<持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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上野樹里主演のドラマ「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」が2022年4月19日にスタートした。

本作は、上野演じるヨガインストラクターと松重豊演じる妻に先立たれた父がともに婚活にチャレンジするオリジナルラブストーリー。「ダメな私に恋してください」「初めて恋をした日に読む話」などを手掛けてきた吉澤智子が脚本を担当する。共演は田中圭、磯村勇斗、井川遥ら。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー

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ヨガインストラクターとして働く沢田杏花(上野樹里)は辞書編纂者の父・林太郎(松重豊)と2人暮らし。2年前に母が亡くなり、日常生活能力がゼロで生活が荒れ果てた父を見かねて実家へ戻った。
ヨガの生徒の前では心身ともに穏やかな暮らしを送っているよう取り繕っている杏花だが、実際の私生活は真逆。父・林太郎は散乱した部屋でスマホを探す杏花を見て、果たして娘は結婚できるのかと心配でならない。しかしヨガインストラクターとして独立したいという目標がある杏花は、恋人は欲しいが結婚願望は薄い。それどころか、父のお世話をする毎日に「結婚ってなに?」と疑問はつのるばかり。
そんなある日、杏花は独立のノウハウを学ぶために起業セミナーを受講し、そこで出会った東村晴太(田中圭)と意気投合する。後日二人で食事に行き、杏花は「結婚を前提にせず、お付き合いしてもらえませんか?」と、提案をするも、晴太からシングルファーザーだと告げられ、「友達になりませんか?」と提案されてしまう…。
そんな中、林太郎が妻の三回忌を機に遺品整理をしていると、妻が残した離婚届を発見。人生最大のショックを受けた父・林太郎は、杏花を巻き込んでの“父娘ダブル婚活”を思いつく。林太郎の勢いに押され、杏花はしぶしぶ親子で婚活パーティに出席するが、そこで思いもよらない人物に出会うことに――。
人生の再チャレンジに挑む父娘に波乱の恋が幕を開ける!

第1話のレビュー

2022年春ドラマ大本命候補・”じぞ恋”こと「持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜」がついにはじまった。あぁ、どれだけこの日を待ちわびたことか。

父と娘で婚活をするという異色な設定、よくある恋愛ドラマじゃない感。
CMで印象的だった「結婚を前提にせず、お付き合いしてもらえませんか?」というタイトルに反した台詞からにじみ出るこじらせ具合。
……期待値しか上がっていなかったが、無事その期待を越えてきた。

さすがは「ダメな私に恋してください」「あなたのことはそれほど」など数々のTBSドラマを手掛けてきた吉澤智子脚本作品、今回も我々視聴者を沼にハマらせる気だ。

ヒロイン・杏花(上野樹里):まっすぐな姿に超共感!

自身のヨガスタジオを持つことを目標とし、結婚に一切固執しない沢田杏花(上野樹里)。

上野樹里、「監察医 朝顔」以来、約3年ぶりとなるドラマ主演。
やはり「のだめカンタービレ」の印象が強い彼女だが、17年も前のことになると思うと時の流れは恐ろしい。

もう、杏花に共感できる部分が多くありすぎて、ところどころ自分を見ているような感覚に陥ってしまった。

良くも悪くも、自分の感情に素直すぎる杏花。
起業セミナーで出会いシンパシーを感じた東村晴太(田中圭)に、二度目ましてにして「私と、結婚を前提にせず、お付き合いしてもらえませんか」と赤裸々すぎるほどのド直球告白。
「私達、なかなか巡り会えない二人だと思うんです」と、直感を信じてお互いのメリット・デメリットを提示しながらまるでプレゼンかのように淡々と話す杏花の姿に、うんうん頷くしかなかった。ビジネスと恋愛はニアリーイコールですよね、わかります。

結婚したくないわけじゃない。ただただ普通に恋をして、普通に優しい人を好きになりたいだけ。
杏花、ドライに見えるようで、もしかすると誰よりもロマンチストなのかもしれない。

対して、親友の浅木鈴(清水くるみ)と大石理歩(水崎綾女)はアラサーあるあるな主張をぶつけてくる。

彼氏と同棲生活4年目の鈴は、なかなか結婚について切り出せずにいるが「結婚して元取らなきゃこの4年が余計にもったいないんです」と嘆く。
わかる、わかるけど、ねぇ、男なんて星の数ほどいるよ?ーーはい、そう思う派です。

絶賛婚活中な理歩は、脳天気な杏花に「30過ぎてなにぬるいこと言ってんの!今は女子が頑張んないと自然な流れで〜なんてないから」と辛辣なご意見。
いやぁ、ごもっとも。ーーでもやっぱり、自然に出会って恋に落ちたいんです。

父・林太郎(松重豊):亡き妻への愛の尊さに感服!

2年前に妻・陽子(八木亜希子)に先立たれてしまった辞書編纂者の父・林太郎(松重豊)。
白髪スタイルな松重豊、渋くて最高。林太郎の第二の人生、勝手ながら超応援します!!!

最愛の奥様が亡くなり、抜け殻のようになってしまっているのかと思いきや、日常生活に支障が出るほどの”日本語オタク”という趣味にどうやら救われているようだ。
カメラ片手に渋谷の街を歩き回り、流行りのトゥンカロンを意気揚々と購入する姿……林太郎への愛着は深まるばかり。

「陽子さんが死んだときに、陽子さんと一緒にいるときにしかいない自分も死んだんだ」
“その人と一緒にいるときの自分をどれだけ好きでいられるかどうか”、これによって恋愛の良し悪しが変わってくる。
林太郎がどれだけ陽子を愛していたのか、陽子がどれだけ林太郎のことを愛していたのかがよくわかる一言だ。

遺品整理の際に見つけてしまった陽子からの離婚届にショックを受けるも、第二の人生を歩み出すために婚活をはじめる林太郎。
あまりにも単純すぎて、歳上なのに母性本能をくすぐられるという謎現象が沸き起こってしまった。松重さん、勘弁してください。
あ、こういうまっすぐなところ、杏花とそっくり。なるほど、さすがは親子だ。

父と娘、それぞれの恋模様から目が離せない!

出会いは突然。神様は意地悪なことに、タイミングは重なるもの。
杏花の目の前に現れた、企業セミナーで知り合ったバツイチのシングルファーザー・晴太(田中圭)と、父に付き添った婚活パーティーで18年ぶりに再会した幼馴染・(磯村勇斗)。どちらかが当て馬になるのも時間の問題だろう。
田中圭らしさ満点な役柄に図らずもキュン死だし、人懐っこい年下キャラ全開な磯村勇斗もたまらない。
贅沢すぎる三角関係、見ているだけでお腹いっぱいになりそうだ。

第二の人生を歩みはじめた林太郎にもさっそく恋の予感。
婚活パーティーで司書と名乗るも実は整形外科医だった日向明里(井川遥)に一目惚れ?林太郎みたいなイケオジ、私だったらむしろ付き合いたい。

父と娘の波乱の恋、一ミリたりとも見逃せない。二人で紡ぎ出す結婚行進曲、完成が楽しみだ。

※この記事は「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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父娘ダブル婚活がスタートした杏花(上野樹里)と、林太郎(松重豊)。
結婚相談所から、林太郎にもう一度会いたいという女性がいるとメールが届き、林太郎は「ふたりで入会しよう」と言い出す。杏花はそんな父に「結婚したくない」とは言い出せず、渋々入会するはめに。
そこで晴太(田中圭)と再会するが、「颯(磯村勇斗)に連絡先を教えて良いか」と聞かれ、淋しい気持ちを隠せない杏花は、つい“お見合いAI”が選ぶ相手と会うことを決めてしまう。そしてAIでマッチングした語学堪能でハイスペックな男性・瀬川(じろう)とお見合いすることに。
一方の颯は杏花のヨガレッスンを受けに来るなど積極的なアプローチを開始。林太郎は思いがけない場所で明里(井川遥)と再会し…父娘の波乱の恋が動き出す。
そんな中、杏花は瀬川を巡り、予想外のトラブルに巻き込まれてしまう…。

第2話のレビュー

“婚活”と言われると少し時代遅れなような気もするが、”父娘ダブル婚活”と言われると非常に先進的で新鮮に感じてしまうのはなぜだろう。

父・林太郎(松重豊)に連れられ婚活パーティーに参加した杏花(上野樹里)。
このパーティー会場で、杏花が密かに思いをよせるシングルファザーの晴太(田中圭)とエンカウントするだけでなく、幼馴染の(磯村勇斗)と18年ぶりの再会を果たすことになる。

