<TOKYO MER~走る緊急救命室~>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

国内ドラマ

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2021年7月4日から放送されるTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」。鈴木亮平が主演を務め、中条あやみ、賀来賢人、菜々緒、小手伸也、佐野勇斗、石田ゆり子、要潤と豪華キャストが集結し、注目を集めている。

「TOKYO MER」=「Mobile Emergency Room」で、文字通り動く救命救急室が描かれる。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・第11話ストーリー&レビュー

・「TOKYO MER~走る緊急救命室~」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー



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事故・災害・事件の現場へと駆けつけて、患者を救命するために発足した“TOKYO MER”。

救命救急チーム”TOKYO MER”のメンバーは、7人。チーフドクターの喜多見幸太(鈴木亮平)、研修医・弦巻比奈(中条あやみ)、看護師・蔵前夏梅(菜々緒)とベトナム人看護師・ホアン・ラン・ミン(フォンチー)、麻酔科医・冬木治朗(小手伸也)、臨床工学技士・徳丸元一(佐野勇斗)。そして、厚生労働省の官僚であり医師の音羽尚(賀来賢人)。その誰もが救命医療のスペシャリストたちだ。

発足記念式典の最中、バス事故で重篤患者が出ているとの通報を受けて、チームは現場へと急行する。そこには、何人もの命の危機に瀕した患者が待ち受けていた! 複数の患者を危険極まりない事故現場でオペをするという前代未聞のミッションに挑む。

そして、医師の常識を超越した喜多見の救命行為は、厚生労働省で問題視されてしまう。
発足早々に解散の危機を迎るTOKYO MERに、工場爆発というさらなる試練が待ち受けていた…!喜多見とメンバーに難しい決断が迫られる!

第1話レビュー

冒頭、92年のアメリカ。何かしらの事故か事件があったと思われる場所で、日本語で助けを求めている少年。だが誰も来てくれず、少年が握っていた手(おそらく彼の親?)は力なく落ちてしまう。

時が変わり、職場と思しき場所で懸垂している喜多見(鈴木亮平)。ややあきれた顔で急かすのは弦巻(中条あやみ)。どうやらこれから彼らが所属する救命救急チーム”TOKYO MER”のお披露目らしい。

メンバーは7人。チーフドクターの喜多見幸太(鈴木亮平)、研修医・弦巻比奈(中条あやみ)、看護師・蔵前夏梅(菜々緒)とベトナム人看護師・ホアン・ラン・ミン(フォンチー)、麻酔科医・冬木治朗(小手伸也)、臨床工学技士・徳丸元一(佐野勇斗)。そして、厚生労働省の官僚であり医師の音羽尚(賀来賢人)。

このチームを発案したのは、都知事の赤塚梓(石田ゆり子)。このチームの目標は死者を一人も出さないことだという。災害現場で死者を一人も出さないというのは、さすがに難しい気もするが……。

このお披露目を見て面白くなさそうに「都知事のパフォーマンスだ」と言う久我山厚生労働省医政局長(鶴見辰吾)。彼とその上にいる厚生労働省大臣白金(渡辺真起子)は赤塚のことをよく思っておらず、MERを潰して彼女を失脚させたいらしい。

またその傍らにいるのは、彼らの部下で、MERのメンバーでもある音羽(賀来賢人)だ。官僚でありながら医師でもある音羽は彼らのスパイとしてMERに送り込まれたらしい。今後のカギを握る人物になりそうだ。

どうやらこのドラマ、単なる医療ものではなく、政治が色濃く絡んでくるものになりそうだ。現時点ではこのチームの存在を面白く思わない者が大多数で、発足したばかりにもかかわらず、常に存続の危機にさらされている状況。患者を助けられるかやメンバーの安全とは違うところでもハラハラさせられそうだ。

ところで白金のモデルは田中真紀子なのだろうか? 雰囲気が似ている。

お披露目の最中に出動要請が入る。トラックとバスが衝突したらしい。喜多見は現場に向かう車の中でメンバーにテキパキと指示を出す。バスに乗り込み、一人一人に声をかけ、状態を見てトリアージしていく。心停止してしまった女の子を救い、次に腹腔内で出血している女性に処置をする。心停止していたり意識がない相手にも、名前を絶えず呼び掛けているのが印象的だった。

レスキュー隊の隊長・千寿(要潤)は勝手なことをするなと抗議する。だが喜多見は待っていたら命が助からないと軽くかわしながら進めていく。真っ向から対立するのではなく、笑顔でやんわり返すのが彼のスタイルのようだ。

喜多見が次に向かったのは、トラックの車両に挟まれた運転手のところ。頭にダメージを負っており、レスキュー隊が助け出すのを待っていては助からなさそうだ。

壮絶な現場に気後れし、危険な場所でやや強引に治療を進める喜多見に若干引いていた弦巻。この場で手術を始めるという喜多見に猛抗議する。本来はこんな場所で手術をするべきではない。さらにこの事故の原因はトラック運転手の居眠り運転だという情報が入ってきており、バスに残っている人たちより居眠りした人を優先するのはおかしいというのが弦巻の主張だ。

だが喜多見はこう答える。
「どの命か重要かなんて俺たちに決める権利はないですよね」
彼は医師として、命の危険が迫っている順に処置をしているだけなのだ。

困難を極める治療の中、助っ人に入ったのは音羽だった。手際よく処置を進め、運転手は一命を取り留める。ほっとしたような嬉しそうな顔をする音羽。ずっと冷たい態度だし、実際MERを潰すために送り込まれたスパイなのだが、医師として患者を助けたいという気持ちはある人なのかもしれない。

喜多見は音羽に握手を求めるが「不必要な接触は避けましょう」とつれない反応をされる。笑顔やゆるい感じ一切なしの賀来賢人、ちょっと新鮮……。

赤塚のもとを訪れる喜多見。厚労省との仲を聞かれ、すごい顔で「無茶苦茶仲良いわよ」と答える赤塚、かわいい。どう見ても仲が悪い。この地位ながらキュートさを出せるのは石田ゆり子ならではかもしれない。

