映画『天空の蜂』の主題歌『Q&A』発売日の2015年9月9日(水)、ユナイテッドシネマ豊洲併設のカフェ&バーBREATHEにて、同楽曲の発売記念イベントが開催されました。
登壇したのは、主題歌アーティストの秦基博さんと、劇中で航空自衛官を演じた永瀬匡さん。
会場には、多数の応募の中、抽選で選ばれた幸運な40人のファンが集まりました。
会うのは完成披露試写会以来というふたり。
その時には秦さんから永瀬さんの楽屋に挨拶に行ったそうで、「本当は僕から行かなきゃいけなかったのに」と恐縮した様子の永瀬さんは「テンパって、好きです。って言っちゃいました。僕、カラオケに行くと絶対に秦さんの曲を歌うんです」と、実はファンだと告白します。
しかも選曲がなかなかマニアックだったようで、「最近の曲はあんまり知らないんですけど…」と更に恐縮して言う永瀬さんに「“鱗”知ってくれてるだけで十分ですよ!」と秦さん。
「でも、それを言っちゃうとファンの方からのハードルが上がっちゃうんじゃないですか。歌ウマか!?って。今日どこかで隙をみて歌うつもりですよね?」とMCが煽ると、永瀬さんは「本人の前でできる訳ないじゃないですか! 登場しちゃってるんですよ、ご本人!」と焦った姿を見せ、客席からは笑いが起こっていました。
ムチャ振りで永瀬さんが歌声を披露
完成披露舞台挨拶の時に、江口洋介さんをはじめとするキャストも興味を示していたという主題歌作成の裏側について尋ねられると秦さんは「楽曲製作過程の途中のプロセスで曲を書くことは多いんですけど、完成したものを観て書くのは初めてでした。作品を観終わった後の余韻とか何を思ったかというものがダイレクトに自分の中にあるのでやりやすかったです」と回答し。
また、「スリリングさとかスケールの大きさ、登場人物たちの力強さがイメージとして飛び込んできたので、それが「Q&A」のサウンド感につながってきましたね」と話していました。
一方、「Q&A」の感想を求められた永瀬さんは「個人的な感想なんですが、舞台挨拶とかで登場するとき、いきなりサビが流れてそこからステージに出て行くのがすごく気持ちよくて」と、出演者ならではのコメントを。
するとMCが「どんなサビが歌ってもらってもいいですか?」と永瀬さんが歌う流れをムチャ振りします。
戸惑いながら、「愛して 愛して」とサビの歌いだしを歌った永瀬さんへ会場から拍手が起こりますが、「今、試写会よりも緊張してますよ」という永瀬さん。
そんな永瀬さんを見ていた秦さんは「抱きしめそうになりました。“もういいよ、もういいよ”って」と、優しさをのぞかせます。
MVに秦さんの双子が登場?
「秦さんの楽曲というと「ひまわりの約束」とか「水彩の月」とかバラードのイメージが多いと思うんですけど、今回はテイストが違って「おぉ!?」っていう感じですよね。しかも映画のイメージからするともっと重いワードでタイトルをつけることもできたと思うんですが、『Q&A』というのはポップな印象でした」とMC。
秦さんは「社会的なメッセージを持っている『天空の蜂』という映画に対して自分はどんな歌を歌えるんだろうと考えたときに、根源的な人間の持つ矛盾や業を描きたかったけど、シリアスに寄りすぎると聴く人が音楽として楽しめないんじゃないかな、と疑問に思ったんです。なので自分はポップスとして、その楽曲を最終的にどう表現できるかっていうことを意識しました。そういうところが『Q&A』っていうタイトルの響きとか選んだ言葉のバランスみたいなものにつながったのかな。作品自体、これだけのテーマを扱っていながらエンターテイメントとして興奮出来る映画なので、そういうところを楽曲とリンクさせて考えていたのかなって思います」とタイトル、そして作詞の際に考えていたことを話していました。
–{2人にとってのヒーローとは?}–
また、MVのショートバージョンがYouTubeで公開されているということで、「みなさん、観ました?」とMCが客席に問いかけると、「観ました!!」と永瀬さんが元気に答えます。
秦さんは「近いところから声が(笑)」と嬉しそうな様子。
そして、会場ではMVのフルバージョンと秦さんが坂を転がり落ちるアクションシーンのメイキングが公開されました。
「これ、大変だったなぁ~」と語る秦さんですが、転がり落ちた人が起き上がって歩いていくと、そこには、もうひとり秦さんが…。そのシーンは実はスタントマンが撮影していたんだそう。
衣装はもちろん、髪型も同じにセットされていて、ふたりが並んでいる場面でも「双子みたい」と言われるほど本当にそっくり。
「これはどっちが秦さんだ?」とMCが盛り上げると、「気持ち、ぽっちゃりが僕です」と秦さん。
「本当に似ている方を連れてきてくださって、メイクとかが終わって登場した時は本当に、俺が歩いてくるって思いました」と驚いたそうです。
永瀬匡と秦基博にとってのヒーローは?
