙ポスターにてタイアップ!
そのキャッチコピーは、「サギの現実に目を向けろ!虚構の息子が狙っている!今すぐ母に会いに行け!」で、「現実」「虚構」といったワードを上手く組み合わせている。
–{ローカル企業のCMタイアップはじわじわくる}–
じわじわくる!ローカル企業のCMタイアップ編
前述の「あんみつ雨戸」もそうなのだが、タイアップCMを放映しているローカル企業もこの手の大作映画にしては比較的多く見受けられた。いずれもローカルらしさのある、いわゆる「じわじわくる」CMだ。
八幡屋礒五郎
長野県で270年以上の歴史を持つ老舗の七味唐辛子メーカー「八幡屋礒五郎」は、県内でタイアップCMを放送!
老舗の七味唐辛子の会社が、なぜ『シン・ゴジラ』とタイアップするのか…そのコンセプトは、「ゴジラも火を吹く」「辛(シン)・ゴジラ」!おやつカンパニーと同じく、辛いつながりだ!
CMでは、「映画館もいいけど、七味缶もね!」とナレーションがダジャレをたたみかける!…ムリヤリな感じもするが、こうして話題になることで「八幡屋礒五郎」の認知が広まるきっかけが作られるのも、タイアップ効果のひとつだ。
ハタダ
愛媛の製菓メーカー「畑田本舗」では、金時のさぶにて『シン・ゴジラ』とコラボ。その名も「シン・キントキノサブ」!ってそのまんまか!
タイアップCMは、金時のさぶの特徴である「ザクッ」と「ガツン」が『シン・ゴジラ』のシーンとゴジラの鳴き声とともに繰り返される、ゆるめのテイスト!
まだまだあるぞ!その他のタイアップ
上記にカテゴライズ出来ないタイアップも多数あるので、この際だからさらにご紹介!
諦めず、最後の1件まで見捨てずにやろう!
スターフライヤー
航空会社のスターフライヤーでは、機体にゴジラをデザインした「シン・ゴジラジェット」を運航。
ゴジラが空を飛ぶ、とはいえ、口から放射熱線を出して後ろ向きに飛ぶ『ゴジラ対ヘドラ』スタイルではない。
福岡タワー
福岡タワーでは、シリーズ史上最大のゴジラの全長118.5m地点である3階展望室に、ゴジラの巨大ビジュアルが出現!ゴジラと同じ目線で福岡の街を一望すれば、気分は怪獣王?
ちなみに、福岡タワーは『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994年)で最終決戦の舞台の地でもあり、劇中で重要な役割を担っていたシリーズゆかりの場所でもあるのだ。
ビッグボーイ
レストランチェーンのビッグボーイでは、『シン・ゴジラ』コラボキャンペーンを実施。
ワイルドな骨つき肉の「ゴジラステーキ」の販売や、調布店でのラッピング店舗、「ゴジラ対エヴァンゲリオン」グッズが当たるキャンペーンを展開。
Honya Club.com
日本出版販売が運営する「Honya Club.com」では、会員限定で『シン・ゴジラ」非売品グッズが当たるプレゼントキャンペーンを実施。
–{タイアップの狙いとは?}–
『シン・ゴジラ』タイアップの狙いとは
ここまで『シン・ゴジラ』のタイアッププロモーションを洗い出してみると、以下の狙いが浮かび上がる。
●全国展開からローカルまで、幅広い規模のタイアップ展開
●SNSでのバイラル(拡散)への意識
まず、全国に展開する商品や店舗での大型タイアップはもちろん、一部地域でのローカル
展開もキチンと実施していることがわかり、かなり細部までタイアップで宣伝しようとい
う総力戦であったことが伺えた。
さらに、展開内容からはSNSで拡散されることを強く意識していることがわかる。
人が集まる場所(商業施設、ロケ地など)で、写真に撮りたくなるような企画(ゴジラが
ビルを破壊しているようなパルコ、池袋サンシャインの展開など)を行えば、SNSを通して
『シン・ゴジラ』の露出につながるので、その効果は増大されるのだ。
ゴジラが様々なものを持った「クソコラグランプリ」的なコラボ広告ビジュアルも、ネッ
ト上でツッコまれることを意識してのものかも知れない。
映画側から見たタイアップの目的は映画の宣伝なので、公開初日を合わせた3日間の興行
収入が8億円を超え、全国映画動員ランキングで初登場1位を記録したことは、もちろん
タイアップ効果がすべてではないが、予想を上回る良い成果になったと言える。
本稿では企業や自治体のプロモーション広告に絞ってご紹介したが、この他にも、『シン・
ゴジラ』はTVアニメ(「クレヨンしんちゃん」)、キャラクター(「ぐでたま」)、スポ
ーツ(読売ジャイアンツ、川崎フロンターレ)など様々なジャンルでコラボしている。
この夏は現実のプロモーションでも、スクリーンの中の虚構でも、『シン・ゴジラ』を楽
しんでみてはいかがだろうか。
(まとめ・文:藤井隆史)