赤塚の「気をつけてね、あのことバレたら終わりよ」という言葉が気にかかる。過去に何があったというのだろう。

MERの初回出動・そこでの喜多見の行動は、厚労省で問題視され、審議にかけられることになる。

そもそも医師が危険な現場に入るのはどうなのか、レスキュー隊は邪魔をされたと主張している、強引な喜多見のやり方には問題がある、バスの乗客より加害者のトラック運転手の救助を優先したことに批判が集まっている……などなど、否定的な意見ばかりだ。

問題点はあれど死者は0人、MERが出動しなければおそらく助からなかった人もいたのに、ここまで叩かれるものなのか。

喜多見はMERメンバーを自宅に呼び、妹・涼香(佐藤栞里)とともにもてなす。呼ばれたが行っていない弦巻・音羽以外のメンバーは、MERへの参加に肯定的で、喜多見のこともそれなりに信頼しているようだ。職場でお互い「行ったらどうですか?」と言い合う弦巻・音羽。

弦巻は、研修医の身でMERに配属されたことが不服だった。MERを潰すために動く音羽は、そんな彼女の心情を読み取り、相談に乗る体で自分の側に引き入れようとする。うわ、やなやつ~! 話を聞いてくれる人がいて安心した弦巻は、「喜多見先生の行動に問題があると証言してください」と頼まれ引き受けてしまう。

これからMERの今後について審議するという直前、先日の事故で救ったトラック運転手の娘、と名乗る人物がお礼を言いに来る。事故の原因は居眠り運転ではなく飛び出してきた地元の子供を避けたからだったと知るメンバー。当時の喜多見の言葉が蘇り、弦巻は心が揺れる。

審議の直前、喜多見はとあるニュースを見て事故現場に行ってしまった。残ったメンバーと赤塚は次々に非難を浴び、MERは窮地に追い込まれる。

先ほど事実を知った弦巻は、喜多見の行動に問題があるか? と聞かれて「わかりません」と答える。赤塚は、喜多見の過去について語りだす。アメリカでの銃乱射事件で両親を亡くし「待っているのではなく現場に行ける医師になりたい」という喜多見自体がMERの理念そのものであり、他の人ではだめなのだと訴える。

もう万事休すかと思ったタイミングで喜多見が向かった現場から出動要請が入り、MERとレスキュー隊は現場に。

3人残され白金・久我山に「楽しい政治の綱引きは延期にしましょうか」と微笑む赤塚。実は強かなかんじ、とてもいい~。「どうせすぐに気がつくわよ、自分たちは無力だって」と吐き捨てるように言う白金。

現場で崩落に巻き込まれていた喜多見は、周りの人を助けつつも負傷者の多さと自分が一人ということから子供の頃の事件を思い出し、一瞬固まってしまう。そこへ「何ボーっとしてるんですか!」とMERのメンバーが駆け付けた。

全員救助して一安心というところ、別の棟が爆発する。現場には、他に被害者がいないか確認に行ったレスキュー隊員がおり、連絡が取れないという。

レスキュー隊も動けない中一人行こうとする喜多見に「綺麗事ばかり言わないでください」「理想だけ追ってられたらいいですよね」と珍しく感情的になる音羽。彼は過去に喜多見のように理想を追おうとしたが、それは難しいと思い知った経験があるのかもしれない。音羽がどのような経験を経て今に至るのか気になる。

それでも喜多見は「俺は諦めたくない」と言い、一人現場に走っていく。

現場ではボルトが足を貫通した隊員が倒れていた。爆発の原因になったガスは漏れ続けていて危険だ。まず処置をしてからボルトを抜いて救出するという喜多見に「自分たちは常に覚悟ができています」「自分はもういいですから!早く!」という隊員。

だが喜多見は諦めない。笑顔で「家族は?」「指輪、ご結婚されてるんですよね」「娘さん、会いたいでしょう」「会えますよ」と娘の話になり涙する隊員を励まし、処置を続ける。だがどんどん充満していくガスによって目がかすみ、意識を失いそうになる。

倒れそうになったその時、後ろから彼を支える人物が。
なんと、助けにきたのは音羽だった。間一髪で喜多見を助けた音羽は処置の続きをし、二人でボルトを引き抜いた。二人で隊員の両脇を支え、逃げている最中に背後で爆発。ボロボロになりながらも、ギリギリ助かる二人。

隊員を救急隊に預け、酸素を吸う喜多見と音羽。二人とも、結構ガス吸ってるのにそれだけで大丈夫なのだろうか? 超人か?

っていうか音羽、いいやつじゃん……クールぶってるのにいざとなったら助けてくれちゃうとかサスケみたいじゃん(伝わるだろうか)。

その後も喜多見に危ない行動はどうかと思うとか言いながら自分もボロボロだし、やっぱり握手は拒否するし。やなやつかと思ったけどツンデレでかわいい。でも依然としてMERを潰せと言われているし、官僚としての自分と医師としての自分の間で葛藤しそうだな……。

初回から熱い展開に心躍った! 今後の展開や活躍が楽しみな一方、数々の謎が今後どう明かされていくのかも気になる。喜多見と赤塚が話していた「あのこと」とは何なのか、音羽の過去、弦巻の指導医である高輪(仲里依紗)と喜多見の過去などなど……。次回を心して待ちたい。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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工事現場での鉄骨落下事故に出動したTOKYO MER。自身を危険にさらして現場でオペするチーフの喜多見幸太(鈴木亮平)に、研修医の弦巻比奈(中条あやみ)は反発するが、比奈の起こしたミスにより患者は命の危険に陥ってしまう。

大きく自信を失った比奈に、夏祭りでの爆発事故の出動命令が下る。多数の重症患者を前に「医師の命を守る責任の重さ」に立ちすくんでしまう比奈。喜多見からたった一人での重大オペを任された比奈は、「命という試練」を乗り越えられるのか?

