<100万回言えばよかった>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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俳優の井上真央が主演を務めるTBSドラマ「100万回言えばよかった」が2023年1月13日(金)22時にスタート。

本作は主人公の相馬悠依(井上真央)と幽霊になってしまった恋人の鳥野直木(佐藤健)、その2人をつなぐ刑事の魚住譲(松山ケンイチ)の3人が描くファンタジーラブストーリー。共演はシム・ウンギョン、平岩紙、春風亭昇太、荒川良々ら。脚本は安達奈緒子が担当する。

CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「100万回言えばよかった」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

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幼馴染でお互いを運命の相手だと確信していた相馬悠依(井上真央)と鳥野直木(佐藤健)。
悠依にプロポーズしようと決めた矢先、直木は不可解な事件に巻き込まれてしまう。
最愛の人が突然姿を消した悲しみに暮れながらも直木を懸命に探す中、悠依は刑事・魚住譲(松山ケンイチ)と出会う。
後日、譲は街中で直木の姿を見つけて話しかけるが、なんと直木は幽霊の姿となっていたのだった…。
直木は、自身の存在を唯一認識できる譲に、自分の言葉を悠依に伝えてほしいと頼むが…。

第1話のレビュー

井上真央、佐藤健、松山ケンイチが出演する「100万回言えばよかった」がスタートした。
放送前から何度も予告や番宣を目にしていたので、なんとなくあらすじはわかっていたが、脚本家の安達奈緒子の世界観にどっぷりはまってしまいそうな予感だ。

物語は2023年の1月13日、鳥野直木(佐藤健)の帰りを待つ相馬悠依(井上真央)がイライラしているシーンからはじまった。
この日は悠依の34回目の誕生日だったが、直木がなかなか帰ってこない。
しびれを切らした悠依は、掃除機をかけながら直木の文句を言っている。
しかし、その横には直木の姿が。
「ごめん。俺、いつから寝てた?」と悠依に話すも、悠依には直木の姿が見えていない様子だ。
どうやらすでに直木は、死んで幽霊になっている?(まだ初回でははっきり描写はされていないが。)

直木の行方不明者届けを出しに警察に行った悠依は、そこで刑事の魚住譲(松山ケンイチ)に出会う。
魚住に「成人男性の失踪に警察が動くことは、ほぼありません」とハッキリ言われ、肩を落とす悠依。

数日後、「西山町女性絞殺事件」を捜査している魚住の目の前に街中でたたずんでいる直木の姿が……。
直木の体をすーっと通り抜けていく人達の様子に驚く魚住に「俺のこと、見えているんですか?」と詰め寄り、「やっと話せる人がいた!お願いです、助けてください」と魚住に懇願した。

寺の息子で、霊が見える家系の魚住だから直木の姿が見えたのだろう。
この、「霊が見える家系」という設定は、いささか無理矢理な感じはするが、なんとか違和感なく受け入れることができた。

物語は2023年を拠点にしながら、何度も過去にさかのぼる。

悠依と直木が出会ったきっかけや、再会シーンなどが丁寧に描かれているので、初回の放送を途中で離脱した人はいないのではないだろうか。
悠依と直木の中学生時代の役者も、井上と佐藤の雰囲気があり、とてもよかった。

後半シーンでは、魚住に憑依した直木が悠依の大好きなハンバーグと、思い出深い、“しょっぱい”プリンを作った。
それを食べた悠依は、直木の存在に気づく。
そして、「直木、見えないよ。声も聞こえない。でもわかる。側にいてくれている。でもそれってつまり……あなたは死んだの?」と涙を流したのだった。

ラストシーン。
魚住が西山町女性絞殺事件に関係する防犯カメラの映像を見ていると、そこにはなんと直木の姿が。
直木は殺人事件に関係しているのだろうか。
物語は一気にミステリアスな雰囲気をまとい、終了。

どうやらこのドラマは、終始切ない胸キュンドラマというわけではなさそうだ。

はたして、直木は本当に死んでしまっているのか?
これは最終回まで目が離せない。

※この記事は「100万回言えばよかった」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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直木(佐藤健)の姿が目に見えなくても、そばにいてくれていることを感じ取れるだけでいいと悠依(井上真央)は少し前向きな気持ちになることができた。
ある日、殺人事件現場の防犯カメラ映像を見ていた譲(松山ケンイチ)はそこに映る直木の姿を発見する。死んでいる直木が事件に無関係ではないと考えるが、直木はまだ行方不明者扱いのまま。
そんな中、悠依に呼び出された譲は、直木に何があったのかを捜査して欲しいという依頼を受ける。話をするうち、直木には失踪前後の記憶がないことが分かり…。

第2話のレビュー

初回の放送を観たあと、どうしてもデミグラス系のハンバーグを食べたくなった視聴者は少なくないのではないだろうか。
筆者も放送直後の週末、直木(佐藤健)が作っていたハンバーグに似たものを作り、悠依(井上真央)と同じようにお箸で食べ、満足した。
すっかりドラマに影響されてしまっている。

