『トップガン マーヴェリック』が近年稀にみる、いや全ての映画の中でもでもトップクラスの大絶賛の嵐となっている。
2022年6月1日時点でIMDbでは8.7点、Rotten Tomatoesでは批評家支持率96%、Filmarksでは4.6点、映画.comでは4.6点、coco映画レビューでは98%などなど、各映画レビューサイトで軒並み超高評価で他の追随を許さない。
これは2022年にすぐ公開され大絶賛された『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』をも超えるスコアであり、間違いなく『トップガン マーヴェリック』は映画の歴史を塗り替えた大傑作だと評されているのだ。
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前置き1:史上最高の「続編映画」に
本作は1986年の『トップガン』の36年ぶりとなる続編。そちらを観ていなくても最低限の情報はわかるので楽しめるが、可能であれば先に観ておいて、思い入れができてから劇場に運ぶことをお勧めする。なぜなら、「続編映画」としてもほぼ完璧なものを見届けることができたからだ。
続編映画の中には、「良くも悪くも予想を裏切るサプライズ」や「こうでもしないと物語を続けられない大人の事情」を感じてしまうものもある。だが、『トップガン マーヴェリック』は「期待に応えた上で意義のある物語にする」という点で、もう文句のつけようがない内容になっていた。
主演および製作も務めたトム・クルーズは、コロナ禍で数多くの映画が配信オンリーや劇場との同時展開がされている中でも、頑なに本作の映画館のみでの上映にこだわった。ほぼ2年の延期を経てやっとの劇場公開となり、スクリーンで見届ける意義がこれでもかとある、極限まで高まったハードルを超えてくる作品の完成度に、改めて感嘆せざるを得ない。
もちろん大ヒットスタートを切っており、アメリカではトム・クルーズ出演作史上歴代No.1オープニング記録を樹立、日本でも初日からわずか3日間で興行収入は11億5000万円を超えた。この先、口コミ効果でさらなる特大ヒットも見込めるだろう。
前置き2:4DXにプラスもできる「ScreenX」上映も超オススメ
本作が大絶賛されていることがもう1つある。それは、座席の移動や劇場内のフラッシュなど、さまざまなアトラクション的な演出が楽しめる「4DX」だ。
筆者個人としても過去最高クラスの4DX、いや4DXは『トップガン マーヴェリック』のためにあったと言っても過言ではないほどに相性抜群であり、後述する理由で4DXの演出そのものに感動して涙した。
なお、アトラクション的な上映形態には「MX4D」と「4DX」の2つがあるが、基本的には4DXのほうがオススメだ。なぜなら後者にしかない演出に「雨」「雪」「しゃぼん玉」があり、『トップガン マーヴェリック』ではこのうち雨と雪が実に効果的に使われていたのだから(※一部の劇場では雪の演出がないところもあるようなのでご注意を)。
さらに、4DXを実施している劇場のごく一部でプラスされている「熱風」の演出も絶賛を浴びているようだ。筆者は場所の関係で断念したが、熱風演出アリの4DX実施劇場については、以下の記事も参考にしてほしい。
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さらにさらに、本作は3画面に広がる「ScreenX」上映も一部劇場で実施されている。筆者はこちらも別に試写で体験していたのだが、これが左右がワイドに広がるため空中戦の迫力マシマシ、「ちょうど劇場がコックピットになる」擬似体験ができ、こちらも相性がすこぶる良かった。
さらにさらにさらに、グランドシネマサンシャイン池袋、109シネマズ グランベリーパーク、シネマサンシャインららぽーと沼津、アースシネマズ姫路では、そのScreenXと4DXが合体した「4DX SCREEN」上映も実施されており、こちらももちろんSNSで大絶賛の嵐。もう一生ものの映画体験ができるのではないだろうか。
前置き3:吹き替え版も最高OF最高
そして、吹き替え版が“最高 OF 最高”の配役とクオリティーである。トム・クルーズの吹き替えと言えば、やはり森川智之のイケメンボイス。その熱演もまた史上最高クラスであり、しかも脇を固める声優陣も完璧で、最高の声優陣の掛け合いで耳が幸せで泣きそうになった。
本作は矢継ぎ早で交信をする場面が多く、吹き替え版のほうが字幕版より多くの情報を拾いやすくなっているとも言える。4DXでは多くの場合吹き替え版となるので、その点でもオススメしたいのだ。
