桐谷健太主演のドラマ「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」が2023年4月13日にスタートした。
桐谷と脚本家の福田靖の3年ぶりの再タッグとなる本作は、異色の情熱刑事・仲井戸豪太を中心に「事件にまつわる全ての人々」をサスペンス&コミカルに描く群像劇。共演は比嘉愛未、磯村勇斗ら。
CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
もくじ
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
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教師から警察官に転職…という異色の経歴を持つ横浜みなとみらい署強行犯係の刑事・仲井戸豪太(桐谷健太)は、高校生をワルの道へと誘う悪人たちを根絶したいという信念のもと、情熱をたぎらせ職務にまい進する日々。そんなある日、夜間パトロール中の交番巡査・田口健介(湯江タケユキ)が不可解な事件現場に遭遇する。若い男がタクシーと接触しそうになりながら逃げ去った場所で、別の男が後頭部から血を流し、意識不明状態で倒れているのを発見したのだ!
豪太、そしてアメリカ赴任から帰ってきたばかりの刑事・目黒元気(磯村勇斗)ら強行犯係の面々は現場へ急行。現場に落ちていた財布の中の免許証から、倒れていた男は勝山康平(川島潤哉)だと判明する。そして財布には10万円近くの現金が残されており、強盗目的ではなさそうだ。だとしたら、一体どういう事情で、何が起こったというのか? 謎は深まるばかりで…。
そんな中、タクシーのドライブレコーダーに映っていた映像が手がかりとなり、現場から逃走した男が見つかる。男は母親と2人暮らしの専門学校生・林田裕紀(大橋和也)。豪太と目黒が事情聴取をすると、林田は勝山の写真を見て、明らかに動揺した様子を見せるも、事件への関与については完全否定! 勝山のことも知らないと、必死で訴え…。林田が嘘をついているとにらむ目黒。一方、豪太は若干の戸惑いを残しながらも、「あの目は嘘じゃないと思う」と言い…。
その矢先、財布に付着していた指紋が林田のものと一致! 豪太はショックを受けながらも、強盗傷害で逮捕令状を請求するため、横浜地方裁判所みなと支部へ向かう。ところが、対応した判事・諸星美沙子(吉瀬美智子)は「証拠が薄い」と一刀両断。むげもなく請求を却下し…!?
第1話のレビュー
あの熱血刑事が帰ってきた…よりパワーアップして。
1月期の木曜はドラマ「インフォーマ」でカタギには到底見えないインフォーマ(情報屋)を演じていた桐谷だが、4月期の木曜は元体育教師の熱血刑事・仲井戸郷太を演じる。
物語の舞台となるのは横浜。
横浜みなとみらい署強行犯係の仲井戸はアメリカから帰ってきた目黒元気(磯村勇斗)とバディを組む。
警部補になり、アメリカナイズもされた目黒だが、仲井戸からは「めぐちゃん」と呼ばれて相変わらずの扱いである。
そのほか、係長の江戸一(古田新太)や巡査長の原口奈々美(岡崎紗絵)など新たな面々も加わってにぎやかだ。
一方、検察のほうには二階堂(北村有起哉)という新たな検事が着任。
郷太の妹・みなみ(比嘉愛未)が事務官として就くことになるが、二階堂はどうやら一目惚れしてしまったようで……。
そんな初回の事件は、勝山(川島潤哉)という男が歩道橋から落ちて意識不明の大怪我を負ったところから始まる。そばには勝山の財布が落ちており、財布の中身は取られていなかったが、勝山のものとは違う指紋がついていた。
さらに現場からは若い男が逃げるのが目撃されていた。
男は専門学生の林田(大橋和也)。
取り調べを受けるが、勝山を階段から突き落としてないし、財布にも触っていない、もちろんお金も取っていない、と主張する。
仲井戸は持ち前の教師としてのスキル(?)で林田の警戒心を解くが、容疑は否認しており……。
林田は嘘をついていない、と主張する仲井戸と、強盗傷害事件の犯人だと主張する目黒。
しかし、財布からは林田の指紋が出てきてしまう。
一度は証拠が薄いため、逮捕状は出せないと諸星判事(吉瀬美智子)に言われるが、その後、林田は窃盗の容疑で送検される。担当検察官は二階堂だ。
検察に送られても林田は容疑を認めない。が、何かを隠しているのは確か。
その中で、林田は母親の介護で専門学校を辞め、働かなければならなくなっていた……ヤングケアラーであったことがわかる。
お金が必要だったことは間違いない。しかし、勝山の財布の中のお金には手をつけていない。でも、財布には触っていて……。
二階堂は仲井戸と話している中であることに気がつく。
「林田の免許証を調べてください」
林田の免許証からは勝山の指紋が出てきた。
そこから導かれた答えは「闇バイト」。
お金が必要だった林田は闇バイトに手を出してしまい、特殊詐欺の受け子をやっていた。免許証は、林田が逃げ出さないように人質として取っていたのだ。
勝山に辞めたいと訴えるが許されるはずもない。