すっかり大人になった二人だが、どうやら颯は杏花への恋心が色褪せていない模様。
杏花のヨガレッスンを受けに来たり、ご飯に誘うなど積極的なアプローチを開始する。
「俺とは禁断の好きなもの食べに行こ?」にはやられた。完全にやられた。

杏花に想いを寄せるのは颯だけではない。
結婚相談所の”お見合いAI”でマッチングした語学堪能でハイスペックな男性・瀬川(シソンヌ じろう)から、とんでもない飛び火を受けることになる。ダムとヨガの共通点には笑ってしまった。

颯と手をつないでいるところを目撃し、「普通友達と手つなぎます?」「本当はこの人サクラなんじゃないですか?」と怒り狂う瀬川。
加えて、2年で58人に振られたという瀬川は「なんで僕じゃダメなんだよ」と嘆きはじめる。

「条件は人並み以上。服装にだって気をつけてる。僕はそんなに市場価値が低いのか?相手のランクだって下げてる。」

……もう…そういうとこやぞの一言……。
婚活市場に転がってる優秀人材は、取り返しのつかない歪みを抱えてしまっているから厄介だ。
と思いつつも、瀬川の哀れな姿を見て胸がギュッと苦しくなってしまった。みんなただただ、幸せになりたいだけなのに。

当の杏花は、想いの矛先は100%晴太に向いている。
人生のパートナーとして晴太を求めるも夢破れた杏花と、「友達になりませんか」と申し出てしまった晴太は、事あるごとに“友達”と声に出して確かめ合う。
うーん、もどかしい。もう、押し倒しちゃえばいいのに! と思うも、杏花がそんなタイプではないことは視聴者が一番わかってる。

一方、腰を痛めた林太郎は、婚活パーティーで一目惚れした明里(井川遥)と医者と患者という立場で再会。
自身の整形外科医を開業した明里は、正直一人で生きていくことはイージーモードだ。だからこそ今なら、”好き”というピュアな気持ちだけで結婚できるのではないかと考える。

そう。そうなんですよ。結婚って、本来はそういうもんなんですよね。

「結婚って、しようと思ってするものなんですかね」
「その人に必要な時期に必要な出会いがあるって奇跡を信じてみたいなって」

結婚という過程の本意に気付かされる名言たち。今週のじぞ恋MVPは明里に送りたい。

林太郎がよく話す”相性”の話についても、深く共感してしまった。
好きなタイプにおいて、”価値観が合う人”とか”趣味が同じ人”とかよく言うけど、相性がいいからうまくいく、とは限らない。
実際、林太郎と亡くなった妻・陽子(八木亜希子)も、趣味もなにもかもまるで合わなかったらしい。
価値観が合う人がいいとは思うけど、実際に好きになる人は価値観が全然違う人だったりする。違いを受け入れられる人こそが、人生を添い遂げられる相手なのかもしれない。

さて、一つ気になるのは、晴太の不審な動きだ。
息子・虹朗(鈴木楽)が寝静まった夜、安奈という女から「今度の休み、お泊りOK」というメッセージが。
そういえば、「近くに実家があるとお子さん預けやすくていいですよね」という杏花からの言葉にどこか曇った表情をしていた晴太。なるほど、繋がってきた。

レッスンの帰り道、バス車内から晴太を見かけた杏花は、会いたい気持ちの一心で晴太の元へ向かう。
……これは、嫌な予感がするぞ……と思いきや、案の定杏花の目の前に現れたのは例の女・安奈(瀧内公美)。まだ何者かわからない状況だが、この謎な女ポジションを瀧内公美が演じること、見事なキャスティングに拍手したい。

安奈は、晴太の恋人なの?いやいや「息子第一」と公言している晴太に恋人がいるだなんて。恋人と匂わせておいて、姉か妹?もしくは……元奥さんだったりして?

杏花が晴太に送りかけた「友達、しんどいです。」の一言に、感情は大爆発。
その一文を送ることができたら、なにかが変わるかもしれないのに。

”サム”から一歩踏み出すには、”サム”になる以上の勇気と覚悟が必要だ。

ーーサム【some】
英語の”something”に由来する造語で、付き合う前の互いに相手が気になっている段階の事を言う。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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晴太(田中圭)が“ある女性”(瀧内公美)と親しげに歩いていたのを目撃した杏花(上野樹里)は、その様子にショックを受けてしまう。家事もどこか上の空となり、仕事にも集中できない。
そんな中、仕事から帰宅すると、自宅のキッチンには颯(磯村勇斗)の姿が。街中でバッタリ再会し、颯の部屋が漏水で大変だと聞いた林太郎(松重豊)は、杏花が言っていた好きな人とは颯のことだと勝手に勘違いし、自宅に住まわせることを決めてしまう。こうして突然始まることになった同居生活。
そんな中、杏花は晴太と再会するも一緒にいた女性のことを中々聞き出せずにいた。一方で颯が杏花の家に同居することになったと知った晴太は颯の引っ越しを手伝うと言い出し…
一方の林太郎は通院で明里(井川遥)のクリニックを訪れた際、明里がお見合いをすると知り、密かにショックを受ける。
杏花、晴太そして颯のいじらしい三角関係がついに動き出す…!

第3話のレビュー

晴太(田中圭)と親しげに歩いていた謎な女性・安奈(瀧内公美)。
彼女の正体は、晴太の元奥さんだった。

ここで、先週のレビューを振り返っておこう。

安奈は、晴太の恋人なの?いやいや「息子第一」と公言している晴太に恋人がいるだなんて。恋人と匂わせておいて、姉か妹?もしくは……元奥さんだったりして?

著者の予想は的中。視聴者のみなさん、いかがでしたか?

なにもかも、晴太より一枚上手な安奈。
安奈の「だって前はゴミは自動的に消えると思ってたでしょ」という台詞には痺れた。
家事に仕事に育児に、器用に両立しているように見える晴太にも、苦い過去があったのだ。

しかし、息子・虹朗(鈴木楽)のためを思って同じマンションの別部屋に住んでいるとは、新しい夫婦、いや親子の在り方かもしれない。

晴太に思いを寄せる杏花(上野樹里)の元に、またもや予期せぬ出来事が訪れる。
杏花に思いを寄せる(磯村勇斗)と、突如のごとく同居生活がスタートしたのだ。

杏花の好きな人を颯だと勘違いしている林太郎(松重豊)は、部屋が漏水してしまったという颯をよかれと思い自宅に住まわせることを決めてしまった、という訳だ。

自ら進んで掃除をしたり料理を振る舞ったりと、ここぞとばかりに杏花にアピールする颯。誰がどう見ても愛おしい。

颯の同居をキッカケに、晴太の杏花への思いは加速。
恋って、なにか障害がある方が燃え盛るものなのだ。

「不破さんと、お付き合いされているのですか?」
事実を知り安堵の表情を浮かべる晴太、「こんな田中圭を見たかった!」な田中圭らしさが満点すぎて愛おしい。

一方、明里(井川遥)に思いを寄せる林太郎は、明里のお見合い話に軽くショックを受けながらも”聞き上手になるためのさしすせそ”を活用しながら明里の背中を着実に後押しする。

突然の明里からの電話に、ギックリ腰の痛みをもふっとばして明里の元へと向かう林太郎、あまりにもお茶目で愛おしい。
「そうですか」の同調だけでなく、「そうで…しょうか」と意見した林太郎に拍手を送りたい。

「大事なのは、心に誰が住んでいるかということではないでしょうか」

林太郎、さすがは長年辞書の編纂という仕事をされているだけあって、言葉の選び方が非常に秀逸で好き。

さて、第3話で注目したいのは、“泥棒”というキーワード。

人の時間を奪うという意味で使われた”泥棒”ーー時間泥棒。
人の心を奪うという意味で使われた“泥棒”ーー恋泥棒。

好きな人に好きな人がいることがわかっている場合、好きな人を振り向かせることはある種”泥棒”になってしまうのかもしれない。

だがしかし、恋愛においての泥棒は上等。やったもん勝ちだ。

本格的に始動しはじめた杏花、晴太、颯のいじらしくもむず痒い三角関係。そして、ますます気になる林太郎と明里の関係性の変化。

今後どのようにして二つの恋模様がこじれていくのか、見どころは深まるばかりだ。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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颯(磯村勇斗)との同居生活にも慣れたある日、杏花(上野樹里)はヴァネッサ(柚希礼音)から新しいヨガスタジオのマネージメントを任せたいとオファーされる。マネージメントならある程度は自分の理想のスタジオが作れる上、プライベートも大切にできてシングルファーザーである晴太(田中圭)との関係も考えられるかもしれないと…杏花の中に迷いが生まれていた。一方。明里(井川遥)のクリニックを訪れた林太郎(松重豊)は、明里から思いがけない誘いを受ける。
そんな中、独立を目指す杏花のモデルケースになればと、晴太の誘いでパーソナルジムを営む先輩女性起業家・足立瞳(MEGUMI)を訪ねる2人。しかしそこは「胸キュンプログラム」を行う “カップルジム”だった。起業の話も聞けて一緒に運動をして距離が縮まるが、「がんばって独立の夢を叶えて欲しい」という晴太とケンカになってしまう…
一方、颯にはある女性から不在着信がー
すれ違う杏花と晴太…そして颯、それぞれの恋・悩みの行方は…。

