「仮面ライダーリバイス」「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」夏映画がすごすぎた!ネタバレ満載でレビュー

篠宮暁の“特撮”向上委員会

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

最初に。

ネタバレありきで書かせてください。

久しぶりの仮面ライダー、スーパー戦隊2本立ての夏映画となった『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』と『暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』。

これまでの2本立て夏映画と同様に、スーパー戦隊約30分、ライダー約1時間の構成だったんですが、最初に上映される「ドンブラザーズ」がとにかく30分フルスロットル飛ばしまくりですごすぎました。

映画の撮影という設定でタロウとはるかが青春恋愛作品の役を演じるんですが、二人の演技がぶっ飛びすぎてて笑いが堪えきれません。

とにかくブレずにしつこくやる。

正直、セリフなんてあってないようなもんで、ところどころ何言ってるか聞き取れないなんてことも多々あったんですが、そんなことはもうどうでもいいんです。

あの喋り方をもっと聞きたいという、謎の中毒になってしまいました。

走るシーンももう最高。

映画だからなんでもあり。

ドンブラメンバーがとっかえひっかえ現れては、はるかを口説いていくのも面白い。

介人のシーンでは「ゼンカイジャー」のメンバーも映り、さらに興奮度アップ。

そしてなんと言ってもこの映画の一番の見どころは、ここまでずっと封印してきた「名乗り」をなんと初披露したこと。

テレビ本編で出さずに、まさかここで出すとは!!

「ヒーローなら名乗ってみろ」と言われたドンモモタロウの「いいんだな?本当にいいんだな?」というセリフのシーンで、見てるこっちの気持ちは「嘘だろ?ここでいくのか?本当にいくのか?」と思いながらも期待感は青天井。

まるで「全力!脱力タイムズ」でコンビが揃ったときのアンタッチャブル・柴田さんのよう。

なぜか腹をくくり、名乗りに備えるや否や、ついに見ることができたドンブラザーズの名乗り。

心の声では「よっ!待ってました」と叫びました。

スーパー戦隊の名乗りは歌舞伎の白浪五人男がルーツとされていますが、きっと江戸時代の人達もこんな気持ちで「よっ!待ってました!」を言っていたに違いありません。

そこからの戦隊名乗り。

オープニングで毎週見てるはずなのに超新鮮。

許されるなら拍手したかった。

「ゼンカイジャー」では毎回違う手の込んだ名乗りにワクワクしてましたが、名乗りを見せないことでワクワクさせるドンブラザーズ、天才。

ねぶた仕様のドンオニタイジンの上に揃ったドンブラザーズは、それはそれは美しかった。

例年のスーパー戦隊夏映画では、夏映画オリジナルのロボが出てくるところで興奮してる部分もあったんですが、ドンブラは巨大戦なし。

潔い。

むしろ全然いらない。

こんな素敵な名乗りの後に、もし巨大戦があったとしてもきっと霞んでたことでしょう。

夢オチからの総ブーイングの大オチもドンブラらしい。

こんなに笑ったスーパー戦隊映画、いや特撮映画はありません。

最高で完璧な30分でした。

–{トピック満載だった『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』}–

さぁ「新・初恋ヒーロー」の余韻が激しく残っている中、「バトルファミリア」が始まります。

切り替えられるか少し不安でしたが、そんなことは心配無用でした。

ケインコスギさん演じるアヅマが、赤石と同じくギフと契約した者と明かされたあたりから一気に引き込まれる。

この映画はもう、全編通してアクションがものすごい。

こんなハイレベルなアクションを見られるお子様たちは幸せすぎる。

僕にも息子と娘がいるんですが、まだ僕しか見に行ってないんで、一緒に行ったときに感想を聞くのが今から楽しみでなりません。

その中でも、一際輝くのはケインコスギさんのアクション。

蹴りの一つ一つが美しすぎる。

欲を言えば、もっともっとケインさんのアクションを見たかった。

映画仕様の袖なしの衣装に着替えた五十嵐三兄妹はとにかくかっこいいんですが、僕を虜にしたのは同じく袖なしの衣装を着て、ディアドロップのサングラスをかけたヒロミさん。

笑ってしまうほどかっこよくて、僕から見たらトップガンのトムクルーズに見えました。

僕もこの夏はノースリーブ着てサングラスかけたい。

そしてこの映画は、とにかくママさんが大活躍。

仮面ライダー五十嵐になるきっかけもママさん、アクション映画の王道、カーアクションでバスを操るのもママさん。

ママさんの悪魔、大きかったなぁ。

「ドンブラザーズ」に負けず劣らずの「バトルファミリア」だったんですが、ひとつ後悔が。

それは、この作品の前日譚であるTTFC作品の「Birth of Chimera」より先に、「バトルファミリア」を見てしまったこと。

別に見てなくても余裕で楽しめたんですが、見てからの方が、豆原一成さん演じる希望のバックボーンがよりわかって、さらに面白かったはず。

「Birth of Chimera」がすごいのは、仕上がりが映画に引けを取らない面白さで、ここでもケインコスギさんがキレキレのアクションを見せてくれます。

そして何がうれしいかって、「忍者戦隊カクレンジャー」のキャストさんが共演してるということ。

ケインコスギさんはカクレンジャーでニンジャブラック・ジライヤを演じられてたんですが、ニンジャレッド・サスケを演じた小川輝晃さん、そしてニンジャホワイト・鶴姫を演じた広瀬仁美さんも出演されていて、各々が絡むシーンは本当に最高です。

広瀬さんは豆原さん演じる希望のお母さんを演じているんですが、なんと夫役にはミスター平成ライダーであり、生きる伝説のスーツアクター・高岩成二さんが。

仮面ライダーのイメージが強い高岩さんですが、ニンジャレッドのスーツアクターもされてまして、ここでも忍者戦隊の共演が見られるわけです。

さらにさらに、高岩さん演じるお父さんを襲う相手が、高岩成二さんのご子息の高岩芯泰さん。

親子共演のアクションを「Birth of Chimera」で見ることができるんです。

あと驚いたのは希望の先輩、向井を演じる橋本祥平さんのアクション。

もともとアクションもやってはったのかなと調べてしまったほどのキレの良さ。

ちょっと待ってください、一体何個トピックスあるんですか。

ということで早々に、今度は息子たちを連れて2回目を見に行ってきます。

(文:篠宮暁)

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