初回放送前はファンタジー要素が高いと思われていたが、ラストシーンでミステリー要素も含んでいるドラマだということがわかった。

殺された女性宅を訪問していた直木が事件に関係しているのかどうかを、直木、悠依、刑事の魚住(松山ケンイチ)の3人で手がかりを探ることになった。
直木が行方不明になったと思われる1月13日は店を臨時休業にし、こども食堂を開催したと話す直木。
昼の12時ごろから子ども達が帰る14時過ぎまで開催したものの、自分がお店を出た記憶はなく、気づけば自分の部屋で寝てしまっていたという。
その時間が21時。
その間に直木が幽霊化していたことが予想できるが、空白の7時間のあいだにいったい直木に何があったのだろうか……。

証拠を探すために直木の携帯から紐解こうとする。
しかし、携帯は手元にはない。
そこで、携帯を同期していた自宅のパソコンから直木の足取りを調べることに。
すると、13日の15:26に
「待っています。何かありましたか?」
というナゾのメッセージが残されていた。
実はその日、直木は中学生時代に里親の元で一緒に過ごした尾崎莉桜(安斉星来)と会うことになっていた。
当時、里親の元から突然いなくなった莉桜を里親だった広田勝(春風亭昇太)は亡くなる前まで心配していた。
そこで直木に莉桜を探し、彼女の私物を返してほしいと託していたようだ。
その私物の中にはなぜか現金500万円も……。

莉桜のことを知る悠依にも協力してもらって、2人で莉桜を探せばよかったのに、当時から素行が悪かった莉桜が今どんな風に変わっているかわからないから、(悠依に危害が与えられないとも言い切れないから)直木は1人で探していた様子。
どこまで優しい男なんだ!!

この物語は甘い、甘い恋人同士の話かと思っていたのに第2話にして思わぬ方向に進んでいる。
ここからは幽霊化している直木と刑事の魚住、悠依が謎の殺人事件の犯人を追及していくのだろうか。
放送前に想像していた展開とはだいぶ違うが、良い意味での裏切りがあり、次週の展開も楽しみだ。

ラストシーンで莉桜に連絡が付いた悠依が、これから会うというメッセージを受け取った魚住と直木。
「莉桜と会うって?まずいっ!」と言い、走りだした2人だったが、そこはまず電話しようか……とツッコまずにはいられなかった。

今後、3人の関係にもなんらかの変化が出てくるかも?

※この記事は「100万回言えばよかった」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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尾崎莉桜(香里奈)が事件に関わっているかもしれないと考えた直木(佐藤健)と譲(松山ケンイチ)は、莉桜に会おうとする悠依(井上真央)を心配し、急いで悠依のもとに駆けつける。
その後、譲は悠依に直木が殺人事件に関与している可能性があると説明する。しかし悠依は、直木の全てを知ってはいないが決して人を傷つけるような人じゃないと確信しており、真相を突き止めたいと訴える。
事件解決に向けて捜査が進む中、譲は田島(少路勇介)と一緒に直木の父親を訪ねる。そこで直木の過去を聞いた譲は、田島に直木のことを打ち明けようと決意。そんな中、直木の母親が悠依に会いたいと言い出し・・・。

第3話のレビュー

“幼い頃一緒に過ごした尾崎莉桜”に会うことになった悠依(井上真央)。
もしかしたら莉桜が悠依に危害を加えるかもしれないと思った直木(佐藤健)と魚住(松山ケンイチ)は、急いで悠依の元へ向かった。

悠依の前に現れたのは莉桜ではなく、直木のお店のオーナーの池澤英介(荒川良々)だった。

英介はたまたまお店にいただけだと言い、すぐにその場を立ち去る。
英介と悠依が話しているところを店の外から見ている人物がいたが、誰かはわからない。
結局、悠依は莉桜に会えなかった。
しかし、なんでここに英介が?
ちょっと怪しい……。

第3話では、直木の幽霊の先輩である樋口昌通(板倉俊之)が大活躍だった。

初めて板倉の演技を目にした筆者は、あまりにも演技が上手で最初は誰だかわからなかった。
板倉が演じる樋口の存在も今後、物語の鍵となるかもしれない。
そんな樋口に、悠依となんとかしてコミュニケーションを図りたいと相談をする直木。

「幽霊は物が触れないけれど、物体として存在しているわけだから、空気を使えば物を動かすことができる」と教えてもらう。
今後は、自分が吹く息で悠依に存在を知ってもらうことができるかもしれない。
物が触れないと言いつつも直木と樋口が椅子に座って話すシーンは滑稽だった。
まぁ、そこは目をつぶろう。

