「木俣冬の続・朝ドライフ」連載一覧はこちら
2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。
平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。
CINEMAS+ではライター・木俣冬による連載「続・朝ドライフ」で毎回感想を記しているが、本記事では『おむすび』第1週~の記事を集約。
1記事で感想を読むことができる。
[※本記事は広告リンクを含みます。]
もくじ
第1回のレビュー
「おむすび」第1週、「おむすびとギャル」(演出:野田雄介)。
社会問題に切り込んだ「虎に翼」が朝ドラの概念を変えた印象がありましたが、再び、王道の朝ドラが戻ってきました。
比べることはないのですが「虎に翼」とはまったく違って、じつにほのぼのしています。頭のきりきりがゆるみ、肩の力がすーっと抜けました。「ちゅらさん」的な感じがします。
あれもこれもあっていい。それが朝ドラ。なにしろ111作(「おむすび」で111作め)もやっているのですから、マンネリにもなりますし、たまに違うことをやって刺激を作り出すこともあるでしょう。
ときに2004年。
冒頭は、主人公・米田結(橋本環奈)らしき人物が部屋で鏡を見ながら、制服や髪をああでもないこうでもないといじっています。劇伴がコミカル。
階下では、家族ーーおじいちゃん(松平健)、おばあちゃん(宮崎美子)、お父さん(北村有起哉)、お母さん(麻生久美子)が先に朝食を食べながら、結が下りてくるのを待っています。
おじいちゃん、おばあちゃん、お母さんは鷹揚で、お父さんだけちょっと神経質という印象です。
ギャルが題材のひとつにもなっているので、結がいきなりギャルふうに制服を着崩して出てくるのかと思わせてーー階段を下りてきた結は、いたって平均的な女子高生の雰囲気でした。拍子抜けではありますが、清潔感ある女子高生の姿が決まっています。
支度に手間取って、学校に遅刻しそうになった結は、朝食もそこそこに家を出ます。「うまっ」とおむすびだけぱくついて。女子高生が遅刻しそうになって慌てて口にするのはトーストが定番ですが、ここでは、おむすびです。王道ホームドラマのようで、ここはすこしひねりがあります。
そしてタイトルバック。80年代ぽいグラフィックや色味、B’zの「イルミネーション」とすべてがポップ。
B’zの主題歌、ごりごりかと思ったら、やっぱりヒットメーカーは違う。ぐっと心を掴んで、あげてくれます。最初のワードが「君」だし、「君と僕」が入っていて、これも王道だと思います。
糸島の広い大地を自転車で走る結。さわやか〜。朝ドラあるある、序盤はロケ多用で清々しい。
学校につくと、担任の松原先生(長谷川忍)に、伝説のあゆの妹と注目される結。あゆはあゆでも浜崎あゆみではなく、米田歩(仲里依紗)です。結はなにか困惑顔。
明るく愉快な米田家と思わせて、結にも影があり、父・にも影がすこし見えます。「もう9年」とざっくりしたくなく、「9年と2ヶ月と20日や」と厳密に考える彼の心とは。そして「もう」とは何を表しているのか気にかかります。
何かありそうと思わせたあと、出た、朝ドラあるある、ヒロインの水落ち(朝ドラ辞典「水に落ちる」ご参照ください)。
少年が海に大切な帽子を落としてしまい、結はそれを拾おうとして果敢に海に飛び込みました。
「うちは朝ドラヒロインか」
(結)
ここは朝ドラが放送されている世界線のようです。
溺れたわけではありませんが、結を助けるのは、同級生の四ツ木翔也(佐野勇斗)。佐野勇斗と橋本環奈は「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」(19年)で共演しています。「おむすび」ではどんな関係を演じるのか気になります。
せっかく拾った帽子ですが、海水でぐちゃぐちゃになってしまい泣く少年に、結は家からもってきたトマトを差し出します。
「おいしいものを食べたら悲しいことちょっとは忘れられるけん」
(結)
第1話は料理番組でいうと、まず、材料の紹介。軽く喧嘩もするけれど仲良し家族とおいしいものを心の支えにする生活。笑顔が明るくまばゆい光のようなヒロイン。ありきたりといえばありきたりな素材をどんなふうに料理するか。のんびり見ていきましょう。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2回のレビュー}–
第2回のレビュー
第2回のアヴァンは初回のあらすじ。気になる場面の振り返りで、親切設計になっています。
海に落ちて濡れたまま(けっこう乾いて見える)帰る結(橋本環奈)に「待ちな」と呼びかけるギャル軍団4人。
結のことを「あゆの妹ちゃん」と親しげで、どうやら姉(仲里依紗)の知り合いらしいのです。
クラスメイトの子もひとり混じっていますが、学校とは全然雰囲気が違います。
柚木理沙(田村芽実)は学校ではふつうにしていて放課後は変身しているようです。
リーダーぽい子・真島瑠梨(みりちゃむ)が結にハギャレンの総代表(総代)になってくれない?と持ちかけます。ハギャレンとは「博多ギャル連合」の略で、結は「ださっ」とツッコミます。筆者は「ハギャレン」が「ハガレン」(「鋼の錬金術師」)に聞こえてしまいます。
ギャルたちは「超」〜「超〜」を多用し、独特のノリで、結はそういうのが好きではないようで、とっとと逃げだします。
みりちゃむはほんもののギャルなので、ノリがナチュラル。橋本環奈さんもみりちゃむにギャルメイクのアドバイスをもらっているそうです。筆者がYahooニュースエキスパートで橋本さんに取材したときそう語っていました。
橋本環奈が語る、朝ドラ「おむすび」9つのキーポイント
いまはギャル嫌いな結ですがやがてギャルになるらしいのはタイトルバックの橋本環奈さんの変身した姿でわかっています。
帰宅すると、家族そろって晩ごはん。
農家をやっているから、毎日、家族そろってご飯を食べることができるのでしょう。
テレビは野球中継。人助けで海に飛び込んだことを「米田家の呪い」と共通認識する米田家。困った人を助けることが、米田家の家訓的に守られてきているのです。でも、おばあちゃん(宮崎美子)は「米田家の祟りや」ともっと悪く(?)言います。「呪い」というワードが多用されるようになったのは「逃げ恥(「逃げるは恥だが役に立つ」)でしたが、だいぶ、形骸化されたいま、「呪い」を「祟り」にアップデートした根本ノンジさんのセンスに注目です。
おじいちゃん(松平健)は野球推しで、テレビ中継を夢中で見ていますが、負けているのでいったんテレビを切りますが、ギャルに敏感なお父さんが、ギャルの話題にかりかりしてくると、再びテレビをつけます。これは話をそらすためであったことが、あとでわかります。
歩は東京にいて、お母さんは時々、お金を貸していると知ったお父さんの怒りはさらに膨らんで、おじいちゃんと父子喧嘩に。ここで、お父さんも若いときは親に反抗して家を出ているらしいことがわかります。ここで結が野球中継におじいちゃんの意識を向けます。王貞治監督を見て「おう」とご機嫌なおじいちゃん。王監督って2004年では監督だったんですね。
おじいちゃんのホラ話を、もう何度も聞いているのにと呆れるお父さんに「ああたたちの喧嘩を止めるためやろう」とおばあちゃんがここで種明かし。
前半のおじいちゃんがテレビをつけたのも、結が話をそらしたのも、やんわり、空気を変えるため。米田家は言いたいことをポンポン言い合っているようで、そこには一定の節度があるようです。
翌日、学校に行くと、昨日のギャル柚木ににんまり微笑まれ、つきまとわれるように。「あんた忍者?」とツッコむ結。柚木はギャルノートをつけていて、ギャルに夢中。このノートがなかなか力作です。
「毎日平和に過ごせればいい」と結が幼馴染の古賀陽太(菅生新樹)言っていたことを聞きつけて「ほんとうにそう思っているの?」と問いかけます。
なにか言えないことがある結。小学校、中学校と部活をやってなかったことにも何かあるのかもしれません。
が、友だち宮崎恵美(中村守里)の手伝いで書道部へいくと、風見先輩(松本怜生)と出会い、「うちの青春はじまった?」と急展開。やりたいことーー恋? 先輩にどきどきして京都弁になってしまうのも微笑ましい。
根本さんの脚本は朝ドラのような15分×週5日のスタイルがはじめてにしては流れがじつにスムースです。長年、たくさんの脚本を書いてきた構成力の確かさを感じます。
書道部は、大河ドラマ「光る君へ」に掛けているのでしょうか。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3回のレビュー}–
第3回のレビュー
書道部を見学に来た結(橋本環奈)。
試しに書いてみると、風見先輩(松本怜生)が、その字から結には無意識に我慢していることがあるのではないか、と察します。
書は自分と向き合うことと勧められる結。
宮崎恵美(中村守里)は、書道は自己表現であり、日本語や日本文化の良さを再認識することができると、力説します。そこまで書道に興味はないものの、風見先輩の魅力に抗えず、先輩といっしょに書道展を見にいかないかと言われると、速攻行く気になります。真面目で何か抱えている女の子に見えますが、イケメンには弱いようです。
ところが、書道展に行くと、先輩は先輩でも、風見先輩ではなかった。恵美はなかなか策士であります。
落胆する結。書道展の展示物もなにがなにやら良さがさっぱりわかりません。
