切なくてきゅんとなる!ジョン・ヒューズ監督製作の青春ラブストーリー2選

映画コラム

2009年にこの世を去ったジョン・ヒューズ監督。大ヒットした『ホーム・アローン』の製作などで知られていますが、もともとは、青春映画の旗手として名を馳せた人です。

今回は、ジョン・ヒューズ監督が製作を手がけ、『隣のヒットマンズ 全弾発射』『リプレイスメント』などで知られるハワード・ドイッチ監督がメガホンをとった青春映画2本を紹介したいと思います。どちらも、恋する女子の姿がとても切ない珠玉の名作です!

身分違いの恋に悩む青春ストーリー『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』

プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角

「ピンクが似合う」というタイトルどおり、ピンクの服がぴったりはまるキュートなモリー・リングウォルド主演のこの作品。

貧しい父子家庭に暮らす主人公のアンディは、成績優秀でおしゃれな女の子。彼女は、同じ高校に通うお金持ちの御曹司・ブレーン(アンドリュー・マッカーシー)と恋に落ちます。幼なじみの不良少年・ダッキー(ジョン・クライヤー)が止めるのも聞かず、恋を貫こうとするアンディですが、ブレーンと自分の身分の差に苦しむことに。

【きゅんとなるポイントはココ!】初デートでおしゃれしたのに…

貧しい家に暮らすアンディ。高い服は買えないけれど、古着やお手製の服、小物を駆使しファッションでいつもおしゃれに決めています。
ブレーンとの記念すべき初デートでも、自分なりのおめかしをした彼女。しかし、いざ二人で出かけて、ブレーンが口にした言葉は、「着替える?」
そう、裕福なブレーンからすると、アンディの服装は、普段着にしか見えなかったよう。
ブレーンの問いかけに「着替えたわ」と答えるアンディ。
悪気のなかったブレーンはあやまりますが、アンディは顔を少し伏せます
憧れの彼とのデート、精一杯おしゃれしてきたのに…短いやりとりですが、アンディのかすかな胸の痛みがよく伝わってきます。

劇中でブレーンには普段着に見えてしまったようですが、この作品でのモリー・リングウォルドのファッションは、とてもカラフルでキュート。
公開当時、アメリカではモリーの格好を真似た“リングレッツ”と呼ばれる女の子たちが急増したそうですが、この映画のモリーのおしゃれは、今見ても参考になるところがあるはずです。

–{切ない三角関係のラブストーリー『恋しくて』}–

切ない三角関係のラブストーリー『恋しくて』

恋しくて

1987年に公開された『恋しくて』。主人公の内気な少年・キース(エリック・ストルツ)は、学校のマドンナ・アマンダ(リー・トンプソン)に憧れています。そして、キースを密かに想うのが、彼の親友で男勝りの女の子・ワッツ(メアリー・スチュアート・マスターソン)。
アマンダに夢中なキースは、当然ワッツの気持ちに気がつきません。そして、ワッツは愛情を押し隠して、彼の恋を応援するのです。

【きゅんとなるポイントはココ!】あの娘と自分を比べて…

ショートカットにパンキッシュなファッション。ドラムを叩き、男言葉を使うワッツ。かたやアマンダは、長い髪とすらりとしたスタイルに恵まれた学校一の美少女

学校の更衣室で、アマンダと一緒になったワッツは、髪をなびかせるセクシーなアマンダを横目に、思わず自分の短い髪の毛やウエストをつかみます。
男の子みたいな自分じゃ、きれいなあの娘には到底かなわない…そんなワッツのため息が聞こえてきそうな場面です。

一見、少年のようで女性らしさとは無縁なワッツですが、キースを想う彼女の姿は、まさに恋する女の子。演じるメアリー・スチュアート・マスターソンの好演が光っています。特に、キースとアマンダのツーショットを見つめるワッツの切ない表情は、秀逸としかいいようがありません。

この2作品、どちらも恋する女の子の心情が伝わってきて、彼女たちの姿に心動かされること間違いなし。恋している女子はもちろんのこと、恋をしたいと願うすべての人たちにおすすめしたい映画です。
アンディとワッツ。2人の女の子の想いは果たしてかなうのか・・・気になる方は、ぜひ、実際に映画を見て、彼女たちの恋の行方を見届けてくださいね。

(文・田下愛)