はじめましての方もそうでない方もこんにちは。
八雲ふみねです。
八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.61
今回は。
ゴールデンウィークは終わっても、まだまだ話題作の公開は続く!
八雲ふみね厳選の3作品をご紹介します。
追撃者
2016年5月14日からシネマート新宿ほか全国順次公開
監督:ジャン=バティスト・レオネッティ
出演:マイケル・ダグラス、ジェレミー・アーバイン、ハンナ・マンガン・ローレンス、ロニー・コックス ほか
©2014 Furthur Films, Inc. All Rights Reserved.
アメリカ南西部のモハーベ砂漠。
日中は気温が50度にもなる広大な地でトレッキング・ガイドをしているベンの元に、ガイドの仕事が舞い込む。
依頼主は、狩猟で訪れた大富豪・マディックだった。
狩猟ポイントに到着するやいなや、物陰で動くものに発砲したマディック。
確認しに行くと、そこには砂漠にいた探鉱者の死体が転がっていた。
警察に通報しよ うとするベンに憤慨し、態度が豹変したマディックは、衣服を剥ぎ取り裸のまま砂漠に放り出したベンにライフルの銃口を向ける…。
本作は、エドガー・アラン・ポー賞を獲得したロブ・ホワイトの小説をもとに人間狩りの恐怖を描いたスリラー映画。
人間狩りに興じるサディスティックな主人公を演じるのは、『ウォール街』や『恋するリベラーチェ』など映画史にその名を轟かせる名優、マイケル・ダグラス。
そしてマディックに“狙われる男”に、ジェレミー・アーバイン。
『野生の馬』でスティーブン・スピルバーグに見いだされた、若き名優。
次世代イケメン俳優としても、要チェックですぞ。
理性を失った狂気の大富豪と、トレッキング・ガイドとしての知恵と生存本能で生き残ろうとする青年との、緊迫感あふれる攻防は見応えたっぷりです!
–{あれから5年が経ちました…。}–
サンマとカタール 女川つながる人々
2016年5月7日からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
監督:乾弘明
ナレーション:中井貴一
出演:阿部淳、石森洋悦、阿部由理、阿部美奈、須田善明、他女川町民約 30 名
©2016 Japan-Qatar Partners
2011年3月に起きた、東日本大震災。
宮城県女川町は津波の影響で住民の1割近くの方が犠牲となり、8割以上の方が住まいを失うという甚大な被害を受けました。
本作は、そんな女川町の復興への軌跡を捉えたドキュメンタリー映画。
中東のカタールからの援助を受け、冷凍冷蔵施設「マスカー」が完成したのを機に、町の主産業であるサンマ漁を通して復興にかける人々の姿。
刻一刻の生まれ変わっていく町の様子。
「千年に一度の町づくり」とも呼ばれている女川町の変化が、静かに、しかし力強く描かれています。
監督は『蘇る玉虫厨子』『海峡をつなぐ光-玉虫と少女と日韓歴史ロマン-』などドキュメンタリー作品を手がけてきた、乾弘明さん。
ナレーションは、中井貴一さんが務めています。
先日、乾弘明監督にお話を伺うチャンスがありました。
「復興は終わってない、まだ始まったばかりだということ。そして、震災の記憶を決して風化してはいけないということを届けたい」と、乾監督。
2年にわたる撮影を敢行した本作からは、人間が持つ底力が感じ取ることが出来ます。
–{コメディかと思いきや、けっこうガチでした!}–
殿、利息でござる!
2016年5月14日から全国ロードショー
監督:中村義洋
原作:磯田道史
出演:阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子 ほか
©2016「殿、利息でござる!」製作委員会
舞台は江戸中期、財政が厳しく重税にあえぐ百姓や町人たちの破産と夜逃げが後を絶たなかった仙台藩。
寂れ果てた宿場町の吉岡宿でも年貢の取り立てや労役で人々が困窮し、造り酒屋の主・穀田屋十三郎は町の行く末を案じていた。
そんなある日、町一番の知恵者で茶師の菅原屋篤平治から、ある提案を受ける。
それは大金を藩に貸し付けて、藩から利息を得るという、計画が明るみになれば打ち首必至の秘策だった。
十三郎と仲間たちは、町を守るために私財を投げ打ち、計画を進めるが…。
「武士の家計簿」で知られる歴史家・磯田道史による評伝「無私の日本人」に収録されている一編「穀田屋十三郎」を、時代劇に本格初挑戦となる中村義洋監督が映画化。
主人公の十三郎に、阿部サダヲ。
ほか、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、松田龍平ら豪華キャストが共演。
どこか憎めない個性的な町人たちを生き生きと演じています。
町を立て直すために1000両(現在の3億円)を用意する…という、途方もない企て。
しかし小額でもコツコツと集めていく、身体を張った町人たちの行動を応援せずにはいられなくなってしまいますよ。
それではまた次回、お会いしましょう。
お相手は、八雲ふみねでした。
八雲ふみね fumine yakumo
大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。