結が書道部の見学の帰り、「きれいやったなあ」とぼーっとしていたのは、字がきれいだったと言っていましたが、先輩の顔がきれいだったと思っていたに違いない。
風見先輩は、いわゆる「イケメン」です。
令和的な価値観ですと、顔で判断するのはまさしくルッキズムなので、「イケメン」とカテゴライズすることは配慮が必要です。ドラマでも「イケメン」という言葉は使用されていませんが、わかりやすさのためにこの記事ではあえて使用しています。
ちょうど、「おむすび」の舞台である2004年は「イケメン」ブームが加速しはじめた頃で、「イケメン」のワードにあふれていました。きっかけは00年代からはじまった平成仮面ライダーシリーズの主要キャラが「イケメンライダー」として注目されたこと。朝ドラもイケメンライダーやイケメン戦隊ヒーロー出身者の起用に積極的になりました。
松本怜生さんは特撮系イケメンとは違う新世代、TikTokで注目され芸能界デビューしています。
第2回に登場した、四ツ木翔也役の佐野勇斗さんは、ジュノン・スーパー・ボーイコンテンストというイケメン発掘プロジェクト出身です。ジュノンボーイコンテストは1988年からいまに至るまでイケメンを多く発見、デビューさせてきました。平成文化の申し子的な人であります。
ざっくりいえば、平成時代は、女子はギャル、男子はイケメンという時代でありました。
さて。書道展をもう一軒、はしごしようと誘われますが、結は家の手伝いがあるからと断ります。
書道部のメンバーと別れると、柚木(田村芽実)に捕まり、ギャルたちのところへーー。しつこく、仲間にはいるように誘われ続けます。結の姉・歩(仲里依紗)に昔助けられたことがあるギャルたち。歩のかっこよさを語りますが、結には書道以上に興味がなく、いやむしろ嫌悪感を持っているようです。
結が自分を抑え込んでいるように見えるのは、姉のこととも関係しているのでしょうか。
「あさイチ」では「虎に翼」のときはなぜか気の抜けたようだった博多華丸さんが「おむすび」ではがぜん、はしゃいで見えます。地元・福岡の街がロケで使用されているからです。地元愛。
地元・福岡バイアスが多分にかかってはいると思いますが、華丸さんが楽しんでいることが、朝ドラのおもしろさやわかりやすさのバロメーターのひとつになります。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4回のレビュー}–
第4回のレビュー
お休みの日、天神の繁華街にやってきた結(橋本環奈)はハギャレンたちにまた絡まれます。困っていると、警察がやって来て……。ゲームセンターで会社員が結が被害に遭っていると勘違いして通報したのです。
「このままやったら社会のクズになんぞ」と見た目で偏見を抱かれ憤慨するギャルたち。
その場は誤解ということでことなきを得て、結が帰宅すると、お父さん(北村有起哉)、お母さん(麻生久美子)、おばあちゃん(宮崎美子)がクズ野菜を廃棄処分するため分けていました。
「どんなに味がよくても見た目が悪かったらクズになる」と聖人はゲーセンにいた会社員のようなことを言いますが、結はもったいないと感じて、翌日、学校にクズ野菜を持っていきます。
幼馴染の陽太(菅生新樹)は漁業でも見た目を大事にすることは同じと言いながら、クズ野菜にぱくつきます。
見た目で判断するのは良くないと感じている結ですが、やっぱりハギャレンに偏見を持っていて。
放課後、またハギャレンがやってくると、「ほんとにクズになりますよ」とぶちキレます。
とにかくギャルが嫌いな結。いったい何がそんなに結を頑なにさせているのでしょう。
おじいちゃん(松平健)はクズ野菜も大事にしていて、聖人に「おまえは本物の農家やない」と手厳しい。聖人は聖人で何か抱えているようです。
永吉は商店街でクズ野菜を安く販売をはじめます。そこに、海で出会った翔也(佐野勇斗)が来て、野菜を買おうとします。野球好きな永吉は翔也におまけを差し出します。野菜と野球、なんとなく字面が似ています。
丸刈り少年がふたりいるため、混乱するのは筆者だけでしょうか。野菜と野球みたいな感じで。ちゃんと見れば個性は全然違うのですが……。
ふたりの丸刈りと風見先輩 (松本怜生)。みんな結に好意的な感じですが、結は風見先輩に目下夢中という、学園ラブストーリー的な建付け。
青春グラフィティが中心ですが、シニア層のパワーが強い。松平健さんが野菜販売の口上から、スナックでの、加山雄三の「君といつまでも」を熱唱まで大活躍。
スナックのママひみこは池畑慎之介さんで、なかなか昭和感の濃い空間でした。
スナック場面はベテラン俳優の存在感によって独特の磁場を醸しますが、第4回にしてやや説明的な感じになってきました。ほのぼの系なだけではありませんと結や聖人の悩みをちら見せしたり、見た目で人を判断してしまうことへの問題提起があったり、それが生煮えな感じ。
いつも思うことなのですが、原作もののまとめがうまさとはあくまでまとめがうまい技術であって、まとめる素材以上のものには決してならないのです。よく練られた原作をまとめればいいものになるけれど、大量の素材をよく練って作品に昇華するのはまた別の能力です。
とはいえまだ第1週なので結論を出すには早い。こっちが勝手に蓋を開けてしまったのかもしれません。気長に煮込まれていくのか、様子を見ていきましょう。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5回のレビュー}–
第5回のレビュー
「おいしいもん食べたら悲しいことちょっとは忘れられるけん」
(結)
第1週の終わり、結(橋本環奈)が栄養士になる布石が打たれました。
風見先輩(松本怜生)が、結に「楽しい展覧会」に連れていくと宣言。結が最初に行った展覧会は難しすぎて書道に親しみを持てなくなってしまうと心配し、ハードルを下げようとしたのです。それにしても「楽しい展覧会」ってなに。
展覧会当日、なぜか一緒に行くはずの恵美(中村守里)が来られなくなって、実質デート状態になり、気持ちがあがる結。でも途中で、ハギャレンの鈴音(岡本夏美)とすれ違い、体調が悪そうなことが気になって、先輩を残して展覧会会場からひとり去ります。
こういうのはドラマ特有のいらいらで、なんで先輩に、途中で具合の悪そうな人を見かけたからと言わないのか。無理くりな理由は、真面目な風見はギャルが嫌いだろうから、ギャルに知り合いがいると知られたくないというもので。でもなんとなくすっきりしなくて。こういう小さな無理を積み重ねていかないでほしいと願います。第1週からだとちょっと心配。ただ、その一方で、この展開のおかげで「楽しい展覧会」をはっきり形にしないで済んでいるのです。「楽しい展覧会」を表現するのはかなり難易度が高いでしょうから、うまく回避しました。回避も創作には大事なことなのです。
みつけた恵美はほんとうに具合が悪そうで、病院に連れていくと、栄養不足。そういえば、第4回でもお菓子ばかり食べてふらついていました。
鈴音は母子家庭で、ネイリストになるため食費を切り詰めていました。結は持っていたおむすび(塩むすび)を一個、手渡します。そこで出たのが、冒頭に引用した名言でした。
「なつかしい味」と、家族がそろっていたときのことを思い出ししんみりする鈴音。
おいしいものを食べてかなしみを紛らわすこと、世の中には栄養不足の若者がいること、そういうことが
ゆくゆく栄養士の道に向かわせるのでしょう。
結が毛嫌いしていたギャルですが、話せば、それぞれの個性や生活があります。
とはいえ、困っている人を見捨てられない結のことを「総代の器」だと言われても、総代になる気はありません。
鈴音はまず「友達」になろうと誘い、結もそれならばと許容します。が、友達と言っただけなのにハギャレンのメンバーに入ったことになっていました。いいのか、結。お人好しすぎる。そして、「むすびん」というあだ名をつけられます。超かわいい〜 ってかわいいか。そしてはじめてのプリクラ。
だんだん巻き込まれてきた結は、姉(仲里依紗)の部屋に入ります。そこには姉のギャル人生が詰まっていました。つい、髪にひまわりをつけてにっこり。封印されていた思い出の部屋に入り込むのは「あまちゃん」でアキが母の部屋に入って80年代カルチャーに魅入られるシーン、ひまわりを髪につけるのは「カーネーション」第3回で糸子が舞踏会でカーネーションを頭につけて踊るシーンと重なりました。
さて、聖人(北村有起哉)は、永吉(松平健)に「ほんとうの農家やない」と言われ、思うところがある様子。しまってあったハサミや櫛を取り出します。そしてひみこ(池畑慎之介)の髪を切ります。
神戸で理容師をやっていた聖人。彼の天職は農家ではなくこっちのようで、髪を切る目つきが真剣です。
永吉が聖人に言っていたことをひみこが知っていたのは、この間、スナックで話したのでしょうか。わりとデリケートな話だと思いますが、ひみこはなんでも聞いてくれる懐の大きな役割なのでしょう。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6回のレビュー}–
第6回のレビュー
第2週「ギャルって何なん?」(演出:松木健祐)はギャルの掟3か条からはじまりました。
ハギャレンと友達になった結(橋本環奈)。ケータイ番号を交換したらさっそくメールで「緊急招集」がかかります。
慌てて自転車と電車をとばして1時間もかけて天神のゲーセンに向かうととくに用事はなく……。
