<リバーサルオーケストラ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

国内ドラマ

門脇麦主演、田中圭が共演する日本テレビの新水曜ドラマ「リバーサルオーケストラ」が2023年1月11日スタート。

本作は“元”天才ヴァイオリニストと変人マエストロが地元のポンコツオーケストラを「大改造」する一発逆転音楽エンターテイメント。民放GP帯ドラマ初主演をつとめる門脇麦や門脇と『あなたの番です 劇場版』以来の共演となる田中圭他、ポンコツ楽団の団員を演じる個性的なキャストが集結した。

CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「リバーサルオーケストラ」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー


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埼玉県のはずれにある、のどかな街・西さいたま市。街では音楽での地域活性化を図るべく、市長・常葉修介(生瀬勝久)の旗振りで、立派なシンフォニーホールを建設中。市役所の広報広聴課に勤務する谷岡初音(門脇麦)は、ホールの4月オープンを告知するポスター配布のため、公民館にやって来る。そこで行われていた地元のオーケストラ『児玉交響楽団』――通称『玉響』の公演を覗いた初音は、驚愕の光景を目にする…!

5年ぶりに帰国した人気ヴァイオリニスト・三島彰一郎(永山絢斗)がニュースで騒がれる中、初音は自宅のレッスン室でひとりヴァイオリンを奏でる。市役所にいるときとは別人のように楽しそうな表情。実は彼女は、「天才」の名をほしいままにしたヴァイオリニストだったのだ。しかし、とある理由で10年前に表舞台を去っていて…。

一方、父・修介に強引に呼び戻され、ドイツから帰国したばかりのマエストロ・常葉朝陽(田中圭)は、玉響の練習場にいた。のんびりムードでやる気のない団員たちを厳しく叱責する朝陽。団員たちは、突如就任した悪魔のような指揮者に戦々恐々としている。
玉響を見捨てようとする朝陽だが、初音の存在に気づき、彼女を【ポンコツ改造計画】に巻き込むことに。逃げる初音、追う朝陽。怒濤のスカウト攻撃がスタートする…!!

ステージを降り、ひっそり生きてきた“元”天才ヴァイオリニストが、毒舌マエストロに巻き込まれ、ポンコツオーケストラを一流オケに大改造!?
一発逆転の音楽エンターテインメント、いよいよ開幕!!

第1話のレビュー

舞台となるのは、埼玉県のはずれにある西さいたま市。

地域活性化のために、市長の常葉修介(生瀬勝久)はシンフォニーホールを建て、音楽で盛り上げようとしていた。しかし、地元のオーケストラ・児玉交響楽団、通称「玉響」の演奏はイマイチで……。
下手というより、絶妙な気持ち悪さを感じさせる玉響の演奏はどうすれば改善されるのか。

そこに召喚されたのは、常葉の息子・朝陽(田中圭)だった。
ドイツでマエストロとして活躍していたが、玉響の立て直しを引き受けることになる。
彼だって、やりたくてやるわけではない。母親が危篤だと嘘をつかれて日本に戻り、ドイツに戻れない状況にして、市長である父親は玉響を息子に押し付けた。
常葉は、シンフォニーホールのこけら落としの公演で、満席にしなかったら市長をやめると言ってしまった。
「市長をやめたくないんだよぉ~!」
この市長で大丈夫か、西さいたま市……と不安にならなくもない。
 
やる気のない団員たちに、朝陽は辟易としていたが、あるとき、天才ヴァオニリスト・谷岡初音(門脇麦)が市内でヴァイオリン教室を営んでいることを知る。
10年前に表舞台から去っていた初音は市役所の広報広聴課で働いていた。
朝陽は玉響を立て直すためには初音が必要だと、コンマスになってくれと熱心なスカウトをスタートさせる。

一方、玉響の団員たちは厳しい朝陽の指導にうんざりしていた。
偉そうだと影で悪口を言うが、朝陽は気にしていない。
が、実のところ、朝陽は間違ったことは何も言っていない。
口は悪いが、給料をもらっている交響楽団員ならそれに見合う仕事をしろ、と言っている(ただ、給料は安いようである……)。

そして、玉響の立て直しのきっかけになるのなら、と初音のスカウトにも熱心だ。半ばストーカーのようになっていたが。
自分のプライドはあるかもしれないが、投げ出す気は本当はない。「やりたくない」とちょっとダダをこねてみたけれど。

が、初音は頑なだ。朝陽から逃げ回るし、その気はないと突っぱねる。だからと言って朝陽も諦めない。市長に話を持ち掛け、玉響専属の広報担当になるようにしむける。
おっ、どうやら朝陽は音楽のためなら手段を選ばないタイプのようだ。

渋々、玉響のもとを訪れた初音に弾かせないわけがない。朝陽は玉響についてこう言う。
「演奏はひどいが、音は悪くない」

厳しいことは言っていたが、玉響の良さを見つけていたからこそ、動いていたのだ。
(そして、ストーリーは別としてもグッと心を掴まれる演奏シーンが多い!)

ノせられるようにして、ヴァイオリンを弾き始める初音。
その姿はとても楽しそうで、彼女の周りを音が跳ねているのが見えるかのよう。
一瞬で、初音は音楽が好きなのだということが伝わってくる。

なのに、どうして表舞台から去ってしまったのか。

それは一緒に暮らしている妹の奏奈(恒松祐里)にあった。
初音のコンサートの日に、奏奈が倒れた。心臓に疾患があったせいだった。
ヴァイオリンに熱中して、周囲のことが見えなくて、両親は初音にかかりっきり。奏奈が倒れたのは自分にも原因がある、と考えたのだろう。

しかし、奏奈は気を遣われるほうもしんどいのだときっぱり。
「自分が我慢すればいいと思ってるなら大間違いなんだから」
ちょ、長女あるある……と耳が痛くなる人もいたかもしれないが、互いに思いやりを持っている仲の良い姉妹だからこそのやりとりだった。
大切な相手だからこそ、初音はヴァイオリンに戻ることを我慢していたし、奏奈はそのことに責任を感じていた。ぶつかることで、本音をさらけ出すことができた2人。信頼し合っているからこそできるケンカは、見ていてホロリとする。

玉響のコンマスを引き受ける決意をした初音。とは言え、コンマス経験どころかオーケストラ経験もない。不安を口にする初音に朝陽は言う。

「コンマスとしてあなたに求めることはひとつです。楽しんでください!」

あなたが楽しく弾いていれば、みんながついてくる。

※この記事は「リバーサルオーケストラ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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地元のポンコツオーケストラ“玉響”にコンサートマスターとして加入した初音(門脇麦)。ソリストとオケのコンマスは弾き方も役割も大きく違って不安も多いが、それと同じくらいワクワクもしていた。

初音の加入でのんびりしていた玉響メンバーにも活気が出てくるが、フルートの蒼(坂東龍汰)だけは相変わらず遅刻してやる気を見せない。悪びれる様子もない蒼の態度にマエストロ・朝陽(田中圭)はイラ立ち、団員たちも内心不満を抱えていて…。

そんな新生・玉響の初公演が急きょ2週間後に行われることになった。市内の中学校の吹奏楽発表会で演奏することになったのだ。公演に向けてさっそく練習を始めるが、朝陽は蒼のフルートに「話にならない」とコテンパンに駄目出しすると、初音に蒼の遅刻の理由を探るよう命じる。嫌々ながらも従う初音は、練習後の蒼をこっそり尾行。そこで初音が見たのは…?

