みんな汗だくになって…高橋伴明×奥田瑛二が描くエロス『赤い玉、』舞台挨拶

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赤い玉、完成披露 舞台挨拶

2015年9月12日より公開となる映画『赤い玉、』の完成披露上映会が、先日8月25日に東京 シネ・リーブル池袋で行われ、主演の奥田瑛二、ならびに劇中で濡れ場を演じた3人の女優、そして高橋伴明監督が舞台挨拶に登壇した。

20年の時を経て、今だからこそ描くエロス

映画『赤い玉、』は、日本初のヘアヌードで話題を集めた『愛の新世界』から約20年、高橋伴明監督があらたに“エロス”に挑んだ意欲作。主演に奥田瑛二を迎え、誰しも経験する“老い”と“性”をテーマにし、人生の半分を過ぎようとする男たちが、葛藤と焦燥感にさいなまれつつながらも不確かなものを求め続けるさまを描いた。

赤い玉、 奥田瑛二 村上由規乃

奥田『今の日本の映画にはエロティシズムが皆無に等しい』

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

舞台挨拶冒頭、高橋伴明監督は「大学で何本も学生のつくる映画を観ていまして、性表現というものからみんな逃げていると感じたんです。これではいかんと思って、こんな爺さんでも、頑張ってここまでの表現するというの見せたくて、企画しました」と、本作を撮るに至った経緯を語った。

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

続いて挨拶をした主人公・時田修次役の奥田瑛二は「監督がおっしゃるように、今の日本の映画にはエロティシズムが皆無に等しい。それをどうしたらいいかといったら、同い年としては爺さんが脱ぐしかないなと。こういうことを聞いて若い奴らはどういうことを思うかって話」と、監督とともにエロスに体当たりで挑んだ意気込みをみせた。

–{濡れ場でカットがかかると…}–

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

主人公・時田と半同棲をする唯を演じ、本作でも大胆な濡れ場を演じた不二子は「学生さんたちが大勢制作に関わっていて、20歳そこらの女の子や男の子たちが一生懸命やっていました。印象深かったのが、奥田さんはあけっぴろげな方なので、そのままの状態だったのですが、カットと言われた瞬間に“バサッ”とタオルをかけて、それが印象深かったです」と笑い混じりに語ると、奥田瑛二が「あまりに“バサっ”が乱暴すぎたので、もう少し繊細にかけてくれていいましたよ」と語り、会場からも笑いがおきていた。さらに「そういうあけっぴろげな現場でありながら、演じていることは繊細なことです」とエロスが繊細な表現の世界であるとコメント。

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

主人公・ときたが心を奪われ翻弄される女子校生・律子を演じ、本作が映画初出演となった村上由規乃は「映画の現場が初めてで、すごい緊張していたんだんですけど、夏の撮影で熱い中でみんな汗だくになって、私も汗だくになっている時に、奥田さんがアメを持ち歩いていらして、塩レモンみたなアメを下さったのが印象的でした」と奥田瑛二の心遣いに感動したエピソードを披露。

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

奥田瑛二も「水のまないと熱中症になるんだけど、役者としては汗をかくからあまり飲まない方がいい。やっぱり飴がちょうどいいんだな。そういう僕は常に飴を持っております」と照れくさそうに語り「ご覧になるとわかりますが、言葉が適切かわかりませんが“百戦錬磨”の私がびっくりするくらい、不二子もそうですが、彼女(村上)もよろしいです。何がよろしいかと言いますと、多義にわたってよろしい。観終わった後とんでもないことになりますからね。それほどよい女優陣です。まだ大学2年になったばかりの彼女が、女優として完膚なきまでに成立している」と村上の演技に太鼓判を押す。

–{若い草食男子をからかうのも…}–

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

続いて挨拶をした土居志央梨も、撮影時の思い出話を聞かれ「撮影前に、監督とキャスト、スタッフでみんなで近くの神社に行った時、はじめて奥田さんとお会いしたんですけど、榊の葉っぱを捧げる奥田さんの姿がとても美しくて、かっこいいとおもった」と話し、この時からすでに役の世界に入り込むことが出来たと語った。

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

それに対して奥田瑛二も、映画の中で愛人にして欲しいと言われるシーンで、思わず「なれ!」といいそうになったと語り「そう思わせてくれた彼女のリアリズムがとても印象に残っています」と村上の魅力を力説した。

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

MCから「若い草食男子」と「年配男性」のどちらがタイプかとの質問が女優陣に投げかけられると、不二子は「今までは断然年上男性が好きだったんですけど、35になって若い草食をからかうのも楽しいかなと思っています」と色気たっぷりに語り、会場にいた男性たちが思わずドキッとするトークも繰り広げられた。

–{メジャーではない作品が}–

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

舞台挨拶終盤で奥田瑛二は「映画って見終わった後にどう思うかっていうのが、テーマだと思っていて、われわれ同世代の方々は常日頃、そこには定着しなかった意識、阻害したい意識を持って過ごしているんだと思うんです。この映画を見終わった後に、そこに思いをフィードバックして、自分を見つめきゃいかんぞと思う映画だと思います。それが僕としてはすごい切に思うというか、この役をやってよかったなと思います。すごい抽象的なんだけど、極端にいうと『団塊世代のみなさん観なさい!逃げいてる場合じゃない!』ということかな」と語気を強めつつ語る。

さらに「メジャーではない映画が本当に面白い。実際に観ていただくと強烈に感じられるかと思います。観た人の中で『おー!』と思った方が、みなさんに伝えて、面白いなって言ってもらえるとありがたいなと思います」と挨拶を終えると、高橋伴明監督は「奥田さんに、この歳になっても“モテる”秘訣っていうのを教わりました。わたしもこれからアメを持っていたいと思います。今日はどうもありがとうございました」と会場を沸かせ舞台挨拶を締めくくった。

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

奥田瑛二ならびに女優陣が、大胆な濡れ場に体当たりで挑み、高橋伴明監督が描く“エロス”。映画『赤い玉、』は、2015年9月12日より全国ロードショー。

赤い玉、完成披露 舞台挨拶

(取材・文/黒宮丈治)

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