史上“初”の映画館を舞台としたリアル脱出ゲーム『ある映画館からの脱出』が2015年10月17日(土)〜11月13日(金)の間、東京・丸の内ピカデリーにて開催される。
開催がアナウンスされてからというもの、すでに多くの反響があるこちらのイベント。開催を前に、本企画を共催した株式会社SCRAP、株式会社松竹マルチプレックスシアターズ、そして会場となる丸の内ピカデリーに、シネマズが独占インタビューを行った。
第1回目となる今回は、株式会社SCRAPの西澤さんに本作の魅力、そしてリアル脱出ゲームの今後についてなどお話を伺う。
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「映画館、なんでやってなかったんだろう?」
―今回、映画館とのコラボで行う初のリアル脱出ゲームということですが、どういった経緯で企画が決まったのでしょうか?
最初は松竹マルチプレックスシアターズさんから今回のお話をいただいたんですけど、“脱出”なので、ある空間に閉じ込められて、実際の空間でその謎解きをするっていうのが、ひとつの作り方なんです。遊園地とか東京ドーム、学校とか廃病院とか、わりとみんなが閉じ込められたことがない空間ということでやってきました。ところが、なぜか映画館だけはこれまでやったことがなかったんですよね。
―つまり、SCRAP的にも意外な場所だった?
なぜか映画館だけが抜けてましたね。その話を頂いた時に「映画館、なんでやってなかったんだろう?」ぐらいの気持ちでした。元々映画館自体がすごく魅力的な場所だし、実際に丸の内ピカデリーさんを下見させて頂いたら、空間としてシネコンの無機質な感じではなく、すごくおしゃれな映画館でよかったんです。
僕は、元々映画館大好きなんですよ。週に2,3回は映画館に足を運ぶくらいでして。その中でもこのおしゃれな丸の内ピカデリーでやれるならそれを断る理由なんてなくて、むしろやらせてくださいってなりました。また、場所に依存した脱出ゲームはここ最近SCRAPとしてはやってなかったんで、施設名がタイトルに入るのは結構久しぶりだなと思います。
「それをリアルでやってみたらいいんじゃない?」
―そもそも“リアル脱出ゲーム”というのは、どういったものなのでしょうか?
お客様自身がある空間に閉じ込められて、危機的な状況に陥ります。1時間とかの制限時間があって、その制限時間内に謎や暗号を解き明かして、その危機的状況を打破し、そしてその空間から脱出しなくちゃいけない。お客様が実際に参加して物語を進めていくゲームになります。
–{SCRAPとして新たな試み}–
―“リアル脱出ゲーム”というのは、御社の商標だとお伺いしましたが、どういった経緯で最初企画されたのですか?
社長が、音楽アーティストでもあって、音楽を普及するためにフリーペーパーを作りはじめたんですね。そのフリーペーパーを発行する号に併せて、音楽イベントや、音楽にも関係ないイベントを開催していたんです。それで、その中のひとつとして、リアル脱出ゲームをやったのがはじまりです。
―なぜ“リアル脱出ゲーム”だったのですか?
数年前にインターネットのブラウザ上で、フラッシュゲームとして脱出ゲームが流行ったんです。それが盛んになっていた時に「それをリアルでやってみたらいいんじゃない?」っていう単純な思いつきですね。リアルでやるのでリアル脱出ゲームになったということです。
映画館は日本中にあるので、これが成功すれば――
―今回、どういった感じのものになるのでしょうか。
映画館なんで、映像を使った謎解きになります。これまで演出として、オープニングとかエンディングで映像を使うことはあったんですが、映像自体に謎が組み込まれているというのは新たな試みですね。
―つまりSCRAP的にもかなり楽しみだと
そうですね。映像制作は時間もお金もかかるので、なかなか踏みきれなかったんですけど、せっかく映画館なので、スクリーンの中に流れている映像に謎が隠れているっていうのは、面白いだろうなと思います。
―映像を使うということは、あまり動きまわらないカタチになるのでしょうか?
