2023年7月26日(水)、ついに最終回が配信されたマーベルドラマ最新作「シークレット・インベージョン」。
マーベルドラマ史上稀に見る硬派なサスペンス・スリラーとして、本作はシリーズの新たな可能性を提示しました。
かつてアベンジャーズを率いた男・ニック・フューリー。ついに明かされる彼の秘密と知られざる過去。そんな男に憎悪を抱く国際的テロリストの目的と待ち受ける衝撃の展開とは……?
この記事ではシーズンフィナーレを経て、本作で明かされたMCUの新たな秘密に迫ります。
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※この記事では、ドラマ『シークレット・インベージョン』の重大なネタバレに触れています。未鑑賞の方はぜひ観賞後に記事をご覧ください
【目次】
1. フューリーの魅力
2. スクラル人の脅威
3. ヒーローのDNAとスーパースクラル
4. 散りばめられた小ネタ
5. 今後の作品への繋がり
フューリーの魅力
『アベンジャーズ』ではヒーローチームを指揮し、『キャプテン・マーベル』ではヒーローとともに地球を危機から救った男・フューリー。
これまでのシリーズに幾度も登場してきた彼ですが影としての役割となり、その存在は多くの謎に包まれていました。
初めての主役となった本作では、その秘密が次々と明かされていきます。
かつてスクラル人をスパイとして活動させていたこと、彼らの新たな故郷を探すという約束を果たせなかったこと、そして愛するパートナー・プリシラの存在……。
一貫して善人とは言い難いグレーな面(隠し事をする、排他的な決断をする、国を守るためには殺人をいとわないなど)が象徴的なフューリーですが、本作を見終えた後には、少し印象が変わって見えるのが見どころだったと言えます。
ちなみに余談ですが、MCU作品では幻のニック・フューリー主演作が存在します。
それが『アベンジャーズ』の前日譚コミックとして販売された「アベンジャーズ:プレリュード」に掲載された「フューリーズ・ビッグウィーク」。
このエピソードでは、『インクレディブル・ハルク』、『アイアンマン2』、『マイティ・ソー』の出来事が巻き起こった1週間を舞台に、ニック・フューリーと諜報機関・シールドのメンバーたちによる奮闘が描かれています。
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–{スクラル人の脅威}–
スクラル人の脅威
『キャプテン・マーベル』では、スクラル人が人類を含む他種族の容姿をコピーする能力でキャプテン・マーベルや人間たちを翻弄しました。
本作ではその物語が発展し、人間への擬態能力を持ったスクラル人が知らぬ間に政治家などの権力者に入れ替わっていた……という驚きの展開が描かれました。
本作ではMCUの主要キャラクター2人がスクラル人に擬態されていたことが明かされます。
1人は『ブラックパンサー』の主要キャラであるエヴェレット・ロス。
第1話冒頭は、彼に擬態したスクラル人が死亡する予想外の場面で幕を開けました。
彼は『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』にて、ワカンダのスパイとして活躍したことから逮捕。のちにワカンダへ亡命したことが示唆されており、その後、スクラル人にすり替えられた可能性が高いでしょう。
また、2人目は『アイアンマン』シリーズで主人公の相棒・ウォーマシンとしても活躍してきたローディ。
今回のドラマでは米国大統領の側近として思わぬ昇格を果たしていましたが、彼もスクラル人に入れ替わっていたことが明かされました。
本作以前で最後に姿を現したのが「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」。
この時点では怪しい様子はないように見えましたが、実はすり替わっていたのか?
最終回では擬態されていた人々が救出されるシーンがあり、ロスがローディに「いつここに?」と尋ねる場面がわざわざ挿入されていました。
この時、彼は明確な返答をしませんでしたが、その服装や身体状況(下半身不随のようにも見える)が『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のラスト時にも似ており、ひょっとすると、この時点から入れ替わっていた可能性も。
ちなみに、本作の監督・アリ・セリムも過去のインタビューでは、ローディは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』以降に入れ替わったと仮定しているものの、あくまでそれは(現時点での)アイデアの一つでしかないことを語っています。
確かに、もしそれが事実とするならば、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以降の描写にも若干の違和感を感じるため、今後の作品でどのように描かれるのかは気になります。
ローディの主演作『アーマー・ウォーズ(原題)』も今後公開予定のため、全ての真相はそれまで持ち越しとなりそうです。
–{ヒーローのDNAとスーパースクラル}–
ヒーローのDNAとスーパースクラル
ドラマのクライマックスでは「収穫(ハーベスト)」がキーアイテムとなりました。
このアイテムは『アベンジャーズ/エンドゲーム』での決戦後、フューリーが部下のスクラル人などを向かわせ、戦場で採取したというヒーローやヴィランたちのDNA。
キャプテン・マーベル、アベンジャーズといった名前が出たほか、劇中の分析画面では以下のキャラクターたちのDNAが含まれていることが明らかになりました。
・ゴースト
・キャプテン・アメリカ
・コーヴァス・グレイヴ(サノスの部下)
・サノス
・アウトライダー(サノスの部下)
・プロキシマ・ミッドナイト(サノスの部下)
・アボミネーション
・ガモーラ
・キャプテン・マーベル
・マンティス
・カル・オブシディアン
・ドラックス
・コーグ
・エボニー・マウ
・フロストビースト
