<クロサギ>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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King & Princeの平野紫耀主演のドラマ「クロサギ」が2022年10月21日放送スタート。

人気マンガ「クロサギ」が2022年を舞台に、新たにドラマ化。平野が演じるのは詐欺によって家族を失った主人公・黒崎。詐欺師を騙す詐欺師「クロサギ」として暗躍、そして家族を奪った最大の宿敵に挑んでいく。

CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・最終回ストーリー&レビュー

・「クロサギ」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

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15歳の時、詐欺被害に遭った父が起こした事件をきっかけに家族を失った黒崎高志郎(平野紫耀)は、詐欺師への復讐を決意し、詐欺師のみを騙す詐欺師“クロサギ”に。表向きはアパートの大家をしており、父を騙した詐欺師・御木本(坂東彌十郎)にたどり着くべく、この世の詐欺師を一人残らず喰い尽くすことを生きる目的としている。

黒崎は下町の甘味処「かつら」に通い、詐欺師たちの情報を得ている。そこにいるのは、表向きは甘味処店主、裏では詐欺師界のフィクサーである桂木敏夫(三浦友和)。黒崎は、過去の事件をきっかけに、この桂木から詐欺師として飼われている。

ある日、詐欺被害者である吉川辰樹(船越英一郎)の元を尋ねる黒崎。辰樹の娘・吉川氷柱(黒島結菜)は黒崎が詐欺師だと分かると猛反発するが、吉川家が騙された手口を聞いた黒崎は、蓋をしてきた過去の記憶が蘇り――。

今回の詐欺師が家族の仇である御木本に繋がる手がかりになるのではと、動き始める黒崎。
「あんたを騙したシロサギ、俺が喰ってやるよ」

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第1話のレビュー

金銭狙いの詐欺師、シロサギ。恋愛詐欺師、アカサギ。そして、詐欺師を騙す詐欺師、クロサギ。
2006年にドラマ化された「クロサギ」が2022年、平野紫耀を主演に、再びの登場だ。

第1話でクロサギ・黒崎高志郎(平野紫耀)がターゲットとするのは起業セミナーを運営する春日(高橋光臣)。詐欺の被害者となった吉川(船越英一郎)の元を訪れ、だまし取られたお金を取り返さないかと持ち掛ける。

黒崎もまた、詐欺の被害者だった。黒崎の父は起業セミナー詐欺に遭っていたのだ。
追い詰められた父親は一家心中を図り、その中で黒崎だけが生き残った。
今の黒崎の目的は父を騙した御木本を見つけ出すこと。黒崎は、春日が御木本と通じているのではないかと考えるが……。

どちらというと、明るいイメージが強い平野紫耀。
警察の手から逃れるため、ドラマ冒頭では金髪ウィッグに派手なアロハシャツという陽気な装いだったが、物語が進んでいくにつれて、凄みが増していく。目の力がすさまじい。
一方で、口いっぱいに頬張っている姿や、ふとしたときの表情がとてもチャーミング。そのギャップがたまらない。

また、過去を振り返っているときの苦し気な表情が、グッと視聴者の心を掴んでいく。詐欺師ということで、さまざまな扮装も披露するが、変化する平野の表情そのものからも目が離さなくなる。

そんな平野演じる黒崎に反発するのが吉川の娘・氷柱(黒島結菜)だ。
正義感が強く、詐欺という行為自体が許せない。いくら父が詐欺でだまし取られたお金が戻ってくるとしても、黒崎の行動も、協力しようとする両親のことも受け入れられない。

両親の元にお金が戻ってきても、氷柱は「こんなふうにお金を取り戻して喜ぶ人間になりたくない」と黒崎に向かって言う。それが彼女の正義だから。

黒崎は、氷柱の言葉に怒るわけでもなく、穏やかに答える。

「吉川さんはそう思って生きていったらいいよ。それで済むなら幸せな人生なんだから」

 つ、辛い……。

ダークヒーロー、クロサギに対して、氷柱は自分の正義を訴え続けられるのだろうか。

 
黒崎と接触はないものの、宿敵・御木本の姿も作中では描かれている。御木本を演じるのは坂東彌十郎。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では北条時政を演じたが、時政とはまた異なる重厚な空気を醸し出す。

さらに、腐った大企業を標的とする詐欺師・白石を山本耕史が演じる。またこれも食えない役柄のようで活躍が楽しみだ。

そして、甘味処「かつら」の店主で、詐欺業界のフィクサー・桂木に三浦友和。
黒崎に詐欺を教え、シロサギの情報を売っている人物だ。
黒崎の味方のようにも見えたが、1話ラストで、白石が桂木に「御木本の起業セミナー詐欺の設計図を描いたのはあなたですよね?」という場面も。つまり、黒崎にとっては、桂木もまた敵のひとりになるのではないか……

くせの強いキャラクターばかり。が、1話だけで俄然、期待が高まってきた。早くも2話が待ち遠しい。

※この記事は「クロサギ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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今回の黒崎(平野紫耀)の敵は、「心」を利用した詐欺。
探偵の川中幹夫(新納慎也)に「好きな人と出会わせる」と言われ契約を結んだ被害者・江本美知留(八木莉可子)から話を聞いた黒崎は、法の目をかいくぐり金銭を奪うシロサギを喰うと決める。