第4話のレビュー

杏花(上野樹里)と(磯村勇斗)の同居生活は、傍から見れば結婚3年目の夫婦並みに朗らかな光景だ。

颯、彼氏としてはもちろんのこと、夫としても優秀すぎる。
食事を作るだけでなく食べるタイミングの気遣いまでバッチリ、肩のマッサージもしてくれる上、「今日も頑張ったね」の一言はずるい。

自分のスタジオを持つことが第一優先な杏花にとって結婚している暇はないと言い張るも、颯のナチュラルなアタックには目を見張るものがある。
「杏花ちゃんを助けてくれる人と結婚すればいいじゃん」「そんな男の人なかなかいないよ」「いるよここに」……なにこのキュンが炸裂する会話!
颯の行動や言動に一切動じない様子の杏花、やはり颯のことは幼馴染としか見れないのだろうか。

そんな颯に、毎晩のように誰かから着信が。
誰がどう見てもモテること間違いなしな颯、電話の相手はどこぞの女と思い込む杏花と林太郎だったが、本当は颯の母親からだった。

あまり家庭環境が好ましくなかった颯。
颯が高校の頃に出ていったきり全然会っていなかったのに、日本に戻って一回会ってからしつこく連絡してくる母親。

「近付いたら、きっと言わなくていいこと言って喧嘩になっちゃうし、めんどくさい」

思い悩む颯に、ヨガのレッスンを通じて言葉を届ける杏花。

「心を守るために使っている筋肉も緩めて、ただ自分を感じましょう」

自分に言い聞かせている部分もあるだろうが、自身の体験も踏まえた上での伝えたい思いを、ヨガでリラックスしている身体にベールを被せるように語りかける杏花。
ヨガの先生って、ただただトレーニングを教えるだけじゃないんだ。

このドラマ、台詞が本当に素晴らしい。
メッセージ性の強い言葉も、丸く優しく磨かれてふんわりと染み入ってくる。

杏花との心の距離を縮めるべく抱きしめようとするも、”肩に頭コツン”止まりになってしまう颯。
久々に再会したときには躊躇なく抱きしめていたのに、恋心が加速するほどに身体的な距離は遠くなってしまう。そんなもどかしさが痛いほどに伝わってくるワンシーンであった。

そんな杏花に、予想もしていなかった出来事が訪れる。
ヨガスタジオのオーナーであるヴァネッサ(柚希礼音)から、新しく展開予定のヨガスタジオでのマネージメントをやらないかとオファーされたのだ。
これならある程度は自分の理想のスタジオが作れる上、会社に残る方がプライベートを大切にできる。後回しにしていた”恋”・シングルファーザーである晴太(田中圭)との関係も考えられるかもしれない。

独立を目指すべくがむしゃらで走ってきた杏花だが、別の選択肢もあるということを思い知らされた瞬間だった。

そんな中、”両片思い”状態が続く杏花と晴太の関係性はまたもやこじれてしまう。
晴太の元顧客であるパーソナルジムを営む先輩女性起業家・足立瞳(MEGUMI)のもとに向かうも、ひょんなことから「胸キュンプログラム」たるものを受けさせられる二人。どうやらパーソナルジムからカップルジムに路線変更したようだ。

いつものヨガウェアとギャップのある杏花のスーツ姿にドキッとしたり、トレーニングにへこたれてヘロヘロになったり、晴太の反応がいちいちかわいすぎる。さすがは田中圭パワーだ。

運動しながら愛を育む、新しい形の”愛活”。これ、意外といいかもしれない。

杏花の独立に対する心情の変化を知った晴太は、少し戸惑っている様子。
大学も就職も部活の大会も、一番欲しいものを手に入れたことがないという晴太だからこそ、杏花の”独立したい”という夢を誰よりも応援したいのだろう。

「本当に自分のスタジオ、諦めるんですか?」「頑張ってください。頑張らなきゃダメです」
颯とは対照的な晴太に対して、思わず「誰のせいで悩んでると思ってるんですか?」と反論する杏花。そう、悩みの種は紛れもなく晴太なのだから。

一方、なんだかんだで一番気になってしまうのが林太郎と明里(井川遥)の関係性。

通院する林太郎に、骨フェチということを告白する明里。なんでも骨フェチということから整形外科医になったらしい。なんて神秘的で変態的なんだ……!

「沢田さんの骨格が好き」と告白する明里にときめいてしまう林太郎だが、残念ながら通院は今日で最後になってしまう。
不甲斐なさが残る林太郎に「よかったら、一緒にときどきウォーキングしませんか?」と声をかける明里。
林太郎の腰の健康のためと自身の婚活の相談のためにということで、後者に関しては複雑な心境の林太郎だが、定期的に会える約束ができただけでも大きな進歩だ。

それでもやはり、好きな人から恋愛に関する相談を聞くことは、なかなか精神が削られるもの。
だが、それ以上に得られるものは大きい。カメの肩甲骨について意気揚々と語る明里に思わず「キュンです」となってしまう林太郎。
林太郎が勤める三省堂での会議で、林太郎含む年配編纂者らが「きゅんきゅん」や「きゅんと」の違いについて語るシーンには思わず頬が緩んでしまった。

言葉が好きな辞書編纂者、骨が好きな整形外科医。生物学的に思考が似ている二人、これはもう相性ぴったりに他ならない。

林太郎と明里におなじく、起業セミナーが終わることから会う理由がなくなってしまう杏花と晴太。

雨降る帰り道、相合い傘で帰路につく二人。
喧嘩別れして以来でお互いに気まずい雰囲気もあったが、最後だからそうも言ってられない。

起業セミナー内で出されたお題・「私の大事なもの」を書き出すうちに、大事なコト・ヒトがわかってきた晴太は、起業することを諦めることにしたと告白する。
晴太の「私の大事なもの」リストの最後には、しっかりと”杏花さん”と綴られていた。

対して杏花は、やっぱり独立することに決めたと告白する。
「頑張れ」って言葉が悪いわけじゃない。”誰にどう言うかが大切”だということに気付いた杏花は、晴太に感謝を告げる。

「頑張れ」とお互いにエールを贈り合い、別れようとするも、名残惜しく他愛もない話を続けようとする晴太。

お互いに好きなのに、ここでお別れしてしまうの……?
視聴者一同切ない気持ちに苛まれる中、晴太がやってくれた。
いたたまれなくなった様子で杏花の元へ駆け寄り、そっと抱きしめる晴太。そして、晴太の目線の先には颯の姿が。

恋愛は、ライバルが現れることによりジェットコースターのように勢いづく。
これまで杏花への気持ちが見えるようで見えにくかった晴太が大胆な行動を起こしたということは、颯にとって確実に着火剤となることだろう。
次週以降、颯のさらなるアプローチに期待。ようやく心のブレーキが外れた晴太の行動の変化にも注目したい。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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起業セミナー最後の日、杏花(上野樹里)への想いを抑えきれず突然ハグをした晴太(田中圭)。ちょうど帰宅した颯(磯村勇斗)は2人が抱き合うところを目撃してしまう。結局何事もなく別れた二人…杏花は「もう会えないのかな」と晴太への想いを募らせていく。
そんな中、ヴァネッサ(柚希礼音)からTAMAGAWAサステナブルフェスの仕切りを任された杏花は、陽子(八木亜希子)の服をそのバザーで販売することに。「陽子もその方が喜ぶだろう」と、林太郎(松重豊)も亡くなった妻の服を手放す決心をする。訪れたフェス当日、お見合いが終わった林太郎はその足で会場へと向かう。しかしバザーに出す予定がなかった陽子のオレンジのスカーフが手違いでバザーに出品され、すでに買われてしまっていた…。このストールには実は、亡き妻・陽子の大切な想い出が詰まっており、ショックを受ける林太郎。杏花や颯、会場に来ていた明里(井川遥)が必死になってスカーフを探すが、果たして…。
そしてそんな父の姿を見て、「会いたい人に会える今」のかけがえのなさに突き動かされた杏花はある場所へと向かい…。

