堤監督が江口にトム・クルーズを連発!『天空の蜂』完成披露舞台挨拶

映画コラム
天空

シネマズ公式ライターのアスカでございます。

原発とテロという深刻なテーマにも関わらずエンタテインメントな作品に仕上がっている映画『天空の蜂』。2015年8月20日には完成披露試写会&舞台挨拶が行われ、江口洋介さんと本木雅弘さんらが会場を爆笑の渦に巻き込んでくれました!

『天空の蜂』は超巨大なヘリコプター「ビッグB」を奪い原発を標的にして原発廃棄を訴えるテロリストとそれと戦う人々を描いた作品。東野圭吾の同名小説を『トリック『20世紀少年』で知られる堤幸彦監督が映画化しました。

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登壇者全員の挨拶

舞台挨拶には江口洋介さん、本木雅弘さん、綾野剛さん、國村隼さん、佐藤二朗さん、やべきょうすけさん、松島花さん、落合モトキさん、永瀬匡さん、石橋けいさん、堤幸彦監督、そして、主題歌「Q&A」を手掛けた秦基博さんの12人が登壇。まずはひとりひとりの挨拶が行われました。

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江口洋介「こんばんは。江口洋介です。去年の夏、ちょうど今頃ですけど記録的猛暑とまではいかなかったですが、その暑い中この映画に取り組みました。蜂といっても巨大なヘリですよ。果たして蜂と呼べるのか、ヘリと呼べるのか、デカい科学兵器が対戦相手です。そのビッグBというヘリを設計した男の役を演じています。全国民が人質となるのですが、これがテロと呼べるのか、それがひと言では言えない。作品はジェットコースターに乗ったようなエンタテインメントになっています。それをぜひ大スクリーンで楽しんでください!」

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本木雅弘「私ごとではありますが、この作品が40代最後の作品になります。こんなに大きな作品で、こんなに意義あるテーマの作品に参加できて嬉しく思います。」

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綾野剛「みなさん、こんばんは。(会場を見渡して)ここはどうなってるんですか?こういう風にちゃんと見たことがなかったので。」
佐藤二朗「何の話?大丈夫?(笑)」
綾野剛「心から誇りに思える作品に参加できたと思います。みなさんに訴えかける何か強いメッセージがあると思いますので短い時間ですがよろしくお願いします。」

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國村隼「この映画、扱ってる題材がけっこう微妙なんですが、さすが堤監督が上質なエンタテインメントに仕上げてくれました。」

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佐藤二朗「ここはどうなってるんですか?(会場爆笑)・・・あのですね、この作品は一級のサスペンス
であり、一級の人間ドラマであり、一級の社会派ドラマだと思うですが、僕は作品を観て特筆すべきところは面白いってことです。とにかく面白い。存分に楽しんでください。」

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やべきょうすけ「私ごとですが、来年で芸歴25年を迎えますが、非常に撮影中に困難なことが多発しまして、簡単に言うとNGを連発したってことなんですが(笑)観てくださった方がいろいろなとらえ方ができる作品だと思います。いろいろな話が盛り込まれておりまして、人と人との絆も描かれている作品です。」

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松島花「この作品が初めての映画出演だったのですが、かなりプレッシャーもあり、ワクワク感もありました。実は江口洋介さん以外の方とお会いするのは今日が初めてなので、この日を迎えられて嬉しく思います。」

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落合モトキ「こんな素敵なキャストのみなさんと壇上に並べて最高の気持ちです。この作品を観て、無限の大きな力を感じていただけたら嬉しいです。」

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石橋けい「念願の堤監督の作品に出れて嬉しいです。江口洋介さんの妻役をやらせていただいたのですが、観ていただくとわかるように冒頭からとても冷えきった夫婦なんですね。江口さんの大ファンなのでとても心苦しい複雑な気持ちでお芝居をしていました。」

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永瀬匡「撮影初日のときに僕が衣装を着て行ったら、堤監督からベトナム兵みたいだと言われ、これでつかみはバッチリだなと思って全力で挑みました。この作品は原発という深刻なテーマの作品なんですが、目を背けたらいけない問題だと思うので、この映画を観終わったあとに立ち向かわないといけないなと背中を押してくれる作品だと思います。」

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堤監督「(会場にお客さんが)こんなにたくさんいらっしゃると、これでお客さんが全部なんじゃないかという気がします(会場爆笑)。今日ご覧になって気に入ってもらえたら、1人でも2人でも多くの方に声をかけていただきたいと思います。この作品は東野圭吾先生が20年前に書いた小説が基になっております。まるで未来を予知するような素晴らしい先見性に満ち溢れるような小説でした。この仕事が決まったときに本当に私で大丈夫かなと心配になりましたが、長く一緒に仕事してきたチームで協力し、ひとつひとつ調べ、調査をしてこの作品の撮影に挑みました。つい最近までCGの作業をやっておりまして、それだけ力を注ぎ込んだと思って観ていただきたいと思います。いろいろなメッセージも込められていますが、兎にも角にも楽しんで観ていただきたいと思います。」

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秦基博「完成した映画を観させていただいてからこの楽曲(映画主題歌)の『Q&A』を作らせていただきました。天空の蜂が持つスケール、スリリングさ、そしてメッセージに寄り添えるような曲が作れたらなと思って作りました。ぜひ、映画の一部として聞いていただければと思います。」

