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遂に、トム・クルーズ最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が公開されました。
全米映画俳優組合のストライキの影響でトム・クルーズの来日キャンペーンはなくなりましたが、夏洋画の大本命であることに変わりなく、1週早く公開された宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』とともに夏映画の盛り上げ役を期待されています。
今年はGW興行が『名探偵コナン 黒鉄の魚影』と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がともに興行収入100億円を突破するなど記録的な大成功を収めたので、夏休みもその勢いをキープしたいところです。
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これまでの『ミッション:インポッシブル』
トム・クルーズブランド力が強い印象のある日本でも『ミッション:インポッシブル』シリーズはやはり別格の数字を残しています。
第1作目が約65億円の興行収入を稼ぎ出したことに始まり、『M:I-2』でシリーズ最高の97億円の大ヒット、以下3~6作目も平均して50億円前後の興行収入を記録しています。
毎作サマーシーズンやクリスマスシーズンなどの稼ぎ時に公開されているということもありますが、トム・クルーズ自身と『ミッション:インポッシブル』というタイトルの持つブランド力の強さを実感させられる数字です。
『トップガン マーヴェリック』に続け!
まだまだ大ヒットの余熱が残っている感もありますが、2022年公開の『トップガン マーヴェリック』はまさに記録的な作品となりました。
コロナ禍もあって公開延期が続きましたが、スクリーンでの上映にこだわり続けたトム・クルーズの熱意が伝わり、137.2億円というトム・クルーズ主演作品史上日本国内最高興行収入を更新。ちなみに、その前の最大ヒット作は『ラストサムライ』でした。この映画は“半分邦画”のような映画なので、参考記録的な扱いでいいかもしれません。
ちょっと意外な気がするかもしれませんが、トム・クルーズの作品はお膝元の北米地区の売り上げより、国際市場の方が数字の良い状態が続いていました。トム・クルーズというと積極的な来日のイメージがあるかと思いますが、こういった“ワールドプロモーションツアー”を組むのもそういった事情がありました。
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ところが『トップガン マーヴェリック』は北米地区でも大成功を収めました。初動で1.2億ドルという“トム・クルーズ映画”歴代ナンバーワンのロケットスタートを切ると、勢いを落とすことなく最終的に北米歴代5位に入る7.18億ドルという破格の数字をたたき出しました。
この大成功を受けてあのスティーブン・スピルバーグ監督が今年のアカデミー賞ノミニーズによる昼食会で「君がハリウッドの危機を救った。劇場配給も救った。真剣な話、『マーヴェリック』が映画産業全体を救ってくれたんだ」と直接トム・クルーズに賛辞を送るという一幕もありました。
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
北米公開から約1週間後の7月21日(金)に日本でも『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が公開。
ちなみに北米では初動の週末で5600万ドルを稼ぎ出し、その後北米外では早くも1億ドルを超えてきました。
製作費が2.9億ドルと言われているので、回収にはまだまだこれからかなとも思いますが、この数字は2部作の後編に当たる『デッドレコニング PART TWO』の分も含まれている可能性があるため、2作品合わせて稼ぎ出せばいいという部分もあります。
日本の初週は『君たちはどう生きるか』が先行している中で、興行収入10.6億円、観客動員69万人を記録し、見事に週間ランキングで1位を記録しました。
この数字はシリーズの前作で興行収入47.2億円を稼ぎ出した『ミッション:インポッシブル フォールアウト』対比で興行収入122%、観客動員111%という高水準を記録。
前述のとおり『ミッション:インポッシブル』シリーズは、平均して興行収入50億円前後を稼ぎ出しているので、今回の『デッドレコニング PART ONE』も同程度の数字は確実視されています。
ただ、やはり昨年の『トップガン マーヴェリック』の大成功の記憶も新しい中で『デッドレコニング PART ONE』には“通常営業以上”の数字を望んでしまいます。
そこで『トップガン マーヴェリック』対比でみると興行収入92.6%、観客動員91.9%となりました。
興行収入100億円も目指せないわけではないスタートで、さらなる伸びに期待です。
今後の流れは?
まずはしっかりスタートを記録した『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の今後の流れとしては、まず先行している『君たちはどう生きるか』との競合を確実に生き残ることでしょう。
脚本家組合とそれに連動した全米映画俳優組合のストライキの影響が徐々に出てきて、冬以降になるとハリウッドブロックバスターの公開延期が見え隠れしていますが、夏休みは問題なく公開されるようです。
邦画も大きな映画が並んでいるので、IMAXシアターを含めたラージフォーマットの取り合いも起きています。
今後の並びを見ると洋画では『トランスフォーマー/ビースト覚醒』『バービー』『MEG ザ・モンスターズ2』が8月に並んでいて、どれも強い作品です。
邦画では7月28日(金)に『キングダム 運命の炎』が公開されます。過去2作が興行収入50億円を突破している邦画実写大作シリーズの第3弾で、本作も大きなヒットが予想されます。
鳥山明原作の『SAND LAND(サンドランド)』もIMAX対応しているため、動静が気になるところです。
邦画・洋画ともにかなりの強豪がひしめき合っていますが、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が洋画の中心作品であることには変わりません。
混戦の中でも頭一つ、二つ抜けることは半ば責務といえる中で、プレッシャーもあるかと思いますが年間を代表する1本になるように頑張ってほしいところです。
(文:村松健太郎)
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–{『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』作品情報}–
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』作品情報
ストーリー
IMFエージェント、イーサン・ハントに課せられた究極のミッション
—全人類を脅かす新兵器が悪の手に渡る前に見つけ出すこと。
しかし、IMF所属前のイーサンの“逃れられない過去”を知る“ある男”が迫るなか、世界各地でイーサンたちは命を懸けた攻防を繰り広げる。やがて、今回のミッションはどんな犠牲を払っても絶対に達成させなければならないことを知る。その時、守るのは、ミッションか、それとも仲間か。
イーサンに、史上最大の決断が迫る—
予告編
基本情報
原題:Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
出演者:トム・クルーズ/ヘイリー・アトウェル/ヴィング・レイムス/サイモン・ペッグ/レベッカ・ファーガソン/ヴァネッサ・カービー/イーサイ・モラレス/ポム・クレメンティエフ/ヘンリー・ツェーニー ほか
監督:クリストファー・マッカリー
全米公開:2023年7月12日(水)
日本公開:2023年7月21日(金)
配給:東和ピクチャーズ