蒼の遅刻のワケを知った初音と玉響メンバーは、蒼が抱える問題を解決するために動き出すが…!?

第2話のレビュー

玉響にコンサートマスターとして加入した初音(門脇麦)。もともとはソリストの初音にとって、コンマスは初めての体験で弾き方や役割も違う。
不安がありつつも、ワクワクした様子を見せているのがイイ。それだけヴァイオリンを弾けることが楽しみで仕方がないのが分かる。

しかし、ポンコツオーケストラ・玉響には問題が山積みだ。
まず、フルートの蒼(坂東龍汰)がやる気を見せず、遅刻してばかりということ。
マエストロ・朝陽(田中圭)も苛立った様子を見せる。オーケストラ以前に社会人として遅刻はいただけない。

すると、朝陽は初音に蒼の遅刻の理由を探るように命じる。
コンマス、こんな仕事までしていたらいくら体があっても足りない。多分。
しかし、ブツブツ言いながらも言うことを聞くのが初音だ。
実は蒼はバイトをいくつも掛け持ちしていた。
オーケストラ団員としての給料15万円だけではやっていけない。
奨学金の支払いもあるし、楽器のローン、そしてもちろん生活費も。家賃は滞納しており、督促状が届いていた。バイトに明け暮れ、フルートを練習する暇がない。負のループに陥っていたのだ。

そんな蒼に、初音はオンラインでフルートのレッスンをしてみてはどうかと提案。時間の使い方を工夫して、練習時間と収入を増やそうというわけだ。
玉響の面々も協力し、うまく進み始めたように見えたが、蒼のもとに母親がやってきて事態は急変。
父親が初期のガンだということが発覚し、家業を継いでほしいと母親から頼まれてしまう。

音楽で食べていくことの難しさ、やりたいことをやり続けることの難しさ。
そして、親も子どものやりたいことを応援できるかというと、意見が分かれるところだろう。夢を追いかけることで、子どもが幸せになれるとは限らないのだから。

ただ、この物語で大切にされているのは「どれだけ音楽が好きか」ということだろう。
一度はヴァイオリンを手放そうとした初音の言葉が蒼に染みていく。

ギリギリのところで自分の気持ちを確認できた蒼は、初音と共に玉響の練習へ向かう。次、遅刻したら解雇するという朝陽の言葉があったので2人とも必死だ。

そして、レッスン室には蒼の両親の姿が。事情を知っていた朝陽が招いたのだ。
蒼に何度も同じ場所を演奏させる朝陽。不貞腐れることなく、必死でフルートを奏でる蒼。そして、オケ全員での演奏後、朝陽は「やっと目が覚めましたね」と蒼に向かって言う。

天才と言われる朝陽と初音の言動にズレたところがないので、安心して観られるのが良い。
それぞれが真っすぐに好きなものに向かって突き進んでいく様子が観ている人の心を動かす。

が、そんな中、高階組の会長・藍子(原日出子)が朝陽を引き抜こうという動きを見せる。さらに玉響に退団願を出した人物が……!

あと、住む場所がないからと蒼が初音の家に同居することになったのも予想外の展開である。

少しずつ玉響のメンバーが絆を強くし、レベルアップしていく物語であることは間違いないと思うのだが、今後も予想外のワクワクがいろいろ待っていそう。期待が膨らむ。

※この記事は「リバーサルオーケストラ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー


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初音(門脇麦)は蒼(坂東龍汰)を下宿人として家に招き、妹・奏奈(恒松祐里)と3人での同居生活が始まった。奏奈は蒼を意識して家事を張り切るが、初音は誰が居ようとジャージ姿でお構いなし。それより気掛かりなのは、市長の修介(生瀬勝久)をはじめとする市役所の職員たちにヴァイオリニストであることを黙ったままなこと。10年ぶりのステージ復帰を前に、本当に舞台に立てるのか自信がなかなか持てないのだ。

本番に向けて盛りあがる玉響に、突如悪い知らせが飛び込んでくる。ティンパニの木之崎(篠崎史門)があいさつもなく辞めてしまったのだ。吹奏楽発表会の本番まであと4日…オケの大黒柱であるティンパニがいなくなり、玉響は大ピンチ!

練習後、初音は朝陽(田中圭)からメモを渡され、そこに書かれた『藤谷耀司』という男をティンパニとしてスカウトしてくるよう命じられる。玲緒れお(瀧内公美)と蒼とともに東京のライブハウスを訪ねた初音は、そこでドラムを叩く藤谷をじっと見ているうちに、ふと思い出し……「あ――っ!!」。果たしてその人物とは…!?

降りかかる数々の妨害…ティンパニは無事加入なるか!?そして、初音と玉響の初めての公演はうまく行くのか――!?

第3話のレビュー

西さいたま市の市議会議員・本宮(津田健次郎)が玉響に猛攻を仕掛ける。

市長・常葉(生瀬勝久)と対立している本宮は高階フィルに接近し、玉響を潰そうとあの手この手を使っている。
ティンパニは退団、朝陽(田中圭)を高階フィルの常任指揮者に招こうとする。が、朝陽はきっぱりと断る。小野田(岡部たかし)は朝陽がケンカ売ってるじゃないか、と心配する。

「嫌です」
「お断りします」
「好きじゃないんですよ、高階フィルが」
「あのオケじゃ僕が理想とする音は出せない」

最小限の言葉数で断り、本音をぶつけていて気持ちよい。しかし、確かにケンカは売っているな……と思ったが「あのオケは大嫌いだが、好きじゃないとオブラートに包んだ」ということで朝陽なりに気は遣ったらしい。朝陽なりに。

市内の中学校の吹奏楽発表会での演奏を目前に、まずは新しくティンパニを招かなければならない。初音(門脇麦)は朝陽に命じられて藤谷(渋川清彦)をスカウトしに行く。実は過去に初音と共演していた。初音は熱くスカウトするが、うまくいかず……。