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–{江口洋介がまさかのトム・クルーズ!?}–

江口洋介がまさかのトム・クルーズ

挨拶に続いて、トークセッションへ移りました。
堤監督は映画作品が今年3本公開されるうち、これで3本目となる『天空の蜂』。今の感想を求められた堤監督は「私事ですけど50代最後の作品となります。いい還暦を迎えられるといいなと思いますので、ぜひ皆様の力でいい還暦にしていただきたいと思います(笑)」と、作品の成功を祈る様子を見せました。

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巨大ヘリコプター「ビッグB」が大きな鍵となっている本作ですが、ヘリコプターということで高いところは平気ですか?と、秦さんから尋ねられた江口さんは「正直、苦手ですね。スカイダイビングだけは苦手で。それで(ヘリの)撮影に臨んだんですが、最初に監督から『江口さん、今回はCGなしで。』って言われました。」と、まさかのノーCG発言を受けたとのこと。

すると、監督は「トム・クルーズ!トム・クルーズ!」と、スタントなしで飛行機にぶら下がって話題になっている『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のトム・クルーズを例に挙げる場面も。会場には笑いが起こり、監督のジョークを喜ぶ観客が多く見受けられました。

「トム・クルーズの場合は危機が短いですが、(天空の蜂は)始まってからずっとピンチですからね。その分、恐怖心が長いんだから。地平線から水平線からすべて見える!並走して撮ってるヘリが戻ってくるまでなかなか時間がかかるんですよ。ある種、東野圭吾さんが『24 -TWENTY FOUR』を考えるとしたらこうなるんじゃないかっていうような時間との追いかけっこになるんですが、緊張感のなかでやってたんである程度はいけましたけど、めっちゃ怖かったですよ。」と、江口さんは苦手な高いところでの撮影で震えながらも、非常に緊迫したという雰囲気が伝わりました。

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本木雅弘「全部がピンチ」

江口さんは初めて共演したという本木さんへ質問。常に大変な撮影だったはずだがどこが一番ピンチだったか?という質問に対して、本木さんは「ピンチといえば全部ピンチなんですが。終盤に差し掛かって江口さんと同じ車のなかでハンドルを取り合うシーンがあるんですけど、何度も撮影を撮り直して。呼吸困難な状況に陥りまして、江口さんは何度でもOKみたいな感じでしたが、私は50歳を前にヘトヘトでもう二度とやりたくないと思いました。」と、苦労した表情を見せました。どれだけ大変なシーンだったのか、これはぜひ作品でチェックしたいところです!

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みんなからいじられる綾野剛

綾野剛さんは本木さんと一緒のシーンが多かったそうです。優しい本木さんが「よーいスタート」の2〜3秒前に狂気の目になり、すごく闇が深くなるそうで、あれはどうやってるのか?と質問。これに本木さんは「またまた〜もう。憑依(ひょうい)俳優にそんなこと言われるなんて。私は懸命にやってますけど、綾野剛は私の身体はワインでできていますみたいに、今までのすべての役でできているでしょ。」と、綾野さんの持つ独特な雰囲気を本木さんが攻める場面も。

さらに、堤監督が畳み掛け、「綾野さんが凄いのは、じゃあ汗をつけましょうってときに、普通は霧吹きでやるのにいらないんだもん。自分の意思で汗を出せる。」と言うと、本木さんが「出た!憑依俳優。ちょっと走ってくるって言って汗を出せるんだもん。」と、もう綾野さんいじりが止まらない俳優陣に会場はドッと爆笑!

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脚のきれいな奥さんへ電話する江口洋介

ずっと笑いが続いていた舞台挨拶ですが、極めつけは國村隼さんが江口さんに聞きたかったこと。撮影中に集中豪雨にあったとき江口さんが真剣な顔で、大丈夫、そうしなさい、こうしなさい、と奥様に電話していたんだそうで、自宅の地下室が水浸しになったっていう電話の会話を耳をダンボにして盗み聞きしてた國村さん。地下室には楽器があるというし、その顛末が気になって仕方がなかったそうです。これについては、

江口「ゲリラ豪雨があって、撮影しながらヒヤヒヤしてたんです。ほんと何が起こるかわからないですよ。で、そのときに本木君が言ったんだよね?」
本木「そう、言いました。危機管理ができてるご主人だ、と。脚のきれいな奥さんに電話して、自宅が水浸しになって困るから子供にも手伝ってもらえって。俺が速やかに修復するからって奥様に電話してましたよ!」
江口「いいや、とんでもないですよ!ぎりぎりでテンパリながらやってました(笑)」

と、突如ネタにされた家庭の話に慌てる江口さん。滅多に見られない江口さんの慌てる姿を見て、会場はこの日最大の爆笑となりました。

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楽しいメンバーで作った『天空の蜂』に期待

こんなに大爆笑が連発する舞台挨拶は珍しい方かもしれませんが、それだけ俳優陣や監督、スタッフは仲が良く、きっと楽しく撮影が行われたことでしょう。最後に、江口さんがこれから観る皆さんに向けたメッセージが送られました。

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「こういうメンバーで作り上げました。この時代に東野さんの原作あり、堤監督がメガホンをとり、スタッフが集まり、こういった僕たち俳優陣が集まりました。この映画で伝えたいことはきっと届くと思います。楽しみにしてこの画面にかぶりついてください。」

映画『天空の蜂』は2015年9月12日(土)より公開となります。

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公式サイト:http://tenkunohachi.jp/

(取材・アスカ)