悠依の美容室にある女性(香里奈)がやってきた。
何やら意味ありげな雰囲気で悠依に質問を重ねる。
「以前、どこかでお会いしていませんか?」と悠依が訪ねるとその女性は「いいえ」と答えた。
しかし数日後、悠依はその女性が尾崎莉桜だったのでは?と魚住に話す。

そこから話が急展開した。

3話では、悠依のことを1話で助けてくれた医師の宋(シム・ウンギョン)も再登場。

魚住が宋の死んだ夫に似ているということを悠依に告白した。
これは何かの伏線なのだろうか。
宋が今後、どう物語に関わっていくのか興味津々だ。

また直木の過去も明らかに。

直木は幼い頃から父親(相島一之)からは暴力を受け、母親(長野里美)からは歳の離れた血液の病気を患っている弟の骨髄提供だけのためにつなぎ留められていた。
自分のあやふやな存在価値に悩んだ直木は、自ら里親の元で暮らすことを選んでいたようだ。

そんな時、直木の母親が悠依に会いたいと連絡をしてきた。
会ってみるとやはり直木の母親は弟のことしか考えていないひどい親だった。
何度も再発する弟のために移植に応じていた直木の過去を知った悠依。
「直木は亡くなっているかもしれません」と話すと、
「弟が再発したらどうしよう……」と直木のことよりも弟の命を心配しているような発言に悠依は愕然とした。

直木の辛い過去を聞いた悠依は、見えないけれど目の前にいるであろう直木に向かって

「私はあなたのことが好きです。この世界で一番大好きです」と優しく語り掛けた。

その悠依のまっすぐな告白に号泣する直木。
またその姿に多くの視聴者も、もらい泣きをしたことだろう。

本当に直木が亡くなっているとしたら、こんなに悲しいラブストーリーはないと思う。
どこかで植物人間として生きていて、今は生霊としてさまよっているという展開を期待してしまう。
そうでないのであれば、今から脚本を書き換えて欲しいとすら思ってしまった。

次週も目が離せない。

※この記事は「100万回言えばよかった」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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悠依(井上真央)の独白とも言える直木(佐藤健)への思いを聞いた譲(松山ケンイチ)は、力になりたいと考えるも、今の自分に何ができるか思い悩んでいた。
そんな中、河川から直木の携帯電話が発見される。依然、殺人事件の容疑者にされたままの直木は、自分の遺体が見つかっていないことを不審に思い、行方不明の自分の身体を捜し始める。
一方、悠依の元に英介(荒川良々)から、こども食堂に来ていた子の一人が行方不明だという電話が。直木も協力し、とある山間部に子どもを捜しに行くが、そこにはさらなる衝撃が待ち受けていて…!?

第4話のレビュー

直木(佐藤健)の携帯が橋の下から見つかったが、いまだに直木の身体は見つからない。
幽霊として悠依(井上真央)の近くにいることはできるが、もどかしさは募る一方だ。

しかし、第4話では大きな進展があった。
これまで悠依と直木は魚住(松山ケンイチ)を通じてコミュニケーションを取っていたが、幽霊先輩の樋口(板倉俊之)のお陰で“口笛”によって一気に距離が縮まった。

「YES」の時は口笛を1回鳴らす、「NO」の時は2回と2人のルールができた。

微かでも直木の存在を感じられるようになった悠依の頬が緩む。
そして、直木が口笛を吹くために目を瞑って唇を尖らせる“キス顔”はSNSを中心に話題に!

前半はほんわかとした雰囲気で進行していたものの、後半では直木の身体が見つかった。
しかしそれは、森の中でブルーシートにくるまれた”死体“だった——。

「やっぱオレ死んでたわ……。」

と絶望に近い表情で魚住に話す直木。

警察の霊安室に来た悠依も冷たくなった直木に対面。
もう一度直木に触りたいと思っていた悠依の願いは叶ったが、こんな形で再会するなんて思いもよらなかっただろう。

あぁ、ため息しか出ない。
ありきたりな展開だが、どこか山の中の病院で昏睡状態で入院中、もしくは記憶喪失で生存していてほしかった。
とにかく直木には生きて悠依の元に帰ってほしかったのに、こんな結果になるなんて。

「絶対に許さない。こんなのおかしい。誰かに殺されるとか……そんなのひどい。絶対に許さないっ!!!」

と魚住の前で絶叫した悠依。
これは辛すぎる……。

直木の死に絶望した悠依だったが、直木の下手な口笛の音色が癒してくれる。

しかし、逆にその2人の姿が辛いんだが。
なんとかしてこの2人がハッピーになるような終わり方になって欲しいと願うばかりだ。

ラストシーン。
“2人”は中学生時代に過ごした里親の自宅を訪問することに。
そこには直木の死体が握っていた花が植えられており、その花を目にした直木は苦しみだし、倒れてしまった。

え?
どういうこと?
直木は里親の自宅で殺されたのだろうか?
悠依が最後に見ていた写真に写る女の子は、誰?

