全国ふるさと甲子園は地域をアピールする真剣勝負と、人の魅力が溢れる場だった

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■「映画ロケ地巡り」の記事

全国ふるさと甲子園

シネマズ公式ブロガーのアスカでございます。

人気の映画・ドラマのロケ地となった地域から55団体が東京に集まり、世界に誇るご当地グルメや特産品の紹介・販売を通して自分の街をアピールし、一般来場者による投票で「行きたくなったふるさとNo.1」を決定するイベント「全国ふるさと甲子園 第1弾ロケ地&ご当地グルメ編」が2015年8月7日に開催されました。

筆者は全国ふるさと甲子園の公式ブロガーとして参加。おいしいものを買って食べたり、試食をいただいたりと、丸一日イベントに密着し、会場の様子を自身のブログでレポートしました。

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大賑わいを見せた初開催は来場者数1,200人!

地域おこしを目的に行われた全国ふるさと甲子園ですが、日本で唯一のロケ地情報に特化した情報誌ロケーションジャパンを発行する地域活性プランニングとNPOふるさと活性隊が企画し、主催は「全国ロケ地&ご当地グルメ」推進事業実行委員会です。

開催当日、昼の部・夜の部の合計6時間に1,200人もの来場者があり、予想を上回る盛り上がりとなりました。ピーク時には会場内の移動が困難なほどの混雑を見せ、第1回としては大成功だったといえるのではないでしょうか。

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55団体が自分の街をアピール!甲賀市はひときわ目立つ存在に

各地の出店者はあの手この手でお客さんを呼び込んでいまして、このイベントに対する熱の入れ方がすごいなと感じました。印象的だったのが滋賀県甲賀市のブースです。

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甲賀といえば三重県の伊賀とならぶ忍者の街として有名ですよね。甲賀市は忍者の街を大々的にアピールしながら、ご当地グルメの忍者餃子を販売。まったく忍ぶ様子もなく人前に現れる様子が多少おもしろくもありましたが、むしろ“全く忍ばない”というのをウリに、別フロアにある日本酒の試飲会場へも餃子をデリバリー販売していました。

それが良いのか悪いのかは別として、昼の部夜の部それぞれ3時間ずつの限られた時間にどれだけ自分たちをアピールできるか、準備や移動などわざわざ東京まで来た労力をチャンスに変え、時間を無駄にしない積極性とパワーに満ち溢れていました。

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と、筆者は個人的に甲賀市が一番アクティブだな〜と思ったのですが、上には上がいまして、来場者みんなが投票した中で「行きたくなったふるさと」のグランプリに輝いたのは兵庫県淡路島でした!

–{淡路島が「行きたくなったふるさと」グランプリに決定!}–

淡路島が「行きたくなったふるさと」グランプリに決定!

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グランプリに選ばれた淡路島は特産の玉ねぎを使ったスープや淡路牛を紹介しており、地元の担当者は「玉ねぎスープを飲んだお客さんの笑顔を観て、ひょっとしたら(グランプリを)狙えるかなと思いました。これを糧に淡路島のPRをしていきたいです。」と、心から受賞を喜んでいる様子。淡路島は映画『ノルウェイの森』やオールロケを行った『種まく旅人 くにうみの郷』などのロケ地となっています。

また、準グランプリには河津わさび丼を提供した静岡県河津町が受賞。あんことバター、ワサビをパンに挟んだ新商品あんバタわさこも紹介していました。河津のわさび丼はテレビ東京『孤独のグルメ』で紹介されましたからご存知の方も多いでしょう。河津町は映画『テルマエ・ロマエ』のロケ地にもなっています。

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準グランプリのプレゼンテーターは松竹株式会社の小林敬宜氏が務め、「会場内に昔や最近のロケ地のポスターがいっぱい貼られているのを見まして、映画ってそうやって長く愛されていくものだと思っています。長く地域に愛されるような作品を作らなきゃいけないと思いました。」とコメントし、河津町には8月8日から公開の映画『日本のいちばん長い日』の鑑賞券10枚などが贈られました(松竹は全国ふるさと甲子園を後援しています)。

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第4位の愛知県蒲郡市をシネマズが取材

「シネマズ by 松竹」関連としては、第4位に三河湾産のあさりが特徴のガマゴリうどんを提供していた愛知県蒲郡市が選ばれまして、副賞としてシネマズによる地域取材権が贈られました。

蒲郡というと蒲郡温泉、三河湾、ラグーナテンボスあたりが思い浮かびますが、一体どんな素晴らしいものに出会えるのかシネマズ公式ライターとして楽しみです。(で、誰が取材に向かうのかは不明ですが、愛知だし日帰りになるのかな)

出店側も参加側も双方に魅力あるイベント

グルメ、観光、特産品など、たとえ日本一の特徴を持っていても地域がそれをうまくアピールできなければ世の中の膨大な情報に埋もれてしまいます。全国ふるさと甲子園は参加すれば絶対に注目されるというものではありませんが、出店者はお互いに切磋琢磨し合いながら、地域おこしという同じ目標に向かって自分たちの街の魅力を存分に発信できる場となったのではないでしょうか。

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参加することで他の地域のアピール方法を学んだり、参加者から生の声を聞いたりと、きっとプラスになることは多いはず。ただし、得たものを最終的に活かすのは出店した地域のみなさん次第となります。実行委員長である藤崎慎一氏の言葉を借りるなら「地域おこしは誰かがやるものではなく、気づいた自分が一歩踏み出して行うもの」です。

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参加者側としては、まだ行ったことのない地域の良さを発掘できたのは非常に魅力的でしたし、リアルな場で観光情報に触れることができ、3,000円の参加券(グルメチケット10枚)は費用以上のお得感があるように感じました。

最後に、リアルな場としてのメリットをもう1つ挙げるとしたら、人の温もりに触れることができる点でしょう。滋賀県甲賀市のような細かで気配りのある行動からはおもてなし精神や人の温もりが感じられ、ふと気がつくと甲賀市を追っている自分がいました。これは決してWeb上の観光情報だけでは感じ取れないものでしょう。そんな地域に行ってみたくなる全国ふるさと甲子園。ぜひ、第2弾の開催に期待したいです。

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(取材/アスカ)