氷柱(黒島結菜)は自分の住むアパートの大家が、父(船越英一郎)の詐欺被害で知り合った黒崎だと知り、名前も偽名だったことに衝撃を受ける。偶然にも隣同士の部屋に住んでしまっている黒崎と氷柱だが、そんな中アパートの住人がとある契約トラブルに巻き込まれる。

そして、黒崎の存在を知った東京中央署の神志名(井之脇海)は、黒崎の周囲を調べ始めるが、それが思わぬ事態に…。

氷柱は黒崎が詐欺師として生きることになった理由が何かあるはずだと、過去の詐欺事件を調べる。黒崎もまた、氷柱の言葉から過去の出来事を思い出していた。自分の家族のこと、そして仇の正体を知り、自分が“クロサギ”という道を選ぶ決意をした時のことを――。

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第2話のレビュー

今回、黒崎(平野紫耀)のターゲットとなるのは探偵の川中(新納慎也)。
好きな人に出会わせるという「出会わせ屋」をやっており、芸能人に会わせることも可能だという。
推しに会いたい江本美知留(八木莉可子)は、まんまとその手口に引っ掛かり、200万円を奪われてしまう。黒崎はその金を取り返してあげるというが……。

第2話では黒崎を含め、周りの人物のキャラクター、関係性が深められていった。
まずは氷柱(黒島結菜)が住んでいるアパートの大家は黒崎で、部屋も隣だということ。
否応にでも2人は顔を合わせることになる。

そして桂木(三浦友和)。
前回、シロサギの白石(山本耕史)が桂木に向かって「起業セミナー詐欺の設計図を描いたのはあなたですよね?」と尋ねていた。そしてこのことを黒崎は知っているのかと。
その答えはあっさりと出た。黒崎は知っている。
桂木の目元には小さな傷跡があるが、これは黒崎が家族の恨みを晴らすために、ナイフで傷つけたものだった。

黒崎が家族を失ったのは高校生のとき。そのあと、一体どのような現実を知ったのか。黒崎は桂木に「この世界で生きたい。詐欺師になりたい」と詐欺を教えてほしいと乞い、土下座をするシーンの回想も。詐欺師を騙す詐欺師になるために頭を下げる。
家族を奪った御木本(坂東彌十郎)への復讐はもちろんのこと、黒崎の最終目的はやはり桂木なのかもしれない。

が、桂木の真意も読めない。自分の身が危うくなるかもしれないような男を育てているのだ。
ただ、利用するだけのつもりなのか、それともほかに理由があるのか。

 一方で、黒崎と氷柱が暮らすアパートの住人が、ある詐欺に遭ってしまう。
黒崎はそのお金を取り返してあげようか、と言うが、氷柱が噛みつく。自分の父親のように詐欺の片棒を担がせる気なのかと迫る。
氷柱には黒崎のことが全く理解できない。とにかく自分の正義を振りかざし、黒崎を責める。
黒崎からしてみれば、氷柱は現実を何も知らない子どものようなものだろう。
氷柱と同い年であるにも関わらず、黒崎は氷柱のような振る舞いができない。知らなくてもいい世の中の真実を知ってしまっているから。

正論をぶつける氷柱を見ているのは少ししんどいけれど、彼女の存在がなければ、詐欺という本来なら「悪いこと」が正当化されてしまう。そういう意味で、彼女は物語の中での倫理なのかもしれない。 

順調にシロサギを食っている黒崎だが、警察も動き出し、黒崎に迫る。
第2話ラストでは、刑事の神志名(井之脇海)が黒崎の目の前に現れ、いきなり殴る場面も。どんな理由があったとしても突然殴るようなことはあってはならないと思うが、神志名は何か特別な感情があるのか。

次回、白石が存在感を増してくる。
ほとんど、素を見せない黒崎の表情はどのように動くのだろうか。

※この記事は「クロサギ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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今回のターゲットは「知的財産詐欺」。桂木(三浦友和)からシロサギ・西岡崎誠二(栗原英雄)の情報を買った黒崎(平野紫耀)は早速そのシロサギに接触するが、片腕として現れた弁護士・白石陽一(山本耕史)に怪しまれる。邪魔な白石を何とかしようと黒崎は白石の後をつけ動向を探るが、その先に思わぬ出会いが待ち受けていた――。

一方、黒崎の周りでは新たな動きが。黒崎の過去を知った氷柱(黒島結菜)は黒崎のことをもっと知りたいと思うようになり、神志名(井之脇海)も黒崎を捕らえるために桂木を調べ出す。桂木は当然、そんな周囲の動きに気づかないはずはなく…。

そしてついに、御木本(坂東彌十郎)自らも詐欺師として動き始める!

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第3話のレビュー

今回、黒崎(平野紫耀)が食らうのは「知的財産詐欺」。桂木(三浦友和)からシロサギ・西岡崎(栗原英雄)の情報を得て、乗り込む。が、そこには弁護士・白石(山本耕史)の姿が。西岡崎が黒崎の話に乗りそうな様子を見せたが、白石によって阻まれてしまう。

黒崎はまず白石を潰すことを考え始めるが、第1話でも明らかになっていた通り、桂木と白石は繋がりがある。黒崎は黒崎の腹心・早瀬(中村ゆり)から、白石の存在と正体を知ることとなる。

白石は腐った大企業だけを食うシロサギ。黒崎と同じで家族を奪われたのが原因で、詐欺師になった。クールなつもりでも、たぶん、黒崎は人間味があって優しい人だ。そんな話を聞いて白石に対する考え方は少なからず変わったはずだ。黒崎は白石と手を組み(表面上は手伝った、という形だが)、西岡崎からお金を奪う。相手の正体を知った上での黒崎と白石の攻防は小気味が良い。