第2話のレビュー

東京都知事・赤塚(石田ゆり子)の命で新設された、動く救命救急室「TOKYO MER」。しかし、チーフドクターの喜多見(鈴木亮平)はレスキュー隊や危機管理対策室の指示も無視して救命を最優先する。そのため、新設されたばかりにもかかわらず周囲から非難が集まっていた。

そんな逆風にも負けず、喜多見や看護師の蔵前(菜々緒)、ホアン(フォンチー)、臨床工学技師の徳丸(佐野勇斗)、麻酔科医・冬木(小手伸也)は一致団結。いつ出動命令が下るかわからない状況でも、彼らは明るく努めようとしている。

その中でも、浮かない顔をしているメンバーが二人……。一人は厚労省から派遣された、いわばスパイの音羽(賀来賢人)。そしてもう一人が循環器外科の研修医でありながら、TOKYO MERを兼務することになった比奈(中条あやみ)だ。

第2話はそんな比奈の大きな成長が見える回となった。工事現場での鉄骨落下事故が発生し、現場に到着したTOKYO MER。そこでも喜多見や蔵前たちは危険をおかして患者を助けようとするが、比奈は足がすくんで動けなかった。運が悪ければ、自分も命を落としかねない状況で患者の命を優先するのは相当な勇気がいる。

現場経験の少ない比奈が戸惑ってしまうのも無理はない。ただ、その自信のなさが命取りになってしまうこともある。喜多見の迅速な対応で事なきを得るが、比奈の判断ミスで患者が命の危険に陥ってしまうのだった。

落ち込む比奈に対する先輩たちの接し方に違いがあって興味深い。比奈の指導医である高輪(仲里依紗)はそっと部下の気持ちに寄り添い、裏では放任主義の喜多見に正面から抗議する頼れる先輩だ。一方で、励ますことも叱ることもしない喜多見。いくら腕が良くてもその指導方法は如何なものか…と最初はモヤモヤさせられたが、それは履歴書の応募動機に「人の命を救いたいからです」と書いた比奈のことを信じているからこその行動だということが後から分かった。

さらには、TOKYO MERを潰すために派遣されたはずの音羽が、夏祭りでの爆発事故で重要な役割を任された比奈にかけた「言い訳するな!」という力強い言葉、そして勇気を出して一人オペに臨む比奈をサポートする蔵前たちの姿にもグッとくる。

医療ドラマでなおかつ「救命」という点で本作と共通するドラマ「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)。そこでも不本意ながらメンバーに選出された研修医あがりの深澤(岸優太)が比奈と同じように他人まかせな行動で患者を危険に晒してしまうという展開が描かれた。

ドラマに登場する新人の責任感にかけた態度は時に視聴者をイライラさせることもあるが、SNSに医療従事者から共感の声が多数投稿されていたように、誰だって他人の命を扱うのは怖い。それでも医師や看護師はそんな恐怖と常に対峙しながら仕事に望んでいるのだと、第2話で描かれた比奈の葛藤から気づかされた。

また、そんな新人の見せる素直な感情がベテランの医師や看護師たちを初心に戻すのだろう。そこまで見込んだチーム編成だとしたら、喜多見の慧眼恐るべし。今後は、そんな喜多見の“空白の1年間”に何があったのかがTOKYO MERの存続にかかってきそうだ。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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凶悪犯が重病の少女を人質に立てこもる事件が発生!
繁華街に飛びかう銃弾…現場に急行したTOKYO MER・喜多見幸太(鈴木亮平)は、少女に薬を渡さないと命に危険があると主張するが、メンツを気にして口を出すなという警察と対立する。

発作の危機が迫る少女の命を守るため、看護師の蔵前夏梅(菜々緒)は自ら身代わりを志願する。娘を育てるシングルマザーの夏梅には、少女を救いたいという強い思いがあった。しかし、そんな中、犯人は夏梅に発砲する!激しい銃撃戦の極限状態の中で、命をあきらめない喜多見は最前線での緊急オペを決行する!

第3話のレビュー

5日連続で東京都の新型コロナウイルス感染者が1000人を超えた7月18日。この日「TOKYO MER」では、今なお最前線で戦う医療従事者に敬意を払った内容が放送された。

看護師でシングルマザーの蔵前(菜々緒)が娘のあおい(北平妃璃愛)を保育園に送り届ける場面からスタートした第3話。これまで言及されていなかったが、今回のドラマはコロナ禍という設定のようで、医療従事者である蔵前が他の保護者からいわれなき差別を受けている様子が描かれた。

理不尽な扱いに顔をしかめるTOKYO MERのメンバーたち。そんな中、品川樹(川島潤哉)が6歳の娘・日葵(加藤柚凪)を人質に立てこもる事件が発生し、彼らは現場に直行する。そこには犯人に包丁で腹部を刺され、重傷を負った女性が。その女性は酷いDV夫だった品川から逃げてきた日葵の母だったのだ。

しかも、一型糖尿病を患っている日葵はインスリン注射を打った直後に食事を摂らないまま人質に取られ、低血糖で発作をおこしてしまった。ただでさえ、犯人が拳銃を所持している危険な現場に緊張感が走る。そんな状況で立ち上がったのが、娘を思う母の想いに共感した蔵前だった。

蔵前は一人で血糖値を上げるブドウ糖を持って、日葵の元へ。アレルギーであるアーモンドが含まれるチョコレートを与えられ、アナフィラキシーショックを引き起こしていた日葵は隙を見て突入した捜査一課特殊犯捜査係(SIT)に無事保護される。しかし、たまたまつけたテレビの報道でそのことを知った品川は逆上。SITのメンバーである中野(濱正悟)が撃たれ、再び蔵前が人質に取られるという最悪の状況に陥ってしまった。

警察上層部が自分たちの面子ばかりを守ろうとする中、蔵前の勇気ある行動に心動かされ、人命救助のために一体となっていく現場。映画並みのスケールで描かれるスリリングな展開に、手に汗握る。

そんな中、東京都知事・赤塚(石田ゆり子)が放った「職業、性別、年齢。そんなものは関係ありません。みんな同じ命です。全ての命を守るのがMERの使命です」という台詞にハッとさせられた。

人々の安全や命を守っている警察官や医療従事者たちにも一人ひとり、大切な人がいて、大切に思う人がいる。それでも今回のように、凶悪犯に立ち向かっていかなければならない時があるかもしれない。コロナウイルスだけでなく、いつ命を脅かされるような感染症にかかってしまうかもわからない。

そんな状況下で、彼らは日々戦っていることを私たちは忘れてはいけない。犯人確保後、SITのメンバーが蔵前に向けた敬礼はこのドラマから全ての医療従事者に送られたものだろう。

医療従事者の健闘、権力との対立、報道規制。日本が直面している数々の課題を1時間に詰め込み、うまく着地させた“日曜劇場”スタッフ・キャストの手腕に唸る回となった。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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トンネル崩落事故発生!現場に駆けつけた喜多見幸太(鈴木亮平)は、移植手術のため心臓を運搬中の医師が、ガレキに埋まっていることに気づく。救出に挑むものの、新たな崩落が…。それでも喜多見は、レスキュー・千住幹生(要潤)や看護師・蔵前夏梅(菜々緒)と決死の突入を試みる!