言い争っている中で勝山はバランスを崩して転落。その間に林田は勝山の財布から自分の免許証を抜き取って逃げた……というわけだ。
林田は母親に受け子をやっていたことを知られたくなくて黙っていたわけだが、きっと秘密にし続けたところで不幸の連鎖は大きくなっていくばかりだったに違いない。
闇バイトの話はタイムリーだ。
ドラマの中の話ではあるけれど、こういう事案はさらに増えていきそう……。
林田演じる大橋はセリフ自体は少ないが、怯えながらも、人の良さと意思の強さが感じられる。本当の罪を吐露するシーンでの表情に、思わずこちらまで泣きそうに。
「僕には無理です。あんなおばあちゃんを騙すなんて!」そうだね……私も林田にそんなことはできないと思うよ……。
刑事ドラマだが、根底で描かれるのは人情。
刑事も検事も人間臭さがあってイイ。
証拠を集めたが、最終的に林田を喋らせたのは仲井戸の熱さだ。
「田舎でお母ちゃんが泣いてるぞ!」ではないけれど、それに近いものが感じられる。
今後はどのような事件で人情を感じさせてくれるのかも注目したい。
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
人気俳優・葛城悠真(山下航平)が地元の横浜で何者かにスパナで殴られ、顔を蹴りつけられるという傷害事件が発生した。このニュースに世間は大騒ぎ。横浜みなとみらい署の署長・牛島正義(伊藤淳史)も、仲井戸豪太(桐谷健太)ら強行犯係の面々に必ず犯人を検挙するよう発破を掛ける。とはいえ、事件現場の防犯カメラに映っていた犯人はパーカーのフードを被っている上に、サングラスとマスクを着用しており、顔は判別できない状態…。豪太と目黒元気(磯村勇斗)が入院中の葛城に事件当時の話を聞くと、葛城自身も犯人の顔は見ていないという。
ところが、捜査は早々に急展開を迎える。なんと、すぐに犯人と同じ柄のパーカーを着た人物が見つかったのだ! その人物は、超人気俳優・屋敷マモル(楽駆)と同じ事務所に所属する落ち目の俳優・田中克也(橋本淳)。事務所の社長・木崎陽子(千葉雅子)の話によると、田中は葛城主演のドラマに端役で出演するため、3週間前に撮影に参加。葛城と同じシーンの出番はなかったというが…。
豪太は目黒と共に、さっそく田中の事情聴取を開始。すると…田中は最初こそ犯行を否認したものの、熱くなった豪太の説教にあっさり折れて自白! 供述通りの場所から凶器のスパナも見つかったため、田中は横浜地方検察庁みなと支部に送検されることに。しかも、功名心から担当検事に名乗り出た矢部律子(中村アン)が取り調べると、これまたトントン拍子で供述と証拠が一致し…!
「これで起訴できる!」とホクホク顔になる律子。そんな中、強行犯係の係長・江戸一(古田新太)はどうにも違和感を拭えず…!?
第2話のレビュー
今回は傷害事件の犯人を追う。
人気俳優・葛城悠真(山下航平)が何者かにスパナで殴られ、顔を殴られたというこの事件は世の中の注目度も高い。
しかし、意外にもすぐに犯人らしき人物が見つかる。防犯カメラに映った犯人と同じパーカーを着ていたのだ。
あまりにも目立つパーカーだったものな……犯行現場に着てくるのに向いていない気がするが……。
犯人とおぼしき人物・田中克也(橋本淳)もまた俳優だったが、もう落ち目だという。
豪太(桐谷健太)と目黒(磯村勇斗)が事情聴取に当たることになるが、豪太の熱い説教に田中はすぐに自白をし……。いや、それで自白しちゃうの!? という急展開。
そこからトントン拍子に送検まで進む。
注目度が高い事件ということで、野心あふれる検事・律子(中村アン)が担当検事となり、取り調べを進める。田中はあっさりと自白もし、証拠も見つかり、起訴間違いなし! このまま終わるかと思いきや、詰めが甘いと起訴は持ち越しに。
さらに判事の諸星(吉瀬美智子)からは田中の拘留が認めてもらえず、雲行きが怪しくなってくる……。
前半のトントン拍子な進み具合は確かに観ている側もなんとなく気持ち悪い。
が、ここから豪太のひらめきによって、事件は正しい方向へと展開していく。
実は、田中は同じ事務所の屋敷マモル(楽駆)の身代わりだったのだ。
屋敷は事務所の人気俳優。彼が捕まれば事務所の損害は大きい。屋敷を守るために事務所社長の木崎(千葉雅子)は田中に身代わりになるように頼んだのだ。
5000万円という多額の報酬もあるが、田中としては、20年の付き合いがあり、落ち目になった自分を見捨てずにいてくれた社長への恩返しの意味もあったのかもしれない。情って難しい……。
そして、屋敷が葛城を襲った理由というのが、恋人を取られたからというものだった。えぇ……。
田中は「屋敷はキレやすい」という証言をしていたけれど、そのせいでフラれたのでは……キレやすいから目立つパーカーを着て行ったんだろうな……と野次馬根性でそんな推測をしてしまう。
冤罪を防ぐことができたものの、手柄を得ることができなかった律子。
功を急いては仕損じるという言葉があるが、東京地検特捜部を目指す律子がまさにそれ。
屋敷の取り調べは二階堂(北村有起哉)が行うことになる。また律子にはチャンスが巡ってくるのか?