いい椅子があって、優雅に座れる空間があって、どこに座っていても、まんべんなく観られる映像がある。せっかくの映画館なので、どっしりと席に座って、謎や暗号がたくさん仕掛けられた脚本を片手に映像を眺めながら、解いていく、動きまわらない個人戦という新しい試みになります。
―リアル脱出ゲームファンからしても珍しいものになるのですね
自分たちのテーブルがあって、そこを拠点に謎を解くという形はあるんですけど、その時はチーム戦で6人1チームとかなんですよね。大きな会場、スタジアムとか遊園地とかでやるときは、自分が動きまわって謎を解く個人戦というものはあるのですが、個人戦スタイルで動きまわらないというのは初ですね。
―開催前に聞くのも恐縮ですが、映画館でのリアル脱出ゲームは今後も継続していきたいというお考えはありますか?
よく言われるのが、場所に依存しすぎると、東京などの大都市でしか出来なかったりすることもあって、地方のお客さんが行きづらいなっていう話を結構するんです。全国公演をする場合もあるんですが、場所がタイトルになっている公演ってどうしても地方公演がしづらくて、そういう意味では、映画館は日本中にあるので、これが成功すればですが、そういう展開はしたいなという話しはしています。
–{リアル侵入ゲームを…}–
リアル“侵入”ゲームをやってみたい
―今後、今回の企画のような新しい展望みたいなのはありますか?
既存のタイプの公演もやりつつ、家族で出来るものというのも少しずつ手を出していて、年齢を問わず楽しめ、家族のコミュニケーションツールとしての謎解きになるようなものをもっとやっていきたいと思います。
あと、言語に依存しないものっていうのも、新しく作り出していて、それは外国の方でもプレイ出来る、ある意味世代を問わずというところにも通じるのですが、ある程度コミュニケーションが取れれば、日本語という言語に依存しなくていい脱出ゲームを拡げていきたいなと思っています。
ー他には何かまだ企画として動いてないけどみたいなのはありますか?
脱出じゃなくて、リアル“侵入”ゲームをやってみたいなんて話したりしています。例えば最上階にある、敵アジトの社長室にデータを盗みにいけなんて感じで、アトラクション的謎解きができたら楽しいよねと。角から見てこっちに行けば警備員に見つからないか?金庫のパスワードを解いて社長室に進入して…みたいな。
―それは楽しそうですね。
もうすぐ壊すビルとか、オープン間近の建物でプロモーションとしてとかあれば、いつでも声をかけて欲しいです。
映像と物語と空間の親和性
―最後に、今回の「ある映画館からの脱出」を楽しみにしている人たちへコメントをお願いいたします。
映像にものすごく力を入れて、頑張って制作しています。リアル脱出ゲームTVのチームと撮っているのですが、SCRAPが今までやったことがないくらいの力のいれようなので、映像と物語と空間の親和性をぜひ楽しみに来てほしいなと思います。あと、本当にいい椅子なんで、そこで楽しめるというだけで贅沢です笑
リアル脱出ゲーム『ある映画館からの脱出』好評発売中
リアル脱出ゲームにとっても初めてづくしとなる今回の企画。2015年10月17日(土)~11月13日(金)の期間中、丸の内ピカデリーにて開催される。チケットはすでに発売中なので、気になる方は早めに劇場もしくはプレイガイドでチケットを購入しみてはいかがだろうか。
『ある映画館からの脱出 ―巨匠はその映画館で死んだ。未完成のフィルムを抱えて。』
期間:2015年10月17日(土)~11月13日(金)
会場:東京・有楽町 丸の内ピカデリー(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F)時間:月~水曜日 OPEN 17:30/START 18:00|OPEN 20:30/START 21:00 ※レイト割引有
木~日曜日 OPEN 17:30/START 18:00|OPEN 20:00/START 20:30チケット:イープラス、ローソンチケット、チケットぴあ、丸の内ピカデリー1Fチケット売り場で販売
公式サイト:http://realdgame.jp/eiga/
第二回となる明日は、会場となる丸の内ピカデリーの方に、劇場側として本企画への意気込みや、現在の映画館に対する思いなどを伺う。
第二回はこちら→リアル脱出ゲーム『ある映画館からの脱出』インタビュー企画・丸の内ピカデリー篇
(取材・文/黒宮丈治)
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