第5話のレビュー

杏花(上野樹里)を巡って、晴太(田中圭)と(磯村勇斗)、それぞれの想いが加速していく。

「この間のあれ、どういうつもりですか?」

杏花が抱きしめられる現場を目撃した颯は、じりじりと晴太に詰め寄る。

とっさに謝ってしまう晴太に、「謝るんだ……その程度の覚悟ならやめてください、ああいうの」と強気で立ち向かう颯。
息子・虹朗(鈴木楽)を通じた父親と先生という関係性から一点、すっかり恋のライバル関係となってしまった。

晴太はこのまま杏花に向けて急発進するかと思いきや「独立、うまくいくように祈ってます」と告げて立ち去った以後、残念ながらノーアクション。
晴太の性格上、やはり猪突猛進とはいかないか。

お互いの「私の大事なモノ」の最後に「晴太さん」「杏花さん」と記されているにもかかわらず、まったく愛くるしいほどにめんどくさい人たちだ。

第5話でもっとも驚くべきシーンは、林太郎(松重豊)の若かりし頃の姿だ。
何気に初めて林太郎と妻・陽子(八木亜希子)の回想シーンが登場。婚活に向けて若返るべく黒染めをしたと勘違いした視聴者は私だけではないはず。

本ドラマですっかり白髪が定着した松重さんだが、やはり黒髪もいい。イケオジを拝ませていただき、ありがとうございます。

……個人的感想は置いておいて、この二人の仲睦まじさがとてつもなく眩しいこと眩しいこと。まさに理想の夫婦だ。

林太郎が陽子を忘れることはこの先も訪れないが、第三者である明里(井川遥)に亡き妻への想いを打ち明けることで、徐々にひとり立ちしているように見て取れる。

婚活に再チャレンジすべく、明里に固執せず、他の方とのお見合いを決心する林太郎。
晴太から「相手の女性への条件はなにか」と問われ、「僕より長生きしてくれる人」と応えた林太郎には思わず涙してしまった。

そんなこともあってか、林太郎はヴァネッサ・ヨガスタジオが主催するサステナブルフェスで催されるバザーに、陽子の遺品の一つである洋服を出品することを決意する。
思い出は形として残っているといつまでもより引きずってしまうもの。林太郎や杏花たちを見守っている陽子だって「そんなのさっさと捨てちゃっていいのに」と呆れ果てているはずだ。

一方杏花は、サステナブルフェスに晴太を誘おうとするも、LINEの文章を打っては消し、打っては消しの繰り返し……「もう会えないのかな」と、晴太への想いを募らせるばかり。

結局連絡できないまま、サステナブルフェス当日。
杏花やMIKAKO先生(ゆりやんレトリィバァ)、健心先生(鈴木康介)、颯、明里、林太郎が同じ場所に集結したのは初めてではないか。ここに晴太がいれば、勢揃いだったのに。

各地でバザーやヨガレッスンが開かれる中、杏花とMIKAKO先生のヨガレッスンはやはり大人気。
MIKAKO先生のポジティブヨガも楽しそうでいいが、やはり杏花のヒーリング要素のある言葉が染み入るヨガレッスンは見ているだけでも心地よい。

一同お祭りムードの中、事件は起きる。
陽子の洋服をバザーに出すことを決意したものの、陽子との思い出が特に深いオレンジ色のストールだけはどうしても手放せなかった林太郎。
手元に残しておこうと思うも、なんと誤ってバザーに出品してしまい、すでに買い取られてしまったのだ。

購入者に見覚えがあり、陽子とのストールに関する思い出を聞いた明里を筆頭に、懸命に購入者を探しはじめる。
粘り強い捜索のおかげもあって、無事ストールは林太郎の手元へ。よかった。本当によかった。

そろそろ前を向かないといけないことはわかっているけど、これだけは手放せないーー情けなさを感じる林太郎に、明里が温かい言葉をかける。

「前ばっかり向いてたら疲れちゃいますよ。『つらい気持ちに蓋をせず、感じて、吐き出して、消化していきましょう』って、さっき杏花さんがレッスンで言ってました」

「私達、年をとった分、色んな思い出があって、そういうのみんな引きずって、でも時々振り返りながら歩いていけたら、それで十分じゃないですか?」

この二人、お互いに寄り添いつつも成長していける素敵なペアだ。
陽子も、天国から微笑ましく二人のことを見守っていることだろう。

婚活も独立もなんでもそうだが、未来のことを考えて行動していくことは重要だ。
だが、それに際して自身の気持ちを押し殺して生きていくことは別物。

そのことに気付いた林太郎は、「会いたいと思える人と会える今を、大切にしたい」という思いから、先日のお見合いはお断りすることにする。それだけでなく、婚活からもしばらく離脱することに。

「報われることのない思い出はありますが、それでも会いたいと思えるような……」

林太郎の言葉に、深く共感する晴太。
きっと頭の中は、杏花のことでいっぱいに違いない。

同じく、頭の中が晴太のことでいっぱいな杏花は、MIKAKO先生からかけられた「Live in the momentーー今を生きてる?」という言葉にハッとする。

思うがままに、以前晴太と訪れた思い出のバスに揺られてあの高台を訪れてみると、そこにはなんと晴太の姿が。

神様だって、意地悪ばかり仕掛けるわけじゃない。お互いに想いを断ち切れない杏花と晴太、考えることは一緒のようだ。

これまで晴太の前では強がってきた杏花だが、亡き母との思い出を吐露しながら涙を流す。
そして、「これからも会いたい」とようやく本心を伝える。

二人、向き合うも、「ひどい顔してるんで」と俯く杏花。

「その顔見る権利、僕にはある気がするんですけど」

晴太はそう言って、唇を重ねた。
田中圭、いや、晴太、ついにやってくれた。
両思いと知っていながら第5話にしてようやくありつけた二人のキスシーンを拝めることは、もはや尊い。

……悔し涙を流す林太郎に対して「そういうとこ見られるのが妻の特権だもんね」と優しく声をかける陽子の姿が、思わず頭をよぎった。

マッチングアプリで出会うことが当たり前になり「出会いがない」なんて言ってられないこの時代、行動することはいくらだってできる。
でも、その相手って、今本当に会いたい人なのだろうか。
本当は他に想いを寄せている人がいるのに、「関係性を壊したくない」「あの人に私は見合わない」「一度フラれたからもうこれ以上は」などの理由で、くすぶっていちゃもったいない。
会いたい人には、迷うことなく「会いたい」と伝えるべきだ。

「Live in the momentーー今を生きてる?」
後悔しないように精一杯”今”を生きながら、”じぞ恋”とともに人生の最適解を見つけていきたいと思った著者であった。

※この記事は「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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引き合うようにキスをした杏花(上野樹里)と晴太(田中圭)だったが、結局何事もなかったかのように別れてしまう。杏花は、「一体アレは何だったのか」とキスのことや晴太の言葉が頭の中を駆け巡り集中できない…
そんな中、毎年恒例のウィズキッズ・キャンプイベントが開催されることに。キャンプで好きな子に告白するつもりの虹朗(鈴木楽)は、颯(磯村勇斗)の好きな人が杏花だと知り、「颯先生の恋を応援する!」と意気込む。
一方、杏花は颯の知り合いが店長を務めるインド料理屋で休憩時間にヨガレッスンをさせてもらえることに。レッスンを終えて杏花がお店のカレーを食べていると、偶然晴太と虹朗と出くわし…颯の恋を応援したい虹朗は、杏花に「一緒にキャンプに行って欲しい」と提案する。
こうして迎えたキャンプ当日。仕事で来られないはずだった晴太も駆けつけ、三角関係は波乱の模様…
そんな中、お見合い相手とタクシーに乗っていた明里(井川遥)は、カーラジオから林太郎(松重豊)の声が聞こえてくることに気づく。日本語学者として語る林太郎の言葉が胸に刺さった明里は…

第6話のレビュー

惹かれ合うかのように唇を重ねた杏花(上野樹里)と晴太(田中圭)だったが、結局何事もなかったかのように帰路につくというオチ。なんならいつも以上によそよそしくなってる。そのまま勢いに任せてしまえばいいところを……まったく、世話が焼ける二人である。