とにかく、細かいことはいいから、『トップガン マーヴェリック』を4DXで観てくれ。6月3日より『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』、6月10日より『シン・ウルトラマン』、6月25日(通常上映は6月11日)より『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』と、強力なライバル作品の4DX上映がすぐにスタートとなるので、『トップガン マーヴェリック』の4DX上映はすぐに回数が少なくなってしまうだろう。だから、早く観てください。
前置きが長くなってしまったが、ここからは『トップガン マーヴェリック』の4DXがなぜ最高なのか?について具体的な理由を記していこう。何も知らないまま4DXに感動したい方は、もう、いいから、とにかく観に行ってください、お願いします。
–{ド迫力の空中戦を疑似体験、しかも、それだけじゃない。}–
理由1:“G”の体験ができる
筆者はこれまで、4DXでもっとも相性がいいのはカーチェイスだと思っていた。だが違った。『トップガン マーヴェリック』の戦闘機に乗る疑似体験こそ、4DXと最高のシンクロを見せていたのだ。本物の戦闘機にトム・クルーズはもちろん、他キャストもガチで乗り込んで、空を飛んで撮影して作り上げたからこその、リアリティと感動もある。
序盤から、戦闘機がマッハ10に迫る超スピードで飛ぶシーンがある。この時、座席の傾きと、徐々に大きくなる振動をもって徐々にG(重力加速度)がかかる様をも疑似体験させてくれるのだ。
もちろん冷静に考えれば、座席がただ傾いたり振動するだけで、音速を超える超ハイスピード、ましてや体が圧迫されるGの感覚を得るわけがない。だが、実際に劇中のトム・クルーズと同様に本当にそういう感覚になったんだからもうしょうがない。この「不思議」も含めて、ぜひ体験してほしいのだ。
理由2:離陸、着陸の疑似体験も
4DXには「風」の演出もある。これを持ってして、超スピードでカッ飛ぶ戦闘機に乗っている感覚だけでなく、離陸の瞬間、近くで戦闘機を見ていた立場で、戦闘機が飛び立つ瞬間に突風が吹き抜ける様も疑似体験させてくれるのだ。
さらに、着陸の瞬間までも、ある演出を持ってして疑似体感をさせてくれる。どのような演出かは、ここでは内緒にしておこう。きっと、前後のシーンの素晴らしさも相まって、高揚感と多幸感でいっぱいになれるだろう。
理由3:映画史上最高の空中戦で演出が最高潮に……!
ここまで書いてきたことは、ほんの序の口にすぎない。『トップガン マーヴェリック』という映画および、本作の4DX上映の最大の魅力は、空中戦の迫力に他ならないからだ。ここで4DXが持てる力を全て発揮し、ただでさえ映画史上最高の空中戦を、さらに最高潮にさせてくれる。
戦闘機が左右に激しくロールする様はもちろん座席の移動で、ミサイルがすぐ横を通り過ぎる時は空気がプシュッと吹き付ける「エアー」の演出で、ミサイルが爆発した時には劇場内のフラッシュで、他にもあんなことも、こんなことも、ええ?そんなことも?というくらい、4DXの演出は最高級のおもてなしをしてくれるので、ああっ……ああっ……こんなに素敵なことがいくつも起きて……いいんでしょうか……という気持ちになった。そりゃあ泣くに決まっているではないか!
結論とおまけ
最初に掲げた通り、もう映画史上No.1レベルの大絶賛の嵐になっているし、空中戦の迫力も映画史上最高だし、4DXで観ればさらに泣けるんだから、もう観てよと何回でも訴えたい。
ちなみに、4DXの演出は戦闘機に乗った時だけでなく、バーでみんなが集まっている日常的なシーンにもあったので、良い意味でちょっと笑ってしまった。これもどんな演出かは、実際に体験して驚いてほしいので伏せておこう。前述した通り、雪の演出も効果的に使われていたし、雨の演出も「なるほど、そこで使うのか!」というアイデアそのものに感心した。
この『トップガン マーヴェリック』を作り上げたトム・クルーズおよびスタッフとキャスト、そして4DXの演出の担当者に最大級の敬意を捧げたい。
結論:観て。特に4DXで。あとScreenXもいいぞ。
(文:ヒナタカ)
–{『トップガン マーヴェリック』作品情報}–
『トップガン マーヴェリック』作品情報
【あらすじ】
アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリックが教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが……。
【予告編】
【基本情報】
キャスト:/トム・クルーズ/マイルズ・テラー/ジェニファー・コネリー/ジョン・ハム/グレン・パウエル/ルイス・プルマン/チャールズ・パーネル/バシール・サラディンほか
監督:ジョセフ・コジンスキー
製作国:アメリカ