一方、高輪千晶(仲里依紗)のオペを待つ患者の少女には、命のタイムリミットが迫っていた——現場で、オペ室で、指令室で…全てのメンバーが勇気を振り絞って「命のリレー」に挑む!

第4話のレビュー

循環器外科の研修医でありながら、TOKYO MERを兼務する弦巻(中条あやみ)。彼女を指導するのは、元夫婦であるMERチーフドクターの喜多見(鈴木亮平)と循環器外科医の高輪(仲里依紗)だ。5年前に離婚したという二人はどこかよそよそしく、互いを避けている。

第4話では、喜多見の妹である涼香(佐藤栞里)がそんな様子を気にして、二人を朝食ビッフェに誘う場面からスタートした。気まずそうな喜多見と高輪を他所にお節介を焼く涼香のコミカルなやりとりが展開されるも、事態は急変。移植手術を待ち続けていた高輪の患者に、急遽心臓が提供されたのだ。

急いで高輪を病院まで送り届ける喜多見。しかしトンネル崩壊事故が発生し、喜多見もまもなく現場に出動されることに。そこで彼は提供された心臓を運搬中の医師・小山(高橋ユウ)がガレキに埋まっていることに気づく。

国立循環器病研究センターによると、人間の体から取り出した心臓の保存時間には限界があり、提供者(ドナー)から心臓を取り出してから受給者(レシピエント)の体に移植するまでの全てを原則として4時間以内に終えなければならない。
(参考ページ:国立循環器病研究センター

高輪はすでに手術を始めており、刻一刻と命のタイムリミットは過ぎていく。だがトンネルでは、いつまた天板が崩落するかわからない状況。ドラマを観ていて、思い出したのが2012年12月2日に発生した「笹子トンネル天井板落下事故」だ。この事故でもレスキュー隊が通報を受けて駆けつけたが、火災による煙の充満や二次災害の可能性で救助は困難を極めたという。結果トンネル内を走行中の車が巻き込まれ、9人の尊い命が失われた。

MERをサポートする危機管理対策室室長の駒場(橋本さとし)も、そんな危険性の高いトンネル内部に救助隊や医師・看護師が入ることを許可しない。どうやら駒場もかつて救助活動中に怪我を負ったことがあり、部下を危険に晒したくないようだ。そんな状況下で、みんなを奮い立たせたのが今回も赤塚(石田ゆり子)の言葉。

誰かの命を救おうとしたことを公開しているのかという問いに、駒場は「命を救ってこい」と救助活動を許可する。さらに、自身も命の危機に見舞われながら、ドナーから提供された心臓を優先して届けることを懇願する小山の義務感もその場にいる人たちを突き動かした。

心臓は小山から蔵前(菜々緒)へ、蔵前から喜多見へ、喜多見から音羽(賀来賢人)へ、音羽から弦巻へとバトンのように繋がれていく。アンカーとなったのは、もちろん高輪だ。患者のことを考えて一度はオペを中止した高輪に、喜多見がかけた言葉に愛情を感じる。

「大丈夫、千晶ならやれる」とまさかの名前呼び。その言葉に勇気づけられた高輪がオペを無事に成功させ、喜多見はMERの仲間と共に小山の命を救う。離婚のきっかけはわからないが、二人は別れた今も尊敬し合い、互いの存在に支えられていることだけは確かだ。何よりラストに、寝ている喜多見の手に高輪が拳を当て、「お疲れ」とグータッチしたシーンがいい。その後密かに高輪をまね、拳を喜多見に向けた音羽の姿も。

身勝手な行動を取る喜多見をよく思っていなかったレスキュー隊の隊長・千住(要潤)も今回は協力する姿勢を見せるなど、ようやくMERを取り巻く人々がワンチームになった感じだ。あとは、赤塚をこき下ろしたい厚生労働大臣“白金(渡辺真起子)派”の人たちがどうなっていくか…。彼女にスパイとして派遣された音羽が、医師としての葛藤とどう向き合っていくかが今後の見どころとなるだろう。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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喜多見幸太(鈴木亮平)の妹・喜多見涼香(佐藤栞里)と妊婦を乗せたエレベーターが火災により急停止!乗り合わせた音羽尚(賀来賢人)と大物政治家・天沼夕源(桂文珍)と共に閉じ込められてしまう。煙が充満し酸欠状態のエレベーターで妊婦の容態が急変!

出動したTOKYO MERには、政治家・天沼の救出を優先するよう命令が下る。炎上間近のエレベーターで音羽に迫られる究極の選択…。母子の命を救うため、喜多見が下した決断とは!?

TOKYO MERのメンバーたちが決死の救出劇に挑む!