晴太とのキスが忘れられず終始上の空な杏花は、(磯村勇斗)のいつものラフなハグをパンチせずに受け入れる。喜ぶ颯だが、杏花の真意に颯はいつ気付くのだろうか……颯、全くもって不憫である。

「ただ好きだから好きです、だけじゃダメなの大人は」

30過ぎたいい大人が、これ以上なにも起こらないなんて。
いや、いい大人だからこそ、その先の一歩が踏み出せない。これだから、大人の恋は厄介だ。

対して、子供の恋心は至極ピュアで真っ直ぐ。
毎年恒例のウィズキッズ・キャンプイベントで好きな子に告白をするつもりの虹朗(鈴木楽)は、颯の好きな人が杏花だと知り、「颯先生の恋を応援する!」と意気込む。
子供みたいに、無邪気に思いを伝えられたらいいのだけれど。

独立に向けて活動に勤しむ杏花は、颯から紹介してもらったインド料理屋の休憩時間にヨガレッスンを開くことになる。
飲食店でヨガとは……と思いきや、インドとヨガという偶然も相まって、雰囲気もお客さんのウケもバッチリだ。

レッスン終了後、カレーを食べる杏花は、ついついカレー好きな晴太のことを思い出してしまう。
好きな人の好きなものって、どうしてこうもすぐに思い出してしまうのだろうか。

そんなことを考えていると、晴太と虹朗が来店する。どうやら行きつけのようだ。
明らかに気まずそうな杏花と晴太に気付いた虹朗は、あえて「間接キス」のワードを出して二人を困らせる。虹朗、一枚上手だ。
だがしかし、颯の恋を応援したい虹朗は、杏花に「一緒にキャンプに行って欲しい」と提案。どこまでも虹朗には敵わない……。

悩む杏花に、虹朗のためにも来てほしいと声をかける颯。
男として見られていないという自覚がある颯は、キャンプで雰囲気を変えていこうと決意する。

こうして迎えたキャンプ当日。
ご成婚カップルと会食がありキャンプに参加できない晴太だが、「キャンプで距離が縮まった」という話を聞いた途端、いてもたってもいられなくなり仮病をつかって抜け出す。
これまたいい大人が……と思うも、ここはしょうがない。晴太を応援しよう。

意を決してキャンプ場に向かう晴太。
驚く杏花、複雑な心境の颯……波乱の三角関係が幕を開ける……!

キャンプで印象を変えなければと励む颯は、大胆な行動に出る。

「虹朗、俺と杏花ちゃんくっつけようとしてるんだよ」「え?なんでそんな勘違い?」「本当に勘違いだと思う?」
いつになく真剣な表情の颯。が、杏花には一ミリも響かない……!

その後、図らずも二人きりになってしまった杏花と晴太は、未だ気まずさは残るも晴太がその沈黙を破る。

「結婚を前提とせず、僕とお付き合いしてもらえませんか?」

聞き覚えのあるこの台詞。

「結婚から自由になったお付き合い、していただけませんか?」
「ただ好きっていうだけで付き合うのは、ダメですか?」

ついに、ようやく、一歩踏み出した晴太。……遅い!遅いよーーー!
でも、それでも、あの晴太が思いを告げられるほどに成長したと思うと感慨深い。

「他の人に手をつながれたくない」と独占欲むき出しの晴太、愛おしい。
「私も」と晴太の手を握る杏花。

一つテントの下、しっかりと手を握り合い、眠る。
そんなことを知る由もない颯は翌朝、テントから出てくる二人の姿を目撃してしまう。

いつも通りのフリをするも、杏花にとって家族になってしまったことに気付いた颯は、キャンプから帰宅した夜、食事を置いて出ていってしまった。

……さて、切ない感情に溺れてしまう前に、林太郎(松重豊)と明里(井川遥)の恋模様も振り返っておこう。

お見合い相手に違和感を感じてしまう明里は、悩みながらも「また会ってみればいいんですもんね」と前向きだ。でも、違和感を感じながら上手くいくことなんてあるのだろうか。

その点、林太郎と話す明里は非常に自然体。
目の前に運命の相手がいるってのに、どうして気付かないのか。神様が意地悪……なわけではなく、気付けない感情が”恋”でもある。

後日、例のお見合い相手と2回目のデートのためタクシーに乗っていた明里は、ラジオから林太郎の声が聞こえてくることに気付く。

「相手への敬意があって、呼ばれる方がそれで良しとするならば、奥さんでもパートナーでも。どんな言葉にも敬意がないと相手に失礼ですし、ふさわしいと他者が押し付けるのも傲慢かと」

相変わらず、林太郎から発される言葉の素敵なこと素敵なこと。
この一言を聞いて、お見合い相手への違和感が腑に落ちた明里。
このまま、林太郎の元へと気持ちが向いてほしいと願うばかりだ。

視聴者にとっても願ってもない杏花と晴太の恋の成就。
だけど、颯はどうなってしまうの?どこかやりきれない思い。あまりにも切なすぎる。

颯の行動を、杏花はどう受け止めるのだろうか。
颯の存在に救われていたことに、杏花はいつ気付くのだろうか。
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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

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メモを残し沢田家から出て行ってしまった颯(磯村勇斗)。電話をしても留守電、LINEも既読スルー。杏花(上野樹里)と林太郎(松重豊)は、突然姿を消したことを心配するも、颯はある場所へと向かっていた…
そんな中、ついにヴァネッサ(柚希礼音)に独立の話を打ち明けた杏花。ヴァネッサからは友人のコンサルタントを紹介すると意外にも前向きな答えが。ヴァネッサと一緒にレストランでその友人を待っていると、現れたのは意外な人物で…
一方、ついに付き合うことになった杏花と晴太(田中圭)は「結婚を前提にしないお付き合い」のルールを決めることに。晴太は、「虹朗(鈴木楽)ファーストで杏花は仕事ファーストでいこう」と決める。さらに2人はデートへ出掛けるもハプニングが起きてしまう。
同じ頃、父・林太郎の元に一通のメールが届く。それは明里(井川遥)からのまさかのデートのお誘いで、林太郎は慌てふためき…。
偶然にも杏花と林太郎、それぞれデートに出かけることになった父娘2人の行方は…?

第7話のレビュー

「お世話になりました」という置き手紙と夕食一式を残して出ていってしまった(磯村勇斗)。
ここまできても杏花(上野樹里)は、颯の思いに一切も気付いていない。
颯……かわいそうに……いくらなんでも報われなさすぎる。

その後、颯はフランスに旅に出た模様。
「男って、失恋すると旅に出んのよ」とMIKAKO(ゆりやんレトリィバァ)が睨むも、それを聞いてもまさか自分に対してのことだとは気付いていない杏花。一体どこまで鈍感なんだ。

そんな中、杏花はついにヴァネッサ(柚希礼音)に独立の話を打ち明ける。
寂しそうではあるが、友人のコンサルタントを紹介すると意外にも前向きな答えが。さっそくその夜にコンサルタントの方も含め食事に行くことになるのだが、なんとそのお相手は晴太(田中圭)の元妻・安奈(瀧内公美)だった。
杏花と安奈が交わる世界線がここで浮上するとは……。

仕事だけでなく、プライベートの話でも盛り上がる三人。
安奈の「子供を傷つけないってルールさえ守ってくれれば、彼には幸せになってほしい」という元夫とのルールがあると聞いた杏花は、晴太とも”結婚を前提にしないお付き合い”のルールを決めることを決意する。

そのルールは、「晴太は虹朗(鈴木楽)ファースト、杏花は仕事ファーストでいこう」というもの。なんとも二人らしいルールだ。

「もし、結婚したくなったら、気にせず言ってください。その時は、終わりにしましょう」

なんだろう、この胸のざわつきは。
せっかく付き合うことになったのに、結婚を前提にしないお付き合いだなんて、やっぱりどこか切ない。

婚活エージェントから引き合いの連絡がくるものの、「めんどくさ」と本音を漏らしてしまう明里(井川遥)。
そんな明里は、林太郎(松重豊)に意を決してメールを送る。
林太郎はといえば、明里からの留守番電話の伝言を聞き絶賛ニヤニヤ中。このタイミングで届いた明里からのメール、しかも内容はデートのお誘い。
慌てふためき杏花に醜態を晒す林太郎、あまりにもキュートすぎて第7話のMVP!

