<解説>「ミズ・マーベル」最終話:大団円で迎える感動のラスト!見事な決着と新たな始まり

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マーベル・スタジオが送るドラマシリーズの最新作「ミズ・マーベル」が2022年6月8日より配信された。

イスラム教徒のアメリカ人ティーンエージャーであり、アベンジャーズオタクでもある主人公・カマラを中心に繰り広げられる本作。マーベル作品の新機軸であり、今後のシリーズを支えるであろうニュー・ヒーローの誕生やいかに……。

本記事では、「ミズ・マーベル」最終話となる第6話の魅力をマーベル好きのライターが紐解いていく。

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マーベル愛に溢れる最終回

初回からMCU作品へのオマージュに溢れていた「ミズ・マーベル」
最終回では、過去作の影響を受けたと思われる状況設定が多かった。

例えばミズ・マーベルがビル郡の間を飛び回っていく姿や、ブルーノとカムランが逃げ込む路地裏は、スパイダーマンシリーズを彷彿とさせる。

また、地下鉄車内でカムランの能力が発生してしまう場面も『アメイジング・スパイダーマン』の序盤にそっくりである。

「普通の高校生がスーパーヒーローになる」という導入からも共通点が多い本作では、スパイダーマンシリーズが参考になっているのだろう。

それ以外にも、過去作を彷彿とさせられる場面は多数。

能力を覚醒させたカムランに特別車が攻撃するシーンは『インクレディブル・ハルク』、後半の作戦会議は『アベンジャーズ/エンドゲームなど、シリーズを追っている人であれば、懐かしく感じる部分も多いだろう。