第5話のレビュー

「官僚っていうのはみんな優秀なものなの。でもバカなことをしなくちゃいけないものなの。命令する政治家がバカだから」

恐らく、この国で政治に関わる多くの人がドキッとさせられたであろう赤塚(石田ゆり子)の台詞。「TOKYO MER」第5話の冒頭では赤塚が喜多見(鈴木亮平)と高輪(仲里依紗)に、“音羽(賀来賢人)を警戒するように”と投げかける場面が描かれた。音羽は厚生労働省からMERに派遣された医系技官。このところ、彼は喜多見の過去を探るなど不穏な動きが目立っている。

一方、噂の張本人である音羽は厚生労働大臣の白金(渡辺真起子)から命令され、闇献金疑惑から逃れるため海浜病院に入院している大物政治家・天沼(桂文珍)を手厚くもてなしていた。音羽は第4話のラストで喜多見に好意的な姿勢を見せていたはずだが、相変わらずMERを潰そうとしている様子。今回はそんな“官僚”と“医師”、2つの顔を持つ医系技官・音羽の信念が試される事件が発生した。

喜多見の妹・涼香(佐藤栞里)と妊娠高血圧症で入院している妊婦(河井青葉)を乗せたエレベーターが火災により急停止。乗り合わせた音羽と天沼と共に閉じ込められてしまう。エレベーター内部では煙が充満し、全員が酸欠状態の中、破水した妊婦の容態が急変。臍帯脱出により、母子ともに危険な状態だった。

そんな状況下で、音羽は“官僚”として天沼の救出を優先させるか、“医師”として母親と赤ちゃんの命を助けるかの2択を迫られる。迷った末に音羽が下した決断は、「人の命より大事なものはない」と妊婦の治療に当たることだった。そのまま、音羽はエレベーター内での帝王切開を開始。周囲の協力もあり、危機一髪で生まれてきた子どもの命を守ることができた。

常に冷静沈着で、何を考えているかわからない音羽の揺れ動く表情が見どころだった第5話。さらに感動的だったのは音羽が助けた妊婦に語ったある“決意”だ。

今回明らかとなったのは、音羽の母親がお金の関係で適切な医療を受けられずに若くしてこの世を去ったという事実。音羽はそんな医療格差をなくすために、医師免許を持ちながら官僚として国の医療制度を根本から変える医系技官になったのだ。

自身が取り上げた新しい命を見つめる音羽の目にはたしかに熱い炎が宿っていた。赤塚の咄嗟の機転で音羽は官僚生命を奪われずにすんだが、彼はこれからMERを潰すためではなく、直接的・間接的に人々の命を守るために奮闘していくのだろう。正反対な性格を持つ喜多見との最強コンビの絆は深くなっていきそうだ。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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18人の小学生が山中で突如として失踪する謎の事件が発生。現場に向かったTOKYO MERの喜多見幸太(鈴木亮平)は、子供たちを捜索し、治療するためメンバーを分散する決断をする。これまでチーム一丸でピンチを乗り越えてきたメンバー達は、バラバラに闘うことに…。

音羽尚(賀来賢人)や弦巻比奈(中条あやみ)は原因不明の重症に陥った子供たちの治療に苦慮する中、喜多見も必死に処置に当たるが、必要な薬剤が全く足りない…!なす術のない喜多見に、最大の危機が襲いかかる!

第6話のレビュー

第5話で官僚としての自分の立場ではなく、医師として患者の命を救った音羽(賀来賢人)。しかし、赤塚(石田ゆり子)を失脚させたい白金(渡辺真起子)はまだ諦めておらず、今度はMERのメンバーをバラバラにしてミスを誘発させろと音羽に命令する。

これまでの出動で、MERの“指示灯”となってきた喜多見(鈴木亮平)。海外の紛争地やへき地での医療従事経験があり、判断力に優れた彼がいたからこそMERは「死者ゼロ」という目的を達成してきた。そのため、白金の思惑に音羽は不安げな表情を浮かべる音羽。そんな彼に喜多見の妹・涼香(佐藤栞里)が「誰にだってできることはある」と声をかける。今週はその言葉通り、MERのメンバーそれぞれの活躍が光る回となった。

「TOKYO MER」第6話では、18人の小学生が山中で疾走する事件が発生。MERは喜多見・冬木(小手伸也)、音羽・ホアン(フォンチー)、弦巻(中条あやみ)・蔵前(菜々緒)・徳丸(佐野勇斗)の3チームに分かれて救助に当たる。それぞれの冷静な判断力が必要とされる現場に漂ういつも以上の緊張感。ただMERのメンバーは喜多見のもとで、確実に成長を遂げていた。

研修医でありながらMERのメンバーに選任された弦巻は、命の危機に晒された子どものオペをその場で開始。当初は喜多見の指示を仰ぐだけだったが、見違えるほど頼もしくなった彼女の行動には少しの迷いもない。目の前の命を救うことに全力を注ぐ喜多見に影響されたのだろう。

一方、熱中症の子どもたちに使う点滴が足らず、ピンチに陥った喜多見を救ったのはメカオタクの徳丸だ。なぜか重装備でやってきた彼は広い山間部での救助を想定し、離れていても必要な薬剤を届けられるドローンを持ってきていた。また、母国のために日本で看護技術を学ぶホアンは自らの危険を顧みず、スズメバチに刺された救助隊員を救う。

ただ純粋に「人の命を救いたい」と医師を志した弦巻をMERのメンバーに選任した喜多見。経験や技術だけではなく、それぞれが何らかの理由で彼に選ばれている。まだまだ未熟なところはあるかもしれないが、誰一人として欠かすことはできない。

しかしただ一人、冬木だけは自分に自信を持てないでいた。彼は別居状態にある息子に尊敬されたくて、「MERの副チーフ」だと嘘をついたという。そんな時、行方不明になった子どもの一人に冬木の息子がいることが判明。しかも息子は一度スズメバチに刺された時に蜂毒アレルギーを持っていることが分かっており、二度目に刺されると重篤率が格段に上がってしまう。パニックに陥り、単独行動を取ろうとする冬木。そんな彼に、同じ幼い子どもを持つ母親として蔵前が冷静な言葉をかける場面もいい。落ち着いて見えるが、胸には熱い思いがあり肝が据わっている。

そして蔵前をはじめ、周りのサポートのおかげで冷静さを取り戻した冬木はあることを思い出す。冬木は息子に、もしハチに刺されたら蜂毒を絞り出し、水で洗うようにアドバイスしていたのだ。水場を捜索した冬木は無事に息子を発見。自身もハチに刺され、危険な状態に陥ったが、麻酔科医として一人の患者である息子の命を守りきった。

今週は特にGReeeeNが歌う主題歌「アカリ」の、<君は僕の世界守るヒーロー>というワンフレーズが心に響く。幼い頃にみんなが憧れた人々を救うヒーロー。大人になりヒーローになれなかった現実を嘆くこともあるが、実は誰もが誰かのヒーローだったりする。冬木は副チーフじゃなくてもオペ室で患者の命を守り、そんな彼の息子は幼いながらにパパに教わった対処法で同級生のピンチを救った。MERのメンバーはもちろん、いつも彼らの活動をサポートしている駒場(橋本さとし)も赤塚からMERの未来を託されたヒーローだ。第6話は今日もどこかで私たちの世界を守り続ける小さなヒーローたちの息遣いを感じる回となった。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

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外国人労働者が原因不明の症状を訴え、出動したTOKYO MER。集団食中毒事件と思われたが、なぜか現場は多くの警察官によって占拠されていた。事態の真相が見えないまま傷病者を搬送しようとする喜多見幸太(鈴木亮平)だったが、そこに公安刑事・月島しずか(稲森いずみ)が現れ、患者の身柄を拘束してしまう。この事件の背景には、政府を揺るがす大きな事件と驚くべき喜多見の秘密が…それは喜多見の「空白の1年」にも繋がっていた!