話題は永瀬さんの演じた役について。
巨大ヘリ”ビッグB”設計者の湯原(江口洋介)の息子・高彦を助けにいく自衛官の上条を演じる永瀬さんは自身の役を「まさにヒーローのような役」と話し、「いつもは自分が演じている映像を見ても、自分だなって思うんですけど、今回初めて自分がやっていると思えなかったんです。他の人がが演じてるんじゃないかって思うくらい客観的に観られたので、役者って不思議だなって思いました。将来振り返った時に特別な作品になると思います」と続けました。
秦さんが「かっこよかった」と言うと、「よしっ! よしっ!」とガッツポーズを取る永瀬さん。それを見て「…ちょっと、どういう気持ちになっていいか」と困惑する秦さんでした。
実際にヘリに乗って滞空撮影したシーン以外に、アップなどはセットで撮ったシーンもあるとのことですが、「どこをセットで撮ったのか分からなくて、すごく臨場感がある」と映像技術を永瀬さんも絶賛。
でも実は、意外にもセットでの撮影の方が大変だったとか。
「乱気流の中助けにいく場面で自分の身体が気流に流されてしまうという再現を、ハーネスで吊られて身動きがとれない状態でブルンブルン回されて。吐き気がもう大変でした」と裏話を披露していました。
そして、そんな永瀬さんの役どころに掛けて、それぞれにとってのヒーローが尋ねられます。
秦さんは「松井秀喜、ゴジラ松井が大好きです」と即答。僕が小学校の頃に甲子園からプロ野球に入られて、少年野球をやっていたので憧れの存在でしたね。ヤンキースの頃は松井さんがホームランを打つと僕のケータイにメールが届くというシステムに登録してました」とのことで、朝起きてメールが届いているとドキドキしながら確認したんだそう。
永瀬さんがちょっと悩みつつ「親父、ですかね」と回答すると、秦さんは「あの、やり直していいですか?」と予想外の答えを聞いてあたふた。
「親父がすごくカッコつけるんですよ。母親と付き合ってた頃の話で、乗ってた車が壊れたって言ったらしいんですけど、実はその車売って結婚指輪を買っていたとか、そういうキザなエピソードを聞いていて。息子として一番近くでその背中を見ているので、男としてかっこいいなと思います」と、永瀬さんが父親に憧れる理由を語っていました。
また、永瀬さんの亡くなった祖父が航空自衛官で、役が決まった時に祖母に報告に行ったというエピソードも飛び出しました。
「祖母が祖父についてノロけだしたんですよ。血のつながった身内にそんな話をできるなんて、よっぽど魅力的な人だったんだろうな、と思って、その祖父のように、高彦くんを助けたいという一心で演じました。それがどう映っているか、見ていただきたいです」と、そのエピソードは役作りにも大きな影響を与えたようです。
–{自分を見つめなおすQ&A}–
永瀬匡「全力で助けますよ!」
新曲のタイトル『Q&A』にちなんで、参加者からの質問に答えるコーナーも設けられ、抽選で選ばれた人にはふたりのサイン入りポスターもプレゼントされました。
「『天空の蜂』は日本の危機的状況を描いた作品ですが、お二人が体験した危機一髪な出来事を教えてください」
秦「トイレをしていた時に急にウォシュレットが動き出したんです。どうやら隣の個室の電波がよすぎて反応してたみたいで。僕は欲していないタイミングだったんですけど、止めちゃうと隣の人が困ると思って、その方が出て行くまでされるがままだったので結構ピンチでした」
永瀬「中学生の頃に車にひかれたことがあります。友達と自転車に乗っていたら、急に飛び出して来た車に後輪を持っていかれて。その時は何が起こったか分からなかったんですけど、気づいたら直立してました。自転車は遥か彼方に飛んでいっていて。僕の後ろを走っていた友達は本体ごともっていかれて、フロントガラスにつっこんで病院に行ったんですけど、僕は無傷でした」