そんな中で、白石は桂木を恐れている、という話をする。腐った大企業よりも、桂木を敵に回すほうが怖い。そんな桂木がバックにいることを知っていながら、御木本(坂東彌十郎)に復讐を果たせるのか、と黒崎に問う。

桂木を知っている人は、きっと桂木を敵に回したくない、と思うのだろう。黒崎はどうなのだろうか。白石から、御木本の居場所を伝えられた黒崎は復讐に向けて動き出すのか。

 一方で、刑事の神志名(井之脇海)が黒崎に迫る。会いに行っただけではなく、ぶん殴るというまさかの実力行使だ。「被害届を出してみろ、徹底的にお前のことを調べてやる」ってそれはいくらなんでもひどすぎるのでは!? そもそも、どんな理由があっても無抵抗な人を殴る警察官、それはどうなのよ……というしかない。こちらも自分の正義を振りかざすタイプか。そして、神志名は桂木の存在にも気づき、訝しむ。

 氷柱(黒島結菜)は黒崎の過去を知り、自分の正義が揺らぐ。詐欺が悪であることは分かっている。だからと言って黒崎を否定することができるのか。

氷柱が出した答えは、「肯定もしない、否定もしない」。氷柱の中でギリギリ譲れるラインでの判断だったのだろう。本当は、肯定したい部分もあったのかもしれないけれど、検事を志す彼女には許されない。

でも、黒崎からすると、心とは裏腹に氷柱が否定し続けてくれていたほうがよかったのかもしれない。当然だが、弱味ができるとそこを突かれる可能性がある。

 次週は御木本と直接対決……? 第4話で早くも? 御木本が仕込んでいるという詐欺も気になる。

それにしても毎回、King&Princeが歌う主題歌『ツキヨミ』が流れるタイミングが絶妙だ。黒崎にググッと感情移入してしまう。

※この記事は「クロサギ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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黒崎(平野紫耀)は、白石(山本耕史)から得た情報をもとに、御木本(坂東彌十郎)の会社を調べていた。御木本と繋がる桂木(三浦友和)に黙っての行動だったが、桂木は知ってか知らずか急ぎの仕事を黒崎に押し付ける。

しかし、それがきっかけで御木本へ繋がる思わぬ道が開けることになり、黒崎は独断で御木本を喰うと決め、近付いていく――。

同じ頃、御木本が新たな詐欺を仕掛けているとの情報を掴んだ神志名(井之脇海)たちも、御木本逮捕に向けて動き出していた。

氷柱(黒島結菜)は黒崎の事情を知ってから、ますます黒崎のことが気になってしまう。だが黒崎は、これ以上干渉してこないよう突き放し続けていた。自分のために涙を流した氷柱に対して、感じた気持ちを思い出しながら……。

そして遂に、6年振りに御木本と再会した黒崎。果たして勝負の行方は…さらに宿敵を目の前にした黒崎は一体どうなってしまうのか…!?

緊迫の直接対決が、開幕!!

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第4話のレビュー

黒崎(平野紫耀)が御木本(坂東彌十郎)に迫る。

白石(山本耕史)から御木本の情報を得た黒崎は、一人で動き始める。もちろん、御木本への復讐を果たすためだ。そんな中、黒崎は桂木(三浦友和)からヘッドハンティング詐欺のシロサギに関する仕事を受ける。仕事自体は簡単なものだったが、そのシロサギのボスが実は御木本で……。

御木本がM&A詐欺をしようとしている情報を白石から得た黒崎。桂木に隠れて御木本を食おうと本格的に動き始める。

御木本を食らうために、猛勉強をする黒崎。そんな黒崎の力となるのが白石だ。出番こそ少ないが、黒崎の企みが成功するための鍵となる動きをする。
切り札として用意してもらったものが入った封筒に「まほうのどうぐ」と書いて渡す白石。確かに、黒崎が「魔法の道具になる」と言ったのだろうけれど、おちゃめだ、白石。

正直、今回は白石とのシーンが唯一の和みポイントと言ってもいいかもしれない。
御木本との対決は終始ピリピリしている。
その中で黒崎の孤独の描写が深まっていく。
そこに関わっていく氷柱(黒島結菜)や氷柱の父・辰樹(船越英一郎)の存在が、より黒崎の孤独を際立たせている。
初回では陽気さも感じられた黒崎の明るい表情は、むしろ深い孤独の裏返しにも見えてきてしまう。

御木本との直接対決で、黒崎は一応の勝利を収める。
そして、御木本になぜ父親がターゲットになったのかを尋ねると、御木本は笑って言う。

「エサに食いついたカモだったからだろ。意味なんてない」
「平凡な父親ほど自分の子どもを特別な存在にしたがる」

その結果、黒崎の父親は一家心中をはかり、黒崎はひとりぼっちになった。心に大きな傷を抱えて。
黒崎は確かに、特別な存在「クロサギ」になったけれど、もちろん、黒崎の父はそんなことは願っていなかったはずだ。

傷を受けたほうは、与えた者の顔を忘れない。
しかし、与えたほうは、傷を受けた側の顔なんて覚えていない。その事実がまた、黒崎の影を濃くする。

黒崎との対峙ののちに、御木本は警察に連行される。
訴えがあり、御木本が詐欺を働いた証拠を掴めたのだ。
が、すぐに御木本は釈放される。桂木の差し金で訴えが取り下げられてしまう。しかし、この釈放は助けるためではない。桂木は、御木本を試したのだ。

上海へ飛んだ御木本。そんな御木本を追うように黒崎は桂木から指示を受ける。
上海で黒崎と御木本の対決に決着はつくのか。
しかし、次回はまだ5話だ。決着が着くのだとしたら、黒崎のその先に待ち構えているものとは?