来るか、来ないか、賭けられていただけでした。
結のバカ正直さやお人好しっぷりがよくわかります。先週、すずりん(岡本夏美)が倒れたこともあったので、また何かあったと思ったのかもしれませんが。
ギャルの掟
1:仲間が呼んだらすぐ駆けつける
2:他人の目は気にしない。自分が好きなことは貫け
3:ださいことだけは死んでもするな
ギャルの掟に「しょーもな」と呆れる結。友達になるのはいいが(いいのか!)、周囲に友達だと言わないでほしいと頼みます。微妙に差別的ですが、そんなにギャルは世間から忌み嫌われているのか、筆者はギャル文化(と世間の位置づけ)をよくわかっていないのでいまひとつピンときません。外観が独特なので、つい線引したくなるのでしょうか。
結がほのかに憧れ中の風見先輩(松本怜生)が、真面目で上品なので、ギャルを好きではないだろうと結は思っているので、ギャルと友達と知られて嫌われないように用心しているのかもしれません。
風見先輩は、結が書道展をすっぽかしても、怒らず、また行こうと優しく接してくれます。ますます好感度があがります。
ハギャレンとつるんでいたため、帰宅が遅れた結は、書道部の人たちとハンバーガーを食べていたと嘘をつきます。
聖人(北村有起哉)は、ハンバーガー?どこの店で?何バーガーを食べたんだ?等々と細かく問い詰め、愛子(麻生久美子)に「デカ長」とからかわれます。
「デカ長」なかなか愉快なたとえです。平刑事ではなく、デカ長というわりとえらい役割でよかった。
結は、平日書道部、土日ギャルとの交流と忙しい日々がはじまりました。糸島フェスティバルでパラパラを一緒に踊ろうと言われ、断ると、プリクラを家族に見せると脅されて……。
脅迫とは由々しき行為です。
このドラマはそういう話ではないとわかってはいますが、ついつい情にほだされて悪い友達にずるずると巻き込まれてしまうこわさを感じます。繰り返しますが、「おむすび」はそういう話では決してないはずです。脚本家の根本ノンジさんは「ギャルに対してあまりいい印象を持っていないかたもいるかもしれませんが、今回のドラマに出てくるギャルたちは、とてもクリーンでいい子たちばかりです」とインタビューで語っていました(Yahooニュースエキスパート〈「やっぱり第1週から橋本環奈さんを見たいよね」『おむすび』脚本家の素直な思い〉より)
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7回のレビュー}–
第7回のレビュー
冒頭は高校野球からはじまりました。
甲子園の時期だと、朝ドラのあとに野球中継がはじまるので、朝ドラと高校野球には親和性があるかもしれません。よく朝ドラの主題歌が甲子園の入場行進曲になったりもしますし。
高校野球は青春の香り。
そして、結は、書道部の活動に青春を感じています。
書道部は毎年野球の試合の横断幕を作っていて、今年は風見先輩(松本怜生)が文字を書く担当に抜擢されました。
結は横断幕作りを手伝いますがこれが意外と肉体労働。
腕がつかれて、ご飯も食べにくいと困っているところへ、柚木(田村芽実)がパラパラの練習があると迎えにきます。
柚木は、ギャルの格好をしていないと、真面目な子に見えます。言葉遣いも丁寧で、結のお母さん(麻生久美子)もおばあちゃん(宮崎美子)もすっかり信用してしまいます。
学校では気配を消していて、結は「忍者」と呼んでいますし、わきまえがちゃんとあって、友達であることを隠してほしいという結の要求をちゃんと守っています(米田家に友達として訪問するのはいかがなものかですが、あくまで学校でが他人のふりをしています)。
それが天神につくなり、トイレで着替えて、ギャルに変身。今日は「強めマンバ系」といつにも増して派手になっていました。20分でこんなに変身できちゃうなんて年季が入ってるー。
ギャルの研究をして記録しているだけあって、いろんなギャルのパターンを実践しているようです。
田村芽実さんは「らんまん」では主人公(神木隆之介)が印刷の勉強をするために働いていた印刷工場の娘を演じていましたが、そのときも、ちょっとユーモラスなお嬢様で、視聴者に愛されました。今回も、柚木がいい味出していきそう。
柚木は結に好意的ですが、ハギャレンのなかにひとりだけ結に対して反感を抱いている人物がいました。ダンスが得意の佐藤珠子(谷藤海咲)です。ちゃらっとしてないクールなタイプです。髪も黒いし。
彼女に認めてもらうには、パラパラが踊れないと無理そう。
結はそうまでしてハギャレンの仲間になりたいわけではないので、どうなることやら……。でもダンスは純粋に楽しそうですけれど。
「みんなでひとつのことをやるのは楽しい。もしかしてこれが青春ってやつなのかも」と結は書道部活動をそう感じていたので、みんなでパラパラを踊ったら、もっと楽しい青春が待っていそうではありませんか。
結が天神から戻ってくると、お父さん(北村有起哉)が駅で待っていました。昔、姉のアユ(仲里依紗)が朝帰りしたりしていたので、最近の結の行動が心配になったようです。その勘は鋭い。でもうざい。
ずっと駅で待っていてもしょうがなくて、(朝帰りだったら朝まで待っているのか)といって街まで探しに行くことはしないところが彼なりの配慮なのでしょうか。なににしてもうざい。
ハギャレンではアユの代わりで何かとアユと比べられ、父親からもアユと重ねて見られ、しんどそうな結。
感情表現に自転車全力疾走は使える。
今日の注目は柚木とミニキャロット。ミニキャロットは生で何もつけなくても美味しいらしい。食べたい。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8回のレビュー}–
第8回のレビュー
「ムカつく。ギャルもお父さんもみんなムカつく」
父にもギャルにも姉(仲里依紗)と比べられてしんどくなる結(橋本環奈)。心配したお母さん(麻生久美子)は聖人のことを「馬鹿なの」「娘を駅で待ち伏せする?」「キモい」「引く」としかります。よくぞ言った。
愛子はなかなか強い人で、舅の永吉(松平健)にも遠慮がありません。米田家は、嫁姑(舅)問題はなさそうです。
代わりに、長女の歩の問題があるようですが……。
なぜそんなに結が歩を嫌うのか、結は、しつこく誘いにくるルーリー( みりちゃむ)たちに、歩のせいでいつも父母が喧嘩していて家のなかがギスギスしていたと明かします。
聖人と愛子の喧嘩は、この回を見る分にはさほどギスギス感じず、よくありそうな夫婦喧嘩のような気もしましたが、幼いときの結には、おおごとに思えたのかもしれません。ネガティブな言葉が頻繁に飛び交っていたら、やっぱりネガティブになってしまうでしょうし……。
理由を聞いてもるーりーは結をハギャレンにいれることを諦めません。タマッチこと佐藤珠子(谷藤海咲)が結を入れるなら自分が辞めるとまで言い出しますが、それでもるーりーは結を必要とするのです。なんでそこまで結を買うのか。
そして、野球の試合用の横断幕を風見先輩(松本怜生)が書く日が来ました。厳かに、大きな筆を大きな紙に向かって書く「一致団結」。その言葉に「仲間」というものを改めて考える結。部員が手形をつけて横断幕が出来上がりました。
かっこいい風間にちょっと悔しい気持ちの陽太(菅生新樹)。
夕方、大量のやりいかを米田家に差し入れにきて、野球の試合に出ることになったから、ホームランを打つと宣言。
どうやら、結に想いがあるような……。風見先輩のかっこよさに刺激されて負けていられないと思ったのかもしれません。
菅生新樹さんは、菅田将暉さんの弟で、目力の強さが似ている気がします。菅田将暉さんは「ごちそうさん」で野球少年の役を演じていました。
兄弟そろって朝ドラでは野球少年です。菅生さんは日曜劇場「下剋上球児」では野球部OB の役でした。
そして試合の日。クールそうな風見先輩は急に饒舌になり、野球情報を語りだします。ほんとうは野球をやりたかったけど体が弱くて諦めたそうで。
陽太たちが対戦するチームになかに結は、海で会った河童こと四ツ木翔也(佐野勇斗)を見つけます。
風見、陽太、四ツ木と3人の男子が結のまわりに集結。これもまた青春です。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9回のレビュー}–
第9回のレビュー
結(橋本環奈)の通う糸島東高校が福岡西高校と試合。結は書道部の面々と応援に参加しています。
9回裏、3対3の同点。逆転勝利の大チャンス。
横断幕を書いた風見先輩(松木玖生)はじつは野球が好きで、クールでやさしい仮面をはがし、熱い野球愛を饒舌に語り、結を驚かせます。
野球の解説キャラがいないとただ野球の試合を流してもわけがわからないので、風見がその役割を担っているのでしょう。結はキャラ激変に戸惑いますが、宮崎恵美(中村守里)はあっさりあしらう感じがおかしい。もう知っていたのか、風見に興味がないか、どちらかでしょう。
ここで福岡西のピッチャーが交代。見覚えがある結。海で出会い、商店街で再会した四ツ木(佐野勇斗)でした。でもメガネをかけていて、ちょっと印象が違う。風見の解説によるとかなりの実力派のようです。じゃあ、糸島東ピンチ!
対するバッターは、ホームランを打つと結に宣言した陽太(菅生新樹)。
「陽太がんばって!」とかわいい声で結が応援します。
でもカンタンに2ストライクまで来てしまい
「陽太あきらめんな!」とやっぱりかわいい結の声が届いたかーー
打った!
大きく打毬があがった!