まだまだ謎だらけで次週が今から待ち遠しい!!!

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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悠依(井上真央)が自分と莉桜(香里奈)、涼香(近藤千尋)が写る写真を手にする中、直木(佐藤健)は突然の胸の苦しみに襲われていた。
直木が殺害された事件の真相が徐々に明らかとなる反面、身体がなくなったら直木は消えてしまうのではと不安に思う悠依。そんな中、悠依が襲われる事件が発生。幸い無事だったが、悠依はその時襲ってきた人物に言われた言葉が気になっていた。
直木の葬儀が終わり落ち込んでいる悠依を励まそうと、直木は譲(松山ケンイチ)を通じてデートに誘う。譲も一緒にと、3人で広田家にあった写真の遊園地に行くが、悠依と直木はお互いの未来への考えの違いからケンカに。それがキッカケで悠依はあることを思い出し・・・。
 

第5話のレビュー

直木(佐藤健)が死に至った経緯が少しずつ明らかになってきた。

死亡推定時刻は、1月13日の午後5時頃から7時頃まで。
鋭利な刃物で刺されたことによる失血性ショックだった。
1月13日といえば悠依(井上真央)の誕生日だ。
そんな日に何者かに殺されるなんて悲しすぎる。

悠依が勤務を終え、帰ろうとしているとそこへ尾崎莉桜(香里奈)がやってきた。
するといきなり悠依の首を絞め
「もう、何も思い出さないで!」と。
さらに、
「こっちこないでよ!!!」
と言って立ち去った。

悠依の命も狙われてしまうかもしれないと焦る直木と魚住(松山ケンイチ)だが、事件の真相はまだまだわからない。
ただ、殺された高原涼香(近藤千尋)の家に不審な男が出入りしていたことはわかった。
しかもこの男、莉桜と繋がっているようだ。

直木の葬儀がはじまった。
直木の葬儀に参列したのは直木の両親と親戚、そして悠依と直木のお店のオーナーの英介(荒川良々)だけ。
第3話で直木には病気の弟がいることがわかっていたが、その弟は葬儀にはいない。
すでに亡くなっているのか?それとも……???

直木の葬儀が終り、落ち込む悠依を元気づけようとデートに誘った直木。
もちろん魚住も一緒だ。

悠依が昔、莉桜と涼香と行った横浜の遊園地にやってきた3人だったが、直木は魚住の表情から魚住が少しずつ悠依にひかれていっていることを知る。
なんてせつない事実だろうか——。

遊園地に来たことで悠依は当時、莉桜とそこでケンカをしたことを思い出した。
楽しく遊んでいたのに誰かからの電話を切った途端、怒り出した莉桜は
「あんたはこっち来んな」と言って、悠依を置いて涼香とどこかへ行ってしまったのだった。

一人取り残された悠依が帰ろうとしていると、「ぶどうのグミ」を食べる男性が運転する車の後部座席に莉桜と涼香の姿が。
このぶどうグミの男のシルエットが、ちょっと英介に似ていた気がするのは気のせいか?

17歳の莉桜が中学生の悠依に言った「あんたはこっち来んな」と、今また首をしめながら言った「こっちこないで」の真意はまだ謎だが、直木は莉桜が何か面倒なことに巻き込まないようにするために放った言葉ではないだろうかと推測する。

実は莉桜は悠依を守ろうとしてくれている???

処分される直木のお店を片付ける悠依は生前、直木が悠依にプレゼントしようとしていたイニシャル「Y」のネックレスをみつける。
それを見つめながら
「私には直木しかいない。私は直木と生きていく。絶対に諦めない」と決心。

しかし、直木は
「悠依には新しい人生を生きてほしい」と自分を成仏させる方法を探ろうとしていた。

幸せになってもらいたいものの、2人の強い想いはまったく別の方向を見ている。

事件の真相も気になるが、悠依と直木、この2人の「これから」も気になって仕方がない!!

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー


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莉桜(香里奈)が悠依(井上真央)からの手紙を受け取ったのと同じ頃、直木(佐藤健)は樋口(板倉俊之)と共に、成仏する方法を知る自分たち以外の幽霊を探していた。直木と樋口のことが見えない人々が通り過ぎる中、2人を見つめる姿が…。

そんな中、悠依の引っ越しを知った直木は急いで止めようと譲(松山ケンイチ)の元へ。悠依はハヨン(シム・ウンギョン)に引っ越しを手伝ってもらっていた。

その後、直木は譲の姉・叶恵(平岩紙)に会いに行き、自分が成仏するためのヒントをもらう。それを悠依にも話したことがキッカケとなり、直木は譲が抱える“ある思い”に気づく。

第6話のレビュー

第6話は莉桜(香里奈)と生前の涼香(近藤千尋)との会話シーンからはじまった。
会話から涼香は「ちぃちゃん」という人からお金をもらっていることがわかる。
ちぃちゃんという人物はいったい誰のことをいっているのか?

