Bonjour!(ボンジュール!) 編集部公式ライターの大場ミミコです。
2015年6月26日より始まった『フランス映画祭2015』 に参加してきました。
オープニングセレモニーが行われた有楽町朝日ホールには、フランス映画ファンや外国人などが駆けつけ、エントランスは多くの方々で賑わいました。
筆者がフランス映画祭に参加するのは3回めですが、毎回楽しみなのが「ロビーの装飾&陳列物」。どことなくパリ風に仕上がった雰囲気に、セレモニーへの期待も高まります。
ロビー&エントランスからフレンチシネマ一色!
ロビーに入り、まず目に飛び込んでくるのが、ポスターがずらりと並んだ一角です。上映される12作品の個性が色濃く表現されたポスターたち。それらを12枚並べてもケンカしないのは、フランスという国が持つ“突出した美意識”のなせる技かもしれません。
ロゴと写真の組み合わせという点では同じなのに、日本ともハリウッドとも違った「オサレ感」が放たれています。さすがはモード大国・フランス。そのセンスに脱帽です!
そしてこちらは、協賛企業でフランスを代表するアパレルブランドでもある「ラコステ(LACOSTE)」と「バカラ(Baccarat)」がコラボしたワニさんです。このようなオブジェが飾られるのも、フランス映画祭ならではの風景ですね。
他にもロビーには、様々な映像が流れるモニターや、関連作品のリーフレットなども置かれています。フロア全体で映画祭を楽しめる仕掛けになっているので、会期中に上映時間より早く到着しても安心ですよ〜。
–{オープニング}–
イザベルさんのおみやげに、会場は大興奮!
さて、オープニング当日(6/26)のスケジュールは、このような進行となりました。
・ オープニングセレモニー。
・ オープニング上映作品『エール!』を鑑賞
・ 『エール!』の監督&俳優さんのトークイベント
セレモニーの司会は、直前に取材させていただいたイザベル・ジョルダーノさん(ユニフランス・フィルムズ代表)さんが担当しました。ちなみに、イザベルさんの取材記事はコチラ(↓)です。フランチシネマの最新情報や、イザベルさんの映画遍歴、そして日本映画への展望などが語られていますので、あわせてお読み下さいませ。
イザベル・ジョルダーノ氏 合同取材書き起こし
さて、先程はビジネスルックだったイザベルさんですが、セレモニーではエキゾチックなスーツで颯爽とステージに現れました。
イザベル「今宵は、世界で何千万人の人が観てくれたフランス映画の祭典です。まるでカンヌ映画祭が続いているかのようです。期間中はフランスが誇る大監督、アンヌ・フォンテーヌ、オリヴィエ・アサイヤス、アブデラマン・シサコ、グザヴィエ・ボーヴォワなど、多くの人物が来日します。この4日間は、最高にフランス映画を楽しめる期間です」
続けてイザベルさんの「日本のフレンチシネマファンの為におみやげを持ってきました」という台詞と共に、ユニフランスのPR映像が流れました。ステージ上の大スクリーンには、若き日のカトリーヌ・ドヌーブが次々と映し出されます。
キャー!永遠の憧れ、カトリーヌ・ドヌーヴです。
寝顔も可愛すぎます!
筆者も真似した、アップスタイルのロングヘアー
最新の技術でクリアに編集された、キュートすぎるドヌーヴに、観客のボルテージは早くも最高潮!歓声や拍手があちこちから響く、幸先の良いスタートとなりました。
–{エマニュエル・ドゥヴォスと、豪華なメンバー達}–
エマニュエル・ドゥヴォスと、豪華なメンバー達
会場の興奮も冷めやらぬまま、次に登場したのは、フランスを代表する女優・エマニュエル・ドゥヴォスさん。フランス映画祭2015の団長でもあり、3日目に上映される『ヴィオレット』の主演を務める名女優でもあります。
エマニュエル「コンバンワ!トウキョウニコラレテ、トテモウレシイデス。」
さすがはエマニュエル!日本語での挨拶に、歓喜の渦が巻き起こりました。
エマニュエル「シゴトバカリデ、チョットザンネンデス。トウキョウノタビヲ、タノシミタイトオモイマス。」
(仕事ばかりでちょっと残念です。東京の旅を楽しみたいと思います)
そしてスポットライトを浴びながら、ゲストの方々が続々とステージに登壇しました。
《左より》
『彼は秘密の女ともだち』主演女優のアナイス・ドゥムースティエさん、エマニュエル・ドゥヴォスさん、『ボヴァリー夫人とパン屋』のアンヌ・フォンテーヌ監督
《左より》
『ヴィオレット』のマルタン・プロヴォスト監督、『アクトレス〜女達の舞台』のオリヴィエ・アサイヤス監督、『EDEN エデン』脚本担当のスヴェン・ハンセン=ラヴさん、『EDEN エデン』主演男優のフェリックス・ド・ジヴリさんん
《左より》
『エール!』のエリック・ラルティゴ監督、『エール!』主演女優のルアンヌ・エメラさん、
『チャップリンからの贈りもの』監督のグザヴィエ・ボーヴォワ監督、『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』のジュリアーノ・リベイロ・サルカド監督(共同監督)、『ティンブクトゥ』のアブデラマン・シサコ監督
全員が出揃ったところで、司会のイザベルさんが次のように語りました。
イザベル「フランス映画を代弁するような、素晴らしいメンバーが揃って本当に光栄です。私も皆さんと楽しみたいと思っています。フランス映画の中でも最高のものが観られるよう、あらゆるジャンル、年代のものを網羅しました。このような映画を通し、世界をより良く見ることができるようになるでしょう。」
団長のエマニュエルさんも「色々な映画祭がある中で、監督や俳優、プロデューサー達が『我こそは!』と名乗りを上げるのが、東京でのフェスティバルです。多くの方に来ていただき嬉しいです。私たちにとっても、皆さんにとっても、良い映画祭になることを祈ります。」とお話されました。
–{いよいよスタート!}–
フランス映画祭2015、いよいよスタート!