と思ったけれど、あっさりとられてアウト。
そのとき、四ツ木と結の目が合ったような……。
結局、福岡西が勝ち、翌日の新聞には、「福岡のヨン様」と四ツ木の写真が大きく載りました。なんとあのあと大量得点で10点もとって、13対3の大勝利。そこまで差を広げなくても……。糸島東立場なし。
米田家ではおばあちゃん(宮崎美子)とお母さん(麻生久美子)が「冬のソナタ」好きらしく、「福西のヨン様」と呼ばれる四ツ木に夢中になっています。
韓国ドラマ「冬のソナタ」は02年に韓国で放送され、日本では03年〜04年にかけて大きなブームを巻き起こしていました。当時のブームはすごかった。韓国ロケ地ツアーにも続々と日本人女性が出かけていったものでした。
そのヨン様にまたまた再会する結。
乱視で野球のときだけメガネをかけているそうです。
「米田結」とフルネーム呼びが、結への特別な気持ちを感じさせます。ここは少女漫画ふうというか青春恋愛ドラマぽい。
四ツ木は速い球を投げてすごそうに見えますが、長い回を投げるスタミナがなく、ストッパーとして活躍しているようです。
先日のトマトのお礼にと、いちごを差し出す律儀なところを見せる四ツ木。
糸島もいちごの産地であまりありがたみがないけれど、だからこそ出来の良さは結にはわかりました。
「おむすび」は西日本の話だけれど、北関東の香りがちょっとだけ入っているのは、あまり西日本に偏らないようにという配慮でしょうか。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10回のレビュー}–
第10回のレビュー
人は見かけによらないもの。
ハギャレンの4人のリーダー的存在のるーりー(みりちゃむ)はしっかり者のイメージでしたが、密かに孤独を抱えていました。
家に家族がそろうことなく、母親の手料理もない。でもお金には困っていなくて、晩ごはん代で1万円ももらえます。でも、食べるのはコンビニ飯。
そして、夜、ひとりで天神の街に繰り出し、ちゃらい男たちに絡まれたすえ、交番に保護されてしまい……。
場面は不穏でしたが、朝ドラで夜の都会の風景は珍しい。夜景がきれいでした。
結(橋本環奈)は最近ずっと土日はギャルたちと過ごしていましたが、お父さん聖人(北村有起哉)のことも気になって、畑仕事の手伝いをすることにします。
お父さん、なにかと小うるさいですが、単に娘のことが心配で心配でしょうがないだけなのでしょう。ただ、歩(仲里依紗)がギャルになったのが自分のせいと気に病んでいることは考えすぎな気もしますが……。
畑仕事をしていると、るーりーからケータイメールが届きます。またしても招集? 天神の東交番に来てほしいとギャル文字。
るーりーは交番にいて、誰か迎えに来てもらえないと本署の少年課に引き継がれてしまいます。父親は中国で母は仕事で連絡がつかず、ハギャレンに助けを求めたのです。
でも、前回1回、緊急招集で騙されているし、結としては身構えてしまいますよね。
どうなるみりちゃむ。
あわやーーというところに、結が現れます。
「うちはこの人の友達です」
という言葉にるーりーは感動。
ちょっと遅れて、スズリン(岡本夏美)とリサポン(田村芽実)もやって来ます。
ところが、未成年では意味がなく、困ったーーと思ったら
愛子(麻生久美子)が真っ赤なセーターを着てツヨツヨな感じで現れて、事なきを得ました。
「お母さんを誰だと思ってるの」
愛子は歩のギャル文字を学んでいたので、結のケータイを読むことができたのです。
今回、ただただ、愛子が頼もしかったです。米田家の嫁という感じが全然なく、遠慮なく生きている。夫にもびしびし厳しい。愛子もまた見かけによらなくて、一見、ふわっと優しそうで、ファンシーな作業着がお似合い。でもじつは芯がしっかりしていそうです。
米田家は喧嘩もするけれど基本仲良くやっています。が、みりちゃむの家はバラバラ。彼女にはハギャレンしかいない。そんなことを知って、結はパラパラを一緒にやってみようと考えます。
街の警官の人たちにも川合紗香(兒玉遥)、加藤(竹下健人)と名前がついているのは、今後も登場するのでしょうか。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第11回のレビュー}–
第11回レビュー
結(橋本環奈)がギャルたちとつるんでいるところを目撃した陽太(菅生新樹)は気になってこっそり結の行動を追います。そこにリサポンこと柚木理沙(田村芽実)もいますが、陽太は、学校での彼女とはまったく違うビジュアルに戸惑って……。
駅では偶然を装って結に話しかける陽太。やってることが結の父・聖人(北村有起哉)と同じ。
門限ぎりぎりで帰宅した結に、聖人はまたくどくど叱ります。心配しているのはわかりますけれど、ちょっと表現を間違えちゃっています。救いは、永吉(松平健)や佳代(宮崎美子)、愛子(麻生久美子)がおおらかなこと。
永吉は相田みつをと知り合いとホラを吹き、聖人を苛立たせます。が、この永吉のやたらと誰か有名人と知り合いという嘘はたぶん伏線で、いつかほんとうに誰か有名人と知り合いであることが証明されるときがくることに1ペリカ。
聖人は口うるさいですが、彼の胸騒ぎは当たっていて、結はじょじょにはめを外していきます。
朱に交われば紅くなるという世の摂理。こうして人は身を持ち崩していくのです。これは大げさですが、ハギャレンの子たちがもし悪い子たちだったら大変なことになってしまいますから。
幸いハギャレンたちはいい子で、結は居心地が良くなって楽しみはじめていて、愛子はそれに気づいています。が、聖人は結は農家を継いでくれると思っていて……。
結も自然とそう思い込んでいましたが、ハギャレンたちは、それでいいのか問いかけます。第3週「夢って何なん?」(演出:野田雄介)のテーマです。
ハギャレンたちにはそれぞれ夢があります。リサポンはいつかギャルの本を書くのが夢(ギャルの歴史をノートにまとめていました)。カラオケでリサポンは浜崎あゆみの歌はギャルにとって救いだと自論を滔々と語ります。学校では真面目な姿をし、勉強もちゃんとできるリサポンは何者? カラオケもうまかった。田村芽実さんは元アイドルでミュージカルでも活躍しているだけあります。
自分は将来何になりたいのか、考えてもみなかった結。夢についてカラオケで話しているとついに門限を過ぎてしまいます。それをかばったのはーー陽太。でも彼から発された言葉はあまりに意外なものでした。
とってもほのぼのした展開で、祝日ののんびりした朝にはぴったり。3週経って、「おむすび」のほのぼのムードにもじょじょに慣れてきました。おそらく、ですが、東日本大震災がくるまで日本はそれほどピリピリしていなかったと思うんです。世紀末(1999年)に世界が終わらなくて、21世紀はとくにいいことがないにしてもそれなりに日々過ごしていた時期が2004年頃。じつは、静かに国力が低下していっていたわけですが……。だからギャルたちは浜崎あゆみの歌に救いを求めていたのでしょう。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第12回のレビュー}–
第12回のレビュー
門限を破ってしまった結(橋本環奈)を助けようと陽太(菅生新樹)が結とつきあっていると言い出します。なぜか眼帯している陽太。野球のボールが当たったらしいのですが、なぜ、そこだけリアリティー?
眼帯が悪目立ちしています。が、眼帯していないと、引っ掛かりのない場面になってしまうのも事実。
陽太の嘘を愛子(麻生久美子)と佳代(宮崎美子)は気づいていました。佳代の「だって ありえんもん」はなかなかきつい。
聖人(北村有起哉)だけは単純にも真に受けてしまい、ショックのあまり縁側で膝を抱え、口を鯉のように音を立てパクパクしています。こういうちょっとした仕草を考えつくのがさすが演技派・北村有起哉さんです。
永吉(松平健)に、聖人のせいで歩(仲里依紗)が家を出てしまったと言われ、ますます聖人は苛立ち、スナックひみこに飲みに行ってしまいます。
米田父子、なぜ、こんなに仲が悪いのかーー聖人が若い頃が回想されました。
永吉は昔から自由人で、ホラばかり吹きながら、トラック野郎としてあちこちに出かけては、お金も使ってしまう。佳代が貯めたお金を使い込んで行きたかった大学に行けなかったことを聖人は根に持っていました。
そんなとき、いつも髪を切ってくれていた理容師さんが、都合で神戸に行くことになって、聖人はその人について神戸で理容師になろうと考えます。地元の糸島が好きだけれど、父からとにかく離れたかった気持ちが痛いほど伝わってきました。朝ドラではヒロインが父親に抑圧されていますが、男性だって同性の父親に思うところあることもあるのです。女性の生きづらさが注目されていますが、男性もやりきれない思いを抱えながら、はっきり言葉にできずもやもやしていることを聖人が体現しています。
北村有起哉さんの70年代長髪の若者役(二十代?)に無理あるという声もありましたが、若いときは繊細な喋り方や表情をしているところがさすが演技派。とはいえ11歳の少年役はさすがに演じていません。その頃の松平さんと宮崎さんの若作りはなかなか難しいものがありました。かなりコント。松平さん、貫禄ありすぎ。いやでもカチューシャした宮崎さん、かわいかった。
家庭内不和も結の秘密のギャル活動も、さほど深刻に見えず、ほのぼのホームドラマの体で、そのあと「あさイチ」でやっていた、パスタを茹でたあと鍋にパスタがこびりつく悩みの解決とか、ハンドクリームを最後まで使い切る方法とかにものすごく親和性を感じました。
たいしたことが何も起こらない感じ、以前、日テレで朝ドラを意識してやっていた「生田家の朝」(2018年)のようです。ただ「生田家〜」はバカリズムのセリフが面白かったのですが、「おむすび」はそこまで振り切ってはいないんですよね。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第13回のレビュー}–
第13回のレビュー
のどかです。糸島の自然ーー山と畑のようにのどかです。
朝、登校してきた結(橋本環奈)は下駄箱で靴を履き替えているところにリサポン(田村芽実)が来て、パラパラの振りを描いたものを手渡します。
それをじっと見ている陽太(菅生新樹)。眼帯なし。目は治ったようです(あの眼帯なんだったのか)。
と、さらにそこへ風見先輩(松本怜生)が、部活のあと話があると意味深に声をかけてきました。
ドキ。これって告白? 恵美(中村守里)は結を焚きつけるようなことを言います。
結は部活中、気もそぞろ。注意されていたけれど、だいぶ字がうまくなっていました。
そして、部活の終わり。
やっぱり、告白?と思ったら、
おれんちにバリでかいスズメバチの巣があるから見に行こう、と大竹部長(桑野颯太)が戻ってきます。
ひとりだけ盛り上がる部長。結的には空気の読めない人。
「バリでかいスズメバチの巣」、「あさイチ」で博多華丸・大吉さんがそこに食いついていました。
部長、最初は地味な人のイメージでしたが、じわじわといいキャラ感出てきました。
それにしても、こののどかな感じ、小中学校って印象なのですが、高校生でもこんなに無邪気でしたっけ?
