江口のりこが主演、赤楚衛二が共演する「SUPER RICH」が2021年10月14日より放送スタート。
お金はあっても愛に飢えた孤独な女社長と、愛はあってもお金がない貧乏専門学生。真逆の2人が出会い、会社に襲いかかる困難を次々と乗り越えて前へ進んでいく姿に元気づけられること間違いなし!
毎分、毎秒でめまぐるしく変化していく登場人物たちの心情と、原作のない完全オリジナルドラマだからこその予測不能かつスリリングなストーリー展開をお見逃しなく!
本記事では、第2話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「SUPER RICH」第2話レビュー
これから、大変恐ろしい話をしなければならない。私たちが「町田啓太に騙されている」可能性が出てきてしまったからだ。
本記事は「SUPER RICH」2話のレビュー記事だが、その感想を連ねる前に、時間を1話に戻させてもらいたい。
1話の冒頭。江口のりこ演じるセレブ社長・氷河衛はメンタルクリニックで診察を受けている。戸次重幸演じる一ノ瀬の裏切り(?)に遭い、全財産を失った後の展開だ。最終的には、顧客の情報を売っている悪徳メンタルクリニックであることがわかり、氷河はその場を後にしたのだが……。
おかしくないだろうか?
「氷河がメンタルクリニックで診察を受けるシーン」は、よくよく考えたらこの物語に必須ではない。もちろん1〜2話の時点で早まったことは言えないが、単に氷河の過去を回想したり、一ノ瀬の存在の大きさを視聴者に示したりするだけなら、メンタルクリニックを登場させる必要はないのである。
メンタルクリニックを予約したのは誰か?
氷河の下で働く仲間のひとり、宮村空(町田啓太)である。
「(メンタルクリニックは)都心の一頭地にあるのに、当日予約が取れたなんておかしい」と氷河は言っている。確かにおかしい。もともと宮村が悪徳メンタルクリニックと繋がっていたと仮定したら、どうだろう。会社を窮地に陥れるため、社長である氷河や、スリースターブックスの情報を流していたと考えてもおかしくはない。
また、急にいなくなってしまった一ノ瀬と宮村が繋がっている可能性もある。会社を離れざるを得ない一ノ瀬としては、宮村というスパイがいてくれた方が、社内の情報も得られて動きやすくなるだろう。
そう考えると、「今の自分がまっとうに働けているのは社長のおかげ」と、やたらに”忠犬感”を出しているのも怪しい。主人公に一番近い人間、もしくは主人公を最も慕っている人間が黒幕なのは定番である。
これで結果的に彼が黒幕だとしたら……!?
考えるだけで恐ろしい。
「チェーホフの銃」をご存知だろうか。「物語の冒頭に銃が出てきたら、後半でその銃は撃たれなければならない」。ロシアの劇作家であるアントン・チェーホフにちなんだ、有名な作劇術である。つまり、物語に必要なものは、冒頭に登場するのだ。
筆者は、ドラマ「真犯人フラグ」の考察・感想も担当しているため、どうやら変な勘繰り癖がついてしまっている様子……。
さて、話を2話に戻そう。
生まれながらに裕福で、お金に困ったことがないセレブ社長・氷河衛。そして、貧乏苦学生でありながら、目的に対しては熱く懸命な子犬系男子・春野優(赤楚衛二)。「お金」を軸に展開される本作の2話は、なぜか大怪我をして入院している一ノ瀬と、彼に殴りかかる氷河のシーンから始まる。
氷河のマンション前までやってきた一ノ瀬を、たまたま春野が発見。逃げた一ノ瀬を追いかけるも、ギリギリのところで逃がしてしまう。それ以降、最も一ノ瀬が現れる可能性の高い石高興業前で張り込む作戦に出た春野(1話の時点で、一ノ瀬が目撃されている場所である)。
奇跡的に一ノ瀬を発見できたが、彼は殺される直前までボコボコに殴られた状態だった。病院へ搬送された事実が氷河に知らされる。再会することになった一ノ瀬と氷河は「金返せ!!!」「金はない!!!」と応酬することになってしまう……。
かつては共同経営者として共に手を取り合った仲なのに。なんと一ノ瀬は、おそらく闇金と思われる相手から、収拾がつかないほどに金を借りてしまっていた。首がまわらなくなっているにもかかわらず、氷河に言い出せなかったらしいのだ。
