監督の発言にチェブラーシカがしょんぼり!? 『ちえりとチェリー/チェブラーシカ』舞台挨拶

INTERVIEW
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10月24日(土)、第28回東京国際映画祭パノラマ部門に選出されたパペットアニメーション『ちえりとチェリー/チェブラーシカ 動物園に行く』の舞台挨拶がTOHOシネマズ新宿にて開催され、ちえり役の高森奈津美さん、中村誠監督、チェブラーシカが登場しました。

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「ちえりとチェリー」は幼い頃に父親を亡くした小学6年の女の子・ちえりが、父の葬儀の時に蔵で見つけて以来友達になったぬいぐるみのチェリーと、父親の法事のため久しぶりに祖母の家を訪れたことをきっかけに空想と現実の狭間で冒険する物語。

「チェブラーシカ」は、風邪をひいてしまった友達のワニ・ゲーナの代わりに、動物園でワニとして働くことにしたチェブラーシカを描いたオリジナルストーリーの短編作品となっています。

中村監督は、高森さんの持つチェリーのぬいぐるみが、この日のために作られた1点ものだと紹介しつつ、「星野源さんじゃなくてすみません」とチェリーの声を担当した星野さんの名前を出して、客席の笑いを誘っていました。

東京国際映画祭のイベントのひとつ「新宿芸術天国」のレッドカーペットを歩いた感想を尋ねられると、「人生の中でまさかレッドカーペットをこの足で踏める日が来ると思っていなかったです。しかも普段頻繁に来る新宿にレッドカーペットがひかれているというのがすごいなと思いましたし、ちえり役で立てることをうれしく思いました」と高森さん。

中村監督は、2010年に作ったチェブラーシカが東京国際映画祭に呼ばれた際にはレッドカーペットを歩けなかったそうで「5年越しに歩くことができたので感慨深かったですね。見慣れてる新宿の街ですが、ちょっと高いところにレッドカーペットがあって、両脇にたくさんの人がいるとなんかすごいなと思いました」と初めて歩いた感想を語っていました。

–{構想は4年前から}–

「ちえりとチェリー」構想は4年前から

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「正直に言うと「チェブラーシカ」の方は2010年に3本作った時に、引退というか次の人に任せようかと思ったんですが」と監督が話し始めると、チェブラーシカは寂しそうに監督を見つめ、その姿を見た客席から笑いがこぼれます。

監督は「ごめん、ごめん」とチェブラーシカをなだめつつ、「ロシアの動物園に行ったときに、チェブラーシカがワニをやるっていうのを思いついちゃった。それで、ロシアで著名なユーリ・ノルシュテインさんや原作者のエドュアルド・ウスペンスキーさんに話したら面白がってくれたので作りました」と思いつきがきっかけだったと明かしていました。

また、「チェブラーシカ」はどうしてもロシアのファンを意識せざるを得ないそうで、一方、羽を伸ばして自分なりの作品を作りたいと挑んだのが『ちえりとチェリー』なんだそう。

こちらはかなり構想を練っていた作品だそうで、高森さんも4年前のパイロット版(人形を動かすための音声ガイドになるもの)から関わっていて、その時は女性キャラクターのほとんどに声を当てていたんだとか。

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高森さんは「世には出ないものとして作っていたので、いろいろなキャラの声を当てさせていただいたんですけど、そのあとで「もしかしたらちえりをやってもらうかもしれない」とお話をいただいて。パイロット版から本編も、というのはあまり聞いたことがなかったので、本当かなと思いながら…。いざ、本編のアフレコまで2年くらいあったので、心の準備は2年間かけてできたと思います」と実際にアフレコに至るまでの経緯をお話していました。

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パペットアニメーション『ちえりとチェリー/チェブラーシカ 動物園に行く』は全国各地のホールや公共施設で上映会を行う「スローシネマ」というスタイルで、2016年2月より公開開始予定です。

公式サイト:http://www.chieriandcherry.com/

(文・写真:大谷和美)

(文:大谷和美)