風見先輩は、結の筆巻きが野菜染めだと気づき、それに興味津々。
おばあちゃん(宮崎美子)が作ったもので、結は家に先輩を招いて、野菜染めを体験してもらいます。
先輩は野球と同じく、夢中に。
突如はじまる、おばあちゃんの野菜染め講座。視聴者もやれそうです。
たまねぎでものすごくきれいな黄色に染まって、気分が上向きました。ギャル的に言えば「上げ〜〜」って感じです。
夕暮れ、帰る先輩を途中まで送っていく結。空の色が、野菜染めと並ぶ美しさです。よくぞ、このいい瞬間を撮影できました。自然の色はきれい。
やっぱりロケはいい。一瞬出てきた食堂も、タイルの床や並んでいる小物の数々……セットでは容易に出せない、生きた時間の堆積がありました。
風見先輩は、和紙以外のものに書を書くことを考えていました。
書道をもっと楽しいものにしたいと夢を持っている風見に、結の夢は? と聞かれて、農家を継いで毎日平穏無事な生活をすることと答える結。大きな夢を持つ先輩と自分の差を感じてしまいます。
夢って「そんなに大事なのかな」と不服そうな結。いやでも、農家を継いで平穏な生活を願うことにコンプレックスを抱くことはないと思いますが。風見先輩のように、工夫して、世間の偏見を覆せばいいのです。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第14回のレビュー}–
第14回のレビュー
天神で恐喝事件があり、ハギャレンたちが疑われます。
事件に巻き込まれないように、土日に街に出ることを避けないといけなくなりました。
ハギャレンたちは結(橋本環奈)の家にやってきます。
結の家の広い居間でパラパラの練習をして、おばあちゃん(宮崎美子)特製、新鮮野菜のバーニャカウダーを食べ、伝説のあゆ(仲里依紗)の部屋も見学して(異様に長いルーズソックスに注目)楽しい一日を過ごしました。
おばあちゃんもお母さん(麻生久美子)はハギャレンの子たちがいい子だと理解しますが、世間は偏見を持つ人が多いのです。お父さん(北村有起哉)もそのひとり……。
外見で人を判断してしまうことを、愛子は経験していました。
若い頃、名古屋でスケバンをやっていたそうで(ヤンキー)。びっくり設定。でも、愛子が妙に物怖じしないし、気を利かせて警察に迎えに来てくれたり、物事をよくわかっている感じは元ヤンだと思うと説得力があります。
というわけで、麻生久美子さんのコメントをご紹介します。
写真提供:NHK
Q1出演が決まったときの気持ちは?
「いつかは朝ドラに出演できたらという思いがあったのですごくうれしかったです。でも、いまだに信じられない気持ちもあって(笑)。
撮影が始まってもなかなか実感できずにいたのですが、放送が始まるとお友達からたくさん連絡をもらったり、感想を伝えてくれる人もいたりで、段々と現実なんだなと思えるようになってきました。若い頃はヒロインができたらいいなと思っていた頃もたぶんあったんですけど、いつの間にか年齢を重ねて、初めて朝ドラに出演させていただくのがヒロインの母親役ということで。
この年齢まで仕事を続けられてきたこととか、いろんな思いが頭を巡りました。
それに、母親からも珍しく『おめでとう』って連絡が来て、やっぱり朝ドラの影響力ってすごいんだなって思ってます」
Q2演じる役・愛子について
「すごく魅力的な女性だと思います。愛子さんはすごく理解があるというか、どっしり構えていて、どこか達観しているようなお母さん。
元ヤンキーで、若い頃にはいろいろ苦労もあった人だからこそ、子どもたちへの接し方には自分なりの思いがあると思っています。
子どもたちが心配じゃないわけではなくて、すごく信じる力の強い人だと思います」
Q3ハギャレンメンバーとのシーンについて
「実はそんなにハギャレンメンバーの子たちとは一緒に撮影してるシーンは多くないんです。
でも、みんなが現場にいるときはとても賑やかで華やかで、一気にエネルギー溢れる現場になりますね。
ハギャレンの子たちはギャルマインドがあって良い子たちで可愛いです。
私が若い頃はギャル全盛期の時代だったので、私もギャルをやっておけばよかったなと今になって思います」
Q4視聴者へのメッセージと今後の見どころ
「みなさんには、もう本当にお好きなように見ていただきたいです。でも、見るとすごく元気になってもらえると思うんです。
心に栄養を届けられる、おばあちゃんのおむすびのような作品なので、楽しんでいただけたらうれしいです。
家族のシーンもすごくいい雰囲気で、おじいちゃんも面白いし、おばあちゃんのツッコミも最高です。
私も、元ヤンらしいシーンが出てきますので、是非楽しみにしてほしいです」
写真提供:NHK
元ヤンかつ、絵もうまい(パラパラの振りつけのパラパラ漫画を制作、その絵がとてもかわいかった)という多才なお母さんの今後にも注目。
四ツ木のお母さんも出てきて、これが酒井若菜さんであることも今後に期待できそうです。
交番の警官たちも、街のイチ員として、もっと描き込んでほしいと期待します。脚本の根本ノンジさんが脚本を書いた「ハコヅメ」みたいな感じで。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第15回のレビュー}–
第15回のレビュー
ハギャレンのみんなが家に来たことを知らないお父さん(北村有起哉)。実は組合の集まりの帰り、ハギャレンを見かけているのですがそこに結(橋本環奈)が混じっていたことには気づいていません。
聖人はおりいって結に神戸に帰らないかと尋ねます。糸島の人たちの地元愛に触れて自分の地元愛の行方を考えてしまったようです。
神戸と言われて、結の脳裏に浮かんだものはーー。
タイトルバック開け。結は海辺へ四ツ木(佐野勇斗)とまた会います。彼はまたいちごをくれますが、そこに間違えて、夢ノートが入っていて、四ツ木の野球選手としてのサクセスストーリーが書いてありました。
四ツ木は、農家を継ぐのは立派な夢だけれど、平穏無事に生きるのが夢ってちょっとさみしくないか?と問いかけます。結はキザだと笑います。平穏無事に生きるのが夢も悪くないと筆者は思いますが、それは当たり前のことで、平穏無事のベースの上に、それぞれの夢が自由に乗っかっていくということなのでしょう。
帰宅すると、お母さん(麻生久美子)は神戸でも糸島でも結のいたいほうを選べはいいとやさしい。
お姉ちゃん(仲里依紗)だったらどうするか、結は歩のことを考えます。姉がギャルになったのは何か夢があったからなのでしょうか。愛子は歩は不良になったわけじゃないと娘の気持ちを慮ります。さすが、元ヤンキー。たぶん、愛子もヤンキーだけど不良じゃなかったのでしょう。
人は見かけではない。
ある日、結とハギャレンが街を歩いていると、先日、交番の警官たちから聞いた恐喝ギャルと遭遇します。男性に絡んでいるギャルたちを止めるハギャレン。同じようなものと一括りにされそうになりますが、結は毅然と、ハギャレンは「あなたたちとは違います」と、ハギャレンは掟に則ってださいことをしないのだと立ち向かいました。
もちろん恐喝は良くないことです。ただ、ハギャレンは服もメイクもかわいいし夢を持っていると、恐喝ギャルたちはそうじゃないと断じてしまっても良いものでしょうか。こういうふうに、比較して線を引いてしまうと分断されちゃうので、言い方、接し方には気をつけたい。恐喝ギャルたち、完全に悪役なのがちょっとさみしい。
でも、結の「ごはんをきれいに食べる」という台詞は良かったです。ごはんをきれいにとは、おいしく残さずいただくことだと思うのですが、それは生きることの基本かなと思います。
ハギャレンのことを認めはじめた結のもとに、ふいに姉が帰ってきてーー。
どうなる第4週。
さて。恐喝をいち早く止めに入ったのは、タマッチこと佐藤珠子(谷藤海咲)。ダンスが得意で、結のことをカンタンには認めなかった芯の強い人物です。
タマッチ(左)とるーりー(みりちゃむ) 写真提供:NHK
演じている谷藤さんは、パラパラは今回、初挑戦。でも幼い頃からヒップホップやジャズダンスをやっていたそうです。
「(橋本環奈さんと)共演して印象的だったのは、タマッチがムスビン(結)に「かっこよかったよ」という第3週・第15回放送のシーン。ムスビンが怖い相手に向かってギャルのことを熱弁してくれる瞬間、すごく嬉しくなって本当に泣きそうでした。タマッチは泣くキャラでもないし、ここで泣いたらタマッチちょっとダサイか…と我慢したけどとてもいいシーンだなと思います」
タマッチの役作りについては、「筋通ってなくない?」というセリフを大事にしているそうです。
「タマッチの情熱がどこにあってハギャレンに対してどう思っているのか、監督と相談しながら役を作っていきました。よく出てくる「筋通ってなくない?」というセリフに、彼女の全てがあらわれていると思います。タマッチは総代表のルーリー(真島瑠梨/みりちゃむ)に負けないぐらい、ハギャレンに強い思いを持っているんです。だからギャルを悪く言われると、もう本当に許せなくなる。カッとなるスイッチが入るシーンは、何でカッとなったか皆さんに気づいてもらえたら嬉しいなと思いながら演じています。
私自身も「やると決めたらやり通す」とか「変な言い訳をしない」という気持ちがあるので、タマッチがムスビン(ヒロイン・結/橋本環奈)に抱く鬱憤(うっぷん)はすごく理解できました。ただ、難しかったのがギャルならではの切り替えのはやさ。ムスビンにさんざん当たっていたのに、もう一緒にプリクラ撮るの!?って思うじゃないですか(笑)。でも、その1日経ったら忘れちゃうぐらいのポジティブさや引きずらないところが、ギャル持ち前の明るさに繋がるんでしょうね。タマッチにとってハギャレンは最高に楽しいチームだから、その前に何があってもみんなといれば楽しい!ということだと思います。