そんなティンパニ不在の中、常葉と本宮が玉響の練習を視察にやってくる。

初音がコンマスとして参加していることを常葉に伝えていなかった件については、小野田のおかげで切り抜けるが、問題はティンパニがいないこと。
そこをわざとらしく突っつく本宮。いくらエエ声で言われても嫌味は嫌味である。
このピンチ、どう切り抜けるか……というときに藤谷が姿を現す。初音の想いに打たれて、玉響へ加わることを決めたのだ。
藤谷が来たことでもうあれこれ言われる筋合いはない。
騒ぎ立て、練習を止めた常葉たちに向かって、朝陽は本宮たちにキレ気味に言う。

「確かにこのオケはひどい。三流以下のポンコツです。みなさんがご心配されるのも分かります。ですが、僕が来てまだ1ヶ月前と同じ実力だとお思いでしたら大間違いだ!」
「僕のオケを評価できるのは僕と、客席の聴衆だけです!」

「僕のオケ」という言葉に、団員たちは心を掴まれ、士気は上がる。
一方で表情がさえないのは初音。彼女はステージに立つ自信がまだ持てずにいた。

 
初音の家で下宿し始め、一緒にいる時間が多くなった蒼(坂東龍汰)は初音のことを何かと気にかけている。そして、妹・奏奈(常松祐里)は誰よりも初音を心配している。

当日、初音はひとりで心を落ち着け、本番に挑もうとするが、ステージ袖で足がすくむ。逃げ出そうとした初音の前には朝陽が立っていた。

「怖いですか」
「じゃあ逃げますか。10年前と同じように」

問いかける朝陽。

その横を団員たちが勇気づけるようにエールを送りながら、ステージへと出ていく。

「大丈夫です。ひとりじゃない。僕たちはオーケストラです

その言葉に、初音は頷く。
そして、初音の背中をトン、と触れる朝陽。
ステージへの一歩、そして、復活の一歩を踏み出す背中を押した手。
ステージに出てきた朝陽はコンマスである初音と握手を交わし、一言「おかえり」。
玉響が響かせた『威風堂々』。楽しげで軽やかで……その演奏に客席が心を掴まれていく。

演奏が終わると、観客からはスタンディングオベーション。
朝陽は団員たちに満面の笑みを向ける。言葉にするより何より気持ちが団員に伝わった瞬間だろう。
でも、この笑顔、客席にいたであろう中学生たちの初恋を根こそぎ奪っていってないか心配になる。

ここからが本当の玉響のスタート。
そう感じられた矢先、初音の前に幼馴染で人気ヴァイオリニスト・三島(永山絢斗)が現れる。そしてハグ。
「復帰おめでとう」
また新たな不穏が漂ってきたぞ……!

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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初音(門脇麦)の復帰ステージ会場に三島(永山絢斗)が現れ、突然のハグ!思いがけない再会に硬直する初音に、三島が囁いた言葉とは…!?初音と三島は幼い頃から同じヴァイオリン教室に通う、幼なじみだったのだが…。

発表会の成功で自信をつけた団員たちは、もっと大勢の人にオケの存在を知ってもらうために「出張オーケストラをやろう!」と大盛り上がり。自分たちからいろんな場所に足を運んで演奏するのだ。朝陽(田中圭)も「オケと市民との距離が近くなる」と賛成し、初音に実施案を提出するよう命じる。

同時に定期演奏会の準備も進めたい朝陽は、演奏会の曲をチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト(通称チャイコン)に決め、初音をソリストに指名。初音にとっては小学生の頃から弾いているオハコの曲だったが、10年前に逃げ出したステージで弾くはずだった曲でもある。初音はミスを連発し、スランプに…。

一方、ヴィオラのみどり(濱田マリ)は家庭とオケとをうまく両立できずに悩んでいた。大学受験真っただ中の一人娘・亜美(凛美)はろくに口を利いてくれないし、夫も音楽が“仕事”だと思っていない。まともな練習場所もなく苦労しながらも、なんとかオケを続けたいみどりだが、演奏会への出演が危ぶまれる事態が発生する…!
定期演奏会を前に問題山積!果たしてポンコツオケの打開策は――!?

第4話のレビュー

玉響での初めての公演を成功させた初音(門脇麦)。

SNSでも玉響の評判は良く、団員たちもノリノリ。もっと多くの人たちに玉響のことを知ってもらおうと出張オーケストラを行うことになる。

同時に、定期演奏会の準備も進められていく。
朝陽(田中圭)が決めた演奏会の曲はチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト。
この曲は初音が逃げ出したステージで弾くはずだった曲。この曲がトラウマになっているのか、ソロでもミスばかり。
三島(永山絢斗)に言われた「ひとりじゃ無理だもんな」という一言も効いているのかもしれない。
団員たちは温かく見守るが、初音本人の焦りが募る。

一方、ヴィオラのみどり(濱田マリ)が抱えていた問題が表面化する。
みどりには大学受験中の娘・亜美(凛美)がいる。
しかし、両親とはまともに口を利こうともしない。
夫は理想論は掲げるが、肝心なところはみどり任せ。おまけに、夫はみどりがオケで弾いていることを仕事だとは認めていない。みどり自身も後ろめたさがあるのだろう。家では楽器をできるだけ目につかないようにしているし、自主練習も夜の河川敷でやっている。
亜美からすると、そんな母親の態度も気に入らないようで……。

親子の関係がぎくしゃくしている中、亜美がストレス性の胃腸炎で倒れてしまう。
亜美の体調不良に気がつけなかったことで自分を責めるみどりは休団を決意。

休団を聞いた朝陽は、初音の家に押しかけ、みどりを説得するように命じる。
でも、これはきっと初音がオーバーワークだったからだろう。定期演奏会で演奏する曲を練習しすぎなのだ。初音を休ませるためでもあったのかもしれない。
素直じゃない、とかではない。これが朝陽の通常営業なのだろう。

 
どうにかみどりに戻ってきてほしい。団員が思いついたのは、出張オーケストラを活用することだった。
出張先と演奏する曲を決めた初音たちは、みどりに「休団する前にこれだけは協力してほしい」と頭を下げる。
しかし、夫と娘の意向を気にするみどり。そんなみどりに向かって朝陽は言い放つ。

「これはあなたの仕事ですよね」
「やるなら、プロの演奏家としてプライドを持ってやっていただかないと困ります」
「それができないなら、出なくて結構です」

前なら、「そんな言い方しなくても!」と言う団員もいただろう。でも、もうみんな分かっている。これが朝陽なりの励まし方なのだ、と。

出張オーケストラ当日。玉響の面々が向かったのは、みどりがあらかじめ聞かされていた場所ではなく、亜美が通う高校だった。
校内放送で集まってきた生徒たち。その中には亜美の姿もあった。