 黒崎の孤独な表情はあまりに美しすぎるけれど、無邪気に心から笑う彼の笑顔も、見てみたい。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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御木本(坂東彌十郎)を追って上海に飛んだ黒崎(平野紫耀)。突如現れた早瀬(中村ゆり)とともに、黒崎は御木本に騙された有力者たちと顔を合わせていた。

上海の詐欺業界では、マフィアの二大勢力がしのぎを削り合っている。その片方「レッド・ドラゴン」という危険な組織から利子の返済を迫られている御木本は、新たな詐欺を仕掛けていた。

桂木(三浦友和)の名前を使って詐欺を働いたことで、もう日本には戻れない御木本。部下の垣根(金井勇太)と共に金策に奔走する。

そして、黒崎は中国人有力者たちに向かって、御木本に騙し取られた金を取り戻すと言い放ち、最終決戦の火蓋が切って落とされた――!!

日本では、黒崎の飼い猫・クロを預かっている氷柱(黒島結菜)の元を神志名(井之脇海)が訪ねてくる。黒崎を気にする氷柱に対し納得のいかない神志名だったが、黒崎が海外へ行ったと聞き、何かよくないことが起こっているのではと後を追う決意をする。

海を越えてなお届く桂木の思惑に翻弄されながらも、命を懸けて御木本を喰いにいく黒崎。そして桂木の息の掛かったレッド・ドラゴンと敵対するマフィア「キング・タイガー」も登場し、黒崎の復讐劇は怒涛の結末へ!!

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第5話のレビュー

御木本(坂東彌十郎)との全面対決のため、上海へと向かった黒崎(平野紫耀)。
黒崎にとって御木本は家族を奪った憎い相手だ。5話で決着がつくのか。

上海に飛んだ黒時の前には現れたのは早瀬(中村ゆり)。流暢な中国語で、黒崎と上海にいる有力者たちに会う。実は彼らは御木本に騙された人物たちだった。詐欺は言葉が重要だと思うのだけれど、異国でも詐欺を働いていたとは……。

上海で二大勢力となっているマフィアのうちのひとつ、「レッド・ドラゴン」から利子の返済を迫られている御木本。その支払いのために、上海で再び詐欺を行おうとしていた。

一方、黒崎は有力者たちの協力を得て、御木本に騙しとられたお金を取り戻すことを宣言。
御木本も黒崎が上海に来ており、自分の邪魔をしようとしていることに気がつき、反撃に出ようとするが……。

 
詐欺の手口を見ていると、何よりも大事なのははったりと必要以上の自信なのだな、と思う。
もちろん、理路整然としていないと相手にバレてしまうわけだが、堂々とした振舞いについ押し切られてしまうのはなんとなくわかる気がする。

しかし、今回相手となるのはマフィアだ。
黒崎に先手を取られた御木本は部下の垣根(金井勇太)を失うことになる。容赦がない。前話までとは急に空気がガラッと変わる。
垣根が殺されことに動揺する黒崎に、桂木(三浦友和)は「御木本なら死んでもいいというのか」と問いかける。
黒崎は、御木本に復讐をしたいと思っているけれど、殺したいと思っているわけではない。詐欺をやめさせたいのだ。黒崎の根底には「自分と同じような人を生み出したくない」という気持ちが少なからずあるのではないか。

追い詰められ、逃げ場を失った御木本。
黒崎を目の前にし、拳銃を取り出す。御木本は黒崎に自分を殺すことを促す。
そんな御木本に、黒崎にも揺らぎが見えたが、「殺しはしない」と言い切った。
その場から黒崎が去り、一人になった御木本は銃口を自分のこめかみに当てた。

自分が殺したわけではない。でも、自分の行動によって人が死んだ。その事実がさらに黒崎の心を重くしていくのではないか。

これで、復讐は終わりかと思いきや、御木本は意味深な言葉を残す。

「お前の仇は俺で終わりじゃない」

一体、ほかに誰が? ……というところで登場したのが日本最大手のメガバンク・ひまわり銀行の執行役員・宝条(佐々木蔵之介)だ。
実は桂木のマネーロンダリングを請け負っているという宝条の行動が、最終的に御木本を追い詰めることとなった。宝条がこれから物語キーマンとなっていくのか。

「鎌倉殿の13人」ではどこか憎みきれないほんわかとした空気の北条時政を演じていたが、「クロサギ」での悪役っぷりは圧巻。ラスト、葉巻を燻らすシーンは覚悟が見てとれて、痺れた。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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上海から帰国した黒崎(平野紫耀)は、氷柱(黒島結菜)と愛猫のクロと久々に再会する。無事に帰ってきた黒崎の姿を見て安堵する氷柱だが、黒崎は御木本(坂東彌十郎)が最後に遺した「お前の仇は俺で終わりじゃない」という言葉がずっと心に引っ掛かっていた。

また、黒崎と同じく御木本の死に直面した神志名(井之脇海)も、黒崎に対して何も出来なかった後悔が募っていた。

黒崎はやり場の無い気持ちを抱えながら桂木(三浦友和)の元へ御木本から手に入れた金を渡しに行くが、そこでスーツ姿の見知らぬ男が「かつら」に入っていくのを目撃する。

そして黒崎は桂木から新たにシロサギの情報を買う。そのシロサギは、マンション投資詐欺を働く一方で大学生を違法なバイトに誘い詐欺の片棒を担がせている。そんなシロサギのターゲットにされたのは、氷柱の大学の同級生だった。氷柱は同級生を助けるために法律で詐欺師と闘おうと奮闘するが、その途中で“仕事中”の黒崎と遭遇してしまう。

クロサギの騙し返しに、氷柱が巻き込まれることに——?
そして、黒崎の真の宿敵探しの旅が始まる!

