「あなたがしてくれなくても」特別編:野間口徹がすべてをかっさらった、まるで総集編な特別篇

国内ドラマ

奈緒が主演する木曜劇場「あなたがしてくれなくても」が、2023年4月13日にスタート。

ハルノ晴による同名コミック(双葉社刊)を原作とする本作は、セックスレスをテーマにした大人の恋愛ドラマ。奈緒と永山瑛太、岩田剛典と田中みな実が演じる2組の夫婦の関係が複雑にもつれていく様を描く。

本記事では、特別編をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

▶︎「あなたがしてくれなくても」画像を全て見る

「あなたがしてくれなくても」特別編レビュー

「あなたがしてくれなくても」特別編。
最終回で物議を醸した本作品、特別編に賭ける思いは大きかったが、ほとんど総集編に近い内容であった。

第1話〜最終話までの要所要所が振り返られる。
たかがドラマ、されどドラマ。「こんなこともあったなぁ」とまるで自分ごとかのように思いを巡らせる。

特別編での見どころは、やはり”野間口徹”一択だろう。
(武田玲奈)がマッチングアプリでダブルブッキングした相手として、みち(奈緒)に無理やり紹介されたのが瀬田(野間口徹)だ。

みちの状況を鑑みて、華のご厚意であることは十分にわかるのだが、友人との待ち合わせと思って行った先にパッとしない男がいるのは、どう考えても地獄である。

まったくおもしろくもない海藻の話を延々としてきたり、そろそろ帰りたい素振りを見せているにも関わらず「ごめんなさい、私もこのあと予定がありまして」「次会う日はLINEで決めましょう」などと、「なぜか私のほうが気がある感じになってる?」と思うような発言をしてきたり。

さらには、お互いにバツイチということが発覚し、勝手にみちに親近感を持つ瀬田。いやいや、困る困る。

瀬田、妙に距離がバグってる。
マッチングアプリで会った男がこんな人だったら嫌だ、絶対。

2回目のデートで、みちは改めて思いを正直に伝える。

「もう、お会いできません」
「ごめんなさい」

にもかかわらず、瀬田の鈍感っぷりは炸裂する。

「おきゅうとお嫌いでした?」
「じゃあLINEの返信しなかったから?」

……さすがにもう恐怖すぎる。

「前にも言いましたけど、私離婚したばっかりで…」
「ですから、私は気にしませんよ。石上さんとならうまくいくと思うんです」

この人、自分の意志ばかりで、相手の気持ちを理解しようとも汲み取ろうともしないんだろうな。

しびれを切らしたみちは、「夫との時間は無駄じゃなかった」と、5年間のことを振り返りながら思いを伝える。

この後の一言と行動が、さらに恐怖だった。

「また時間無駄にしたな」
そう言い残し、お土産のおきゅうとをも奪い去りその場を後にする瀬田。
無理して一緒にいても時間を無駄にするだけですからねーー瀬田の結婚観、わからなくはないが、これはもはやサイコパス案件。

最終回で一瞬だけ登場した野間口徹、いくらなんでも贅沢使いがすぎたので、この特別編で無事成仏されており、ほっとした。ありがとうございました。

あ、野間口徹だけでなく、ジャンボたかおの見切れ出演も肝でした。

あぁ、野間口徹の残像がいまだ残っており、今にも夢に出てきそうだ。
「あなたがしてくれなくても」最後の最後にすべてを持っていかれた、そんな彼の存在感に脱帽である。

(文:桐本 絵梨花)

–{「あなたがしてくれなくても」特別編ストーリー}–

「あなたがしてくれなくても」特別編ストーリー


吉野陽一(永山瑛太)と離婚し、新名誠(岩田剛典)にも別れを告げた石上みち(奈緒)は、新居の荷ほどきを同僚の北原華(武田玲奈)としていた。
「新名と一緒になると思っていたのに」と聞く華に、「自分の力で生きていくって決めたから」と返すみち。

ある日、みちが華と待ち合わせしていると、そこに瀬田慎之介(野間口徹)がやってくる。マッチングアプリでダブルブッキングした華の代役として、みちは呼び出されたのだった。渋々、瀬田とデートすることになるみち。「自分もバツイチだ」と明かし、「無理して一緒にいても時間を無駄にするだけ」という瀬田の結婚観を聞きながら、みちは陽一と過ごした5年間を思い返し始めて…。

–{「あなたがしてくれなくても」作品情報}–

「あなたがしてくれなくても」作品情報

放送日時
2023年4月13日(木)スタート。 毎週木曜22:00~

出演
奈緒/岩田剛典/田中みな実/さとうほなみ/武田玲奈/宇野祥平/MEGUMI/大塚寧々/永山瑛太

原作
ハルノ晴 『あなたがしてくれなくても』(双葉社)

脚本
市川貴幸 おかざきさとこ 黒田 狭

主題歌
稲葉浩志『Stray Hearts』(VERMILLION RECORDS)

挿入歌
稲葉浩志『ダンスはうまく踊れない』(VERMILLION RECORDS)

音楽
菅野祐悟

プロデュース
三竿玲子

演出
西谷 弘 髙野 舞 三橋利行 (FILM)