悠依(井上真央)が幸せになるにはまず自分が成仏すべきだと考えた直木(佐藤健)は幽霊の先輩、樋口(板倉俊之)と一緒に街頭で「幽霊の人、いませんか?」「成仏する方法を教えてください」と通行人に問いかける。

よくよく考えるとすごい問いかけだ。
当然筆者はそんな問いかけをする人を今だかつて見たことがない。

街の人たちも直木らの姿が見えないようで素通り。
しかし、1人だけしっかりと2人をみつめている謎の女性(菊地凛子)が……。

この女性、後半にも直木の前にちょろちょろ現れるが誰かはわからない。

幽霊が見える魚住(松山ケンイチ)の姉、叶恵(平岩紙)に頼ることにした直木はいろいろと相談することに。
「そもそもなんで俺は消えずにいるんですか?」の問いには
「思い残しがあるからかな? 自分の死に対してちゃんと腹落ちしたい。そういう思いが強いから念が残っているんだと思う」と叶恵は推測した。

直木は自分の“思い残し”が何かを自問自答していた。
悠依のことが心配なことに加え、生前自分の思いをきちんと悠依に伝えていなかったことは心残りになっていると話した。
直木と魚住を心配そうに見送る叶恵の表情もまた何かを含んでいた。

前回に続き、直木のお店のオーナー英介(荒川良々)の表情が怪しい。
悠依が直木はこの世にまだいることを伝えると驚きを隠せない様子。
そして、
「事件のことを(直木に)聞けば、殺した人のことわかるじゃない?」の問いに悠依が
「それが死んだ時の記憶は残っていないみたいで……」と話すと、少し安堵した様子を見せた。
子ども達にも優しく人の良い英介が事件に関係しているとは思いたくないが、どうだろうか。

悠依と直木の見守り役に徹していた魚住だが、ここにきて悠依にひかれている自分に気づく。
その思いは直木にも気づかれ、二人は少しずつ微妙な関係になってきたような……。

直木のファインプレイで涼香を殺した犯人が判明。
田中希也(永島敬三)だ。
この人物、悠依の自宅に盗聴器を仕掛けた?
そして、「知り過ぎた」悠依も希也に命を狙われるかもしれない。

ラストシーンで莉桜と悠依が“きちんと”会えると思ったら、黒塗りの車が莉桜の前に停車。
中から少女たちにお菓子作りを教えている武藤千代(神野三鈴)が現れた。
千代の姿を見た莉桜は「ちぃちゃん……」と言って固まる。
目の前に会いたかった悠依がいるというのに千代の「入りなさい」という言葉に促され、すっと車に乗り込んでしまった莉桜。

ちぃちゃん、って何者?
そしてとっても怖いんですけど……。

悠依を助けにきてくれた魚住の息が荒い。
魚住の体に異変が起こっているようだ。
大丈夫か、魚住!

菊地凛子が演じる謎の幽霊の存在もまだまだ謎だ。
第6話での登場時間は1,2分だった気がするが、その存在感たるや!
彼女は直木の救世主となるのか?

これで役者は揃ったのではないだろうか。
後半戦の展開が非常に気になる。
次週も腰を据えてじっくり考察したいと思う。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー


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莉桜(香里奈)を車に乗せた人物が直木(佐藤健)を殺した犯人なのではと、悠依(井上真央)は憤りをあらわにしていた。
一方、突然倒れた譲(松山ケンイチ)は病院で受けた検査の結果、偽性脳腫瘍の可能性があると告げられていた。ただの頭痛だと楽観視していた譲だが、叶恵(平岩紙)から、幽霊である直木とこれ以上一緒にいるなと忠告される。
そんな中、莉桜の行方を追っていた直木は、莉桜が連れ去られた場所やそこで見聞きしたことを譲に伝える。譲は直木の証言をもとに単独で捜査に乗りだし…。さらに、幽霊の原田弥生(菊地凛子)があらわれ、譲にある頼み事をするのだった。

第7話のレビュー

莉桜(香里奈)は、悠依(井上真央)と落ち合う直前に千代(神野三鈴)と希也(永島敬三)によって車で連れ去られた。
その直後、直木(佐藤健)はその車に飛び乗ったが、魚住(松山ケンイチ)はその場で頭を抱えてうずくまって倒れた。
悠依の友人で医師のハヨン(シム・ウンギョン)が魚住を診察し、詳しい検査と治療をすすめるも、すぐに病院を出る。

弟の体を心配する姉の叶恵(平岩紙)は
「あんた、体どっか悪いでしょう? それ、幽霊に命、削られてんのっ!直木さんには悪いけど、離れなきゃダメ!最後は死ぬって(古文書に)書いてあった!」
と強く警告するが、まったく聞く耳をもたない。
叶恵を演じる平岩紙の気迫に満ちた演技は圧巻だった。