また過去作との比較という点では、“人命救助”という要素にフォーカスしているのも本作の見所。

最新作『ソー:ラブ&サンダー』が象徴するように、近年のマーベル作品では、次第にスケールが大きくなっている。

そのため、ヒーローたちは自身の弱さや宇宙規模の悪役に立ち向かい、人命救助という要素は蔑ろにされがちな傾向があった。

本作では、等身大ヒーロー「ミズ・マーベル」だからこそ描けた人命救助の場面があり、そこに感動させられた。

学園ラブストーリーとして

「ミズ・マーベル」第1話

本作では、シリーズ序盤から学園ものとしての面白さと、カマラとカムランとブルーノ、3人の三角関係が魅力のひとつだった。

今回は、危機に瀕したカマラとカムランを逃がすために、ブルーノが自ら身代わりとなり、取り抑えられる場面が登場。その健気さには、涙腺を刺激された。

また学園ものという点では、シリーズ序盤で対立していた学園の人気者とカマラが共闘する展開もアツかった。

本作のテーマには「協調」という要素も感じられるため、その点も含めて、意義のある展開のように思った。

力を合わせる物語

シリーズ初回では、自身の想像の世界にのめり込んでいた主人公が、最終回では周囲の人々と力を合わせていくという展開も良かった。

母から受け取った衣装を身にまとい、街の人々を救うヒーローとして、戦うカマラ。

特に、過去に登場したキャラクターたちが総結集し、力を合わせていくクライマックスには感慨深いものがあった。

またこの要素は、第1話と最終回に登場した「作戦会議」の場面を比較すると、より、明白だろう。

第1話では現実離れした計画をたて、散々な結果に終わったカマラのプラン。
しかし最終回では、仲間たちの意見を取り込み、力を合わせることで見事に成功に終わるのだ。

パキスタン系ヒロインの物語として

MCU作品は、911以降のアメリカを背景にした『アイアンマン』の大ヒットからスタートした。

本作では、主人公を襲うテロ組織「テン・リングス」が登場。
明白には言及されていないが、このヴィジュアルはイスラーム過激派を想起させるものであった。

当時のハリウッド映画では、悪役としてこのようなイメージで描かれる人物も多かった。

しかし本作では、そんな描写を塗り替えるようにパキスタン系ヒロイン・カマラの物語が描かれた。

とりわけ最終回では、ムスリムコミュニティの長老であるシャイア・アブドラアブドラのセリフが印象的だった。

「誰かに敵とみなされても相手が敵とは限らん」

ここに敵対ではなく協調を求める本作の真髄が込められているようにも感じた。

MCU版X-MENのオリジン

最終回では、カマラの親友・ブルーノの口から衝撃の発言が飛び出した。

カマラの遺伝子には突然変異が起きているというのだ。

実は、この場面ではマーベルファンなら分かるマニアックなヒントが隠されている。

彼の発言のタイミングで流れる印象的なスコアが、X-MENシリーズのテーマソングになっているのだ。以前からファンの間では、超能力を持った生命体・インヒューマンズの1人ではと噂されていたカマラ。

シリーズ終盤では、彼女の血統がクランデスティンを継いでいることが明かされていたが、今回の発言で彼女がミュータントであることが示唆されたのである。

MCU作品では『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で、とあるX-MENの人気キャラクターが復帰。

徐々にX-MENの合流が期待されており、「ミズ・マーベル」の続編となる『The Marvels(原題)』に登場するモニカ・ランボーにもミュータント説が浮上している。

そのため、『The Marvels(原題)』では、X-MENシリーズが重要な鍵を握る作品になるのかもしれない。


シリーズ作品としての小ネタをふんだんに盛り込みつつも、単独作品としての完成度も高かった「ミズ・マーベル」。

衝撃のラストを経て、果たして、彼女に何が待ち受けているのか。

個人的には今後のシリーズで、親友・ブルーノの再登場も強く期待したくなるマーベルドラマの傑作だった。

(文:TETSU)

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–{「ミズ・マーベル」第6話ストーリー}–

「ミズ・マーベル」第6話ストーリー

ダメージコントロール局に追われるカムランと彼を手助けするブルーノ。

モスクの人々や友人の力を借り、何とか逃げ延びた彼らはカムランが出国するまでの時間稼ぎとして、最後の作戦を実行することになる。

高校に立てこもり、カマラ、ナキアといった同級生たちと共にダメージコントロール局を食い止めることに成功する彼ら。

しかし、母・ナジマの死を知ったカムランは、力を暴走させ、周囲をパニックに陥れてしまう。

カマラの尽力で何とか思いとどまったカムランは、無事、出国に成功。

カマラは家族にも正体を明かし、ついに、新ヒーロー・ミズ・マーベルとしての活動を始めた。

1週間後、新たな門出にカマラ・ブルーノ・ナキアの3人が集まった。
そこでカマラは、ブルーノに彼女の遺伝子は”突然変異”を起こしていたことを明かされる……。

時は変わり、自宅でくつろいでいるカマラ。
彼女の腕輪が紫色に光った途端、その姿は消え、入れ替わるようにキャプテン・マーベルが現れた。
果たして、これは一体。

「ミズ・マーベル」作品情報


作品概要

もしも憧れのヒーローのようなパワーを手に入れたら…?

キャプテン・マーベルに憧れを抱くカマラ・カーンは、アベンジャーズオタクの高校生。
学校や家庭では自分の居場所が見つからず、「スーパーパワーさえあれば…」と妄想の世界に浸っている。

しかしある日突然、強大な力を手に入れ、妄想したことが現実に!
ヒーローの力さえあれば全てが理想通りになるはず、と思っていたカマラだが、力をコントロールできず次々と問題が起こってしまう。

なぜ、カマラは強大な力を得たのか?
カマラの力に隠された謎は、生活を一変させ、やがて世界をも変えていくことになる。
ヒーローである前にごく普通の高校生であるカマラが、家庭や学校、社会で様々な問題に直面し、力に伴う責任に悩みながらもMCUの世界を今後大きく変えるヒーロー、 “ミズ・マーベル”として目覚めていく。

予告編

出演
イマン・ヴェラ―ニ(カマラ・カーン/ミズ・マーベル)、マット・リンツ(ブルーノ・カレッリ)、リッシュ・シャー(カムラン)

毎週水曜日16時 ディズニープラスにて独占配信中

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