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第6話のレビュー

家族の仇であった御木本(坂東彌十郎)との対決を終えた黒崎(平野紫耀)。御木本が死ぬという結末を迎えたことで、黒崎はまたひとつ新たなものを背負ってしまったのかもしれない。黒崎の表情は冴えない。

そんな黒崎が今回、桂木(三浦友和)から買ったのはマンション投資詐欺を行うシロサギ。ターゲットたちはそれだけではなく、大学生を違法なバイトに誘って詐欺の片棒を担がせていた。

そして、氷柱(黒島結菜)の大学の同級生にもシロサギの被害者がいた。
正義感が強い氷柱。それだけではなく、少しでも黒崎を今抱えている苦しみから解放できないか、と考えている。警察や、自分が志している検察官が詐欺師たちを裁くことができれば、黒崎のような人たちを救えるのではないか。そのためにも、氷柱はひとりで奮闘する。

そんな中、氷柱は弁護士・熊谷(さとうほなみ)が立ち上げた「被害者の会」を知る。
「司法制度に失望してほしくない」と力強く訴える熊谷に氷柱は共感するが、実は熊谷も詐欺グループの仲間で……。
 

黒崎は、氷柱が自分の案件に関わっていることに気がつき、氷柱を巻き込み、シロサギを食らう。

シロサギを食らうためとも知らず、「食事にでも行かない?」と言われて少しばかりウキウキしている氷柱がかわいい。
だから、利用されていたと知ったときは怒りはするけれど、黒崎の行動を強く止めようとはしない。
やはり心のどこかで“クロサギ”を容認しているのだろう。

今回の黒崎は本来の自分に近い、ナチュラルに近い姿で相手を罠に嵌めていくが、その姿がなんともカッコイイ。御木本の件を経て、少しキャラクターに深みが増したような。

 
そう、上海でマフィアたちを相手に詐欺を展開していたというのに、今回は少し物足りない。
新たな始まりの序章にしか過ぎない。真の敵と相対するための、だ。

 
前回から登場したひまわり銀行の執行役員・宝条(佐々木蔵之介)。

黒崎はひょんなことから、ひまわり銀行の一部の社員が6年前に導入詐欺を仕掛けていたという情報を手に入れる。黒崎の父親もそのせいで破産に追い込まれていた。そして、父親がお金を借りた際の書類には、担当者として宝条の名前があった。

桂木とも関わりがある宝条。御木本が「お前の仇は俺で終わりじゃない」と言っていたが、やはり真の仇は宝条なのか。

 
黒崎の苦しみが募っていて、見ていて心が痛い。
時折見せる、悲し気な表情が黒崎の過去を強く思い出させる。と同時に平野紫耀のかっこよさも際立ち、観ている方としては感情をかき乱されてしまう。一体、どうやって感情を処理すればよいのか、悩ましい。

※この記事は「クロサギ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

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黒崎(平野紫耀)は、自分の家族の仇がひまわり銀行の役員・宝条(佐々木蔵之介)であると確信していた。宝条と繋がりのある桂木(三浦友和)には何も告げず、宝条の周辺を探る黒崎。

そして、宝条と彼が目をかけている支店長の集まりに潜入した黒崎は、首都中央支店の支店長・牛山(山口紗弥加)に目を付ける。同じ頃、東京中央署では神志名(井之脇海)に警察庁への異動が命じられていた。 

早速、牛山への接触を図る黒崎。順調に事が運んでいた矢先、首都中央支店でとある家族が「人殺し!」と叫び、外に連れ出される場面に遭遇する。黒崎は被害者家族を巻き込んで、ひまわり銀行に詐欺を仕掛けることに!

一方、氷柱(黒島結菜)は黒崎に詐欺の片棒を担がされそうになった怒りから、黒崎に対して八つ当たりをするも…。さらに、帰宅すると宝条とも繋がりのある鷹宮(時任勇気)が氷柱を待ち受けており…。

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第7話のレビュー

黒崎(平野紫耀)が宝条(佐々木蔵之介)に迫っていく。

宝条が執行役員を務めるひまわり銀行に探りを入れ始める黒崎。その中で、ひまわり銀行に騙されたと乗り込んでくる姉妹と出会う。人殺し!と叫ぶ妹の茉奈(莉子)。茉奈の義兄が住宅ローンを利用した目的外融資をそそのかされていた。そして、返済が滞ると家を担保に新たに借金をさせる。返済ができなかったとしても家を取り上げればいい。つまり銀行は損をしないというわけだ。結果、義兄は自殺。そして、家も取り上げられようとしていた。

