みなさんは『ポストプロダクション』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
通称・ポスプロと呼ばれるこの言葉は、制作者サイドにいる側の人でないと中々聞き慣れない言葉だと思います。
映画やドラマといった映像作品は、様々な撮影スタジオやロケ地などで撮影を行います。
撮影終了後、テレビ放送や映画館のスクリーンでの上映が行われる前に『編集』という作業があります。『ポスプロ』とは、映像の最終処理や音声処理など、撮影後作品として仕上げていく撮影以降の工程全般のこと。例えば7.1chの音声への変換や、ナレーション、CGと実写の最終処理など、多くがポスプロを行うポストプロダクションスタジオで行われます。
大小様々あるポスプロスタジオの中でも、松竹の知見と伝統を脈々と受け継いできたのが『松竹映像センター』。
今年その『松竹映像センター』が、松竹120周年を機に、お台場を新天地として、最新鋭の設備などを備えた新しいポスプロスタジオとして生まれ変わりました。
シネマズ編集部も松竹映像センターにお邪魔させていただきましたので、普段見ることのないポスプロスタジオ内部とともに、松竹映像センターについて紹介させていただきたいと思います。
2フロアで構成された松竹映像センターは、各部屋が非常にゆとりある広い設計。また、天井高もあり開放感あふれた施設は、映像作品を作るクリエイターにとって重要な創造力を引き出す快適な空間となっています。
–{最新鋭の技術の調和をイメージ}–
スタジオのコンセプトデザインは、乃木坂のソニー・ミュージックスタジオや、X JapanのYOSHIKIさんのスタジオをはじめとして、ディズニーやユニーバサル、20世紀フォックスなどの録音スタジオなど数々のハリウッドのスタジオを手がけたピーター・グルナイセン氏(Peter Grueneisen)が担当。
スタジオ内の随所に見られる、2つの三角形が1つの長方形になったものは、長辺と短辺が2:1となっていて日本の『畳』と同じ比率。また、各所に見られる半透明の素材は障子や和紙などをイメージしたものとなっていて、松竹120周年の伝統と最新鋭の技術の調和をイメージしたデザインとなっています。
全体的に白を貴重とした開放感あふれるスペースが続き、今後ここから様々なクリエイティブ作品が生まれると考えるとシネマズ編集部のメンバーも大変興奮してしまいました。
お台場という各種アクセス面からも好立地なこの場所は、製作者にとって更なるハブとして機能していくでしょう。
ちなみに松竹映像センターは、松竹作品のみを取り扱っているわけではなく、その他の映画製作会社や様々な映像作品を手がけるクリエイターの人が使えるスタジオ。最新鋭の施設で、最高の作品を作りあげたい映像関係者はぜひチェックしておきたい場所。
全てを一気にお伝えするには長くなってしまいますので、今回はここまで。次回は気になるスタジオ内部の写真を紹介したいと思います。声優の方々が音声収録を行う場所など、非常に見応えのある施設となっています。乞うご期待ください。
→MAは世界で通じない?生まれ変わった『松竹映像センター』レポvol.2
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