演奏する曲は緑黄色社会の『Mela!』。
亜美が所属しているチアリーディング部で、最後の大会のときに踊った曲だった。みどりのソロから始まった『Mela!』。聴いている生徒たち、そして亜美の顔にも笑顔が……。

このパフォーマンスが、躍動感があってめちゃくちゃにカッコイイ!
生徒たちが知っている曲だろうし、盛り上がることは間違いなしだ。
何より、楽しそうに演奏をするみどり。その姿を見た亜美の心も動かされる。
国立に行けと言われていた亜美が、私立に行って大好きなチアを続けたいと本音をみどりに伝えた。
きっと、亜美は母親に胸を張っていてほしかったのだろう。
「好き」を仕事にしていることがどんなに素晴らしいか、正々堂々と「好き」を伝えてほしかったのかもしれない。

亜美だけでなく、イキイキと演奏をする玉響の姿は受験生の励みになったのではないだろうか。それにしても朝陽さんが演奏会のために来るような高校に通いたかったものである……。

みどりは休団を撤回。山場は乗り越えたように思えたが、着実に結果を出していく玉響を本宮(津田健次郎)が黙って見ているはずがない。
玉響の存続を揺るがすようなカードを切り、修介(生瀬勝久)はまんまとそこに乗っかってしまうのだった……。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー


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玉響の練習場に突然現れたかおり(相武紗季)は、朝陽(田中圭)の頭をぐしゃぐしゃになでて久々の再会に大喜び。果たして2人の関係とは…!?かおりの勢いにあぜんとする初音(門脇麦)たちは、小野田(岡部たかし)の報告にさらにどよめく。シンフォニーホールとのフランチャイズ契約を懸けて、4月のこけら落とし公演で高階フィルと対決することが決まったのだ。勝敗は審査員票と観客票で競うという。実力差は明らかだが朝陽はそもそも負けるとは思ってないようで、団員たちも、「玉響ファンを増やすためにも、まずは来月の定期演奏会を頑張ろう!」とみんなが気を引き締める中、玲緒(瀧内公美)は突然現れた恋敵のかおりに闘志を燃やす。そんな玲緒に藤谷(渋川清彦)はイラ立ち…。

初音は定期演奏会に向け、チャイコンの練習に励むが、納得のいく音がなかなか出せない。小学生の頃はあんなに楽しく上手に弾けていたのに…初音は自分がもどかしくて仕方ない。

そんな中、玉響に不測の事態が起こる。いつもの練習場が本宮(津田健次郎)の嫌がらせで使えなくなってしまったのだ!練習場所を確保したと言う朝陽に案内されてやった来た場所は、まさかの朝陽の自宅、常葉酒造で…!?

さらに朝陽は、10日後に横浜で開催されるバレンタイン・ガラコンサートに急きょ参加することを表明。世界一辛口で有名な音楽評論家が出席する注目度の高いコンサートだ。高階フィルにさえも辛口採点を下した評論家をうならせ、“高階越えを目指す”と宣言する朝陽。その演奏曲は――「カルメン組曲」。練習してきたチャイコンではないことに戸惑う初音と団員たち…果たして朝陽の思惑は…!?

第5話のレビュー

一難去ってまた一難、ではなく、一難去らずにまた一難、である。

突然、玉響の練習場に現れたかおり(相武紗季)。朝陽(田中圭)と仲が良さそうにしている様子に玲緒(瀧内公美)は気が気じゃない。

が、「難」はそこではない。
シンフォニーホールとのフランチャイズ契約を巡って、玉響と高階フィルがコンペを行うことが決定。審査員票と観客票で争い、負けた場合、玉響はまさかの解散だ。

観客票を手に入れるためにもファンを増やさなければならない。
そのために定期演奏会を成功させなければ、と盛り上がっている矢先、いつも使っている練習場が本宮(津田健次郎)の画策で奪われてしまう。
徹底的に悪役ポジションの本宮だが、なんというか……嫌がらせがかわいらしくて微笑ましい。でも、地味にダメージが大きい。

ここで朝陽が用意した練習場というのが、自宅の常葉酒造。
湿度や気温が保たれているため、楽器にも影響が出にくいのだという。あと、タダ。

団員たちを目の前に朝陽は高らかに宣言する。

「僕は高階フィルに負けるとは思っていません!」

真面目な朝陽だけれど、だからこそ、士気をあげてくれる言葉だ。
そして、10日後に行われるバレンタイン・ガラコンサートに参加することを伝える。世界一有名な音楽評論家が出席すると言う。
高階フィルでさえ、星3.5という評価。朝陽はそれを越えて見せるというのだ。
演奏する曲は「カルメン組曲」。
定期演奏会に向けて練習していたチャイコンではない。

間近に控えたバレンタイン・ガラコンサートに向けて、玉響は常葉酒造で合宿を行うことに。
団員たちも気合い十分が、初音(門脇麦)は責任を感じていた。
自分がスランプにはまっているため、チャイコンをやらないのではないか。
そう考えた初音は、全体練習以外にもひとりでチャイコンを練習するが、焦るばかり。腕に痛みが出始めていた。

悪循環に陥っているように見えるが、何より初音が楽しそうに弾いていない。
明らかに無理をしている様子の初音に蒼(坂東龍汰)も心配そうだ。
回を追うごとに、初音への想いが膨らんでいる蒼。徐々に「好き」が大きくなっている様子は、見ていてもキュンとしてしまう。
恋人になりたいとかそういうこと以前に、ただ支えたい。だから少し、男として朝陽に嫉妬が覗くのだけれど。

でも、練習に没頭し過ぎる初音を止められるのは朝陽だけだった。
チャイコンの練習をやめるように言い、今の初音にチャイコンは無理だと言う。
そんな朝陽に初音は思いを爆発させる。
「正論だけじゃ整理つかないことだってあるんです!」「少しはこっちの身にもなってみろ!冷血漢!鉄仮面!バーカ!」と言ってその場から飛び出してしまう。
明らかに悪口を言い慣れていない初音がかわいい。

そのまま放っておくのかと思いきや、朝陽はコートを持って初音を追いかける。
(私も朝陽に追いかけられたいし、肩に朝陽のコートをかけられたい)
寒い中、少し落ち着いた初音に向かって朝陽は語り掛ける。

もともとバレンタイン・ガラコンサートではカルメンをやるつもりだったこと。
ソロが多くあるカルメンで、他の団員たちに自信をつけさせたいこと。
そして、それが結果的に初音の負担を軽減すること。