これは黒崎の父がハメられた詐欺と同じ手口だ。宝条への復讐という気持ちと同時に、同じ境遇の茉奈たちを放っておけなかったのだろう。

「そのシロサギ、俺が喰ってやるよ」

 
黒崎が茉奈たちに協力し、喰らうのは牛山彩子(山口紗弥加)。ひまわり銀行首都中央支店・支店長で、多額の顧客預金額を持っているだけでなく、融資や回収でも成果をあげている。

しかし、実のところ、茉奈たちにしたような悪どい手を使っていた。

黒崎は牛山に自身の会社に3億の融資をさせたのち、立ち上げした会社を計画倒産させる。自社ビルを担保として入れていたが、実は、ビルは別の会社の持ち主。そのため、銀行は回収することができない。牛山は宝条に見捨てられ、警察からも事情聴取を受けることになる。

 
山口紗弥加の演技がさすがの一言。圧巻である。支店長としてのキャリアのある女性としての自信、風格。黒崎に騙されたと分かった瞬間の取り乱し方。人生の転落がその表情だけでわかる。

が、牛山を喰ったことで、宝条に黒崎の存在がバレてしまう。防犯カメラに黒崎の姿が映っているのだ。とは言え、黒崎もカメラを意識していたので、はっきりと顔は映っていない。しかし、宝条ならすぐに黒崎にたどり着いてしまいそうな予感がある。そもそも、桂木(三浦友和)のところに宝条は出入りしているわけだから、すぐにわかりそうなものである。

ただ、黒崎だけの問題ならいいのだが、懸念は氷柱(黒島結菜)が巻き込まれそうな予感もあること。氷柱の大学の助教授・鷹宮(時任勇気)は宝条の甥。鷹宮は氷柱に執着しているようで、突然怒鳴ったり、家の前で待ち伏せしたりと挙動があやしい。もし、宝条に何かそそのかされたりしたら……?

また、氷柱は桂木とも面識がある。桂木は黒崎にとって氷柱がどういう存在なのかもわかっているはず。今後の黒崎にとって、氷柱は弱みとなってしまうのだろうか。

※この記事は「クロサギ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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黒崎(平野紫耀)は牛山(山口紗弥加)から、宝条(佐々木蔵之介)には“宝条帝国”と呼ばれる裏金作りのための資金源がいくつもあるという情報を得る。そして、その中のひとつである医療法人をターゲットに定めた。理事長を務める宇佐美孝也(津田健次郎)はひまわり銀行の元行員で宝条の後輩に当たる人物。赤字だった病院を立て直した救世主だ。

黒崎は、宝条帝国とそこに君臨する宝条を喰うことを“独断”で決意し動き出す。
宇佐美に近づくためにその妻・怜華(高田里穂)に接触を図る黒崎。彼女好みの金持ちなホスト風の男に扮し、あっという間に怜華の心を掴んだ黒崎は、怜華に「金が欲しいんでしょ?いい方法があるよ」と持ち掛ける。

同じ頃、宝条の元にひまわり銀行へ潜入した時の黒崎の防犯カメラ映像が届けられていた。ひょんなキッカケでその写真を見た宝条の甥・鷹宮(時任勇気)は、そこに写るのが黒崎ではないかと察知する。

一方、桂木(三浦友和)は黒崎の動向を邪魔するように、新たなシロサギの情報を黒崎に売り、北海道へ行ってこいと命じる。自分を宝条から遠ざけようとしていると勘づいた黒崎は、桂木に逆らい続けることに対して危機感を募らせる。

そんな矢先、氷柱(黒島結菜)はプライベートで甘味処「かつら」を訪れていた。それを知った黒崎は、これ以上桂木にも自分にも関わるなと突き放し・・・。

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第8話のレビュー

沼を感じさせる平野紫耀……じゃなかった、黒崎が来てしまった。
 
宝条(佐々木蔵之介)を喰らうと決めた黒崎は、桂木(三浦友和)のいうことももはや聞かない。黒崎は、宝条の裏金の資金源のひとつである医療法人をターゲットとする。そこで理事長を務める宇佐美(津田健次郎)は宝条のひまわり銀行の元行員で宝条の後輩だった。

この宇佐美から金をだまし取るわけだが、まず黒崎が近づいたのは宇佐美の妻・怜華(高田里穂)だった。

彼女はホストに入れ込み、金を湯水のように使っていた。そんな怜華が好みそうなホスト風の男を演じ、あっという間に心を掴む。色恋を使って詐欺をする、いわゆるアカサギというやつだ。

……思わず、King&Princeの平野紫耀やぞ? と言ってしまいたくなる。

「少しずつ知っていけばよくない?」

そんなことを言われてしまったら、イチコロだ。

そのあと、本当はこんなことをやりたくない、といった様子で気だるそうにしているのも含めていい。

いろんな姿に扮装している平野が見られることも「クロサギ」の醍醐味のひとつだが、平野の幅のある表情、演技力に改めて感服してしまう。あと、どんな服でも着こなしてしまうのがスゴイ。
 
怜華の口添えもあって宇佐美に近づくことに成功する黒崎。最初は黒崎が売りつけようとした医療商品を突っぱねるが、怜華が泣き落としをかけた甲斐もあって最初の取引を成立させる。

そして宇佐美にもキックバックがあると言ってさらに、高額のCTスキャンを売りつける。しかし、黒崎の目的は別にあった。宇佐美が行っている悪事を暴くこと。結果、宇佐美は10億を失い、悪事も露見するという最悪の状況に。
 