ただ、パリッとした律子の凛々しい姿もよかったし、ラーメン屋の屋台でヤケ食いしているのもよかった(夜に替え玉までしてラーメンを食べられる胃だという設定もいい)。
第1話もそうだったが、事件が殺人ではないのがなんとなくいいなあ、と思う(ケガはしているが)。
同時に、人間って衝動的に他人を傷つけてしまうことっていくらでもあるんだな、と言うのも実感する。
思いかけず、自分が被害者にも加害者にもなる可能性があるのだと考えると……みながみな平和で生きられれば良いのだけれど。
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
横浜地方裁判所みなと支部の裁判官・諸星美沙子(吉瀬美智子)が、行き交う人々でごった返す駅近くの街路で、腕を切りつけられた! 裁判官襲撃という由々しき事態を受け、横浜みなとみらい署は検察に対し、初動捜査から加わるよう要請。横浜地方検察庁みなと支部の検事・二階堂俊介(北村有起哉)が指揮を執り、仲井戸豪太(桐谷健太)ら強行犯係の刑事たちと共に捜査に乗り出す。
ところが…なにせ襲われたのは人混みの中。犯人の割り出しは容易ではない。そもそも通り魔による犯行なのか、最初から美沙子を狙った犯行なのか――その特定すらままならない状況だ。そんな中、強行犯係は美沙子がかつて担当した裁判の公判記録を精査。傷害致死の罪で服役し、2週間前に出所したばかりの秋葉浩二(松川尚瑠輝)に疑惑の目を向ける。というのも秋葉は、実刑判決を下した美沙子に憤慨し、法廷で暴言を吐いていた上に、今回の事件発生時もアリバイがなかったからだ!
「必ず吐かせてみせる」と意気込み、秋葉の取り調べを開始する豪太。しかし、美沙子は冷静に、秋葉=犯人と絞り込むには証拠がなさすぎると判断。実際、捜査は難航を極めてしまい…。
そんな中、美沙子を護衛していた刑事・目黒元気(磯村勇斗)が不審人物と遭遇! 人目を気にしながら、美沙子の自宅マンション敷地内に侵入した傍聴マニア・松久保拓郎(野間口徹)を捕まえ、みなとみらい署に連行するが…!?
第3話のレビュー
横浜地方裁判所みなと支部の裁判官・諸星(吉瀬美智子)が路上で腕を斬り付けられた。
人通りが多い中での犯行、防犯カメラでも詳細を確認することができない。犯人の特定は難航する。
しかし、裁判官が斬りつけられるような事件は警察側からしても大変なことだ。
初動捜査から検事の二階堂(北村有起哉)が指揮を執る。もちろん、みなみ(比嘉愛未)も一緒だ。
これは通り魔事件なのか、それとも恨みによる犯行なのか。それさえも分からないから、絞り込みもできない。
自身に恨みを持つ人間となると、普通はそうそう出てこないが、諸星の場合は有罪にした被告人とその関係者、無罪になった事件の被害者と家族、その関係者と多岐に渡る。
さらに、交際を断った人間や諸星を妬んでいる人間……ととてもではないが、両手で数えても数えきれない。
とりあえず、犯人が確保されるまでの間は仲井戸(桐谷健太)と目黒(磯村勇斗)が護衛につくことに。
そんな中ですっかり諸星に心を奪われてしまい、「自分が彼女を守る」と意気込む目黒。
諸星も仲井戸と目黒に対する態度は違うが、これは勤務態度とそれぞれが熱心に取り組む理由によるだろう。
2人とも真面目だけど、仲井戸の場合はおちゃめというか、なんというか。裁判の傍聴席で居眠りしていたらあかん、それは。
一方、目黒は「判事があんなに忙しいものだと思わなかった」と素直に諸星の仕事ぶりに尊敬の意を表している。誰だって、自分が仕事をしている姿を褒められたら嬉しいに決まってる。
だから、自分の仕事に対する想いを話すし、それを聞いた目黒はより尊敬の気持ちを強くする。短いシーンだけれど、人が仲を深める様子がよく分かる。
あとシンプルに護衛するときに、あんまり圧がないほうがいいよな、と思う。
仲井戸は存在感がありすぎて……でも、そこがいいところなんだけれど。
事件のほうは暗礁に乗り上げたままだ。
諸星に恨みを持っていると思われる傷害致死の罪で服役していた秋葉(松川尚瑠輝)、諸星の自宅マンションに侵入しようとして目黒に捕まった傍聴マニアの松久保(野間口徹)など怪しい人物は出てくるが物証がない。
しかし、事件は思いがけないところで犯人が捕まった。
女子トイレで諸星を襲おうとした女性が目黒によって掴まえられたのだ。
その女性とはなんと松久保の妻……!
松久保は傍聴に行くために仕事もすぐ休み、勤務先をクビになってしまいがち。今も無職だ。
家でも諸星の話ばかりしているのだという。諸星さえいなければ……と犯行に及んだというのだ。
傍聴マニアと言うか、もはや推し活ではないか? と思えた松久保の行動。
行き過ぎた推し活が招いたと言える事件なのかもしれない。
ことの顛末に、諸星は「普通の人が犯罪を起こす可能性がある」と言う。
自分が被害者になるかもしれない、ということよりも犯罪者になる可能性について、あまり考えることはない。
でも、日常の中に犯罪者になるきっかけが転がっているのかもしれない……と思うとゾッとせずにはいられない。
ところで、今回は二階堂と諸星が元恋人同士だということが明らかになったが、この関係性、今後の物語でどのように生きてくるのかが少しばかり気になる。
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
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目出し帽で顔を隠した3人組の男が無人餃子店に侵入。126パックもの冷凍餃子を盗んだ上に、鉢合わせになった女性を突き飛ばして逃走した。捜査を開始した仲井戸豪太(桐谷健太)ら横浜みなとみらい署強行犯係の面々は、盗まれた餃子がフリマアプリに出品されているのを発見。出品者が大学生・三鷹蒼(濱田龍臣)であることを突き止める。
ところが、豪太と目黒元気(磯村勇斗)が事情聴取をすると、三鷹は「きっとアカウントを乗っ取られたんだ」と主張し、窃盗傷害事件への関与も、餃子の出品も否認。事件があった時刻も、以前バイト先で知り合った女子高生とボイスチャットをしながら、ソーシャルゲームをしていたという。しかも、この証言を受け、強行犯係の係長・江戸一(古田新太)の顔色が一変する! なんと、女子高生はほかでもない…最近何かと反抗的な我が子・陽葵(飯沼愛)だったのだ!!