第7話のレビュー

「TOKYO MER」が新章に突入。第7話ではMERに新たな敵が登場し、映画さながらのスリリングな展開が待ち受けていた。

赤塚(石田ゆり子)と対立する白金(渡辺真起子)以外に、喜多見(鈴木亮平)の“空白の一年”を追っている人間がいる。音羽(賀来賢人)がそう気づいた矢先、次の事件は起きた。清掃会社で働いていた外国人労働者数名が、原因不明の症状を訴えたのだ。

喜多見は出動当時一緒にいた冬木(小手伸也)、ホアン(フォンチー)と共に現場に駆けつける。集団食中毒事件と思われたが、清掃会社の社長は従業員に多くを語らせず、現場には多くの警察官が駆けつけていて……。

不審に思った喜多見が一人の従業員に問い詰めると、不法就労で働く外国人労働者の存在が発覚。さらには現場で爆発事故が起き、封鎖されてしまった地下に15名の隠された従業員が取り残されてしまった。

喜多見はもちろん、彼らを助け出そうとする。しかし、公安部外事第四課課長・月島(稲森いずみ)を中心とした警察からの圧力が。それでも喜多見は制止を振り切り、駆けつけたレスキュー隊や残りのMERメンバーと共に傷病者を助け出した。

ちなみにレスキュー隊の隊長・千住を演じているのは、要潤。稲森いずみと要潤の組み合わせに、フジテレビのドラマ「曲がり角の彼女」(2005)を思い出したのは筆者だけではないはずだ。当時恋人役を演じた二人が時を経て、ドラマの同じ現場に居合わせ、それぞれがMERの味方・敵役として濃厚な演技を見せている。個人的にはとても興奮した瞬間だった。

また「MIU404」(2020)第5話において、劣悪な環境で働かされる外国人労働者の現状を訴えたベトナム人留学生のマイ役で出演したフォンチー。彼女が演じるホアンのセリフも印象的だ。

ジャパニーズドリームを求めて日本にやってきた外国人をしめしめと不当に働かせたり、地位や名誉のために困っている人を切り捨てる人が残念ながらいるのも事実。だけどマイ役で「日本嫌い、なりたくなかった」と言ったフォンチーが、今回発した「私知ってます、本当は日本人みんな優しいって」という台詞はとても意味のあるものだと思う。

そして、極め付けにはラストに城田優がサプライズ登場。彼が演じるエリオット・椿は事件の裏で政府に身代金を要求していたテロ組織・LP9(Lasting Peace 9)の一員だ。レスキュー隊に紛れ、密かに喜多見と接触していたことも明らかとなり、事件に乗じて神経ガスの製造に必要な有機リン化合物を日本理科大学の薬品倉庫から盗み出していた。

「“どんな命も救う”相変わらずですね、先生」

喜多見に届いたメッセージには何が隠されているのか。椿は喜多見の“空白の一年”、そしてMER存続の鍵を握る重要人物となりそうだ。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー


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とある病院で、停電により全ての医療機器が停止!多くの患者が死に直面するパニックに…!

出動した喜多見幸太(鈴木亮平)らMERメンバーだが、”空白の1年”の秘密を知ってしまった音羽尚(賀来賢人)は激しく反発。「そんな人に命を預けることはできない、命令には従わない」と宣言し、MERメンバーの信頼関係は崩壊してしまう…。そんな中、患者を救うため単独で屋外の発電機復旧に向かった喜多見を、恐るべき危機が襲う―!

第8話のレビュー

信頼を積み上げるには時間がかかるけれど、それを崩すのは一瞬。相手に不信感を抱いた時点で、すべての言動を疑い始めてしまう。その相手が現場を指揮するリーダーなら尚のことだ。

「TOKYO MER」第8話では、喜多見(鈴木亮平)の過去に世界的なテロ組織「LP9」が関係していることが発覚。どんなに危険な現場でも、抜群のチームワークで患者の命を救ってきたMERの信頼関係が揺らぎ始める。

前回、MERの“新たな敵”として登場した公安刑事・月島(稲森いずみ)。彼女は有毒ガス発生事件の現場に姿を現したLP9のメンバー・椿(城田優)と喜多見の関係性を探っていた。

そのため、喜多見の“空白の1年”について知っている赤塚(石田ゆり子)、涼香(佐藤栞里)、高輪(仲里依紗)の3人は気が気でない様子。厚生労働省から派遣されている音羽(賀来賢人)も公安の不穏な動きを察知し、涼香と高輪の会話に耳を潜めていた。そこから喜多見が警察に捕まっていた過去を知る。

危険を顧みず、常に目の前の命を救うことに一生懸命な喜多見。そんな彼に感化され、音羽は当初潰そうとしていたMERを陰で対立する組織から守ってきた。

常に冷静でクールだが、本当は日本の医療制度改革を成し遂げたいという野心を持つ彼のことだ。多くの人の命を救ってきたMERの存在意義を確固たるものにするため、組織を揺るがしかねない問題を取り除いておきたかったのだろう。停電によりすべての医療機器が停止した病院に駆けつける車内で、音羽は喜多見に過去の出来事を話すよう促す。

しかし、赤塚と「MERが正式承認されるまでは秘密を守る」という約束を交わした喜多見はMERのメンバーに何も話すことができない。疑惑を残したままの救助活動で、音羽は喜多見に反発。チームワークが崩れ始めた時、現場では二度目の土砂崩れが起きてしまった。

