伝説のロック映画『爆裂都市 BURST CITY』のBlu-rayが発売となる。Blu-ray化にあたり、本作のメガホンをとった石井岳龍監督と撮影監督をつとめた笠松則通氏がブルーレイマスター監修を行ったことが報告され、両氏のコメントが到着した。
伝説のロック映画『爆裂都市 BURST CITY』がBD化
映画『爆裂都市 BURST CITY』は、今年、2015年5月に公開された映画『ソレダケ/ that’s it』で、今も熱きロック魂を炸裂させ続けている石井岳龍監督が、1980年に公開の『狂い咲きサンダーロード』に続いて、1982年に公開した伝説のロック映画。
ザ・ロッカーズの陣内孝則、ルースターズの大江慎也、スターリンの遠藤ミチロウ、INUの町田町蔵(現:町田康)など、当時のロックシーンを賑わせていたメンバーが集結した作品で、公開当時のキャッチコピーの通り“映画の暴動”とも言うべき過激さと革新性が詰め込まれた伝説の作品として語り継がれている。
–{両氏からのコメント}–
今回、時を経てブルーレイ化することが決定。オリジナルネガをスキャニングする方法でデジタル素材が作成され、そこから石井岳監督と笠松則通撮影監督が立ち会い、調整作業がなされたHDマスターが完成した。今回発売となるBlu-rayでは、画面の発色や見え方が、石井岳監督と笠松則通撮影監督の制作当時意図していた画面により近づいたものになった。これまで DVDで発売されていた『爆裂都市』とは異なる「新世紀バージョン」といってもいい仕上がりとのこと。
今回ブルーレイマスター監修を終えた、石井岳監督と笠松則通撮影監督からのコメントが到着した。
笠松則通(撮影監督)
オリジナルのネガからスキャンしたデータをもとに最新の技術を駆使した作業により、発色の純度もあがり、当時フィルムで見ることのできたものに近いものが仕上げられたと思います。
この作品は当時、石井監督のエネルギーに引っ張られながら、自分たちの身の丈を超えて挑み、あの時の自分たちの限界に近いものが詰まっている。現場の技術的には稚拙な面もあって、その後カメラマンを続けられないとまで思いつめたものでしたが、今も作品を熱狂的に愛しているファンがいるのが嬉しい驚きです。
自分にとっても愛おしい作品なので、生きているうちにマスターの監修で可能な限りベストな状態に近づけられて良かったです。
石井岳龍(監督)
監督として『爆裂都市』をそれなりの作品にまとめる気は毛頭ありませんでした。当時のイカした仲間たちと、映画でどこまで最果てにいけるかに挑みたかった。
結果、限界を遥かに突破してしまい、収集のつかない混乱状態と帰還不能状態に陥り、契約封切りに間に合わせる為に残された作品は、ぶっ壊れたギャグや、不様で未熟なカオスもそのままに、完成度とは無縁の異様な玉砕状態で、若気の至りの馬鹿エネルギーの竜巻、欠陥もさらけ出す『永遠の未完成』の驚きとして、今でも不敵にアナーキーな輝きを放つ怪物になっていました。
参加してくれた当時の仲間たちの情熱に、改めて、深く深く感謝致します。
『爆裂都市 BURST CITY』Blu-rayは、2016年1月6日発売。