2話終盤、病院の窓から飛び降り、そのまま逃走してしまった一ノ瀬。筆者は本記事の冒頭で「黒幕は宮村空では?」と書いたが、自信が持てなくなってきた。
それはそうと、なんとか1億円をかき集めないと倒産してしまう窮地に立たされたスリースターブックス。衛の元上司であり「MEDIA」社の社長でもある島谷(松嶋菜々子)が助け舟を出してくれた。純利益1500万を条件に、業務提携をしてもいい、と。
1億円をかき集めるよりは現実的だ、と宮村たちは胸を撫で下ろすが、純利益1500万だって簡単ではない数字だ。東海林(矢本悠馬)は「使ってないフロアの電気は消して、フリードリンクも廃止して、それでようやくいくらになると思いますか?」と氷河に現実を突きつける。良いところ数万円だ、と。
裕福すぎたせいでお金には無頓着だった氷河に対し、実質的な視点を与えてくれる役目が、東海林なのだろう。
余談だが、筆者は島谷社長のことも、黒幕ではないかと疑っている。業務提携という名の「乗っ取り」を提案してきたことからも、何かを企んでいるとしか思えない……。
一ノ瀬を見つけて金を返してもらえれば、MEDIA社の乗っ取りを避けられるかもしれないと、一縷の望みをかけるスリースターブックスの社員たち。しかし、蓋を開けたら一ノ瀬は金を使い込んでしまっていて、再び行方しれずになってしまった。
今回はとくに、氷河の社長っぷりが光っている。
普通なら、真っ先に人件費から削って金を捻出させようとする場面だ。それなのに、彼女はそれをしない。宮村をはじめ、設立当初から会社を支えてくれた仲間たちに丁寧に感謝を述べる。インターン生たちにも、約束の給与20万をしっかり払ってみせた。
いきなり転がり込んできた春野に対してだって、決して邪険にはせず、自宅で風呂に入れさせたり食事を提供したりしている。彼女は生まれながらに裕福で、家族の愛は知らずに育ったかもしれないけれど、仲間たちの支えのおかげで優しさあふれる自立した女性になったのだ。
スリースターブックス存続のため、もう1億円をかき集めてくることはどうしても無理だ。逃げた一ノ瀬から金を返してもらうことも望み薄。にっちもさっちもいかなくなった氷河たちは、オフィスを解散し、別宅で再スタートを切ることを選択する。
「ようこそ、我が家へ!」
お金のありがたみを知らなかったセレブ社長が、図らずも無一文になり、仲間とともにゼロからやり直していくストーリー。
今後、一ノ瀬は帰ってくるのだろうか。はたまた、筆者が想像(妄想?)したような黒幕は存在するのだろうか。「腹を空かせたやつを見ていられないだけだ」と言って春野にラーメンをご馳走した宮村が、悪いやつだとは思いたくない……! どうか、この予想が外れていることを祈る。
「SUPER RICH」2話のストーリー
氷河衛(江口のりこ)は、アパートを引き払い無一文で実家に帰ることも出来ないと言う春野優(赤楚衛二)を自分のマンションに連れて行く。すると、マンションの前で宮村空(町田啓太)と今吉零子(中村ゆり)が待っていた。
『スリースターブックス』に戻った衛は、当座必要なお金の工面について幹部たちと話し合う。空たちは一ノ瀬亮(戸次重幸)を探して金を返してもらうか、警察に被害届を出した方が良いと迫るが…。
その頃、優も『スリースターブックス』について来ていた。宿泊先のあてがないと言う優は、空に編集部へと連れていかれる。空は碇健二(古田新太)に頼んで、仮眠スペースで優を預かってもらうことに。
翌日、衛が出社すると島谷聡美(松嶋菜々子)が来ていた。聡美は『MEDIA』社との業務提携を衛に持ちかける。『スリースターブックス』存続に必要な金を出すと言う聡美だが、衛に対してある条件を提示し…。
(文:北村有)
–{「SUPER RICH」作品情報}–
【作品情報】
10月期のフジテレビ木曜劇場では、ベンチャー企業の破天荒な女性社長を主人公に描くドラマ『SUPER RICH』を放送することが決定しました。幸せのカタチ=“スーパーリッチ”を追い求めるキャリアウーマンの、ジェットコースターのような波瀾(はらん)万丈な半生を描く完全オリジナルドラマです。