そんな中、一人で非常用電源の復旧作業に向かった喜多見は無線で自身の過去を告白。海外での医療活動をしていた時に、銃撃戦で怪我を負った椿を手当てしたこと。その後、テロ組織のメンバーである椿を政府の人間が探しにきたが、患者のために「ここにはいない」と嘘をつき、テロリストをかくまった罪で逮捕されたことを明かした。つまり、喜多見は直接的にテロ組織と関係があるわけではない。自分がどんなに不利な立場になろうとも、患者のために命を投げ出せる男だ。

そんな喜多見のおかげで非常用電源は回復するが、土砂で足を滑らせた彼はむき出しの電源コードに触れて感電。駒場(橋本さとし)は救助隊が来るまで待機を命じるが、MERのメンバーは命令を無視して喜多見の救助に駆けつける。

その際、音羽が放った言葉が胸熱。「待ってるだけじゃ、救えない命があります」。これは常日頃、喜多見が言っているセリフだ。二次災害の危険が迫る中、心停止していた喜多見をただ一人諦めず心臓マッサージを続ける音羽。喜多見が蘇生し、ほっと胸をなでおろす姿に心が震える。

また、その後の音羽と涼香のやりとりも見どころの一つ。喜多見の過去を白金(渡辺真起子)に伝えるか伝えまいか迷っていた音羽に、涼香は「ずっと音羽先生の味方ですから」と伝える。彼女は以前、音羽が命を救った妊婦に伝えた夢をこっそり聞いていたのだ。「TOKYO MER」にはあまり恋愛要素は含まれていないが、この二人は少しずつ惹かれあっているような気がする。音羽にとって“人を心から信じる力”を持った喜多見や涼香は放っておけない、そして忘れかけていた人の温かさを教えてくれる存在なのだろう。

音羽は白金に嘘の報告をし、MERの未来を守った。退院した喜多見を全員で迎えいれるメンバー。本当の意味で、MERが一つになった瞬間だった。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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第9話ストーリー&レビュー

第9話ストーリー

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外国大使館で二酸化炭素中毒事故が発生! 出動したMERに「大使館内は各国の領土であり、許可なく立ち入れない」という法律の壁が立ち塞がる。

一方、都知事・赤塚梓(石田ゆり子)は持病で倒れてしまう…指揮官不在の中、救助に向かった喜多見幸太(鈴木亮平)とレスキューの千住幹生(要潤)が患者とともに地下駐車場に閉じ込められた! 時間が経つにつれ酸素は薄れ、患者の容体は悪化…絶体絶命のピンチに、命を救うため危険な賭けに挑む!

第9話レビュー

喜多見(鈴木亮平)の過去を知り、さらに深まったMERの絆。音羽(賀来賢人)も身を挺して職務にあたる喜多見に心動かされ、MERを潰そうとする白金(渡辺真起子)に嘘の報告を行う。

そんな音羽のツンデレぶりが第9話の冒頭でも発揮された。入院中の子どもたちを活動拠点に招き、一日体験会を開いたMER。そこには喜多見の妹・涼香(佐藤栞里)の姿も。2人にはかねてより恋の予感が漂っているが、今回も間に流れる空気がどことなく甘い。

喜多見を守ってくれたお礼にお菓子を作るという涼香に好きな味を聞かれ、音羽は「チョコ……ですかね」と小さく答える。ニヤける涼香、そして、そんな2人の様子を見て兄としての複雑な感情を滲ませる喜多見の姿が微笑ましい。

しかし、一時の平和な時間が流れたと思いきやトラブルが発生。MERを指揮する赤塚(石田ゆり子)が病に倒れたのだ。赤塚は特発性拡張型心筋症を患っており、心臓移植が必要な状態。これ以上、公務を続けることは難しかった。

MERがこれまで“死者ゼロ”を実現してきたのは、赤塚の臨機応変な判断あってこそ。そんな指揮官を失い、誰もが不安を抱えていた時、MERの出動要請がかかってしまう。パルマ共和国大使館の地下駐車場にて、消火用の二酸化炭素が噴出。消火設備の点検作業にあたっていた作業員数名が、駐車場に取り残されてしまった。

MERの使命はいつも通り彼らを救うことだが、今回の問題は場所が外国大使館であるということ。外交特権が認められており、特命全権大使の許可がなければ私人が内部に侵入することはできない。

力を振り絞り病床から突入許可を出した赤塚のおかげで、MERは作業員救助に向かうが、レスキュー隊の隊長・千住(要潤)が作業員ほか1名の患者を発見。再び消火装置が作動し、防火シャッターが閉まったことで千住、喜多見、患者の3名が地下駐車場に閉じ込められてしまう。

時間の経過とともに酸素が薄れ、絶体絶命のピンチに。そんな中、千住は息を止めてシャッターの電源を切断するという賭けに出た。自分を犠牲にしても目の前の命を救う、レスキュー隊としての誇りに痺れる。個人的に、喜多見と千住がグータッチを交わす場面が今回のハイライト。対立していた2人が手を取り合い、戦うというのはありがちだが、やはり熱い。

その頃、元レスキュー隊で赤塚からMERを頼まれた駒場(橋本さとし)も危機管理対策室で戦っていた。自己保身に走る白金の制止を振り切り、救出作戦を実行したのだ。命からがら駐車場から脱出した喜多見と千住を、駆けつけたMERのメンバーとレスキュー隊が救う。手に汗握る展開だったが、清川(工藤美桜)の「死者は……ゼロです!」という変わらぬ決め台詞に安心させられた。

しかし、最後に久我山(鶴見辰吾)が爆弾を落とす。涼香を騙して聞き出した喜多見の過去を、マスコミに流したのだ。世間は掌を返し、テロ組織のメンバーである椿(城田優)が動き始めた。次週から「TOKYO MER」は最終章に突入。果たして、MERの未来は。

※この記事は「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の各話を1つにまとめたものです。

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第10話ストーリー&レビュー

第10話ストーリー

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喜多見幸太(鈴木亮平)がテロ組織への関与を疑われ、出動禁止を命じられたMER。そんな中、ある大学で爆破事件が! 救助のため駆け付けた喜多見と音羽尚(賀来賢人)だったが、それは更なる爆破テロを仕掛けたエリオット・椿(城田優)の罠だった。爆弾を仕掛けた校舎内で重傷者のオペを行う2人だったが、SNSの噂を信じ込んだ学生達は喜多見をテロリストと疑い、とんでもない行動に…2人を襲う最大の危機。そしてついに、初めての死者が発生する…!?