林太郎と明里、杏花と晴太、同じ日にデートが執り行われる。
どちらもなんともほのぼのとした空気感が心地よく、見ているだけで癒やされる二組だ。

書道展に行き、展示にテンションが上がる林太郎を微笑ましく見守る明里。見ているこちらも微笑ましい。

「書道展はつまらなかったけど、書道展にいる林太郎さんが面白かったです。すこぶる」
「林太郎さんといると楽しいんです。でも、なんででしょう。お見合い相手の方と会ってると楽しくないんですよね」

まだ自分でも林太郎への気持ちに気付いていない様子の明里だが、言葉の節々から林太郎に対する特別感を感じる。

極めつけに、林太郎の笑顔を見て胸が苦しくなってしまう明里。
……もうこれは、明里も林太郎に恋をし始めていると言っていいだろう。

よく晴れた公園でランチを食べてそのまま一眠りしてしまった晴太を見て、思わずほっぺにキスをしてしまう杏花。
恋愛に一ミリたりとも時間を割けないと思っていた少し前の杏花からは、こんな姿は考えられない。
人を好きになるということは、こんなにも見える世界が豊かになるのだ。

晴太も晴太で、虹朗と気さくに接する杏花の姿を見てより一層思いが深まる。
おそらく、杏花との結婚生活が鮮明に見えたのだろう。

”結婚を前提にしないお付き合い”をしているにもかかわらず、お互いに結婚を意識し始める二人。
うん、それでいいんです。そうであってほしいんです。いやでも、颯のことも気にかかるけど、でも、そうであってほしいんです。

晴太宅でのデート後、スマホを忘れた杏花を追いかける晴太。
そんな二人の姿を、安奈が目撃する。

「これは……ルール違反かな……」

晴太には幸せになってほしいと再三言っていたのに、どこか不穏な空気を醸し出す安奈。
“結婚を前提にしないお付き合い”は、子供を傷つけることになってしまうのだろうか。

ここまで様々な波乱はありつつも、一貫して穏やかな空気感を保ってきたじぞ恋。
ここにきて、あらゆるところで物語の転機となる巻き返しが起こり始めそうだ。

マレーシアに開業するワーケーションホテルの支配人を務めることになった颯は、杏花への新たな一手を打とうとしているのか。

陽子(八木亜希子)と林太郎、杏花の三人の写真を見て「このままずっと言わないわけにはいかないよな…」とつぶやく林太郎、杏花と明里にまだ打ち明けていないことがあるのだろうか。

杏花のヨガスタジオを訪れる安奈は、正々堂々と戦いを申し出るのだろうか。

「ただ、穏やかな今を感じましょう」
魔法のような杏花の言葉、今回に限ってはこれから降りかかってくる難関を意味している。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー


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杏花(上野樹里)と晴太(田中圭)がマンションから出てくる姿を目撃した安奈(瀧内公美)。安奈は杏花のヨガスタジオを訪れ、そこで改めて杏花が「仕事ファーストで独立を成功させたい」と思っていることを知る。その様子にどこか無理をしているのではないかと思いつつも、安奈は杏花の独立へ向けたプランを提案するのだった。だが虹朗(鈴木楽)の母としては複雑な心境の安奈で…。
一方、林太郎(松重豊)は明里(井川遥)からお見合いを申し込まれ驚きを隠せずにいた。これは婚活の練習なのか、はたまた…明里の真意が分からず電話をするも、お見合い当日までの接触を断られてしまう。
そんな中、フランスから戻ってきた颯(磯村勇斗)が沢田家へ。颯は杏花に予想外の“お土産”を持ってきていて…
安奈のアシストの元、順調に独立へ向けて動き出した杏花だったが、晴太から突如SOSの連絡が…。虹朗が熱を出してしまい、学童へお迎えが必要だが晴太は仕事ですぐには戻れない場所にいるという。杏花は自分が迎えに行くと返事をするが、独立に向けた重要な打ち合わせに出なければならず…。仕事とプライベートの選択を迫られることになった杏花が選ぶのは…。

第8話のレビュー

「人生の優先順位ってなに?」

コンサルティングのユーザーである杏花(上野樹里)が、元旦那の晴太(田中圭)の彼女ということを知った安奈(瀧内公美)は、杏花の元を訪れ、問う。

「仕事ファーストで独立を成功させたい」と思っている杏花のことを応援したい安奈だが、晴太の彼女となると話は変わってくる。
「結婚する気もない人を子供に会わせるのは違うでしょ?」と主張する安奈。それは、息子である虹朗(鈴木楽)の幸せを、なによりも願っているからだ。

大阪万博のプロジェクトに行ってほしいと指名された安奈だが、虹朗のことを考えるとどうも決めきれない。杏花の存在を知ったからこそ、尚更なのである。

林太郎(松重豊)への気持ちに気付いた明里(井川遥)は、ついに林太郎に対してお見合いを申し込む。
“動機”の意味を辞書で調べるなんて、よっぽど恋の病に陥っているようだ。

林太郎は「これは、婚活の練習なのか……?!」と疑い電話を掛けるも、お見合い当日までの接触を断られてしまう。
待ち受ける介護、家事能力なし、稼ぎも遺産も人並み、独身の娘有り……自分よりも年下の女性がお見合い、そして結婚するメリットは考えても考えても生まれず、困惑する林太郎。

恋ーー「好きになって、会いたい。いつまでもそばにいたいと思う、満たされない気持ち。」
林太郎の手により紡がれた言葉を読んで、明里にとって林太郎はそういう存在でありながら、一緒にいると満たされる気持ちにもなるということに気付く。

お見合いの場で「私と、交際していただけませんか」と真っ直ぐに伝える明里だが、嬉しい反面動揺が大きい林太郎は「一旦保留にさせてください」と告げ、その場を後にしてしまう。

みなさんお待ちかね、颯(磯村勇斗)がようやくフランスから帰国。
予想はしていたものの、杏花と晴太の距離が縮まっていることを知り、どこか複雑な心境だ。

「俺はいつだって杏花ちゃんが一番だから」

どんな状況に置かれても、颯の杏花への気持ちは変わらない。ここまで人を好きになれるって、もはや気持ちがいい。

結婚指輪を渡すテンションでスマホリングを渡すシーンには、不覚にもドキドキしてしまった。

独立に向けて奔走し始める杏花と、虹朗と共に歩むこれからの人生を考える晴太。

ルール通り、お互いにお互いを”二番目”ということを尊重し合う二人。
なかなか会えないし、電話する時間も気を使う。どこかすれ違いが起きてしまうのも当然だ。

そんな中、二人の関係性を逼迫する出来事が起こる。
学童保育にいる虹朗が突然熱を出してしまうも、晴太は仕事で川越にいてすぐに迎えに行けない状況。頼れる安奈も仕事で電話がつながらない。

そのタイミングで杏花から連絡が。
晴太は悩むも、杏花に虹朗のお迎えを依頼する。

二つ返事で承諾する杏花だが、杏花も杏花で独立に向けた重要な打ち合わせの真っ只中。

「成功したいなら物事の優先順位を間違えたらいけないと思うんです」
クライアントからの言葉が胸に刺さる。

なんとか両立させたい杏花は、虹朗のお迎えを颯に託すも、やはり気になり打ち合わせの途中で抜け、晴太宅へ。

コントロールできない感情、これこそが恋。

ここでようやく、杏花と安奈がエンカウント。
杏花のことを応援する気持ちは変わらない。
だからこそ「母親になる気がないなら中途半端に虹朗と関わらないでほしい。再婚するなら、私よりも虹朗のいい母親になれる人と再婚してほしい」と実直に告げる安奈。

杏花にとって、なによりも独立が一番だったはずなのに、晴太に気持ちが引っ張られる。

ヴァネッサ・ヨガスタジオでの最後のレッスンで「体も心も日々変わっていきます。新しい世界を受け入れ、新たな自分を見つけていけたらなって思っています」と語る杏花だったが、「私が本当に見つけたい、新たな自分って何なんだろう」と当人が思い悩んでしまう。

モヤモヤとした感情を払拭すべく、晴太にデートを取り付ける杏花。
中華屋台でのほのぼのとした雰囲気、杏花と晴太ならでは。見ているだけで幸せな気持ちになれる。

「私と、結婚を前提に、お付き合いしてもらえませんか?」

意を決して告白する杏花に、晴太の答えはーー「もう、終わりにしましょう」

一方その頃、レディースクリニックからの検査結果を受け取る明里、神妙な面持ち。
林太郎と陽子(八木亜希子)間の秘め事もまだ判明していない中、また一つ心配事が増える。

明里の気持ちを受け取った林太郎の答えはーー「交際はお断りします」

晴太も、林太郎も、告白を断る理由なんてないはず。
ここにきて、なぜこうも上手くいかないのか。

今の幸せがずっと続くわけではない。持続可能な関係性を目指すには、それなりの代償を伴う。
大人の恋を蝕む”サステナ疲れ”、どこまでも皮肉だ。
晴太と林太郎のこの答えは、相手の未来を尊重してこそ出した決断なのだろう。

……それにしても、次回予告の颯による「わざとだよ?」が頭から離れない。
「わざとだよ?」だなんて、「NANA」の幸子からくらいしか聞いたことないよ。

磯村勇斗の口からこの台詞を聞けるなんて……どんな贅沢?