江戸が慌てて確認すると、陽葵も三鷹とゲームをしていたと証言。しかし…その矢先、三鷹のアカウントに乗っ取られた形跡はないことが判明する。だとすれば、餃子を出品したのはやはり三鷹本人。そして、陽葵のアリバイ証言はウソだったと考えざるを得ない…。まさか陽葵も共犯なのか!? 疑惑が深まる中、みなとみらい署に呼び出された陽葵は「警察なんか大嫌い!」と、敵意をあらわに…。しかもこの事件、やがて二階堂俊介(北村有起哉)ら検察チームも苦戦を強いられる事態へと発展し…!
第4話のレビュー
今回の事件は無人餃子店で発生した126パックの冷凍餃子の窃盗。さらに、逃げる際に鉢合わせした女性を突き飛ばし、ケガを負わせたことによる傷害罪だ。
最近、無人販売店での窃盗は確かに増えている。実際のところ、検挙率がいかがなものなのか気になるところだが……。
作中では盗まれた餃子が、フリマアプリに出品されていることから容疑者が特定された。
出品者は大学生の三鷹(濱田瀧臣)。
仲井戸(桐谷健太)はいつもの熱血取り調べで詰めていくが、三鷹は容疑を否認。フリマアプリのアカウントも乗っ取られたのだと言い、また、自分にはアリバイがあると主張。
バイト先で知り合った女子高生とボイスチャットをしながらソーシャルゲームをしていたという。
その女子高生は、実は強行犯係の係長・江戸一(古田新太)の娘、陽葵(飯沼愛)だった。
が、三鷹の証言は次々と嘘だということが発覚。アカウントも乗っ取られていないし、出品していたものも盗まれた餃子と一致する。
では、アリバイを証言した陽葵も事件に関わっている……!? 江戸も娘につい、疑いの目を向けてしまう。
陽葵は警察に対して反発心を持っているようで、父に対しても挑戦的な視線だ。単なる反抗期かと思いきや、ちょっと複雑な心境のようで……。
今回は事件がどうの、というよりも、江戸の親子関係がメインのよう。
江戸は娘が事件に関わっていないと知るとホッとした表情を見せるし、陽葵も父が心配していたと知り、心を動かされた様子を見せる。
そして江戸は、娘が警察に対してどのような思いを抱いているのか改めて知ることになる。
「家に仕事を持ち込みたくない」という江戸に対して、陽葵はもう持ち込んでるじゃないかとかみつく。
そう、陽葵は単純に父親が、仕事を理由に家族との時間を大切にしてこなかったことに反感を抱いているのだ。つまり、ちょっと拗ねていたわけだ。かわいい。
事件がきっかけで、掛け違えられていたボタンを正す機会が与えられたことになったようだ。
江戸が下した決断は「警察をやめる」。
そして「パン屋をやる」。パン屋!!?
もうキッチンカーも買ったという。やる気まんまんか。
なぜパン屋かというと昔、江戸が焼いたパンを陽葵がおいしそうに食べていたのだそう。
陽葵もそのときのことを覚えていた。ようやく、親子の間に穏やかな空気が流れる。
江戸のパン屋は上々の滑り出しのようで、仲井戸もみなみ(比嘉愛未)と一緒に買いに行く……という結果、ほっこりな回だったが、第4話にして係長が交代ということだろうか……?
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
横浜みなとみらい署の署長・牛島正義(伊藤淳史)は初めて高校の同窓会に出席。高校時代に片想いをしていた同級生・城山由希子(黒川智花)と久々に再会を果たす。相変わらず可憐で清楚な由希子から、39歳という若さで署長を務める今の自分を褒められ、うれしさで胸がいっぱいになる牛島。ところが突如、楽しい同窓会の空気が一変する事件が起こってしまう。なんと牛島の目の前で、同窓生・津川亮太郎(敦士)が赤ワインを口にした瞬間、泡を吹いて倒れ、亡くなってしまったのだ!
まもなく津川の死因は、ワインに混入された劇薬による急性中毒だと判明。出席者の一人が撮影していた動画や聞き込みの結果から、津川が同窓生の誰かからワイングラスを受け取ったことも分かる。だが、動画からも肝心な相手は特定することができず…。
つまり、犯人候補は牛島も含む同窓生49人! 署長が捜査対象者になるという前代未聞の事態に戸惑いながらも、仲井戸豪太(桐谷健太)ら横浜みなとみらい署強行犯係の面々は捜査を開始。県警の捜査一課長・見城長一郎(池田成志)の指揮のもと、横浜地方検察庁みなと支部の検事・二階堂俊介(北村有起哉)&立会事務官・仲井戸みなみ(比嘉愛未)らと共に調べを進めていく。
すると…同窓生たちの証言から、怪しい人物が2人浮上する。1人は津川と以前トラブルがあったという唐沢吾郎(忍成修吾)。そして、もう1人はあろうことか由希子! 清楚で可憐だった由希子からは想像もつかない“今の顔”を知り、牛島は激しく動揺するが…!?
