イランの名匠・マフマルバフ監督作、2015年12月12日公開の映画『独裁者と小さな孫』より、本編映像の一部が解禁となった。映像は公式Facebookページから確認できる。
独裁政権が崩れ落ちる
本作は、国を追われた独裁者とその孫の逃亡を描いたロードムービー。独裁政権に支配される国である日、クーデターが起こり、老いた独裁者は幼い孫と共に逃亡を余儀なくされる。彼は多くの罪なき国民を政権維持のために処刑してきた冷酷な男だった。変装で素性を隠しながら、独裁者と孫は海を目指す。二人が逃亡の旅で目の当たりにする驚きの光景とは・・・。絶望か希望か。自らの過去の罪に追われる独裁者と孫の衝撃的な結末とは――。
祖国イランからの弾圧に苦しみヨーロッパで亡命生活を続ける、『カンダハール』『パンと植木鉢』『ギャベ』などで知られるモフセン・マフマルバフ監督の待望の最新作である本作は、平和への渾身の願いを込め未来への希望を描く。2014年の第15回東京フィルメックスで「観客賞」を獲得、ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門のオープニングを飾ったほか、ベイルート国際映画祭でも「観客賞」、シカゴ国際映画祭で「最優秀作品賞」に選ばれるなど、各国の映画祭を席巻した。
–{独裁政権が崩れ落ちた瞬間}–
今回解禁となったのは、物語の始まりとなる独裁政権が崩れ落ちた瞬間を寓話的にきりとったシーン。大統領の持つ力の意味を孫に教えるため、電話一本で街中の電気を消して見せる大統領。孫にもその力を使わせて電気を点けたり消したりさせているさなか、突然街の電気が点かなくなり、街中が暗闇に包まれ銃声が鳴り響くという、物語の不協和音を予期させる映像となっている。
人間愛とユーモアにあふれ、ロードムービーらしいスリルと冒険と希望が詰まった本作。『独裁者と小さな孫』は12月12日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開。
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