主演を務めるのは話題作に立て続けに出演し、今最も熱視線を浴びる大ブレーク女優・江口のりこさん。キャリア20年以上の実力派の江口さんが、今作でついにゴールデン・プライム帯ドラマ初主演を果たします。また、江口さんはフジテレビ連続ドラマ初主演で、木曜劇場にも初出演にして初主演。仕事にプライベートにと、苦悩を抱えながらも日々をひたむきに生きるアラフォー女性のリアルな心情を描き出します。
さらに、共演にはいま飛ぶ鳥を落とす勢いの若手俳優・赤楚衛二さんが決定。ベンチャー企業のインターン試験を受ける、主人公とは生まれも育ちも正反対の貧乏な専門学生を演じます。日々困難に直面する主人公を懸命に支え、時に翻弄(ほんろう)する年下の無邪気な“子犬系男子”が、会社の未来や彼女の人生をも大きく変えていきます。
クセの強い役どころを巧みに演じ分け、見る人に強烈なインパクトを与えてきた実力派かつ個性派の江口さんが本作で挑むのは、プライベートを顧みず、仕事一筋で生きてきたベンチャー企業『スリースターブックス』の社長・氷河衛(ひょうが・まもる)。女優の道を歩み続け、今や“働くかっこいい女性”の代名詞の江口さんが、自身のキャリアと重ねて等身大で挑みます。また、江口さんのセリフは全編を通して関西弁で話される予定。兵庫県出身の江口さんが発する、毒舌混じりの小気味よい“ネーティブ関西弁”にも注目です。
一方、『スリースターブックス』のインターン試験を受ける貧乏学生・春野優(はるの・ゆう)を演じるのは今をときめく若手俳優の赤楚さん。その屈託のない笑顔と見る人を虜(とりこ)にするまっすぐな演技で老若男女、国内外を問わず絶大な人気を集める赤楚さんが、素直でかわいい“子犬系男子”を熱演します。物語が進むにつれ、優が成長し、“脱子犬化“する姿も必見です。赤楚さんが木曜劇場に出演するのは今作が初めてで、フジテレビ制作の連続ドラマにレギュラー出演するのも初めて。江口さんとは初共演です。
本作の主人公・氷河衛は、電子書籍を手がけるベンチャー企業『スリースターブックス』の代表取締役CEO。裕福な家に生まれ、これまでの人生においてお金に困ったことは一度もありません。「お金があれば何事も解決できる」と考え、より多くの利益を出すため、せわしなく働く日々を送っています。その年を代表する女性起業家に贈られる”プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”を受賞するなど社会的に評価されている衛ですが、幼少期に両親を亡くしたさみしさや悲しみから心を閉ざし、お金はあるけれど愛に飢えた人生を過ごしてきました。
友人もなく孤独な衛が唯一心を許した相手が、大学時代に出会った一ノ瀬亮(いちのせ・りょう)で、彼と二人三脚で立ち上げ成長させてきた『スリースターブックス』は、衛にとってまさに人生そのもの。しかし、会社をより大きくするため奔走する衛の前に、会社の経営を揺るがすような危機が次々と訪れることとなるのです。
周囲に弱みを見せることなく、孤高の女社長として社会で闘い続けてきた衛が衝撃的な出会いを果たすのが、『スリースターブックス』のインターンに応募してきた一回り年下の専門学生・春野優。両親と妹の4人家族で愛情にあふれた家庭で育ったのですが、長年、実家の経営状況は厳しく、手に職をつけるために東京の専門学校へ入学。アルバイト代をやりくりしてなんとか生活している状態。
そんな時『スリースターブックス』が学歴不問のインターンを募集することを知り、人生を変えるために意を決して応募します。確固たる意志と行動力を持ち合わせていて、時に大胆な行動をとって衛を驚かせることも。 どうして衛にこんなにもついて行くのか?その理由は物語が進むにつれて明らかになっていきます…。優のかわいらしい笑顔や人なつっこさが、仕事に忙殺され「氷」のように凍(い)てついた衛の心に、「春」のような暖かさを与えていくことになるのです。
お金はあっても愛に飢えた孤独な女社長と、愛はあってもお金がない貧乏専門学生という真逆の2人が出会い、会社に襲いかかる困難を次々と乗り越えて前へと進んでいく姿は、苦境が続く現代社会を生きる全ての人を元気づけること間違いなし!