オープニングスピーチのあとは、司会のイザベルさんから団長のエマニュエルさんへと花束が贈られ、セレモニーは華やかに終了となりました。
このあとオープニング作品の上映が始まるため、『エール!』を監督したエリック・ラルティゴさんと、主演女優のルアンヌ・エメラさん以外の方はステージを後にしました。
オープニング作品に選ばれた『エール!』は、フランス全土を涙と笑いで包んだ、動員数750万人の大ヒット映画です。監督のエリック・ラルティゴさん、主演女優のルアンヌ・エメラさんによる、簡単な映画の紹介が行われました。
ルアンヌ「これから見ていただく映画は、今まで観てもらった映画とはまったく別物だと思います。フランスの、そして世界中の多くの方々が観て涙を流し、喜びました。」
エリック「この映画の特別な点は、登場人物…つまり彼女の両親・弟の耳が不自由だということです。ですから言葉ではなく、文字や手話、身体を使って演技が表現されます。エマニュエルもイザベルも言っていますが、日本に来ることができて、本当に感激です。」
ルアンヌ「私もです。“ジャパニーズ・ドリーム”が叶いました。」
そしてエリックの「今後ルワンヌは、日本においてもスターになることでしょう!映画を見て、感動してくれたら嬉しいです。(日本語で)アリガトー!!」という言葉で、映画の紹介&セレモニー全体が締めくくられました。
出展作品や日程など
その後『エール!』の上映&エリックとルアンヌによるトークイベントへと進みますが、ここで一旦、フランス映画祭2015に出展された作品を紹介させていただきます。
《上段、右から》
・ 『エール!』…オープニング上映作品。様々な賞に輝いた、驚異のメガヒット映画。
・ 『ボヴァリー夫人とパン屋』…ユーモアと官能が交錯する、フランスらしい作品。
・ 『EDEN エデン』…今回注目の作品。クラブDJの世界を舞台に、成功と挫折を描く。
・ 『アクトレス〜女達の舞台』…圧倒的な映像美、クラシック音楽、シャネルの衣装が話題。
・ 『ティンブクトゥ』…各賞を席巻!過激派に弾圧される家族を描いた感動作。
・ 『チャップリンからの贈りもの』…実話が原作。幸せすぎる“ドンデン返し”に笑い泣き!
《上段、右から》
・ 『ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』…異人種・異文化が混在する仏社会をコメディで表現
・ 『彼は秘密の女ともだち』…鬼才・オゾン監督の最新作。女装子と主婦の友情の物語。
・ 『夜、アルベルティーヌ』…’50年代に実在した女優の、自伝的ラブストーリー。
・ 『ヴィオレット』…パリ文壇に衝撃を与えた女流作家の反省を描いた傑作。
・ 『地球へのラブレター』…名匠・ヴェンダースが紡ぐ、奇跡のドキュメンタリー。
・ 『たそがれの女心』…1953年に公開された映画を、最新技術でデジタルリマスター。
詳しい内容は、フランス映画祭2015のウェブサイトをご覧ください。
開催期間は2015年6月26日〜6月29日。会場は有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇(6/27で終了)となっております。
映画祭終了後は、出展作品次々と日本の映画館でも上映されますので、気になる作品があったらぜひ、公開に合わせて劇場に足を運んで下さいね。
ではでは、Au revoi!(またね〜!)
(取材・文・写真/大場ミミコ)
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