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–{第9話ストーリー&レビュー}–

第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー


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晴太(田中圭)と「結婚を前提にお付き合いをしたい」と告白した杏花(上野樹里)だったが、晴太からは「もう終わりにしましょう」と別れを告げられてしまう。同じ頃、林太郎(松重豊)は明里(井川遥)からの交際の申し込みを断っていて。親子でダブル婚活を始めた杏花と林太郎は、父娘揃って失恋してしまい…
そんな杏花の元に、颯(磯村勇斗)から連絡が。杏花から晴太にフラれたことを聞いた颯は杏花のことを優しく抱きしめる。颯の前では明るく努める杏花だったが、颯の優しさに思わず…
そんな中、明里が職場で倒れて急遽入院したことを知る杏花。林太郎にそのことを告げると、動揺した林太郎は大慌てで病院へと駆け込む。そして林太郎は明里に自分の本当の思いを伝える決心をし…。
さらに、杏花から晴太と別れたという話を聞いた林太郎は、ある決意を胸に晴太の元へと向かう。そして杏花は、林太郎から隠されたある真実を告げられ…。
杏花と晴太、颯、そして林太郎と明里、波乱の恋はクライマックス目前!それぞれが決断する恋の行方は… !?

第9話のレビュー

父と娘の結婚行進曲がようやくサビに突入したと思った矢先、晴太(田中圭)、林太郎(松重豊)は、杏花(上野樹里)、明里(井川遥)に別れを告げる。

相手のことを必要以上に考えてしまうが故に、本心とは裏腹な言動をしてしまう彼ら。まったく、人思いが過ぎる。

優しさとか理性とか。
ときには必要だけど、ときには障害となるもの。
そんなものは飛び越えて、本能のままに動いてほしいのに。

”普通の幸せ”って、一体なんなんだろう。

杏花にとって転機となった恋がひとつ終わってしまったことで、こじらせは加速。
結婚なんて、恋愛なんてしない。仕事一筋で生きていく。

幸せの在り方は、人それぞれだ。
杏花がいいなら、それでいい。

でも、誰の目から見ても杏花は強がっているようにしか見えない。
本当に、これでいいのだろうか。

「失恋したってなんだって、生きていかなきゃなんないんだから」

焼肉をもぐもぐ食べながらたくましく励ます理歩(水崎綾女)、先週からずっとノンアルなのが気になるのは私だけ?まさか……?

杏花同様失恋してしまった明里は、体調が思わしくなく倒れ、入院してしまう。
そのことを知った林太郎は、慌てて病院へと駆けつける。

「明里がいる世界で生きていたい」と身に染みて感じた林太郎は、明里に改めて思いを伝える。
明里のいない世界なんて考えられない。明里がいる世界に、自分も生きることができたら。

見事二人は、真剣交際に発展する。
……待ってた!この日を待ってた!!大歓喜!!!

明里の病状は、更年期障害によるものだった。
じゃあ、あの胸の動機の正体は、まさか……恋の病?

林太郎の肩に頭にコツンと乗せては、「長くていい上腕骨」と満足の笑みを浮かべる明里。
メールにて、想いを表現豊かな文字に乗せて、改めて告白をする林太郎。
そんな彼らの姿に、テレビ越しの私達もまた微笑んだ。

幸せ絶頂の林太郎は、支配人に成り上がった(磯村勇斗)と再会。
杏花、林太郎、颯。久しぶりの3ショット、なんだかほっとする。

実家を出る。結婚もしない。これからはひとりで生きていくと宣言する杏花。

「生きているということは、変化していくということだ」

林太郎から発せられる言葉は、毎度とてつもなく重みがある。
愛する娘の人生、普通に幸せに生きてくれるならそれでいい。

でも、生きているということは、変化していくということ。
決めつける必要はない。人生、何が起こるかわからないのだから。

珍しく忘れ物をした颯は、杏花にすかさず「わざとだよ」と言う。
颯、「NANA」の幸子ばりにあざとい。
が、これくらいしたって、バチは当たらない。これくらいしないと、杏花への思いは伝わらないのだから。

「家出るなら一緒に暮らさない?」
「杏花ちゃんがずっと一人で生きていくと、俺はすごく困る」

そう言って、満月の月明かりの元、唇を重ねた颯。
長年杏花に思いを寄せてきた颯が、ついに本気を出してきた……!

颯の思いに困惑する杏花の元に、さらなる衝撃が訪れる。
以前より匂わせられていた、林太郎の杏花への”とある秘密”が、ようやく暴かれた。

林太郎と杏花は、血の繋がりがない。

あれは34年前のこと。
大学のゼミが同じだった陽子(八木亜希子)と7年ぶりの再会を果たした林太郎は、勢いと覚悟に身を任せて、赤ちゃんを身籠っている陽子との結婚を誓ったのだ。

これだけ聞くと話が唐突すぎるかもしれないが、そんなことはない。
陽子と再会する直前、お世話になった教授のお見舞いに行っていた林太郎は、教授から人生を変えられるほどの言葉をかけられる。

「君は優秀な学者になるだろうが、辞書編纂者にはなれない。それは、生きていないから」

自分の殻に閉じ籠もって生きてきた林太郎は、「生きている」という言葉の語釈を「呼吸をして、生存していること」と答えた。
対して教授は、生命を振り絞るかのようにして「変化していくこと」と答えたのだ。

言葉の語釈に正解はない。
それでも林太郎は、教授の言葉にハッとした。

人と共に、目いっぱい生きていく必要がある。
人生を豊かにする上で必要なことに気付いたタイミングで、林太郎は陽子と再会した。

大きなお腹を抱えてつらそうにしている陽子に「何か僕にできることありますか?」と声をかける。

「じゃあ、私と結婚してくれませんか?」

当時付き合ってた男性と別れた後に妊娠が判明し、体調も思わしくなかった陽子は、思わず本音、いや弱音がホロリとこぼれる。

そんな陽子に対し、「はい……結婚します」と答えた林太郎。

こんな結婚って、あるのだろうか。
でも、結果的に、林太郎も陽子も、そして杏花も、幸せな人生を送ってきたし、今も送っている。

血の繋がりがなくとも、親子ということに変わりはないのだ。

……完全に余談だが、林太郎と陽子の若き日を演じた細田善彦と見上愛は、まぎれもなく松重豊演じる林太郎と八木亜希子演じる陽子だった。

ひと足お先に杏花と林太郎の関係性を知った晴太は、林太郎による後押しのおかげもあって、杏花が開催するMOON NIGHT YOGAに行くことを決意する。

もちろん、颯も行く予定だ。

……見なくてもわかる、これから起こるであろう胸を締め付けられるシーンが。

杏花の元に先にたどり着いたのは、颯だった。

「杏花ちゃん、結婚しよう」
「俺の奇跡なんだ、杏花ちゃんは」
「俺と本当の家族になろう。家族は恋より壊れにくいよ」

颯の告白を目の当たりにし、何も出来ずにその場を立ち去ってしまう晴太の姿、切ない以外の何ものでもない。

「この恋あたためますか」の浅羽拓実(中村倫也)でさえ正々堂々と勝負したのに、ここで「おっさんずらぶ」のはるたんばりのヘタレ具合見せてくれるなんて、一体どうしたものか。

ここに来て颯の圧倒的な巻き返し、もはや惚れ惚れとしてしまう。
今まで諦めるポイントは多くあっただろうに、杏花のことを思い続け気持ちを伝えることをやめなかった颯に、拍手を送りたい。

次週、いよいよ最終回。
杏花と颯、ついに結ばれるの?でも、晴太はどうなる?林太郎と明里の”普通の幸せ”はどこに着地する?