ギャルって本当に人生楽しそうで、未来よりも今!みたいなところに憧れがあったので、タマッチを演じて自分も少しそうなれている気がして嬉しくなりました」
第4週では、いよいよ糸島フェスティバルでパラパラを披露することになります。タマッチの振り付けとレッスンの成果に注目です。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第16回のレビュー}–
第16回のレビュー
「伝説のカリスマギャルの復活や こら天神が荒れるばい」(松原)
第4週「うちとお姉ちゃん」(演出:小野見知)のはじまり。突然ふらりと帰ってきた歩(仲里依紗)はギャルファッションではなく、清楚系ワンピースにカーディガンに黒髪ストレートでした。
そしてお土産はマカロン。「おすすめはピスタチオ」
すっかり洗練された都会っ子になったのでしょうか。
なぜ、急に帰って来たのか気になりながら、お父さん(北村有起哉)も愛子(麻生久美子)も腫れ物に触るように接することしかできません。
おじいちゃん(松平健)は誰かに追われて変装しているのではないかと推理します。
翌朝、起きてきた歩は結(橋本環奈)のお気に入りのキャラクターのTシャツとジャージを着て、そのまま商店街へ出かけていきます。
高校生の着るキャラTだけど、頭にサングラスを乗せた姿はなんだか様になっています。
さびれた商店街、変わってないなあと眺めていると、そこにいる人たちにバレそうになり、慌ててサングラスをかけます。誰かに追われているというよりは、糸島の人に気づかれたくないから変装しているのかもしれません。
でもたちまち、歩が帰ってきたことが街中に広まってしまい……。
学校でもすでに陽太(菅生新樹)が聞きつけていて。結は、りさぽん(田村芽実)に知られてはまずいと口止めしますが、松原先生(シソンヌ 長谷川忍)が大声でしゃべってしまいます。松原先生は第1話のときもそうでしたが個人情報をべらべらしゃべる困った人です。
当然、りさぽんはケータイでハギャレンに報告。
ハギャレンたちはさっそく米田家にやって来ます。なんで、りさぽんは、自転車必死で漕いで帰ってきた結より早く米田家に到着してるんだ?しかも着替えて。
でも歩は、ギャルなんてチョーダサいからやめなよと冷たい。
ハギャレン、ショック。
米田家の和室の上座に座っている歩は、キッズTシャツみたいなものを着ていながら、異様に貫禄があります。ギャルファッションでなくてもカリスマ感たっぷり。ギャルは心意気だという意味がわかる気がします。
一生懸命なハギャレンに対して、そんな言い方はないと結は憤ります。
真剣に言い合う姉と妹ですが、歩のTシャツがかわいいので、なんか真剣になりきれないものが……。
結が言う「神戸のこと」は阪神・淡路大震災のこととうっすらわかりますが、「真紀ちゃんのこと」とは何でしょうか。気になります。
ハギャレンたちが、自分たちのことを死ぬほど恥ずいと言われてショックであろうところ、突然の姉妹喧嘩の深刻さにすべてかっさらわれて、呆然となっている表情が印象的でした。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第17回のレビュー}–
第17回のレビュー
「お姉ちゃんなんて大嫌い」
歩(仲里依紗)と喧嘩した結(橋本環奈)は家を飛び出し、海辺で涙します。
そこから回想ーー。
9年前の神戸。「平成6年10月」とテロップが出ます。西暦だと1994年です。
結(幼少期:磯村メアリ)は5歳で「セーラームーン」が大好き。姉・歩(少女期:高松咲希)のセーラー服を着て、セーラームーンに変身しようとします。歩は16歳。
「お姉ちゃん大好き」
この頃の結はやさしいお姉ちゃんが大好きでした。
昨日、名前の出た真紀(大島美優)は歩の同級生で、結にもやさしく接してくれていました。
神戸での米田家は、糸島の米田家のムードとはだいぶ違います。ギスギスしてなくて、あったかく善意しかない家族という印象です。「てるてる家族」的な。
聖人(北村有起哉)が糸島から神戸に移住して17年。理容室を営み、家族もできて、街にも馴染んで、商店街にアーケードを設置する計画の責任者に推薦されます。
気の良い町内会の人たちに扮するのは、キムラ緑子さん、内場勝則さん、新納慎也さんと、これまで朝ドラに出演されてきた方々です。キムラさんは「ごちそうさん」のこわい小姑、内場さんは「わろてんか」の
寄席を愛する元席主、新納さんは「ブギウギ」の外国かぶれの演出家を演じました。
町内会の仕事って面倒くさいことを押し付けられているような気もしないではないですが、ここではそういうネガティブな話ではなく、この街の人たちはとてもいい人たちのようです。
まだまだよそ者と遠慮がちな聖人ですが、自分を受け入れてくれた街への「恩返しだ」と思って責任を引き受けようと決意します。
実はバブルが弾けて景気が悪く、反対の人もいました。うーんやっぱり面倒くさいことを押し付けられた? いや、信頼されているからこそ面倒なことも突破できると期待される。かように物事にはいいことと悪いことが隣り合わせであります。
真紀ちゃんのお父さん(緒形直人)は反対派で、親同士が対立すると子どもの仲にも影響が……。
ほのぼの明るいひだまりのような朝ドラファミリーに、少しばかり影が差してきます。
ちなみに、美佐江(キムラ緑子)が持っていた痩せる海藻石鹸。昔、流行って、香港旅行のお土産の定番でした。
と、ここまで海藻じゃなくて回想。
いったん、9年後の平成16年。2004年に戻ります。
海辺にハギャレンがやってきて、ハギャレンを解散すると結に伝えます。「こんなことに巻き込んでごめんね」とハギャレンのほうが結に気を使います。いや、結と歩の姉妹の問題に巻き込まれたのはハギャレンのほうでは……。彼女らなりに一生懸命だったのにちょっとかわいそう。
ただ、歩の平成16年時の年齢が24、5歳とわかったので、彼女はギャル卒業しても当然だなとはナットクしました。
途中でいったん過去に戻るのは「おかえりモネ」がそうでした。ちょうど同じころの第14回、幼少期、少女期の回想が入りました。
過去と現在が行き来するのは、朝ドラでも大河ドラマでもあまり好まれません。基本、オーソドックスなもの(時系列順に進むもの)を好む層が見ているからでしょう。でもたまに凝った構成に挑むことを止める権利は誰にもないのです。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第18回のレビュー}–
第18回のレビュー
今回も9年前・1995年1月の海藻、いや回想と2004年を行き来する構成です。
まず2004年、結(橋本環奈)と喧嘩した歩(仲里依紗)が天神の街をぶらついていると、昔因縁のあった 天神乙女会の明日香(寺本莉緒)という人物が声をかけてきて、勝負を挑みます。
その勝負はラーメン大食い競争。ズコー。ここずっこけるところでしょう。
明日香は歩が東京でギャル雑誌のモデルもやっていたと説明セリフを語ると、歩は昔から自分は「ギャルじゃなかった」と謎の言葉を吐きます。
その謎は明かされないまま、明日香は帰ってしまい、昔なじみのラーメンも出してくれるカフェバーのようなところ(HEAVEN GOD)で歩がひとり飲んでいると、愛子(麻生久美子)がやって来て……。
展開の見本のような脚本です。
愛子は、警察に来たり、お店に来たり、と何かと勘の鋭い人です。さすが元スケバン(ヤンキー)。「野生の勘」と言ったのは、おじいちゃん(松平健)が「野生の勘」で歩はまだ福岡にいるに違いないと予想したから。
おじいちゃんの野生の勘と愛子のヤンキーの勘が掛け合わさって、歩を見つけることができました。
バーボンロックとさらりと言う愛子、かっこいい。
探しに来たのはあのときの歩と同じと、愛子は9年前を回想します。
そのとき(1月13日)は結が行方不明になって、歩があちこち探して、神社にいるのを見つけました。
なんで結がいなくなったのかというと、アーケード設置の件でみんなが揉めて結が悲しくなってしまったのです。
あのときの何が同じかというと、勘というよりは、いつも大事な人のことをちゃんと見てきたから、何かのときに行きそうな場所に気づけるということでしょう。2004年の愛子もさらりと見えて実はあちこち一生懸命探し回ったということかもしれません。
ひとしきり昔のことを思い出して、家に帰ろうと促す愛子。糸島に来てから本音をいっさい言わなかった結の本音がついに出たのはむしろいいことだと愛子は考えていました。
その頃、結がひとり部屋にこもっていると、「おいしいもの食べたら悲しいこと忘れられるよ」とおばあちゃん(宮崎美子)がおにぎりを握ってきてくれます。
「おいしいもの食べたら悲しいこと忘れられるよ」は第1話から何度も結が言っていた言葉。じつはおばあちゃん仕込みなのかもしれません。
おいしいものを食べたあと、結は、ハギャレンを続けてもらう決意をします。結のなかで強い意思がむくむくと育ちはじめています。
結にハギャレンのかっこいい踊り楽しみにしていたと言う、あったかいムードを醸しているおばあちゃん・米田佳代役の宮崎美子さんのオフィシャルコメントです。
写真提供:NHK
Q1出演が決まったときの気持ちは?