・ハルク
・ブラックパンサー
・ヴァルキリー
・ソー
・ウィンター・ソルジャー
劇中ではこの力を手に入れたグラヴィグとガイアがスーパースクラルとなり、彼らの能力をコピーして戦いを繰り広げます(第2話ではグルート、エクストリミスの名前も登場。その能力も取り込んだことが示唆されています)。
ところで、このスーパースクラルという設定やヒーローのDNAというアイテムの登場は、かつてのマーベルドラマに通ずる設定でもあります。
「エージェント・オブ・シールド」では、諜報機関・シールドに潜入していた悪の組織・ヒドラが「ムカデ計画」を画策。この計画は(キャプテン・アメリカを生み出した)超人血清や(ハルクを生み出した)ガンマ線、エクストリミスを応用することで超人兵士を作り出そうというものでした。
また、「エージェント・カーター」では「キャプテン・アメリカの血」が登場。実験材料として悪用しようとするものたちの計画を、キャプテン・アメリカのパートナー・カーターが阻止しようと奮闘する物語でした。
–{散りばめられた小ネタ}–
散りばめられた小ネタ
「シークレット・インベージョン」では、シリーズのファンには嬉しい様々な小ネタが登場しました。
とりわけ、印象的だったのはブラック・ウィドウにまつわる小ネタの数々。
第3話、ニック・フューリーとそのパートナー・プリシラの回想シーンでは「ドレイコフ」の名前が登場します。
彼らが追い詰めようとしている「ドレイコフ」とは、暗殺部隊の育成所「レッドルーム」を創設した人物。
その出身であるブラック・ウィドウにとっては因縁の人物であり、彼女の単独作品でも悪役の一人として登場していました。
また、続いて第5話では『ブラック・ウィドウ』からリック・メイソンが登場。
ブラック・ウィドウの良き友人で会った彼が、現在も調達屋として活躍していることが判明したほか、同エピソード後半ではフューリーがブラック・ウィドウと同様のハイテク変装マスクを使用していました。
最後にマニアックな部分を挙げると、最終回に登場するミサイルの発射台にも注目。
この内装がなぜか『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のクライマックスに登場したシベリアの施設になっています。
この施設はかつて「ウィンターソルジャー計画」などで使われていたため、悪の組織・ヒドラとも関わりが深い施設。
また、その存在を知っているのは、ヒドラや映画のヴィランとなったジモ、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ブラックパンサーといった限られたヒーローのみだったため、どのような経緯でこの場所が発射台になったのかは気になるところ。
あくまでただの小ネタに過ぎない可能性もありますが、今後のシリーズ展開に繋がる大きなヒントになっているのかもしれません。
–{今後の作品への繋がり}–
今後の作品への繋がり
「シークレット・インベージョン」では、特に2023年11月10日公開予定の『マーベルズ』に繋がる要素が多かったと言えます。
最終回のラスト、宇宙ステーション「S.A.B.E.R.」に帰還することを決めたフューリー。
彼はクリー人とスクラル人が和平交渉を結ぼうとしていることをプリシラに告げており、この出来事が『マーベルズ』に繋がっていくことが予想されます。
また、劇中ではプリシラの部屋に飾られた本の表紙から彼女が「超人遺伝子」の研究をしていることが示唆されています。
フューリーにスクラルの外交官をオファーされたプリシラは協力を認めつつも、「地球で今しなければならない仕事がある」と返答。
この発言からも、彼女の研究が(現時点でミュータントの可能性を示唆されている)ミズ・マーベルことカマラやモニカ・ランボーの秘密に繋がるのかもしれません。
また、「シークレット・インベージョン」の物語は前述した『アーマー・ウォーズ(原題)』だけでなく、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(原題)』にも繋がることが期待されます。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』では、ハリソン・フォード演じるサディアス・ロスが新たな大統領役として登場することが明かされていますが、これは本作のクライマックスを踏まえると自然な流れなのかもしれません。
Captain America: Brave New World
In theaters May 3, 2024 (via @anthonymackie) pic.twitter.com/u1kCgLolsL — Marvel Studios (@MarvelStudios) June 6, 2023
本作に登場したリットソン大統領はスクラル人の疑いがある人物を手当たり次第に弾圧し、無関係な犠牲まで生んでしまう悪政を断行。
このことで世界が混乱に陥ったため、アメリカ陸軍将軍からアメリカ国務長官という特殊な経緯を辿り、ヒーローたちとも面識のあるロスが任命されることになるのかもしれません……。
ちなみに「アベンジャーズ:プレリュード」に掲載された「フューリーズ・ビッグウィーク」では、本作の敵として発表されている天才科学者・ブルーも登場。
『インクレディブル・ハルク』の後日譚が描かれており、ファン必読の一冊となっています。
以上、今回はドラマ「シークレット・インベージョン」の押さえておきたい5つのポイントについて紹介しました。
近年のマーベルドラマの中では硬派かつシリアスな展開も多く、賛否両論も分かれている本作。
今後の作品に繋がる布石も多く、そのたびに見返すことでより魅力が増していくことは間違いないでしょう。
この記事や今後の作品を踏まえて、ぜひ、「シークレット・インベージョン」の味わい深いストーリーに熱中してみてはいかがでしょうか。
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(文:TETSU)