気になることがありすぎて夜も眠れなさそうだが、今回のストーリーの集大成となるであろう一文を、ここに記しておく。

月が満ちて欠けていくように、永遠に変わらないものはありません。
形あるものも、ないものも。
笑ったり、泣いたり、心の揺れはときには自分でもままならないものです。
いっそ何も心を動かされなければ、穏やかな自分でいられるのに。
それでも変わるということは、生きているということです。
思い通りにならない心の満ち欠けを味わいながら、思いがけないことが起こる普通の毎日を、目いっぱい生きていきましょう。

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第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー


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颯(磯村勇斗)から突然のプロポーズを受け言葉につまる杏花(上野樹里)だったが、颯がマレーシアに行くその日までに返事をすると約束。そんなプロポーズの場面を見てしまった晴太(田中圭)は、帰りがけに出くわした颯から「もう遅い」と言われてしまう。
「自分が本当に何を求めているのか」知りたい杏花は、もう一度晴太と会うことにするが…。

一方、交際することになった明里(井川遥)から、杏花に挨拶をしたいから自宅へ行きたいと言われて快諾する林太郎(松重豊)。沢田家を訪れた明里は、杏花にある思いがけないお願いをして…。

杏花は颯からのプロポーズを受けるのか、晴太との関係はこのまま終わりを迎えてしまうのか…? そして林太郎と明里が選ぶ未来とは。親子で始めた“ダブル婚活”の果てに一体どんな愛の奇跡が待っているのか!?

第10話のレビュー

幼馴染だと思っていた(磯村勇斗)からの、突然のプロポーズ。
驚きを隠せない杏花(上野樹里)だが、颯の気持ちを受け入れ、颯がマレーシアに行く日までに返事をすることを約束する。

長らく平行線だった二人の関係性が、ついに変わる時が来た。

プロポーズの帰り道、颯は晴太(田中圭)に遭遇する。
ただの偶然じゃないことは、颯にもわかる。そして晴太もまた、杏花に想いを伝えようとしていたことも。

「もう遅いと思います」

あの状況を見てこんなことを言われたら、晴太には諦めるという選択肢しかなくなってしまうだろう。

明里(井川遥)と仲睦まじい日々を送る林太郎(松重豊)は、杏花と晴太のことが心配で気が気じゃない様子。
元はと言えば、娘のためにはじめた婚活。まさか、自分のほうが先にゴールに近付くことになるなんて。

晴太との恋が終わったと思いきや、イケメンハイスペ幼馴染にプロポーズされた杏花は、いつもの女子会でも話題をさらう。

自分のやりたいことができて、そのままの杏花を受け入れてくれる颯。
条件としては至極最高だ。

だが、付き合いが長く、いい人だからこそ、条件で選ぶことに戸惑ってしまう。
しかし、迷う時間があるだけまだいいのかもしれない。

先々週から気になっていた、理歩(水崎綾女)の食欲旺盛っぷりと突然の禁酒。
やはり彼女、妊娠をしていた。
例のサムと、デキ婚をすることにしたと言うのだ。

先週からもしかして…と睨んではいたが、まさか本当にそうだっただなんて。実におめでたい。
少し前まで婚活に励んでいた彼女が飛び級で結婚することになるなんて、人生、何があるのかわからない。

親友たちの変化を間近で見る(清水くるみ)も、マンネリ化している彼氏と同棲解消することを決意。
みんな、”持続可能な恋”に向けて、一歩一歩進んでいるようだ。

とはいえ、心がモヤモヤする杏花。
原因は、もちろん晴太だ。

束の間の晴太との時間を過ごすも、本当に伝えたいことを伝えられないままお別れをしてしまう。

後日、晴太は杏奈(瀧内公美)から「虹朗(鈴木楽)が熱を出した日、本当は杏花が大事な打ち合わせを蹴って駆けつけてくれていた」ことを聞く。

「杏花は仕事ファースト」というルールを掲げてお付き合いをしていたにもかかわらず、自分のせいでそのルールを破らせてしまっていただなんて。
申し訳ない気持ちとともに、杏花の優しさに思いを馳せる晴太。

本当は想い合っている二人なのに、最後まですれ違いの連続だ。

一方その頃、杏花に改めて挨拶をするため、林太郎宅を訪れた明里。

「澤田さんはこの肩峰が美しいんです、すこぶる」
「私は日向さんに骨抜きです」

……何このやり取り。
「べっ、別にうらやましくなんかないんだからね!!!」とでも言ってしまいたくなるこのやり取り。
最高じゃん。

そんな中、明里が杏花に話を切り出す。

「お父さんと、結婚させてください」

全視聴者が沸いた。

「言葉は、誰かに気持ちを伝えるためにあるもの」
「気持ちを伝えたい人がいるということは、幸せなこと」

思っていても、伝えなきゃ意味がない。
意を決した杏花は、颯を呼び出す。

颯とは、結婚ができない。
颯がどうとかじゃない。
いい人だし、優しいし、一途だし、尽くしてくれるし、もはや家族みたいだし、イケメンだし。

でもやっぱり、杏花の心には晴太がいる。
この気持ちに嘘を付くことはできないのだ。

「だったら俺にしなよ」
こんなに切ない台詞、他にあるだろうか。

颯は「杏花にプロポーズを断られている」という事実を晴太に告げ、林太郎と明里の結婚式の招待状を渡す。
一度だけ嘘をついたとはいえ、いい人すぎるほどにいい人な颯の姿に涙が出てしまう。

いても立ってもいられなくなった晴太は、ダッシュで披露宴会場へ。
林太郎と明里、新郎新婦が入場するタイミングで晴太が入場するもんだから、会場も杏花もどよめく。

「大体、今の気持ちが10年20年30年永遠に続くって信じて、こういうとこで誓うって、冷静に考えたらもうむちゃな話で、結婚すること自体、普通じゃないと思うんですよ」

「普通じゃないくらい、杏花さんが好きです。僕と、結婚してください」

新郎新婦が結ばれる前に、新郎新婦じゃない二人が結ばれた模様。
とんでもない展開を見せつけてくれて、最高という気持ちしかない。

父と娘の結婚行進曲は、無事に終止符を迎えた。

“持続可能な恋”の在り方は、人それぞれだ。

ヨガ講師の杏花とカレーが好きな晴太は、海辺に広いテラス付きのカフェをオープン。
それぞれの趣味嗜好を尊重し、支え合いながら生きていく。

年齢とお互いの仕事を考慮し、事実婚かつ週末婚という寄り添い方を選択した林太郎と明里。

妊娠をきっかけに結婚を決めた理歩、同棲解消を決めた鈴。

そして、叶わなかったからこそ持続可能な恋をする颯もまた。

「持続可能な恋は、叶わなかった恋だけなんだよ」

颯の見事なまでに当て馬っぷりに涙だが、颯にとっては”持続可能な恋”なのだ。

「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」は、令和ならではな生き方、考え方を教えてくれた。
そこに重厚な”言葉”が紡がれることで、これらの大切さをより実感することができたのだ。

最後に、林太郎の結婚の語釈を記しておきたい。

けっこん【結婚】
愛し合うは人同士が分かり合いたいと願い、共に歳を重ね、互いの変化を慈しみ、それでもなお分かり合えないことを知る営み。
古来人類が繰り返してきた、永久に続く愛情へのむちゃな挑戦。

ーー今この瞬間、あなたの心に浮かぶ人は誰ですか?

(文:シネマズ編集部)

※この記事は「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」の各話を1つにまとめたものです。

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–{「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」作品情報}–

「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」作品情報

主演・上野樹里が
ヨガインストラクター役に挑戦!!
“生活能力ゼロ”の辞書編纂者・松重豊と
父娘でダブル婚活始めます!!
バツイチのシングルファーザー役に田中圭
18年ぶりに再会する幼馴染役に磯村勇斗
“父”と出会う整形外科医役に井川遥が決定!
「現代の結婚観」を描くオリジナルラブストーリー
人生の再チャレンジに挑む父娘に
波乱の恋物語が幕を開ける!

放送日時
2022年4月19日スタート 毎週火曜夜10:00~10:57

出演
上野樹里/田中 圭/磯村勇斗/ゆりやんレトリィバァ/水崎綾女/清水くるみ/武田玲奈/鈴木康介/榊原有那/鈴木 楽/伊勢志摩/柚希礼音/八木亜希子/井川 遥/松重 豊

脚本
吉澤智子

音楽
髙見 優
信澤宣明

主題歌
幾田りら「レンズ」
(ソニー・ミュージックエンタテインメント)

プロデュース
中島啓介
吉藤芽衣

演出
土井裕泰
山室大輔
小牧 桜
加藤亜季子

製作著作
TBS