黒崎の全面勝利のように見えたが、一方で、宝条の手も伸びていた。宝条は黒崎の正体を掴めずにいたが、彼には甥の鷹宮(時任勇気)がいる。

宝条のもとには、黒崎がひまわり銀行に潜入した際の防犯カメラの写真が届いていた。それをみた鷹宮はそこに写っているのが黒崎だと気がつく。

最初は好青年として登場した鷹宮だが、回を追うごとに変貌していく様子が不気味だ。氷柱(黒島結菜)を奪われたという気持ちもあるのだろうけれど、自分に望みがないからといって攻撃的になるのがまた怖い。

一方の宝条は、冷酷な面が強く見えるが、鷹宮や、自身の家族には優しい。家では良き父親であり、夫のようである。それも本当の顔なのか、それとも……。
 
宝条が正体を知ったことで、黒崎は早速窮地に追い込まれる。部屋に、警察が来たのだ。詐欺ではなくても、黒崎を拘束する方法はあったのだ。

そして、桂木の動向も気になる。黒崎を切ろうとしているようにも見えるが……。

物語は終盤へ。黒崎は復讐を果たすのか、明るい世界へ戻ることはできるのだろうか。

※この記事は「クロサギ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー

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警察に逮捕された黒崎(平野紫耀)は、刑事たちからの取り調べで確固たる証拠を突きつけられてしまう。それは、明らかにひまわり銀行内部の者でないと用意できないものだった。

その後、桂木(三浦友和)のところへと向かった黒崎は、今回の一件で桂木の元にいる限り宝条(佐々木蔵之介)を喰うことはできないと身をもって知ることになる。黒崎は、桂木に決別を告げ、それを桂木も受け止める。

「喰い合いだな」

そして黒崎は、氷柱(黒島結菜)に旅立つことを告げ、愛猫のクロを預けて行方をくらましてしまう。

黒崎が行方不明になってから2週間が過ぎ、宝条は民政党議員・蒲生紗千子(秋山菜津子)に会っていた。蒲生は、これが「最後のチャンス」と新党立ち上げを画策。その資金として宝条に100億円を準備するよう命じる。そして、とある野望を抱く宝条にとっても、その資金提供はラストチャンスとなる。だが、それは黒崎にとっても同じことで、すべてを捨てた黒崎は宝条を倒すため奮闘するのだが・・・。

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第9話のレビュー

逮捕されてしまった黒崎(平野紫耀)。

これは宝条(佐々木蔵之介)が手をまわしたからだ。捏造された証拠も揃っている。

しかし、取り調べを見ていた神志名(井之脇海)が「黒崎がこんな証拠を残すはずがない」という。警察と詐欺師だけれど、ある種の信頼関係ができてしまっている。

神志名が心配しなくても黒崎は間もなく釈放された。これは桂木(三浦友和)が手を回したから。黒崎はそのまま桂木の元を訪れる。桂木と決別するためだ。

桂木は宝条と繋がっている。桂木の元で働いていては宝条を喰らうことができない。 

家族を亡くしてから、黒崎の一番そばにいるのは桂木だった。寂しさはあるのだろうか、それとも今生の別れ、という気持ちもあるのだろうか。

一筋流した涙が美しい。

アパートに戻ってきた黒崎。部屋に灯りがついているのを見た氷雨(黒島結菜)が訪ねてくる。

自分と一緒にいるときに黒崎は逮捕されたのだ、気にならないはずがない。

あっけらかんとした様子の黒崎だが、氷雨は彼が荷造りしていることに気がつく。不安気な表情を浮かべる氷雨を黒崎は食事に誘う。

氷雨としては嬉しい誘いだったはず。でも、今は手放しに喜べない。

まだ復讐は終わっていない。黒崎は今の自分の状況を会話の中で端的に伝えた。氷雨は動揺しつつも、前のようにギャンギャン言うようなことはない。

「帰ってくるまで待ってるよ」

これからどこか遠くへ行こうとする黒崎にかけた言葉。

この言葉が、黒崎が暴走してしまいそうなときのブレーキとなればよいのだけれど。

宝条を喰らうために、黒崎は金も手間も惜しまない。自分がまいたエサに宝条が確実に食らいつくように外堀を埋めていく。

宝条は民政党議員の蒲生(秋山菜津子)と懇意にしていた。新党立ち上げのためにはお金が必要。蒲生は宝条に資金として100億円を準備するように言う。実は蒲生が新党立ち上げを急いだのも、黒崎が仕組んだことだった。

桂木の元で学んだことをフル活用しているのだろう。そして考え抜いた計画。動きに迷いがない。

いくら宝条でも100億を用意することは簡単ではない。そこで宝条は海外ファンドを頼ろうとするが、これも黒崎の狙いだった。

トントン拍子に進んでいるように見えるが、順調なほうが怖い。宝条には底知れぬ恐ろしさがある。そして桂木も、詐欺の仕事を守るために誰かが死ぬ……いや殺すこともいとわない。

黒崎が決別を告げてから桂木はずっと不機嫌だ。育てた甲斐がなかったからか、自分の思い通りに事が進まないからか、はたまた……。

そんな中、氷雨が黒崎の目の前で何者かに拉致されてしまう……。

次週、いよいよ最終回。黒崎は復讐を果たすのか。いや、笑顔は戻るのか。

桂木と決別し、宝条に目をつけられ、このまま宝条に勝たないと黒崎は無事ではすまないだろう。もうあとがない。

予告に一瞬映った意味深な黒崎と氷雨のツーショットも気になるところだ。

※この記事は「クロサギ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{最終回ストーリー&レビュー}–

最終回ストーリー&レビュー

最終回のストーリー

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氷柱(黒島結菜)が誘拐され、助けに向かった黒崎(平野紫耀)だったが2人は絶体絶命のピンチに陥ってしまう。そこに現れたのは、思いもよらない人物だった。