第5話のレビュー
とうとう殺人事件が発生した。
それも横浜みなとみらい署の署長・牛島(伊藤淳史)が出席した高校の同窓会で。
片想いの人・由希子(黒川智花)とも再会し、39歳という若さで署長を務めていることを褒められて嬉しそうに顔をほころばせていた矢先だった。
目の前で同級生の津川(敦士)が赤ワインを口にした次の瞬間に倒れてしまう。そしてそのまま……。
誰が毒入りの赤ワインのグラスを津川に渡したのか。
その真相が分からないため、その場にいた同級生49名全員に殺人の疑いがかけられることに。もちろん、牛島も例外ではない。
捜査には仲井戸(桐谷健太)らみなとみらい署強行犯係のほか、県警の捜査一課、検事の二階堂(北村有起哉)、事務官のみなみ(比嘉愛未)も加わる。
同級生の証言が上がってくる中で、怪しいのは津川とトラブルがあったという唐沢(忍成修吾)と由希子の名前が(忍成さんが出てきたとたんに「唐沢が犯人では……」と思ってしまいました、すみません)。
実は由希子は津川と不倫関係にあり、先日別れたばかり。
由希子の高校時代のイメージは「清楚で可憐」だった。牛島はショックを隠し切れない。
20年以上経てば人は変わる、というのか、それとも、そこまで深く知らなかっただけなのか。それにしても世の中で定期的に同窓会をする意義とは一体なんなのか……もはやトラブルが起こるきっかけになることが多いぞ、同窓会。と思うが現実のところはどうなのだろう。
でも、同級生のあれこれは知らなくてよいことのほうが圧倒的に多そう。
調べが進んでいくうちに、由希子は津川の子どもを妊娠していたことが分かり、疑いが深まっていく。
さらに、由希子の自宅近くの池に津川殺害に使われたものと同じ毒が捨てられ、魚が死んでいるのが見つかる(キーマンとして主題歌を務めるDa-iCeのメンバー・大野雄大の登場も!)
やはり、由希子が? となったところで、実は唐沢が由希子に罪をかぶせようとしてやったことだと分かる。
今回の見せ場のひとつは目黒(磯村勇斗)の取り調べだろう。他人のせいばかりにして被害者ぶろうとする唐沢を本気で叱りつける。江戸係長(古田新太)が早期退職したことで今回から目黒が係長のポストについたわけだが、その存在感を見せつけた。
アメリカ帰りということで、ちょっとスタイリッシュにやろうとしていたように見えたけれど、この人も熱い人なんだよなあ。シンプルにカッコよかった。
そして、諸星判事(吉瀬美智子)との淡い恋の展開も気になるところ。元カレ二階堂も絡んでくるのか。二階堂のみなみへの恋心の件もあるし、恋愛関係もにぎやかである。
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
横浜みなとみらい署強行犯係の刑事・仲井戸豪太(桐谷健太)は、検事の二階堂俊介(北村有起哉)から無銭飲食強盗事件の追加捜査を命じられ、てんてこ舞い。そのさなかに、高架下の広場で矢口久志(舟津大地)という男がケンカの末に暴行を受ける事件が起こる。加害者の男は、止めに入ったホームレスを突き飛ばして逃走。強行犯係の面々は覚醒剤の売買をめぐるトラブルだとにらむが…。
なんと、早々に捜査は暗礁に乗り上げてしまう。ホームレスは加害者の顔までは覚えておらず、さらに矢口も面識のない人間とケンカになったと証言したきり、黙秘に転じてしまったのだ! そんな中、110番通報した近隣住民が、制服姿の女子中学生が一部始終を目撃していたと証言。目撃者候補の中学生たちへの聞き込みを開始した強行犯係の原口奈々美(岡崎紗絵)と岸本凛(長井短)は、なぜか警察官を拒絶するような態度を取る生徒・松原未央(北里琉)のことが引っかかる。
未央は何か理由があって、本当のことを言っていないのではないか――。そう考えた奈々美と凛は後日、未央にもう一度話を聞きに行く。しかし、未央は「話したくありません」と言って背を向け…。
そんな中、事件現場を洗い直した豪太は、ついに加害者・大八木勇ニ(両角周)を捕まえる。だが加害者の大八木はおろか、被害者の矢口も、そして目撃者の未央も、頑として黙秘を貫き…!?