第7話は、前回からちょこちょこ画面に映っていた幽霊の原田弥生(菊地凛子)が魚住(松山ケンイチ)らの前に現れ、どうして幽霊になったかを語った。
どうやら原田は、韓国滞在中に交通事故を起こし、ハヨンの夫を巻き沿いにしてしまったようだ。
ハヨンの夫は成仏したものの、原田は心残りがあるせいで成仏できずにいるという。
そこで幽霊が見える魚住がここでも大活躍。
今回も原田とハヨンの“通訳”として間に入った。
しかし、ハヨンは原田のことを「ごめんなさい、あなたのことは許せない」と言い残し、その場を後にした。

本作は、全体的に現実ではあり得ない設定が多いために見方によっては離脱し兼ねない。
しかし、井上、佐藤、松山に加え、平岩、菊地、シム・ウンギョン、荒川など実力派俳優たちの演技力と違和感のない脚本のため素直に受け入れることができる。

魚住は、姉が懸命に祈祷してくれたお陰で、ここのところ正常でいられたが、直木に加え原田の出現で体に負荷がかかっているようだ。
魚住が体を張って自分たちのことを助けてくれていることを知った悠依と直木は、もう魚住に頼ることはできないと、離れることを決意する。
しかし、悠依と直木は口笛だけでは意思の疎通ができない。

困惑していた矢先、悠依は何者かによって襲われてしまう。
「やめろ!誰かっ!」と大声で助けを呼び、懸命に悠依を助けようとする直木だが、幽霊のために助けられない。
絶体絶命かと思いきや、どこからかスーパーマンのように現れた魚住が間一髪のところで犯人を捕まえ、逮捕した。
愛する人を助けることができない直木の寂しそうな表情――。
痩せた佐藤の頬が、一層こけて見えた。

後半、ここまで筆者が怪しいとにらんでいた英介(荒川良々)が、事件に関わっているような描写があった。
グミを貪る荒川の表情は、恐怖に満ちていた。

若い女の子たちの良き理解者である千代。
地域の子どもたちの憩いの場を作ってあげている英介。
どちらも「子ども」を助けている風だが、実際はそうではなさそう。
この2人がグルで黒幕という考察は、少し安直な気もするが……。

謎が謎によって上書きされ混乱してきたが、どんな時もでしゃばらず、冷静で優しい魚住がかっこいい。

次週の予告に「誰かの体をもらって生き返った人がいる」という原田の声が……。

なぬ?

もしかして直木は最終回、誰かに体をもらって生き返るのか?
まだまだ一考の余地がありそうだ。

※この記事は「100万回言えばよかった」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー


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悠依(井上真央)を襲った犯人が特定されたが、依然として莉桜(香里奈)の行方はわからないまま。直木(佐藤健)は、悠依のことを守ってあげられなかったことに落ち込んでいた。一方、譲(松山ケンイチ)は、直木の幽霊パワーを跳ね除けられる方法を見つけ、再び、悠依と直木と譲は3人で過ごせるようになったのだった。

そんな中、田中希也(永島敬三)と莉桜が発見されると同時に直木を殺した証拠も見つかり、事件は一気に解決するかと思われていたが…。

第8話のレビュー

「消えたい……」

悠依(井上真央)を助けることができない直木(佐藤健)が思わず弱音を吐く。
愛する恋人が目の前で何者かに襲われた時、幽霊の体では何もできなかったため、落ち込んでいた。

幽霊の先輩、樋口(板倉俊之)が、魚住(松山ケンイチ)の姉(平岩紙)と一緒に直木が魚住と一緒にいても身体が弱らない方法を探しだす。

どうやら、直木の苦手な”猫の毛“を魚住が持っていると直木は魚住と一緒に行動できることがわかった。
魚住と一緒に行動できるということは、悠依の近くにいられるということだ。

第8話では幽霊の原田(菊地凛子)が成仏した。
「生きているほうにも思い残しがある」と思った原田は、自分のせいで夫のウジンを失ってしまったハヨン(シム・ウンギョン)が夫に思いを伝えることができるよう、魚住に懇願。
原田、魚住、直木、悠依、そしてなぜか樋口の5人でハヨンの思い残しをどうしたらいいかを計画する。
そんなやりとりの中で原田は
「前から噂があるの。誰かの身体をもらって生き返った人がいるって」

え? どんな噂よ!とツッコミたくなったが、ここはさらりと流そう。
「波長がピタッと合う人じゃないとダメらしいけど……」と付け加える原田。
このセリフ、波長の合う直木と魚住が将来的に何かあるという伏線なのか?
魚住らの助けのお陰でハヨンの口から「愛してる」という“思い残し”を聞いた原田は「よかった」と言いながら消えてしまう。
原田がすーっと消えた時の直木の複雑そうな顔がとても印象的だった。