それを告げて、朝陽は倒れる。疲れがたまっていて、朝陽自身も限界だったのだ。

かおりに手伝ってもらい、朝陽を連れて帰って初音。そこで、初音は朝陽の過去について聞く。

高階フィルを嫌っている朝陽だが、実は21歳で高階フィルと競演したときに団員たちに嫌がらせをされていた。朝陽の指揮を無視したのだ。朝陽が生意気だったのもあるが、陰湿である。そんなことする人たちの演奏が、聴く人を感動させられるの!? と思ってしまうのだが。そりゃあ朝陽だって高階フィルを嫌うはずである。
その出来事がきっかけで音楽を続けるかどうか悩んでいたときに、かおりに連れていかれたコンサートで朝陽は12歳の初音がヴァイオリンを弾いている姿を見た。
楽しそうに演奏する姿が、朝陽に音楽を続ける勇気を与えた。

朝陽にとって、初音は特別な存在だった。
好きだとか憧れだとかではなく、今の朝陽の根幹部分にも関わるような存在。

そんなふうに思われることを、人によってはプレッシャーだと感じるかもしれない。
でも、初音にとっては、これほどまでに自信につながるものはないのではないか。

そんな中、玲緒が次の公演には出ないと言って合宿から抜けてしまう。
また一難、増えてしまった。

※この記事は「リバーサルオーケストラ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー


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玉響は1週間ぶりにいつもの練習場に戻り、初音(門脇麦)の左腕もすっかり良好。来週のバレンタインガラに向けてさあこれから!という大事な時に、チェロの玲緒(瀧内公美)は公演に出ないと言ったまま練習にも現れない。団員たちの間では朝陽(田中圭)にフラれたからだとウワサが立ち始める。

初音は朝陽たちと一緒に玲緒のマンションを訪ねるが、玲緒は「これから合コンに行く」と出掛けようとして取りつく島もない。朝陽が好きなのは初音で、モチベーションがなくなったと言う玲緒。初音に対する気持ちを聞かれた朝陽の答えに、初音は…。

一方の本宮(津田健次郎)は玉響がバレンタインガラに出演することを知り、また邪魔をしようと何かを思い付いたようで…。そんな不穏な空気が漂う中、朝陽は練習後にティンパニ・藤谷(渋川清彦)をある場所へ誘う。

そこで藤谷が目撃したのは…!?チェロ不在のピンチと本宮の悪巧み…さらに三島(永山絢斗)も初音を挑発する行動に出て…!?果たして玉響のバレンタインガラは成功するのか――!?

第6話のレビュー

愛の音が、響く。

1週間ぶりにいつもの練習場に戻った玉響。
初音(門脇麦)の左腕も回復し、バレンタインガラの公演に向けて気合いが入るところだが、チェロの玲緒(瀧内公美)の姿がない。

団員たちは玲緒が朝陽(田中圭)にフラれたからだと噂をしていたが……。

いつもならここで朝陽が初音にどうにかしろと言うところだが、今回、白羽の矢が立ったのは藤谷(渋川清彦)だった。藤谷は朝陽の手によって、カラオケボックスでチェロの練習をしている玲緒の部屋に放り込まれてしまう。藤谷は行けと言っても行かないからだろう、実力行使である。
色恋で一喜一憂する玲緒を嫌っていた藤谷だが、実は根っこは一緒だということを朝陽は見抜いていたのだ。

玉響は初音や朝陽のような天才がいる。ポンコツオーケストラと言われても、他にも一流の音楽家たちもいる。そんな中で玲緒が抱えるのは自分が平凡であるという自覚。
だから、恋に逃げていた。それを朝陽はあっさりと指摘する。

「あなたの一番はチェロですよね。自分を偽るのは辛くないですか」

がんばって、がんばって、がんばって。それでやっと平凡になれる。
だから次の公演に出ないと決めても、練習はする。少しでも腕が落ちるのが怖い。代わりが現れるのが怖い。

そんな玲緒の姿勢を見て、藤谷は言う。

「苦しいけど、楽しい」

好きだからやる。でも続けることは苦しい。苦しいけど、自分にはこれしかないのだと思えるぐらいには好き。
藤谷に「努力をする才能はある」と、言葉で手を引っ張ってもらい、玲緒は玉響へと戻る。
そう、努力を続けることだって、並大抵のことじゃないのだ。

練習の中では、朝陽が玲緒にむかって「ここはチェロの一番の見せ場」と厳しい指摘をする場面も。
やっぱり、苦しいけど楽しいのだ。
指摘をされて、やり直して、良い音になることもまた、奏者にとって嬉しいのかもしれない。

一方、玲緒が復帰するまでの過程で初音は朝陽に対する想いを自覚してしまい、蒼(坂東龍汰)は思いを募らせ、初音の妹・奏奈(常松祐里)は複雑な想いで2人を見守る……まさかのひとつ屋根の下で三角関係に……?

そして迎えたバレンタインガラ。
気合いが入る面々だが、玉響を乗せたバスはなぜか会場の横浜ではなく東京の国立へ。本宮(津田健次郎)が仕組んだことである。出番に間に合わせないようにすれば評判も落ちる。

本宮、やることが姑息! そういうの、自ら負けを認めているようなものですよ!? と憤ってしまうが、めげる玉響ではない。

出演時間には間に合わず、ステージでの演奏は中止になったが、朝陽の機転で、ロビーで海を背にしての演奏を行う。その演奏に、会場からは拍手が沸き起こる。

コンサートのあと、出演者の更紗(鈴木絢音)に勇気を出して声をかける蒼。更紗は蒼がフルートを始めたきっかけの人だった。
そんな更紗から、初音からお礼を言われたという話を聞かされる。

「蒼くんをフルートに出会わせてくれてありがとうございます」

そんなこと言われたら……。
想いがあふれ出した蒼は、初音のもとに走りそのままの勢いで抱きしめ、告白をする。
そりゃあ、そうなる。好きだ! って叫び出したくなるに決まってる。

その様子を見ていた団員たちは盛り上がったり、微笑ましく見守ったり。
その中で浮かない表情をしている奏奈。……と朝陽は一体どういう心持ちなのか。初めて初音の演奏を聴いたときから彼女の音楽が好きなのは間違いないと思うが……。

気になるのが三島(永山絢斗)の動向。シンフォニーホールのこけら落としコンペに高階フィルのコンマスとして出演することを決め、テレビ出演にも初音を指名するなど、何を考えているのか……ただ、わりと拗らせてはいそうだ。

ところで、毎回演奏終わりの朝陽の笑顔に動悸が速くなってしまっているのだが、今回は演奏中からまずかった。玲緒らチェロのパート後に笑顔でグッと親指を立てる朝陽……別に好きじゃなくてもこんなの恋に落ちてしまいそうだが……。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー


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突然のテレビ出演のオファーに三島(永山絢斗)の悪意を感じ、返事に迷う初音(門脇麦)。だが、市長・修介(生瀬勝久)の勢いに負け、出演を受けてしまう。小野田(岡部たかし)からは、市役所を辞めて正式に玉響の団員になってほしいと誘われ、プロの演奏家になる覚悟を問われる初音。しかし、三島の会見を発端にネット上で初音の過去が暴かれ、10年前のステージ逃亡を非難するコメントも…。心配した両親が谷岡家に帰ってくるが、同居中の蒼(坂東龍汰)に仰天!