あぁ、いよいよおばあちゃん役が来たのかと。「おばあちゃんです」と言うのも、だいぶ慣れてきました(笑)。
佳代さんは、私の実年齢より少し上の設定なので、話し方も意識しています。今は、70代もまだ若いイメージじゃないですか。北村有起哉さんが息子なので私の実年齢よりも少し老けて見えた方がバランスが良いかな、でもまだ先もあるので、あまりに老けてしまうのもな…とか、今も手探りですね。あと、ちょっとだけ背が縮んでいる感じも意識しています。
子どもって、おじいちゃんやおばあちゃんのこと好きですよね。慕ってくれるところがあるから嬉しいなと思っています。
Q2演じる役・米田佳代について
佳代さんは後ろで見守るポジションだと思います。うちは、なんといっても、おじいちゃん(松平健さん)があぁですから。威厳があるというか、わがまま気ままにやりたいことをドーッとやっていく人なので、手綱を引っ張ってコントロールしつつ、息子夫婦を見守っています。
ときどき愛子さんが実の娘なんじゃないかと思ってしまうくらい、愛子さんとの距離が近いですよね。仲の良い姑とお嫁さんで、すごく良い関係だなと思います。愛子さんも肝が据わっていて、佳代さんと似ているところもあるので、頼りにしているんだろうと思います。優しいと言えばいいんですけど少し気が弱くてクヨクヨしがちな息子を、うまく愛子さんが引っ張ってくれているんですよね。
佳代さんは糸島でずっと生きてきて、農業に携わってきて、“生きもの”を育てている。農作物も、生きものなんです。佳代さんは、自然の恵みをいただき、生きものを育てて、その育てた美味しいものを提供することで、みんなを育てている“育む人”だと思います。どっしりと根を張っている人ですが、その力強さを表に押し出すんじゃなく、じんわり頼りがいがある人みたいになれたらいいなと思っています。
Q3ドラマに登場する“食”について
やっぱり「おむすび」がキーになるんですよね。大事なところでたびたび登場するので、終わるまでにおむすびを何個握るのかなと思っています。きっとすごい数になるんじゃないでしょうか(笑)。昔はドラマの中でも素手でおむすびを握って食べるシーンがよくありましたが、今はすっかり無くなってしまいました。私自身もおむすびを握るとしたら、やっぱりラップを使ってやります。だから、久しぶりに素手でおむすびを握るシーンは嬉しかったです。
糸島野菜や料理が登場するシーンでは、実際に糸島から食材を運んでいただいています。市場に出せないような形が曲がったお野菜なども選んで持ってきてくださるんですけど、それが本当に美味しいんです。おいしい食材を料理を監修している広里さんが、さらにおいしいお料理にしてくれるので、食卓のシーンはすごく幸せです。
糸島ロケでは農家の方にご指導いただいたのですが、帰るときにキャベツの苗を3つ持たせてくれたんです。2年前から私も自分で菜園を借りているので、そこにいただいた苗を植えておいたら、立派なキャベツが出来ました。それを現場に持っていき、お料理して使っていただいたものが、ドラマにも出ております。みんなに「甘くて、シャキシャキして美味しい」と言っていただいて、生産者としては食べてくれる消費者が「美味しい」と言ってくださるのが、一番嬉しいんだなと実感しました。
Q4視聴者へのメッセージと見どころ
『おむすび』で描かれているのは、身近な等身大のお話です。日常の中にある現実と戦うというか、乗り越えるというか。その中で、家族だから言えること・言えないことを抱えながら、少しずつ進んでいくような家族の普通を、明るく丁寧に描いていくドラマだと思っています。
おむすびは、ぬくもりの伝わる、あったかい食べ物だと思います。いざという時に、一番頼りになる食べ物のイメ―ジなので、このドラマがそんなふうになれたらいいなと思っています。どなたにとってもどこか懐かしく、あったかく、元気になるドラマです。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第19回のレビュー}–
第19回のレビュー
結(橋本環奈)がハギャレンたちは決してださくないので、解散しないでイベントに出ようと力説したところまでが第18回でしたが、開けて第19回、米田家では愛子(麻生久美子)が
陽太(菅生新樹)にパソコンのセッティングをしてもらっています。
ほのぼのホームドラマぽい劇伴が流れるなか、ブログをはじめると言う愛子。彼女が絵も得意なことはすでに何度も描かれてきました。陽太のスキャナーをもらって絵も描いていくことになりそうです。
母の楽しんでいる様子を歩(仲里依紗)がぼんやり眺めています。95年の話やハギャレンの話はどうなったのかと思ってしまいますが、止まっていた米田家の時が歩の帰還によって少しずつ動き出したということなのかもしれません。
結はダンスの稽古に励みますが、振りは完璧だが何か足りないと言われてしまいます。
でももう本番。大会の準備でお父さん(北村有起哉)が不在なので、米田家で支度するハギャレンたち。結はメイクしてもらって衣裳も着て、見違えたように華やかに。
橋本環奈さんはメイクで強調すると、鼻筋が通っていて、整った美しいお顔だちです。福岡でアイドル活動をしていたときの「奇跡の一枚」の写真によって全国区から「千年にひとりの逸材」などと注目されたポテンシャルを改めて感じます。
変身した結に、お父さんは気づきません。
この回はストーリーとかもう関係なく、俳優の力で見せます。なんといっても松平健さんです。結たちが参加する大会に、永吉はひみこ(池畑慎之介)をアシスト役にしてマジックショーで参戦します。
キラキララメのタキシードでステージに登場し、マジックを披露します。目玉は箱のなかに入って剣を差すもの。余裕で箱に入りますが、うわーーーっとなって。
ものすごくたわいない見世物ですが、松平健さんの表現力や華によって楽しく見られてしまいます。ひみこ役の池畑さんも舞台の人なので、アフロのかつらとラメのドレスを着こなし、みごとにアシスト役を演じきっています。
茶化さないでちゃんとやってるのがすてきです。
さて。今日は、忍者のように素早く動くリサポンを演じている田村芽実さんのオフィシャルコメントをご紹介します。
第20回はハギャレンたちのパラパラのお披露目。演じた思いを語っています。
写真提供:NHK
Q1『らんまん』に続いて2度目の朝ドラ。出演が決まったときの気持ちは?