第8話は大きくストーリーが動いた。
希也(永島敬三)と莉桜(香里奈)が車の中で練炭自殺を図った(ように誰かに見せかけられた?)。
希也は亡くなってしまったが、莉桜は一酸化炭素中毒で意識不明の重体。

ここで過去に英介(荒川良々)が希也の身元引受人だったことが判明する。
さらに希也と千代(神野三鈴)が親子関係にあったこともわかった。
これで千代、希也、英介の3人がつながった。

そんな時、悠依は莉桜の病室の前で英介にばったり会う。
最近、直木と悠依の里親だった勝(春風亭昇太)の夢を見るという英介。

「悠依ちゃん、今日休みなら勝さんの家に行かない?」と半ば強引に誘って二人で勝の家に行った。

もう嫌な予感しかしない……。

案の定、勝の家で豹変した英介。
ほら、言わんこっちゃない!
戸惑う悠依に魚住がナイスなタイミングで電話をしてきた。
「すぐに彼から離れてください。彼が直木さんを殺した可能性があります」と告げられ、後ろを振り向くと英介がぶどうグミをむしゃむしゃと頬張っていた。

通話のまま
「どうして?」と涙目で英介に訴える悠依。
ほら…。魚住が余計な情報を与えてしまったからそうなるよねとがっかりの場面。

すると英介は、「あれ?悠依ちゃんってあの頃、僕会ってたっけ?」と意味深な発言をしながら工具を握った。

しかし、悠依は「直木、来てくれたの?」と、あたかも直木がここにいるかのように振る舞ったところで第8話は終了。

物語はいよいよクライマックスへ。

最終話まで一気見したいところだが、ぐっとこらえるか……。

※この記事は「100万回言えばよかった」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー


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悠依(井上真央)は尋常じゃない英介(荒川良々)の様子に慄然としながらも、平静を装い会話を続けていた。そのとき、直木(佐藤健)が近くにいることに気づいた悠依は、緊張状態は変わらないながらも心強く思う。さらに、譲(松山ケンイチ)も近くで悠依を助ける機会を伺っているが、悠依に危険が及ぶ可能性があり動けずにいた。

そんな中、英介は20年前のこと、そして直木との間に何があったのかを語り始め…。

第9話のレビュー

6、7話くらいまでは不思議なストーリーだとは思っていたが、ぐっと引き込まれる魅力に包まれたドラマだと思っていた。
しかし、9話でかなり“サスペンスホラー&ファンタジー要素”が強く、戸惑いを感じるようになったのは筆者だけだろうか。

英介(荒川良々)に見える勝(春風亭昇太)、魚住(松山ケンイチ)に見える直木(佐藤健)、晴れていたのに突然の雷鳴、雷に打たれたのに普通に歩いて連行される英介など、戸惑い要素が増えていく。

それでも直木が最期に悠依(井上真央)が育てていた花を握りしめながら息を引き取るシーンは、涙なしでは見られなかった。
佐藤健のせつない顔はなんて破壊力があるのだろうか。

さて、物語の内容に戻ろう。

「殺さなくてもいいじゃないですか」という悠依の問いに英介は「いい奴すぎて嫌になっちゃった」と。
なんて勝手な人間なんだろうか。
人間の嫉妬ほど恐ろしいものはない。
表情のない荒川良々の悪い顔にはゾクっとさせられた。

直木は消える直前、魚住に体を借りて悠依と話すことができたが、悠依に「愛している」や「ずっと好きだった」など、愛のある言葉をかけることはないまま、すーっと消えてしまった。

英介や莉桜(香里奈)の供述により、千代(神野三鈴)は逮捕された。
やはり千代は少女たちを使って売春を斡旋しており、大金を得ていたことが明らかに。

日常に戻った悠依と魚住。
消えた直木のことを思い出しながら語る2人の表情はとても穏やかだった。
辛いけれど目の前で消えてしまった直木のことを想いながら、前を向いて生きていこうとする悠依の覚悟の表情が印象的だった。

ここで終わりでもよかったのでは? と思える感動的なシーンだったので、あと1話分をどう展開するのか気になっていたらとんでもない展開へ。

「毎朝、目が覚めたとき思う……。全部夢だったらいいのに」
悠依の心の声。
この言葉に全視聴者が納得したと思っていたらなんと、台所で朝食を準備する直木が!

へ?