一方、宝条(佐々木蔵之介)は蒲生(秋山菜津子)の新党設立に向け資金集めを急ぎ進めるが、これまでの黒崎の動きが影響し、雲行きが怪しくなっていく。すると、黒崎のもとに決別宣言をした桂木(三浦友和)から連絡が。そこでさらに問題が起こる・・・。

そして、ついに訪れる宝条との直接対決の時。

宝条、蒲生、そして桂木…もちろん黒崎も。全員、これがラストチャンスとなる最終決戦!
黒崎が編み出した最後の策、そして語られる真実とは・・・!?

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最終回のレビュー

氷柱(黒島結菜)が拉致される。どうにか車から逃げ出した氷柱の前に現れたのは黒崎(平野紫耀)。登場の仕方がヒーローなんですが、もはや……。

居場所がどうして分かったのかというと(ずっと走って追いかけたのかと思ったけど)実は氷柱にGPSをつけていたという。氷柱が自分の弱点になる、という自覚があったんだな……。

宝条(佐々木蔵之介)は目的を達成するために黒崎を殺すことに抵抗はないようだった。そんな中で黒崎の味方となったのは白石(山本耕史)。この人も登場の仕方がヒーローだけど、ちょっと胡散臭く見えるのが、白石らしい。

宝条を喰らうために黒崎は仕上げに入る。氷柱は白石に託して。海外ファンドを買収し、宝条にひまわり銀行が保有している国債を使わせようとする。が、宝条に黒崎が裏にいることを見破られ……。

ゾッとするような宝条の表情。黒崎を追い詰めていく様子は、潜り抜けてきた修羅場と、手を染めた悪事の多さを感じさせる。手の内がバレて、黒崎は積んだか……と思っていたが、黒崎のほうが一枚上手だった。

宝条が正式に取引をした海外ファンドも、実は黒崎が買収したもの。黒崎は宝条を喰らうことに成功する。

しかし、ここまでたどり着けたのは黒崎ひとりの力ではない。白石のほか、桂木(三浦友和)が黒崎を守っていた。早瀬(中村ゆり)に黒崎の命を守らせていたのだ。桂木は敵なのか否か、という点は物語の大きなポイントだったが、桂木には黒崎に対して父親に近い愛情があったのだろう。

ついに、宝条に勝利した、という瞬間。が、物語はこれで終わらない。路上でサンタの格好をした浦川(細田善彦)に刺されてしまう。この手際がプロの殺し屋のように鮮やかで、平然とやってこなし、こういうことをするのは初めてじゃないな?という印象を受けてしまった。

宝条は最後に鷹宮(時任勇気)に黒崎が握っている自分の悪事の証拠を奪うように託す(もちろん、鷹宮にはそうとは知らせずに)。しかし、同じように黒崎から託された氷柱が間に合う。そこに白石も合流。証拠は神志名(井之脇海)の手に渡った。

宝条に復讐を果たすことができたが、これは氷山の一角に過ぎないのだろうな、と思う。そして宝条の引き際が鮮やか。家族に優しい表情を見せていた宝条もまた、本当の姿なのだろう。離婚届を妻に残し、逮捕されることにも抵抗しない。カッコよすぎて、ヒール役なのに感嘆してしまった。

そして黒崎は、氷柱の前から姿を消す。1通の手紙を残して。

「いつか俺が足を洗って、俺の全部を受け止めてくれる人に出会ったら、新しい家族と生きていけるかもしれないって。俺は今でもそんなことはあり得ないと思っている。でも、もしもそんな未来があるとしたら、俺が一緒に生きたいと願うのは吉川氷柱だと思う」

これは強烈なラブレター……こんな手紙を残されたら氷柱は一生黒崎のことを好きだよね!? と思ってしまうが、物語のラストは6年後。検事となった氷柱と黒崎がすれ違い、時間差で互いを振り返る。

「黒崎の旅はつづく」という言葉と共に締めくくられたが、果たして黒崎の旅が終わるときは来るのか、氷柱との道が交わる日は来るのか。黒崎のこれからの幸せを願ってやまない。

※この記事は「クロサギ」の各話を1つにまとめたものです。

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–{「クロサギ」作品情報}–

「クロサギ」作品情報

放送日時
2022年10月22日スタート 毎週金曜夜22:00~

出演
黒崎高志郎 … 平野紫耀(King& Prince)
吉川氷柱… 黒島結菜
神志名 将 … 井之脇 海
早瀬かの子 … 中村ゆり
桃山哲次 … 宇野祥平
鷹宮 輝… 時任勇気

白石陽一… 山本耕史
御木本… 坂東彌十郎
吉川辰樹… 船越英一郎(特別出演)
桂木敏夫… 三浦友和

原作
黒丸
夏原 武(原案)
「クロサギ」シリーズ(小学館刊)

脚本
篠﨑絵里子

音楽
木村秀彬

演出
田中健太
石井康晴
平野俊一

プロデューサー
武田 梓
那須田 淳

製作著作
TBS