まるでジェットコースターのように、毎分、毎秒でめまぐるしく変化していく登場人物たちの心情と、原作のない完全オリジナルドラマだからこその予測不能かつスリリングなストーリー展開をお見逃し無く!衛と優を取り囲む『スリースターブックス』の社員やインターン仲間にも、今後ブレークが期待される若手から国民的スターまで、個性豊かな俳優陣が顔をそろえます。
コメント
江口のりこさん
出演が決まったときは、まずは体力や体調に気をつけなきゃな、と思いました。そして台本を読んでみて、1話からスピーディーな展開で、“その先を早く読みたい!”と、ワクワクしました。まったくのオリジナル作品なので、どうやって面白くしていくのかをチームのみんなで探せて行けたらなと思います。共演の赤楚さんは柔らかい雰囲気の方なので、リラックスしてお話が出来そうだなぁ、とホッとしました。きっと面白いドラマになると思います。是非ご覧になってください。よろしくお願いします。
赤楚衛二さん
今までに取り組んだことのない題材と役柄で、新しい挑戦ができることが楽しみですし、木曜劇場にレギュラー出演させていただけて、とても光栄に思います。台本を読んでみて、困難に直面し、目まぐるしい環境の変化の中でも、氷河衛をはじめとした登場人物たちが日々を一生懸命生きる姿に力強さを感じました。
江口さんはドラマや映画で拝見し存じ上げていたのですが、このたび撮影で初めてお会いし、凜とした佇(たたず)まいで、かっこいい方だと思いました。 今回僕が演じる春野優からは、世の中に対して不公平さを感じるものの、“自分の人生は自分のものだから光をつかみたい”という気概を感じます。若さ故の不器用さもありますが、役と向き合いながら、そういった人間味も表現できるよう心がけていきます。そして月日がたつにつれ、優の人間力や価値観が変化していく過程も丁寧に描いていけたらと思います。
このドラマが、見てくださった皆様の明日の活力になるような作品になれたらうれしいです。今作のテーマである“本当の幸せ”とは何なのか、衛の波乱な半生と共に、一緒に楽しんでいただけたらと思います。
プロデュース 金城綾香(フジテレビ第一制作部)
お金と愛と幸せと、全部あれば良いのですが、そうはいかないのが人生だと思います。江口さんに演じていただく衛は、凛としたクールな佇(たたず)まいがある女性で、赤楚さんに演じていただく優は柔らかい温かさのある男性です。
男と女、年齢差、バックボーンの違いなど、正反対の場所にいる二人がどう交わっていくのか、また、これからたくさんの登場人物と二人が交差して物語が進んで行きます。2021年秋、ご覧になった方の心を少しだけでも“リッチ”にできるよう、一同力を尽くして頑張ります。
キャスト
氷河衛
江口のりこ
春野優
赤楚衛二
宮村空
町田啓太
鮫島彩
菅野莉央
豪徳尊
板垣瑞生
鬼頭流星
嘉島陸
高橋みゆ
野々村はなの
春野真子
茅島みずき
東海林達也
矢本悠馬
田中リリカ
志田未来
今吉零子
中村ゆり
一ノ瀬亮
戸次重幸
春野桜
美保純
碇健二
古田新太
島谷聡美
松嶋菜々子
スタッフ
主題歌:
『ベテルギウス』優里
(ソニー・ミュージックレーベルズ)
脚 本:
溝井英一デービス
(『監察医朝顔』脚本協力、『癒されたい男』他)
音 楽:
fox capture plan
プロデューサー:
金城綾香
(『監察医 朝顔』シリーズ、『グッド・ドクター』『営業部長 吉良奈津子』『5→9~私に恋したお坊さん~』他)
栗原彩乃
(『監察医 朝顔』スピンオフ 他)
演 出:
三橋利行
(『監察医 朝顔』第2シーズン、『トレース~科捜研の男~』『コンフィデンスマンJP』他)
平野 眞
(『監察医 朝顔』シリーズ、『ショムニ』シリーズ、『HERO』シリーズ 他)
相沢秀幸
(『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』『トレース~科捜研の男~』 他)
阿部雅和
(『監察医 朝顔』シリーズ、『婚活刑事』 他)
制作・著作
フジテレビ 第一制作部