一方の朝陽あさひ(田中圭)は、定期演奏会の交響曲を『ベートーヴェン 交響曲第5番 運命』に決定。さっそく練習を始めるが、オーボエ・穂刈(平田満)の演奏に納得がいかない様子。

そんな中、朝陽は初音をある食事会に誘う。それは、藍子(原日出子)、三島、三島の父・光太郎(加藤雅也)も同席する、地獄のような食事会で…!?追い込まれた初音は、玉響メンバーとも衝突してしまい…。

いよいよ、初音と三島の過去も明らかに!生放送での“直接対決”!!天才ヴァイオリニスト・谷岡初音、完全復活なるか――!?

第7話のレビュー

人間、ずっといい子ではいられないものだ、と思う。

三島(永山絢斗)から持ち掛けられたテレビ出演。
初音(門脇麦)は迷っていたが、市長に押されて出演を受け入れてしまう。

ただ、人気ヴァイオリニストの三島が突然名前を出したとあって、初音の過去を暴く人も。名前を検索すれば、おおよその情報が出てくるぐらいに初音は有名だ。
と、なると10年前のステージ逃亡事件も明らかになってしまう。
未だに演奏会の曲、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト(通称:チャイコン)を弾けない初音はますますスランプにハマッていく。

さらに朝陽(田中圭)に誘われて行った食事会では、高階藍子(原日出子)と三島、三島の父・光太郎(加藤雅也)と同席という地獄絵図に。
光太郎だけが楽しそう。そして世界的マエストロの光太郎と話しているときの朝陽はちょっと無邪気さもあってかわいい。こういう顔もするんだな、朝陽は……。

しかし、初音は三島にチクチクと嫌味を言われ、さらには「ステージに立つ資格がない」と言われてしまう。これは、10年前のときにも三島が初音に向かって放った言葉でもある。
この言葉が初音を追い詰めていく。
 
玉響の団員たちは「大丈夫」「慌てなくていい」と励ますが、初音にはそれさえも重荷になってしまう。思いを爆発させ、団員たちと衝突する形になった初音は練習場を飛び出す。

でも、初音は「私のことを甘やかさないで」とタンカを切っていたけれど、ある意味いい環境にいるのでは、と思う。トラウマから復活するには、すごく優しい場所だ。「大丈夫」と手放しで言えるのは、みんなが初音のことを信頼しているから。
しかし、初音は信頼できていない。団員たちのことも、自分のことも。
それをわざわざ家までやってきた朝陽に指摘される。まあ朝陽、本当はもう少し優しい言葉をかけるはずだったと思うのですが……。でも、これが初音の心を強くする。

そして、団員たちは初音に愛想を尽かしたりしない。ひとりでも練習できるようにとチャイコンを演奏した動画を撮り、初音に届けた(本来はこれを朝陽が届けるはずだったのに、気持ちが昂ってしまった朝陽よ……)。

迎えたテレビ出演の日。団員たちの動画に勇気づけられた初音は、前を向いていた。
が、不安はあるに決まっている。
そんな初音にアドリブでチャイコンを弾かせようとする三島。
いじわるな奴! と思っていたのだが、実は、三島自身も自分の気持ちを分かっていなかった。

初音は戸惑いながらもヴァイオリンを受け取る。思い出したのは玉響の団員たちのこと。

ひとりではない。みんなと一緒に弾いている。
そう思うと、のびやかに楽しく、本来の演奏をすることができた初音。
完全復活の瞬間だ。

さぞや悔しがっているだろう、三島……と思ったが、違った。心の底から嬉しそうな笑顔を見せる三島がいた。

自分ができないことへのふがいなさ、自分より先に父と共演したことへの嫉妬。そのステージを逃げ出したことへの怒り。
さまざまな感情が三島の心を頑なにさせていた。めちゃくちゃ柔らかい笑顔で、この場に蒼(坂東龍汰)がいたらどう思ったことか……。

それぞれが優しいから観ていてホッとするし、誰の心も置いてきぼりにならないのがこのドラマの良いところだな、と改めて思う。

今回は、初音を心配して、両親が谷岡家に戻ってきた。でも、実は妹の奏奈(恒松祐里)にこそ、今は両親の存在が必要だったように思う。
おそらく、蒼に想いを寄せているのだろうけれど、それを押し隠して、初音をサポートしている。それが両親からの「がんばりすぎないで」で少し心を緩ませることができたのではないだろうか。

それでいて1話たりとも気が抜けないのがこのドラマでもある。
オーボエ首席・穂刈(平田満)の事故、そして玉響に本宮(津田健次郎)のスパイがいる……?
物語はさらに加速していきそうだ。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー


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初音(門脇麦)は穂刈(平田満)の事故を知り、蒼(坂東龍汰)と一緒に病院へ駆けつける。幸い穂刈は足を痛めた程度だったが、穂刈と2人暮らしの妻・冴子(宮崎美子)が抱える事情を知ることに。
穂刈の力になろうとする蒼に、朝陽(田中圭)は「家庭の事情に深入りするべきではない」と忠告するが…。

玉響は穂刈不在のまま定期演奏会の練習をするが、穂刈の抜けた穴を簡単には埋められず、その存在の大きさを痛感する。そんな玉響の現状を本宮(津田健次郎)に逐一報告する裏切り者の影―――。

杖をつき不自由な穂刈のため、蒼は穂刈の家を訪ね、家事の手伝いを買って出る。しかし、穂刈は退団を考えているようで、心を痛める蒼。そんな蒼の優しさと一生懸命な姿に初音は、告白の返事をする決意をし…。そんな初音の携帯に、三島(永山絢斗)から着信が――。

初音の恋の行方は!?穂刈の進退は!?愛する妻へ捧げる演奏に感涙必至…!!