「楽曲の締め切りやセリフを覚えなきゃいけないとき、どうやって自分を追い込みますか?」
永瀬「あんまり追い込まないですね。そこまで何ページにも渡ってセリフが続くっていうのをまだ経験したことがないので」
秦「デビューしてしばらくは追い込む形で締め切りを守れていたんですけど、最近は『俺にはずいぶん早めに締め切りを言ってるはずだ!』って考えてしまうようになったんですね。汚れてしまったというか。なので、追い込んでも出なくなりました。しかも、もはや余裕を持って僕に伝えるということもなくなってしまったので、本気で追い込まれて泣きながら書くだけです」
「『天空の蜂』に携わった感想を聞かせてください」
秦「日本映画の中でもこれだけのスケール感がある大作ですし、社会性のある作品に関われたと思っています。その出会いによって『Q&A』を生み出すことができたので感謝していますし、たくさんの人に見て欲しいです」
永瀬「さっき言ったように自分を自分じゃない感覚で観られたのはこの作品が初めてだったので、すごく客観的に観られましたし、勝手に視聴者に一番近い存在だと思っています。世の中にある、いろんな難しいことを訴えてる作品だと思ったんですが、それを恋人とか家族とか自分の夢の問題に置き換えたときに自分の背中を押してくれる作品だなって。自分を見つめ直すQ&Aというか、自分が今何をするべきか、何をしたいのか、気づかせてくれるような作品だと思いました」
「秦さんが「天空の蜂」でもし役者として演じるなら、どの役をやってみたい?」
秦「高彦くん」
永瀬「全力で助けますよ!!」
秦「助けてほしい、それだけです。何の考えもなしに言いましたけど」
永瀬「僕も他の役をやるなら誰がいいか聞かれたときに、高彦くんっていいました。しかも、助けて欲しいって、全く同じ答えで(笑)」
「「Q&A」の印象に残っている部分は?」
永瀬「“君は手を差し出せるか”っていう歌詞ですね。自衛官役は僕の他にふたりいたんですけど、僕が一番年下で結婚もしていなくて、自分の仕事が一番守りたいものだったり、カッコつける材料だったりすると思うので、そのために手を差し伸ばせたというか。役とシンクロするところもあって、この歌詞が響きましたね」
「「Q&A」の制作で苦労したところを教えてください」
秦「苦労したのは、やっぱり歌詞ですね。映画で扱っている問題も繊細ですし、いろんな問題が複合的にからんでいると思うんですけど、その中で自分は一体何を自分の言葉として言えるのかな、っていうのを探し出して。また、今回は言葉のリズムにこだわったので、そこに乗せたい言葉の響きとかに照らし合わせながら、自分の言いたいことを言うっていうところに苦労しました」
最後の質問が終わると、「永瀬さんは最後に当たった方に歌ってあげたい、って打ち合わせで言ってましたよね?」とMC。
驚きの表情を浮かべる永瀬さんですが、「なんで初めて聞いたみたいな顔してるんですか(笑)」とつっこまれ、覚悟を決めたようです。
永瀬さんが歌い始めると客席から自然と手拍子が起こり、会場に生まれた一体感がまさに大団円といった雰囲気に。最後にふたりがお客さんと記念撮影をして、イベントは幕を閉じました。
サスペンスアクション映画『天空の蜂』は全国ロードショー中です。
ぜひ、秦さんの歌声と永瀬さんの活躍をスクリーンでご覧ください。
(文・写真:大谷和美)
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