第6話のレビュー
覚せい剤売買のトラブルと思しき暴行事件が発生した。
被害者の矢口(舟津大地)はひどいケガを負っているが、加害者の男は逃走。止めに入ったホームレスも加害者の顔は見ていない。
そんな中、手掛かりは110番通報した近隣住民が見たという制服姿の女子中学生。その子が事件の一部始終を見ていたと証言。
原口(岡崎紗絵)と岸本(長井短)が該当する女子中学生・松原未央(北里琉)を見つけるが、彼女は「話したくない」の一点張り。
さらに被害者の矢口も口を閉ざし、事件は暗礁に乗り上げる。
矢口は覚せい剤が絡んでいるから話さないわけだが、未央が頑なになるのはなぜか。それは彼女の過去に理由があった。
母親が父親から暴力を受けていたのに、警察は助けてくれなかったのだ。警察に不信感を抱いている。
こういったケースに限らず、必死の思いで「助けて」と手を伸ばしたのに、その手を握ってもらえなかったとしたら、絶望はいかほどのものだろうか。想像を絶するものに違いない。中学生の心を深く傷つけてしまうほどに。
中学生の案件と聞いて、元教師である仲井戸(桐谷健太)も説得に乗り出すが反応は悪い。
そんな未央の心を開いたのは原口だった。自身が刑事になった過去を切々と語る。
昔は幼稚園の先生になりたかったこと。でも、女の子が通り魔に殺害され、逮捕された通り魔がニヤニヤと笑っていたこと。その犯人が許せなかったこと。
少しでも市民を守りたい。原口にはそんな強い思いがあった。
そしてその思いに未央も心を動かされ、犯人について口を開いた――。
ふわふわとした原口の凛々しい姿が印象的だが、それと同時に未央役の北里琉の演技も圧巻。
ずっと空虚な瞳をしていたのに、原口の言葉によって次第に生気を取り戻していく。原口は事件の証言を得ただけではなく、ひとりの女の子の人生も変えた瞬間だったのかもしれない。
一方で刑事と検事、判事の間の人間関係にも変化が。
みなみ(比嘉愛未)は二階堂(北村有起哉)の素直な姿を見て、心を動かされたのか? 横浜の夜景が綺麗などと言って目を細める。それをお兄ちゃん相手に言っているのだから兄妹、仲が良いな……。
目黒(磯村勇斗)と諸星判事(吉瀬美智子)は徐々に心の距離を縮めている様子……?
事件も気になるけど、だんだんそっちの人間関係のほうにも興味を惹かれるようになってきてしまったぞ……!
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
交番巡査・田口健介(湯江タケユキ)はパトロール中、首輪をつけた柴犬とすれ違う。その犬は管轄内の住人・水原多恵(丘みつ子)の愛犬・小太郎。怪訝に思った田口はすぐさま多恵の自宅へ。荒らされた居間で手足を縛られている多恵を発見した直後、何者かに背後から襲撃されてしまう!
犯人は宅配業者を装った男で、多恵の家から現金20万円と仏壇の金製おりんを強奪。事件発覚直前に田口が家の前で目撃していたワゴン車に乗って、逃走したと考えられる。だが、物証からは犯人の特定が難しい上に、ワゴン車の足取りもつかめない状況だ。犯人を取り逃して自責の念に駆られる田口のためにも、横浜みなとみらい署強行犯係の刑事・仲井戸豪太(桐谷健太)らは全力で捜査を展開。やがて盗まれたおりんが質屋で見つかるが、売りに来た男・釧路諸介(オラキオ)の姿を防犯カメラで確認した途端、豪太の顔色がさっと変わり…!?
一方、強行犯係の新係長・目黒元気(磯村勇斗)も“まさかの事態”に直面する。なんと、以前取り調べた傷害事件の被疑者が、起訴後に容疑を否認。目黒は冤罪を主張する担当弁護士・松平修二(神保悟志)から「強引な取り調べで自白させた」と難癖を付けられ、“検察側の証人”として出廷することになったのだ! しかも、松平は狡猾な手法で、これまで何人もの検事を苦しめてきた敏腕弁護士。さらに裁判長は…目黒が想いを寄せる、あの鋼の判事・諸星美沙子(吉瀬美智子)! 目黒は美沙子の元カレでもある検事・二階堂俊介(北村有起哉)に呼び出され、苦戦必至の反対尋問に備えて練習を始めるが…!?
第7話のレビュー
横浜みなとみらい署の管轄で強盗事件が起こった。
犯人は水原多恵(丘みつ子)の自宅から現金20万円と仏壇の金製おりんを盗んだ。仲井戸(桐谷健太)らは早速、捜査を開始する。
一方、強行犯係・係長の目黒(磯村勇斗)は裁判で証人として法廷に立つことに。
目黒が取り調べた被疑者が、起訴されたあとに容疑を否認。強引な取り調べで自白を強要したのではないか、という疑いがかけられていたのだ。
確実に裁判で勝つために、検事・二階堂(北村有起哉)から反対尋問の練習に取り組むことになる。
強盗事件については、少し拍子が抜けてしまう。
事件の発見者で、自身も犯人に怪我を負わされた交番巡査・田口(湯江タケユキ)。
パトロール中に水原の愛犬、小太郎とすれ違っている。それで不審に思って水原家を訪れる。
犬は早い段階で共有すべきでは? 首輪をつけた犬を追いかけずにそのままスルーってどうなんだろう。事件性を感じたから水原家に急いだわけだろうけれど。
そして、その後もなかなか犬の行方について言及されない。犯人の容疑を確定させるために、犬を探そうと言い出したのも物語の終盤である。
そもそも、田口巡査は行動をする前に応援を呼ばなくてよかったのだろうか……報連相大事。
そして、目黒は忙しい立場にも関わらず、二階堂と反対尋問の練習を受ける。ネチッと目黒を追い詰め、怒らせる二階堂。ついつい感情的になってしまう目黒だが、二階堂は裁判を担当する判事が諸星(吉瀬美智子)ということで気合いが入っているようだ。
1回目の練習ではともかく、2回目の練習では「被疑者が目黒に気に入られようとして嘘の自白をした」という無茶な設定。諸星が裁判官ということで、二階堂は気持ちがそちらに引っ張られているのかもしれない。大丈夫なのか……。
そして、裁判当日。敏腕弁護士・松平(神保悟志)は繰り出してきたカードは「被疑者は目黒に気に入られたくて、嘘の自白をした」というもの。
練習の甲斐もあってか、あっさりと松平を退けるが、裁判シーンがあまりにも淡泊で拍子抜け。
敏腕弁護士じゃないのか、松平! もっと来いよ! と思ってしまう。これでは目黒のカッコイイところを諸星にアピールしただけだ。そもそも、「気に入られたくて嘘の自白をした」というのがおかしな話である。刑事相手に罪を自白したところで、好意は持ってもらえないよね……? 取り調べの手間が省けるが好意を持ってもらえるってこと……?