第8話のレビュー

今回、物語の主人公となるのは穂刈(平田満)だ。

穂刈が事故に遭ったのをきっかけに、妻の冴子(宮崎美子)が認知症だということを知る初音(門脇麦)たち。
冴子は穂刈のことを認識しておらず、夜中に徘徊もしていた。そんな冴子を探している最中に穂刈は事故に遭ったのだ。

以前、蒼(坂東龍汰)に冴子とのなれそめを話していた穂刈。
冴子のことが大好きで大好きで、何度も想いを伝えて恋を実らせた。
そんな最愛の妻が自分を忘れているのはどんな想いだろう。
さらに冴子は朝陽を夫だと間違えていて……。胸が痛い。
でもこれは、どんな仲睦まじい夫婦にもあり得ることだ。

穂刈は冴子のために玉響を辞めようと考えるが、周りから反対される。
穂刈がどんなにがんばったとしてもそれは老々介護になり、負担は大きくなるばかり。娘との相談も経て、冴子を老人ホームに入居させることになる。
終始、穂刈の表情が寂しそうで胸を揺さぶられる。

そんな中、老人ホームの施設長が初音(門脇麦)のファンだということでみどり(濱田マリ)らを誘ってカルテットで、音楽会に出演することになる。が、初音はあることを思いつき……。
きっかけは、穂刈家にあった古いラジカセとテープ。テープには穂刈と冴子が録音した『愛の挨拶』が。

冴子の入居当日。老人ホームまで来たものの、冴子は浮かない表情で中に入ろうとしない。
そこに朝陽が現れると、パッと笑顔に変わる。
「お待たせ」「冴子さん、行きましょう」と手を取る。嬉しそうにホームへ入っていく冴子。
私も朝陽さんにエスコートされたい、が、叶わない願いなのでエスコートをする朝陽をずっと観ていられぬものか……などと思ってしまう。登場の仕方がズルい。ヒーロー。

朝陽にずっと手を握ってもらいながら、楽しそうに音楽会を観ている冴子。
重要なのは、彼女は朝陽に手を握ってもらっているのではなく、夫である穂刈に手を握ってもらっているのだということ。
ずっとこうして、夫と手をつないでいたかったのかもしれない。

そして、音楽会の最後のステージに登場したのはオーボエを持った穂刈。

冴子への想いを伝え、「思い出せないことが増えたとしても、私が全部覚えています」と言う。
なんて温かな告白だろう。

演奏する曲はもちろん、『愛の挨拶』。

やがて、朝陽の手を放し、冴子の指が動き出す。
かつて、穂刈のオーボエに合わせて伴奏していたときのように。

忘れるのは怖い、と思ってしまう。大切な人との思い出ならなおさらだ。
でも、覚えていたい、覚えてるよ、と言ってくれる人がそばにいてくれるのは、人生の財産なのかもしれない。

 

温かな愛が描かれる中で、若者たちの恋は波乱万丈だ。

とうとう蒼に自分の気持ちを伝えた初音。
「好きな人がいる」
その瞬間の蒼の表情が雄弁すぎて。悲しい、寂しい、でも好き。それでも笑顔でいようとするのは愛だ。

初音は三島(永山絢斗)とのツーショット写真がネット記事に載ってしまう。
三島はアイドル的人気だし、前回、初音とはテレビで共演したばかりだ。話題にもなる。

朝陽に誤解されたくなくて、初音は必死に説明をするが、朝陽はいつも通りのテンションで「僕には関係ない」とサラリ。この言葉にカチンときた初音は「私は良くないんです」と勢いで告白してしまう。
回を追うごとにかわいくなっていく初音がいとおしい……

さらに玲緒(瀧内公美)と藤谷(渋川清彦)が電撃結婚! が、さっそく何か喧嘩しているようで……。
若者たちの恋は元気で落ち着きがない。でもそれも若さなのかもしれない。

玉響vs高階フィルも穏やかではない。
相変わらず暗躍している本宮(津田健次郎)。彼に情報を流しているスパイも土井(前野朋哉)だと発覚。「スパイ、土井さんっぽいけど、土井さんじゃないといいなあ、実は玉響ラブキャラだといいなあ」と個人的には思っていたのだが……。

玉響にはさらなる波乱が待っていそうだ。

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー


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好きな気持ちを打ち明けた初音(門脇麦)に、朝陽(田中圭)の返事は…!?
定期演奏会を満席にできないと解散させられてしまう玉響は、練習の傍ら、チケット完売作戦に動き出す。SNSのキャンペーンを展開したり、来場者プレゼントを用意するなどアイデアを出し合い、事務方の小野田(岡部たかし)もここが自分の頑張りどころだと宣伝に奔走する。

だがその裏で、本宮(津田健次郎)による妨害作戦が着々と進み、土井(前野朋哉)も怪しい行動をしていて…。

定期演奏会のチケットはついに全席完売!解散はなんとか免れた!…と喜んだのも束の間、完売したのに客席が埋まらないという事態が発覚する。

本宮の策略で玉響は絶体絶命の大ピンチに…!!解散か、存続か、『運命』の定期演奏会の行方は――!?

第9話のレビュー

朝陽(田中圭)に好きだという気持ちを、勢いのままに打ち明けた初音(門脇麦)。
戸惑った様子を見せながらも、朝陽は「僕はあなたが思っているような人間ではない」と言ってその場を立ち去る。

初音は失恋したと大暴れし、自宅に玲緒(瀧内公美)が助っ人にやってくるほど。
とは言え……同じ屋根の下には先日、自分が振ったばかり蒼くん(坂東龍汰)もいるわけですが……。
まあ、初音も熟考して返事をしたわけだし、蒼も心の準備ができていたかもしれないけども。

しかし、初音、失恋したというのも怪しいところがある。

「僕はあなたが思っているような人間ではない」ってセリフは「だから本当に好きなのは僕ではない」とも取れるし、「がっかりされたくない」とも取れるので……。
そして、やはり初音も朝陽の言葉に納得できず、開き直ることにする。

それに、今は定期演奏会目前なのだ。満席にしなければ、こけら落とし公演に出ることもできずに玉響は解散になってしまう。
朝陽のことが気になりつつも、初音は目の前のことにまい進していく。
玉響のメンバーたちもそれぞれが自分にできることはないかと模索。その成果もあって、チケットは完売するが……。

玉響のもとに入ったのは、チケットを発券した際、一部チケットに間違って開演時間が本来よりも一時間遅く記載されてしまっているという知らせだった。
もちろん事故ではない。本宮(津田健次郎)の陰謀だ。
その知らせを受け取った際に、土井(前野朋哉)がポロッと「それは自分が阻止したはずなのに」ともらしてしまう。
メンバーたちから向けられる疑惑の目。

実際に土井は本宮からスパイになることを持ち掛けられていた。
子どももいるからお金もかかるだろう、高階フィルへの移籍を約束しよう、と言って。
土井には小さい子どもが3人いる。誘いは魅力的だったが、土井は裏切っていなかった。
スパイの振りをして、本宮の妨害から玉響を守ろうとしていたのだ。

しかし、朝陽は土井を叱責する。

「今、僕たちがやるべきは音楽に真摯に向き合うこと。それ以外ないんです」
「音楽を政治の道具にしようとする、人間と同じレベルに成り下がってどうするんです!」

これには土井も何も言えない。土井はみんなに向かって謝罪をする。

ここからは、玉響総出でチケット購入者への正しい開演時間の告知に奔走する。団員たちの家族、仲間、恋人……それぞれがそれぞれの形で協力もする。これは、ここまで彼らが歩いてきた道のりの結果だ。