私はもともとミュージカル女優として活動していたので、映像の世界、ましてや朝ドラは自分とは無縁だと思っていたんです。そんな時にお話をいただいて参加した『らんまん』がお芝居のことだけに集中できた現場だったので、どうしてもまた朝ドラの現場に入りたいなという強い思いがありました。
これまでも絶対に受かりたいオーディションはたくさんありましたが、『おむすび』のオーディションについては意気込みが違いました。お芝居だけでなくその意気込みをハッキリ見せたくて、髪の毛を生まれて初めてブリーチして金髪にしてオーディションに挑んだんです。受かった時は思いが通じたというか、本当にただただうれしかったです。
Q2演じる役・柚木理沙について
リサポンはとにかく一生懸命で、ギャルが大好きで、大好きなもののためなら周りが見えなくなってしまうぐらいまっすぐ。そしてそれを周りが愛せるような、愛きょうや空気の良さがある子だと思ってます。監督からは「少しオーバーなぐらいでも大丈夫な役だから、やりすぎるぐらいがちょうどいいよ」って言ってもらいました。そのとおり今ははっちゃけて演じています。
リサポンは隠れギャルというちょっと不思議な立ち位置で、ギャルが誰よりも好きなんだけれど、ギャルになりきれていないというか、ギャルオタクみたいなところがあります。小学生のころからギャルになりたくて、高校生になってやっとハギャレンというグループに入れてもらった。自然とギャルになったのではなく、夢みていた世界に飛び込んだ感じです。アイドルグループに憧れて、そこに入りたいと思う感覚に近いのかな。きっと最初は外側のファッションやメイクに魅かれてギャルが気になったのでしょうが、本人のマインドはちょっとギャルとは違うんです。ギャルの人たちと一緒にいたいから、頑張ってついていくみたいなところがあるのかなと思っています。
Q3あす放送の糸島フェスティバルのパラパラシーンについて
海が本当にきれいで空気も澄んでいる所で撮影させてもらいました。本番までパラパラの練習は何日間もしていて、もう部活動みたいな感じだったんです。撮影当日はみんなで練習してきた日々の事を思い出してグッときちゃって、涙をこらえながら踊ったのを覚えています。大人になると仕事をすることになり、社会のためにとか会社のために動くことが多くなると思います。自分たちのために何かを作り上げて達成感を得られるのは、結ちゃんやリサポンの世代だからこそできる経験だと思うんです。あそこまで自分たちのために一生懸命になれるってなかなかないことだと思うので、大人の自分にはグッとくるポイントでした。
ハギャレンのみんなとは本当に仲良くなりました。みんなそれぞれ個性があってタイプが違うのにとても仲が良く、取り繕う必要がないんです。自分たちで選んで出会った友達というカテゴリーより、性格などは違うけれど一緒に育ったいとこみたいな関係性だねと、みんなで話しています。
Q4視聴者へのメッセージと見どころ
私が出演するターンは現代といっても10年以上前の話ですが、一人一人の抱えている問題だったり、ヒロインの結ちゃんの抱えている悩みだったりは共感しやすいものだと思います。特に若い世代の方、学生の皆さんとかにも見て頂きたいなと思います。
いま生きている中で未来のことに不安を抱く人はたくさんいると思うんです。将来のことを考えて逆算して生きていかなきゃいけないという考えの方が多い中で、“今は今しかないから今を楽しもう”というマインドを持っているのがギャル。確かに人生っていつ終わるか分からないから、その考えって本当にすてきだなと思いました。私自身もとても学んでいますし、『おむすび』はその大切さを伝えるために、ギャルというちょっとNHKの朝ドラには異色なものをもちこんだのかなというふうに思っていて。なので、今を生きる、今を精いっぱい楽しむということは、私も自分の役を通してお茶の間の皆さんに伝えたいなと思います。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{第20回のレビュー}–
第20回のレビュー
おじいちゃん(松平健)のマジックショーが前座のようになって、そのあといよいよ結(橋本環奈)たちのパラパラがはじまります。
ステージに出てきたときは、ギャルたちにみんな引いているようで、踊りだすと帰ってしまう人もいました。
結は気もそぞろで、振りを間違えてしまったりして。
でも、ハギャレンのメンバーたちは優しいし、客席の冷えた空気にもめげません。笑顔、笑顔と前向きで。
結が振りを忘れないように、「右」「左」「あげて」などと稽古のときのように口に出して踊ります。そうすると、結もだんだん調子を取り戻して……。
声を出すって大事。
振りを言葉にしたら、客席の子どもたちも真似をはじめ、それが伝播して、みんな踊りだし、会場が熱気に包まれていきます。結もどんどん楽しくなって……。
結に何か足りないと思われていたもの、それは楽しむことだったのでしょう。
愛子(麻生久美子)は結の子どものときの笑顔を思い出します。お父さん(北村有起哉)は結だと気づいていませんし、ギャルが嫌いにもかかわらず、ちょっとだけノッていました。でもあんなに娘愛が強そうなのに、気付けないところが残念。
歩(仲里依紗)もこっそり見に来ました。結がギャル文字でメールを送っていたのです。ギャル文字でコミュニケーションをとっているところに、喧嘩しても、繋がっていることが伝わってきます。
盛り上がって終わって、大会の優勝発表。結果はーー。
歌うまキッズを演じた林田茶愛美さん、確かに歌がうまかった。いつの時代も神童的な歌のうまい子どもって現れますね。
結ががっかりしたのは優勝を逃したことよりも、風見先輩(松本怜生)に彼女がいたことが判明したことです。
フェスを一緒に見に来ていたのは、2年A組の神崎優里亜さん(栞那)。第20回で学校新聞に載っていた人物です。部長がいいなあと言ったらそうかなみたいな素っ気なさだったのに。つきあっている自信がそう言わせたのでしょうか。自分の好みは正反対の、小柄で元気な子といかにも結を気に入っているふうなことを言っていたのに……。まあこういう気持ちとうらはらなことを言ってごまかすことってあります。
せっかく先輩が意外にもパラパラを褒めてくれて、思ったほどギャルに抵抗なかったのがわかったのもつかのまでした。
せっかくパラパラが成功して楽しかったのに、先輩に彼女がいたことをオチにしてしまうのはちょっともったいなかったような気もしないではありませんし、四ツ木(佐野勇斗)とちょっといい感じなところも描かれて、ものすごーく大急ぎでいろいろなことを詰め込んでいる印象です。
※この記事は「おむすび」の各話を1つにまとめたものです。
–{作品情報}–
作品情報
放送予定
2024年9月30日(月)より放送開始
出演
米田結(よねだ・ゆい)/ 橋本環奈
『おむすび』の主人公。平成元年生まれ。 自然豊かな福岡県・糸島で、農業を営む家族と暮らしている。 あることがきっかけで、人々の健康を支える栄養士を志すようになる。
【結の家族・米田家の人々】
米田歩(よねだ・あゆみ)/ 仲里依紗
主人公・結の8つ年上の姉。
福岡で“伝説のギャル”として知られる。 奔放な振る舞いで米田家に波乱を巻き起こすが、ギャルになった裏にはある秘密が…。
主人公・結の父。 娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。
米田聖人(よねだ・まさと)/ 北村有起哉
主人公・結の父。
娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。 奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。 元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。
米田愛子(よねだ・あいこ)/ 麻生久美子
主人公・結の母。
結の祖母・佳代と家事をしながら、聖人の営む農業を支えている。 絵を描くのが得意。
米田永吉(よねだ・えいきち)/ 松平健
主人公・結の祖父。
野球のホークスファンで、自由奔放な“のぼせもん”。 困っている人がいたら放っておけない、情に厚い性格。
米田佳代(よねだ・かよ)/ 宮崎美子
主人公・結の祖母。
古くから伝わる先人たちの知恵に明るく、結が困った時の良きアドバイザーでもある。
【福岡・糸島の人々】
四ツ木翔也(よつぎ・しょうや)/ 佐野勇斗
福岡西高校に野球留学中の高校球児。
四ツ木という姓と眼鏡姿から「福西のヨン様」と呼ばれている。 糸島に練習場があり、結と時々出くわす。栃木県出身。
古賀陽太(こが・ようた)/ 菅生新樹
結の幼なじみで高校のクラスメイト。野球部員。
父は糸島の漁師だが家業を継ぐ気はなく、IT業界を目指している。 ある約束により、結のことを何かと気にかけている。
風見亮介(かざみ・りょうすけ)/ 松本怜生
書道部の先輩。
結にとって憧れの存在。 書道のイメージを一新するような書家を志している。
宮崎恵美(みやざき・えみ)/ 中村守里
結のクラスメイトであり、高校での最初の友達。
結を熱心に書道部へと誘う。 派手なギャルが苦手。
真島瑠梨(ましま・るり)<ルーリー>/ みりちゃむ
結の姉・歩が結成した「博多ギャル連合」(略してハギャレン)の、現在の総代表。
ハギャレンの復興を目指している。
佐藤珠子(さとう・たまこ)<タマッチ>/ 谷藤海咲
ハギャレンのメンバー。
子どものころからダンス好きで、ハギャレンではパラパラの振付を担当。 筋が通らないことを良しとしない、一本気タイプ。
田中鈴音(たなか・すずね)<スズリン>/ 岡本夏美
ハギャレンのメンバー。
結と同い年で、いつもスナック菓子を食べている。 手先が器用で、ネイルチップ作りが趣味。
柚木理沙(ゆずき・りさ)<リサポン>/ 田村芽実
結のクラスメイト。
学校では校則を守るおとなしい女子高生だが、実は隠れギャル&ハギャレンメンバーでもある。ギャルの歴史を本にすることが夢。
ひみこ / 池畑慎之介
糸島の「スナックひみこ」の店主。
年齢、性別、経歴、すべてが不詳の謎の人物。 糸島の住人一人一人の事情をなぜか把握している。
草野誠也(くさの・せいや)/ 原口あきまさ
糸島の商店街で陶器店を営んでいる。
ホークスの大ファン。
古賀武志(こが・たけし)/ ゴリけん
結の幼なじみ・陽太(ようた)の父親。
糸島で漁師をしている。
大村伸介(おおむら・しんすけ)/ 斉藤優(パラシュート部隊)
糸島の商店街で薬店を営んでいる。
ホークスの大ファン。
井出康平(いで・こうへい)/ 須田邦裕
結の父・聖人(まさと)の幼なじみ。
糸島の農業を何とかしたいと日々奮闘している。
佐々木佑馬(ささき・ゆうま)/ 一ノ瀬ワタル
結の姉・歩と行動を共にする“自称・米田歩のマネージャー”。
大河内明日香(おおこうち・あすか)/ 寺本莉緒
結の姉・歩と対立していた、元天神乙女会のギャル。
飯塚恭介(いいづか・きょうすけ)/ BUTCH
福岡県博多のカフェバー「HeavenGod」の店長。
作
根本ノンジ
音楽
堤博明
主題歌
B’z「イルミネーション」
ロゴデザイン
大島慶一郎
語り
リリー・フランキー
制作統括
宇佐川隆史、真鍋 斎
プロデューサー
管原 浩
公式サイト