一体、なんだったんだろう、この回は……。という気持ちに少しなるが、ひとつ言えるのは、事件発生からしばらく放置されたワンコ・小太郎が不憫ということだけである……。
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
離婚調停中の1児の母・久保田涼子(橋本マナミ)が、夫側の弁護士・五十嵐明(徳重聡)にグラスを投げつけ、顔に全治1カ月のケガを負わせた。ところが送検されてもなお、涼子は頑として黙秘を貫く。そこで担当検事の亀ヶ谷徹(西村元貴)は勾留延長を請求するが、なぜか涼子は判事・諸星美沙子(吉瀬美智子)の勾留質問では理由こそ語らないものの、罪については素直に是認。証拠隠滅も逃走の恐れもないと判断した美沙子によって請求は却下され、涼子はいったん釈放される。
しかし、この美沙子の判断がまさかの裏目に出てしまう。亀ヶ谷が在宅で取り調べを続行しようとしたところ、涼子と突然連絡が取れなくなってしまったのだ! 亀ヶ谷は被疑者が女性ということもあり、本来は二階堂俊介(北村有起哉)付きの立会事務官である仲井戸みなみ(比嘉愛未)にも同行してもらい、涼子の自宅を訪問。ところが、なんと涼子は窓から逃げ出し、駐車場へ! 止めようとしたみなみを車に乗せたまま、逃走してしまった!!
大切な妹・みなみが拉致された!?――知らせを受けた横浜みなとみらい署強行犯係の刑事・仲井戸豪太(桐谷健太)は激しく狼狽。自らのミスで“あってはならない事態”を招いてしまった亀ヶ谷、さらに涼子を釈放した張本人である美沙子にも動揺が走る。一方、逃走中の車内で涼子と話したみなみは、事件の背景にどうにも拭えない違和感を覚え…!?
そんな中、捜査は想定外の局面へ――。思わぬ新事実が次々と浮き彫りになっていき…!?
第8話のレビュー
離婚調停中の久保田涼子(橋本マナミ)が、夫側の弁護士・五十嵐(徳重聡)にグラスを投げつけて額に全治一ヶ月のケガを負わせたという今回の事件。
黙秘を続ける涼子に、担当検事の亀ヶ谷(西村元貴)は拘留延長を請求するが、諸星(吉瀬美智子)は請求を棄却。涼子は釈放される。
しかし、その後、涼子は連絡がとれなくなり、焦った亀ヶ谷はみなみ(比嘉愛未)も伴って自宅を訪れる。
逃亡を図った涼子は止めようとしたみなみも連れて、そのまま車で立ち去ってしまう。
妹が拉致されたかもしれないと動揺する仲井戸(桐谷健太)、そして同じく動揺する二階堂(北村有起哉)。
視聴者側としては、みなみが連れ去られたというより、「このまま逃がすわけない」と考えたみなみが咄嗟に車に乗り込んだ……と見えるが、仲井戸たちにはそんなことは分からない。検察立会事務官が拉致されたとあれば大ニュースである。
女性被疑者だからということで女性事務官のみなみを同行させたにも関わらず自分で声をかけ、さらに自宅にまで入り込んでしまった亀ヶ谷はもちろん大失態。また、拘留延長を棄却し、涼子を釈放した諸星も少なからず動揺していた。
しかし、事件は思わぬ方向へ。
車内で涼子と話をしたみなみは、その様子に違和感を覚える。
涼子が逃走し、向かったのは息子が通う保育園。
離婚調停中の夫から、今後、一切息子に会わせないと言われたのだ。お前は犯罪者だから、と。夫は老舗和菓子屋を営んでいる。息子はその跡継ぎになるわけだが、どうも様子がおかしい……。
実は、夫は浮気をしており、それを知った涼子が問い詰めると、「お前が母親としても妻としてもダメだからだ」と逆ギレ。
なにその責任転嫁~! ダサい~! その理論がまかり通るなら警察いらんわ~! と叫びたくなるが、涼子はそれが原因で精神的に不安定になる。さらにそこから衝動的に万引きをしてしまう。
これがきっかけで離婚調停に発展するわけだが、夫側はとにかく早く離婚したい。
涼子が万引きしたのをいいことに、全ての責任を押し付けようとしたのだ。
息子と会わせない理由も、「近く再婚をするし、息子には早く新しい母親に慣れてほしい」とのこと。自己中すぎて……絶対にここの和菓子買いたくない……。
さらに、五十嵐の怪我も、旧知の医師に頼んで診断を偽造していたのだ。本当は全治1ヶ月ではなく、1週間。これだとそもそも立件が怪しくなってくる。
浮気をし、責任転嫁し、陥れるために嘘の診断書を作り、罪をでっちあげる。最低では??