「これは夢?」と聞く悠依。
「夢じゃない」と答える直木。

まったく意味がわからない展開で次週、最終回へ。

ここで以前、原田(菊地凛子)が言っていた
「前から噂があるの。誰かの身体をもらって生き返った人がいるって」
という言葉が頭を駆け抜ける。

そういうことなの?
ではいったい、直木は誰の身体をもらっているのか?
魚住ではなさそうなところを見ると、第3話で明らかになった弟の存在が気になる。
思い返せば直木は弟に骨髄提供をしていたというくだりがあったな……。
もしかしてその当たりが関係しているのだろうか。

もしくは、すべてが悠依の「夢」だったというオチもあるのかも?
(それは避けて欲しいが……。)

どちらにしても1週間待てば答えがわかる。

最後は悠依の笑顔で締めくくってほしいと願うばかりだ。

※この記事は「100万回言えばよかった」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第10話ストーリー&レビュー}–

第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー


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直木(佐藤健)が巻き込まれた一連の事件の全貌が明らかとなり、直木を殺害した英介(荒川良々)と多くの犯罪に関与した武藤千代(神野三鈴)が逮捕された。
譲(松山ケンイチ)の計らいもあり、悠依(井上真央)と直木は最後の時間を過ごすことができた。だが本当に伝えたいことは伝えられず、別れの時間がきてしまう…。そしてついに直木は悠依と譲の前から姿を消してしまったのだった。
直木のいない世界を生きる覚悟を決めた悠依の元に、夢か幻か…姿を消した直木が現れる。一体どういうことかと混乱する悠依に、直木が告げたのは…。

第10話のレビュー

#金ドラ100よか というハッシュタグも誕生した話題のドラマ「100万回言えばよかった」が最終回を迎えた。

恋人を失った悠依(井上真央)と幽霊となってしまった直木(佐藤健)、その二人の理解者である魚住(松山ケンイチ)の3人がおりなすファンタジー&ラブストーリー。

視聴者の意表を突いたラストシーンから1週間。
筆者は、病弱な弟の身体をもらって直木がこの世で生き続けると予想したが、的外れもいいところ…‥‥。
成仏する前に”思い残しを消化させる時間”をもらった直木は、悠衣との濃厚な時間を過ごしたのち、永遠の別れをした。
見終わった後は悲しいけれど清々しい気持ちにさせてくれる素敵なドラマだったとしみじみ感じる。

全体的にファンタジー要素が強く、非現実的な設定に少しがっかりするところも確かにあった。
(直木、樋口(板倉俊之)、原田(菊地凛子)、鈴香(近藤千尋)幽霊が4人も出てくるドラマなんてそうそうない…‥‥。)
しかし、観ることを止めたくなるほどの違和感はなく、最後まで物語に没頭できたのはやはり役者たちの演技と演出が秀逸だったからだろう。

ストーリーも殺人や売春、児童虐待など重いテーマが背景にあったが、不快を与えないギリギリのラインを攻めていたように思う。
むしろ、直木の死の謎に迫っていく展開には毎話、ハラハラドキドキした。

悠依、直木、魚住の3人の不思議な関係性も気になったが、のちに魚住とくっつくような描写はなく、悠依が力強く生きていくことが想像できるラストシーンが特によかったように思う。

また、なんといってもマカロえんぴつが歌う主題歌「リンジュー・ラヴ」はこの物語には欠かせない存在だった。

♬最後の夜になりそうな気がして あなたの背中に手をふってた どうかこのまま振り返らないで

♬何度もあなたの名前を 届かない声でも呼びたい まだ死ねない!抱き合って感じたい

♬ありがとうぜんぶ どうかずっと元気でいてね

なるほどそういうことだったのかと、ドラマを見終わった後に歌詞をじっくり読むと自然と悠依と直木の顔が浮かぶ。
散りばめられていた歌詞の伏線もすべてすっきり回収され、感動を覚えた。

生き続ける悠依、死んでしまった直木——。
「生」と「死」をテーマにしながらも爽やかな気持ちで観終わることができた「100万回言えばよかった」はある意味、不思議なドラマだった。

人は必ずいつかは死を迎える。
それは突然なのか、じっくり時間をかけてなのかは誰にもわからない。
そう考えると大切な人に「愛している」と言いながら亡くなった直木の最期は、人として最高の死に方なのかもしれない。

自分も直木のように生きれるかはわからないが、少なくとも今を大事に、悔いなく生きてやるぜ!と思わせてくれる素敵なドラマだった。

※この記事は「100万回言えばよかった」の各話を1つにまとめたものです。

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–{「100万回言えばよかった」作品情報}–

「100万回言えばよかった」作品情報

放送日時
2023年1月13日スタート。毎週金曜22:00~(TBS系)

出演
井上真央/佐藤健/シム・ウンギョン/板倉俊之(インパルス)/少路勇介/穂志もえか/近藤千尋/桜一花/平岩紙/春風亭昇太/荒川良々/松山ケンイチ

脚本
安達奈緒子

音楽
河野伸

主題歌
マカロニえんぴつ「リンジュー・ラヴ」(TOY’S FACTORY)

警察監修
志保澤利一郎

里親監修
岩朝しのぶ

医療監修
冨田泰彦
藤田浩

プロデュース
磯山晶
杉田彩佳

演出
金子文紀
山室大輔
古林淳太郎

編成
中西真央
吉藤芽衣

製作
TBSスパークル
TBS