不安も抱えていた団員たちだが、ほぼ満席に見える会場で玉響は今できる最高の音楽を観客に届ける。

しかし集計の結果、満席にはわずかに至らなかった。
玉響は解散……こけら落としにも出演できない、さらに職も失い……というところに、こけら落としに出演できると伝えられる。

玉響の演奏は市民からの評判もよく、SNSでもにぎわっている。そんな彼らを解散させたら、自分たちに批判が集まるのではないか。そう恐れた議員たちの心を動かしたのだ。

ここからはこけら落としに向けて突き進むのみ。
しかし、朝陽はなぜか高階フィルを訪れていて……。

こけら落としでのコンペの行方、そして初音の恋の行方はいかに。

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–{第10話ストーリー&レビュー}–

第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー


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負けたら解散――打倒・高階に燃える玉響は、運命のこけら落とし公演に向けて朝陽(田中圭)の厳しい指導に必死に食らい付く。自分たちの演奏がどんどん良くなっていることを実感して、オケのムードは高まるばかり。全体練習の後も、初音(門脇麦)は朝陽に呼ばれてマンツーマンで演奏について話し合う日々。『チャイ5』の表現方法やオケの引っぱり方など話しながらも、2人だけの時間を楽しむ初音。

そんな中、朝陽が高階へ移籍するというウワサを耳にする。そんなことはあり得ない、と気にも留めない初音だが、朝陽が高階フィルと接触していると知り、胸騒ぎがして…。
モヤモヤが晴れない初音は、高階フィルのゲストコンマスを務める三島(永山絢斗)に会って真相を確かめてみるが、三島は何も知らない様子。やぱり移籍の話はただのウワサ…?

公演前日、「明日は、堂々と誇りをもって、玉響の音楽を聴衆に届けましょう」。朝陽の心強い言葉に、オケのボルテージも上がり、朝陽と初音はがっちりと握手を交わすが――。

たった4か月前はバラバラだったポンコツオケと、ステージに立つことすらできなかった天才ヴァイオリニストが、いよいよ日本一のオーケストラと一騎打ちの舞台へ!思いよ届け!一発逆転のオーケストラ、ついに感動のフィナーレ!!

第10話のレビュー

本番にむけて、朝陽(田中圭)の指導にも熱が入る。団員たちもそれに食いついていく。

初音(門脇麦)は諦めずにアタック。「チャイ5」の演奏についてマエストロとコンマスとして2人きりで話し合うことも多い。

しかしそんなとき、土井(前野朋哉)から朝陽が高階に行くのではないのか、という話を聞く。
初音はそんなことはありえないはずだと言うが、朝陽は何を考えているのか。
そんなとき、朝陽のスマホに高階藍子(原日出子)から着信が……。初音の中でも不安が膨らむ。

気になった初音は高階フィルのゲストコンマス・三島(永山絢斗)に聞いてみるが、三島も「そんなことはありえない」と一蹴。
三島にも伝わっているほどに、朝陽の玉響に対する想いは深いのだ。

しかし、こけら落とし公演当日。朝陽は会場に現れなかった。
実は、定期公演で満席にならず、玉響の解散が決まったときに朝陽は高階に乗り込んでいたのだ。
自分が高階の常任指揮者になる代わりに、玉響をこけら落としに出させてほしい、と。
しかも、当日は自分は指揮はしないと。だから事前に、初音にみっちりと教え込んでいたのだ。

朝陽が裏切るわけがない。
裏切りではなく、玉響を守るために朝陽は指揮をしないというのだ。

それで初音を始め、団員たちが納得するはずがない。高階フィルに出番を変わってもらい(三島親子がマエストロ、コンマスであることが功を奏した)、初音は朝陽のもとに走る。

朝陽も頑固なタイプだ。初音が説得しにきたからといって、「はい、そうですか」と頷くはずがない。しかし、初音だって朝陽の性格は分かっている。

「せめて近くで見守ってほしい、あなたにはその責任がある」と言って、会場へと連れていく。責任感が強い人ですから、朝陽……。

そして、朝陽が会場に到着したところで籠城を決め込む玉響。
「あなたが指揮をしないなら、私たちはステージに立たない」と強硬手段に出る。
ポンコツオーケストラをシンフォニーホールにふさわしいオーケストラにする。それが朝陽に課された役目だった。しかし、そのオーケストラは朝陽がいないと完成しない。

「私たちは、オーケストラです」
「大きな愛で私たちをここまで連れてきてくれたあなたじゃなきゃ嫌なんです」

団員たちの想いが朝陽を動かす。
それに、朝陽は指揮をしたくないわけがないのだ。
朝陽は高階藍子に頭を下げ、団員たちと共にステージへ。

作中でも言っていたが、玉響に降りかかるトラブルは全て本宮(津田健次郎)が原因だ。高階藍子だって別に真の敵ではない。

ステージにさえ上がることができれば、あとは正々堂々と戦うことができる。

高階圧勝と思われていたコンペは、接戦の末、玉響が勝利を収める。その結果を読み上げるのが本宮なんだから皮肉だ。でも、本宮でさえ、玉響の演奏に心を動かされていた。
さらに、高階藍子の意気な計らいで、朝陽の移籍もいったんはなかったことになる。

朝陽は高階の常任指揮者になる予定だったため、ドイツでの仕事を断っていた。
つまり、しばらくはまだ玉響にいるということ。
笑顔を弾けさせる初音のキュートなこと!

そして気になる蒼(坂東龍汰)と奏奈(恒松祐里)も何やらいい方向へ向かいそうだ。よかったね、奏奈ちゃん! と思わず言いたくなってしまう。

全てがまるっとうまく収まる。こんな素敵なエンディングがあるだろうか。

朝陽と初音の関係も気になるところだが、そこをはっきりさせるのもむしろ野暮かもしれない。想像させてもらえるぐらいが、楽しい。
最終回は寂しいが、これからの玉響を想像して楽しむことにしよう。

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–{「リバーサルオーケストラ」作品情報}–

「リバーサルオーケストラ」作品情報

放送日時
2023年1月11日スタート。毎週水曜22:00~(日本テレビ系)

出演
門脇麦/田中圭/永山絢斗/瀧内公美/坂東龍汰/恒松祐里/前野朋哉/行平あい佳/ロイック・ガルニエ/濱田マリ/岡部たかし/津田健次郎/平田満//原日出子/生瀬勝久

脚本
清水友佳子

音楽
清塚信也
啼鵬

演出
猪股隆一
小室直子
鈴木勇馬

チーフプロデューサー
三上絵里子

プロデューサー
鈴間広枝
松山雅則

制作協力
トータルメディアコミュニケーション

製作著作
日本テレビ