石ノ森章太郎さんのライフワーク的作品『サイボーグ009』と永井豪さんの代表作の一つ『デビルマン』のコラボが実現した新作映画『サイボーグ009VSデビルマン』。
同作品の上映記念イベントが2015年8月13日、新宿バルト9で開催。声優の井上和彦さん、田中亮一さん、浅沼晋太郎さん、M・A・Oさんが出席し、2作品の新旧キャストのトークバトルが繰り広げられました。
昭和アニメ『デビルマン』『009』主役に決まった当時を振り返る
1972年より放映されたアニメ『デビルマン』で主役のデビルマン/不動明を演じた田中亮一さん。「悪ぶった男の役は面白く、大変楽しくやっていた」とのこと。当時、オーディションはなく、仕事の現場に行って台本が渡されて自身が『デビルマン』の主役だと知ったそうですが、「とにかく夢中でやっていた」と、当時を振り返りました。
当時、演出家の指示のもと、不動明とデビルマンで声を変えていた田中さん。不動明は高めの声で演じたのですが、一方、二枚目の声で演じるデビルマンが大変だったそうです。
1979年より放映されたアニメ『サイボーグ009』で主人公の009/島村ジョー役をつとめた井上和彦さん。こちらはオーディションがありましたが、受けた際、台詞を言う前に、井上さんが事務所と名前と役名を告げたのを聞いた監督から「それだよ、島村ジョーは」と言われたとのこと。
そして、井上さんは、009を演じた当時の自身の芝居について「今では再現できないくらいに初々しい」と振り返り、さらに、「今やったら、プレイボーイの島村ジョーになっちゃう」と会場のみんなを笑わせてくれました。
–{新作キャスト決定に「ウソでしょ?」}–
新作キャスト決定に「ウソでしょ?」
4人のトークでは、もちろんこの秋公開の新作のことも話題になりました。
新作で、デビルマン/不動明を演じた浅沼晋太郎さん。自身がデビルマン役だと知ったとき、「ドッキリにかけられたというか、『嘘でしょ?』となりましたね」と、かなり驚いたとのこと。
ちなみに、デビルマン役の先輩である田中亮一さんは、新作でデビルマンと不動明を違う人が演じていると思い、どちらも浅沼さんだと知ってびっくりしたそうです。これは、浅沼さんがどのように演じわけたのかが、とても気になりますね
『サイボーグ009』のヒロインである003/フランソワーズ・アルヌール役をつとめたM・A・Oさん。こちらも役が決まったとき、驚きのあまり、思わず座り込んでしまったそうです。しかし、「色々な方たちがフランソワーズで築いてきたものを、私が壊してはいけない」と立ち上がり、背筋をぴんと伸ばしたとのこと。
アフレコに入る数日前からプレッシャーで胃が痛かったというM・A・Oさん。とはいえ、現場では、他の方がやさしくアドバイスしてくれたり、声をかけたりしてくれたそうです。また、昭和のアニメ『サイボーグ009』について「絵がやわらかく温かみがあり、見ていて安心します」との感想を話してくれました。
終始、明るいムードに包まれたトークバトル。会場のお客さんから寄せられた質問に答えるコーナーでは、田中さんと浅沼さんの新旧の二人が『デビルマン』の変身のかけ声「デ・ビール!」を披露する場面もありました。
–{新キャラ公開!}–
石田彰、本名陽子らが演じる新キャラが公開!
このイベントで、『サイボーグ009vsデビルマン』の初だし映像が公開され、登場するキャラクターの姿、キャストが明らかになりました。発表されたキャストは以下のとおり。
『サイボーグ009』側のキャラクター
アポロン:石田彰
ヘレナ:本名陽子
ギルモア博士:牛山茂
『デビルマン』側のキャラクター
ジンメン:大塚芳忠
サッちゃん:榎本温子
昭和から平成の時代を駆け抜けている不動の人気作『サイボーグ009』と『デビルマン』。会場にはたくさんのお客さんが詰めかけており、この2作品が本当に多くの人に根強く愛されていることが感じられました。
『サイボーグ009VSデビルマン』は、2015年10月、新宿バルト9ほかで2週間限定イベント上映の予定です。ファンの方は、ぜひこのまたとないこのコラボレーションをお見逃しなく!
(文・写真:田下愛)
(C)2015「サイボーグ009VSデビルマン」制作委員会