8月8日に公開となる映画『日本のいちばん長い日』のティーチイン試写会&懇親会が、7月25日(日)に東劇ビルで開催されました。
『日本のいちばん長い日』は太平洋戦争終結の裏側を描いた作品。役所広司さん、本木雅弘さん、山崎努さん、堤真一さんなど豪華俳優陣が、日本の未来を思い闘った実在の人々を熱く演じられています。
試写終了後、登壇したお三方(左から榎望プロデューサー、原田眞人監督、新垣弘隆プロデューサー)。
「舞台挨拶に立ったことは何度もあるけど、Q&Aはなかなかない機会」とどんな質問が飛び出すのか、原田監督も楽しみな様子。試写を観た直後の興奮冷めやらぬ中、質問コーナーが始まりました。
キャスティングの裏話?
「どうやって主要キャストを決めていったのですか?」
原田監督
「脚本を書いている最中に、阿南惟幾役の役所さんと鈴木貫太郎役の山崎さんはもうイメージしていました。それが『駆け込み女と駆け出し男』の衣装合わせの頃で、『駆け込み〜』にも出演してくださった山崎さんにはその頃にお話していたんです。脚本を読む前から役のリサーチをしてくれて、撮影の終盤にはずっと貫太郎さんの打ち合わせをしていました(笑)」
榎プロデューサー
「昭和天皇役は実は別の方に決まっていたのですが、ドラマの都合でその方にお願いできなくなってしまったんです。それで、本木さんにお願いしたいということになりました。最初は断るつもりだったそうですが、義母の樹木希林さんからやりなさいと言われて引き受けてくださったんです」
また、撮影で使用したロールスロイスは千葉のコレクターを口説き落として借りたもので、撮影場所までの移動や雨の日は撮影できないなど制約も多かったという苦労話も飛び出しました。
役所さんも気に入っているシーン
「劇中で流れた洋楽は?」
原田監督
「設定としては連合軍放送ですね。僕としては阿南さんのアンビバレンスな心情を描きたかった。映画好きな方は分かったと思いますが、映画『博士の異常な愛情』で使われていた「We’ll meet again」という曲で、僕なりのアンサーソングという意味もあります」
新垣プロデューサー
「僕は個人的に一番好きなシーンです。流れている「軍艦マーチ」を切ると「We’ll meet again」が流れてくる。兵士を鼓舞する「軍艦マーチ」と癒す「We’ll meet again」が切り替わることで、監督が意図したものを感じますし、黙っている阿南さんが一番感情を語っているようなすごいシーンだな、と」
原田監督
「役所さんも一番気に入っているシーンにあげていましたね」
挙手のほか、試写終了後に書いた質問シートも合わせて、たくさんの質問がありましたが、監督は撮影中のエピソードや史実を交えながら丁寧に回答してくださいました。
–{食事を楽しみながら監督とトーク}–
食事を楽しみながら監督とトーク
トークショーの後はtsukiji kitchenに移動して、懇親会が開催されました。
ブッフェ形式で、パスタやピザなどの軽食を楽しみながら、映画の感想を語りあったり、監督とお話ができます。
「年末まで上映できるようにご協力ください」という監督の挨拶で乾杯!
トークショーの時よりもフランクな会場の雰囲気なので、参加者のみなさんも監督を囲んで気軽にお話していました。
『日本のいちばん長い日』の感想や質問はもちろん、『駆け込み女と駆け出し男』の感想を伝えている方もいて、監督と直接話せる機会だからこその楽しい時間となっていました。
原作書籍や戦争史跡のムック本が当たる抽選会や参加者全員での記念撮影もありました。
最後に「この作品が大ヒットすると、日本の憲法も考え直されるかもしれないし、終戦3部作、4部作と作っていけると思います。そのためのひとつの温床になるように応援お願いします!」という原田監督の挨拶で、約1時間の懇親会は幕を閉じました。
作り手側の話を聞くと、ひとつのシーンをとっても、映画のワンシーンという以上に世界が広がるので、より興味深く観られると思います。
そんな楽しみ方を教えてくれるのがティーチイン試写会なので、機会があれば参加してみることをおすすめします。
『日本のいちばん長い日』は8月8日(土)公開です。ぜひ劇場でご覧ください!
(文・写真:大谷和美)
(C)2015「日本のいちばん長い日」製作委員会
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