仲井戸の捜査と、二階堂の行動が涼子を救ったことになる。
が、ふたりともみなみが大切だから、なんですけどもね……。
そんな二階堂検事はみなみに好意を持っていることを認めた。恋はうまくいくのか……。次回、最終回。
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
最終回ストーリー&レビュー
最終回のストーリー
一軒家に押し入って老夫婦を拘束し、金庫から500万円を奪う強盗事件が発生。仲井戸豪太(桐谷健太)ら横浜みなとみらい署強行犯係の面々はさまざまな物証をもとに、犯行に及んだ3人組の男を次々と割り出し、スピード逮捕する。ところが…。
取り調べの結果、とんでもない事実が判明する! 3人は闇バイトの募集サイトで集められた、互いに面識のないメンバーだったのだ。しかも、その指示役は「キング」と名乗る人物――この1年の間に少なくとも15件の強盗事件に関わり、警察がマークし続けるも、未だ正体不明の凶悪犯だった! 起訴までにキングの正体を突き止めようと、送検された3人を必死に取り調べる検事たち。だが、ひとつも手がかりを得られないまま、最大20日間の勾留期間が終了してしまう。
そんな中、被害に遭った老夫婦のもとに突然、500万円が送られてくる。やがて、送り主はモデルの森野さやか(横田真悠)と判明! さやかへの事情聴取を重ねる中、豪太らは彼女の婚約者・阿久津守(佐野玲於)こそがキングではないか、とにらむが…。下手に動けば即座に物証は消され、元の木阿弥になることは明白だ。キングを捕まえる千載一遇のチャンスを目の前にしながら、手も足も出せない状況に、豪太も検事・二階堂俊介(北村有起哉)も苛立ちと焦りを隠せず…。
その矢先、キングが新たに殺しの闇バイトを募集した! 豪太はキングの尻尾を掴むため、あろうことか闇バイトに応募。二階堂らと連携し、禁断のおとり捜査に乗り出し…!
ハマの平和は俺たちが守る!――刑事と検事、そして判事・諸星美沙子(吉瀬美智子)が一丸となって立ち向かう“最後の事件”。それぞれの威信をかけた熾烈を極める捜査の行方とは…!?
最終回のレビュー
最終話で仲井戸(桐谷健太)らが挑むのは闇バイトの指示役の逮捕だ。
リアルでもつい最近まで大きく取り上げられていた事件が頭を過る。
実行犯は捕まるものの、彼らは指示役と直接会うわけではない。分かっていることは指示役の名前が「キング」ということぐらい。そのため、まったく核心には踏み込めない。
実行犯たちの勾留期間の終わりを迎えてもヒントさえも得られなかった。
そんなとき、強盗被害に遭った老夫婦のもとに、盗まれたのと同じ金額の500万円が送られてくる。
送り主はモデルの森野さやか(横田真悠)。
話を聞くうちに、仲井戸たちはさやかの婚約者・阿久津(佐野玲於)がキングではないかとにらむ。
キングを捕まえるためにとった作戦はおとり捜査。
さやかが自分の正体に気がついたのではないかと考えた阿久津は、闇バイトでさやかを殺すバイトを募集。
そこに仲井戸が応募し、阿久津に迫るというものだった。
横浜みなとみらい警察署の署長・牛島(伊藤淳史)は反対するが、検事の二階堂(北村有起哉)は自分が責任を取ると発言。捜査をしていると気づけば、阿久津はすぐに証拠を消してしまい、逮捕には至らないだろう。そして、逃げ切れば、指示役として暗躍し続けるだろうし、さやかも危険に脅かされ続ける。
一気に片をつけなければ、とみなとみらい警察署の強行犯係の面々も一丸となって取り組む。
なかなかの大掛かりの作戦だが、サクサク進んでいく。
闇バイトに応募した仲井戸はほかのバイト2人を確保。3人いるバイトの中で一番迫力があるのが仲井戸なので何も心配なく観られる……。
そして、仲井戸たちはさやかと共に阿久津のマンションへ乗り込む。
証拠を隠そうとした阿久津を寸でのところで取り押さえ、逮捕。あざやか!
桐谷健太と、阿久津役の佐野玲於と言えば、前クールではドラマ「インフォーマ」でバディを組んでいた。そんな2人が別の作品で相まみえるのはなかなかに胸アツだ。
できれば、仲井戸による阿久津の取り調べは観たかった……。
そして、時は流れ、半年後。阿久津の裁判が始まった。刑事と検事、判事たちはそれぞれの日常を送っていた。しかし、変化も。検事の矢部律子(中村アン)は東京特捜部への異動が決まった。
目黒(磯村勇斗)と判事の諸星(吉瀬美智子)は絶妙な距離感を保っている。アプローチする目黒、まんざらでもない諸星。
二階堂とみなみ(比嘉愛未)はみなみの兄である仲井戸から交際を許可するような発言が飛び出したが、その関係は曖昧なまま……。
これはまたいつか続編もありそうな予感。
それまでは、仲井戸たちがきっとハマの平和を守ってくれていることだろう。
※この記事は「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」の各話を1つにまとめたものです。
–{「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」作品情報}–
「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」作品情報
放送日時
2023年4月13日(木)スタート。毎週木曜21:00~
出演
桐谷健太/比嘉愛未/磯村勇斗/中村アン/岡崎紗絵/岡崎紗絵/西村元貴/本多力/古田新太/峯村リエ/奥貫薫/伊藤淳史/吉瀬美智子/北村有起哉
脚本
福田靖
ゼネラルプロデューサー
服部宣之(テレビ朝日)
チーフプロデューサー
黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー
齋藤梨枝(テレビ朝日)
菊池誠(アズバーズ)
松野千鶴子(アズバーズ)
演出
本橋圭太(アズバーズ)
樹下直美(アズバーズ)
制作協力
アズバーズ
制作著作
テレビ朝日