第10話レビュー

まさかのラストに震えが止まらなかった。予告で一瞬流れた「死者1名」の文字。どんなに願っても救えない命はあるとわかっていたが、それでもいち視聴者として心が追いついていかない。

「TOKYO MER」第10話では、とある大学に爆破予告が届き、MERが出動。テロ組織に関与していたと報道され、世間からバッシングを受けていた喜多見(鈴木亮平)と音羽(賀来賢人)が現場に駆けつける。しかし、それはテロ組織LP9の椿(城田優)による罠で、予告とは異なる場所が爆発。2人は数人の医学部生と校舎内に閉じ込められてしまった。

そこからはパニック映画さながらの展開が続く。SNS上に拡散された「喜多見はテロ組織の一味」という噂に生徒たちは惑わされ、喜多見を薬品管理室に閉じ込める事態へ。

「くだらない噂に振り回されていないで、あの人が何をするのかその目で見て判断しろ」

音羽が生徒たちに訴えたこの言葉は、私たち一人ひとりに向けられたものでもある。現実世界でも日々SNS上には不確かな情報が流れ、いとも容易く信じてしまう人が多い。でもそれは本当に真実なのか、信じるに値する情報なのか。誹謗中傷する手を一旦止め、自分の目で見たものだけを信じることの大切さを音羽の言葉に教えられた。

そして、生徒たちも必死で戦う喜多見と音羽の姿を見て協力することを決意。椿に内通していた女子生徒の心をも動かし、全員で校舎から脱出することができた。この時点で、ドラマの放送はあと20分。私たちも「死者1名」という空目した文字に踊らされているだけかもしれない……と思った矢先、新たな爆破が起きてしまう。

かつて喜多見に命を救ってもらったと語る椿から、涼香(佐藤栞里)に手渡された水筒が爆弾だったのだ。どこまでもお人好しでまっすぐな涼香の命は、たった1人の「世の中は不条理だってことを分かってほしかった」という身勝手な思いによって奪われる。鈴木亮平をはじめ、目の前で大切な人を失った絶望を表現する役者たちの迫真の演技に涙が止まらない。

「死者1名」。その数の分だけ、積み重ねられたストーリーがある。幼い頃にテロで両親を失い、兄を側で支えながら共に生きてきた涼香。エレベーターに閉じ込められた際には自分よりも患者の命を優先し、誤解されやすい音羽にも優しい眼差しで向き合ってきた。この先、喜多見やMERのメンバーに見守られながら音羽と結ばれる……なんて未来もあったかもしれない。そんな希望が一瞬にして打ち砕かれてしまった。

次週、「TOKYO MER」は最終回を迎える。あと1話で、本作はそれでも前を向く理由を私たちに教えてくれるのだろうか。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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–{第11話ストーリー&レビュー}–

第11話ストーリー&レビュー

第11話ストーリー

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最愛の妹・喜多見涼香(佐藤栞里)を亡くし、失意のどん底にいた喜多見幸太(鈴木亮平)はMER脱退を告げる。都知事の赤塚梓(石田ゆり子)は意識不明のまま生死の境をさまよっていた。そして、音羽尚(賀来賢人)は大物政治家・天沼夕源(桂文珍)に逆らえないまま、遂にMER解散が決定しようとしていた…。

そんな中、エリオット・椿(城田優)による連続爆破テロで東京中が炎上!多くの負傷者が出るが、喜多見も音羽も出動せず、ERカーの使用も禁じられてしまう!
最大のピンチを迎えたメンバー。しかし、その時…喜多見の心を震わせる「言葉」が響いた。

TOKYO MERの最後の出動の物語。

第11話レビュー

何の罪もない涼香(佐藤栞里)の命が理不尽に奪われた前回の「TOKYO MER」。あまりの衝撃的な展開に、しばらく茫然自失とした視聴者も多いだろう。MERの運用が正式に認められ、新たな一歩を踏み出す兄・喜多見(鈴木亮平)や音羽(賀来賢人)らの姿を誇らしげに見る涼香——そんな最終回を誰もが期待していた。

裏切られたような気分にしばらく陥っていたが、喜多見を演じる鈴木亮平が自身のTwitterで発した「先週は、皆様と同じく我々にとっても辛い回でした。しかし、描かなければいけない回でした。この喪失の先にきっと『命を救う仕事』を選んだ者たちの矜持を、人間の崇高さとも呼べるものを見ていただけると信じるからです。」というコメントにハッとさせられる。

どんな暗闇の中にも、いつしか道を照らす“希望の光”が差し込むはずだ。そう信じて、「TOKYO MER」の最終回を見届けよう。

自分が紛争地に行かなければ、テロ組織LP9の一員である椿(城田優)を助けなければ、涼香は今もここにいたかもしれない。「ただ純粋に目の前の命を救う」という自身の正義を信じられなくなった喜多見は、MERの解散を決意する。一方、持病を抱える赤塚(石田ゆり子)は生死を彷徨い、音羽も政治の圧力に逆らえずにいた。

そんな中、闇献金疑惑のある天沼(桂文珍)に世間の批判が集まり、それを契機としたLP9による同時多発テロが発生。MERのメンバーは最終審査会よりも救助を優先し、現場に駆けつける。涼香という大切な存在を失った音羽も、喜多見の言葉を思い出し、審査会でこう証言する。

「このチームがいるというだけでみんなが安心する。TOKYO MERはそういう存在に成長しました」

そこからは日曜劇場らしい、目頭が熱くなるような展開が続く。「最後に、純粋に人の命を救う政治がしたかった」という赤塚の言葉が、ずっとMERの敵だった白金(渡辺真起子)の心を動かした。MERの正式認可を下ろし、全員が足並みを揃えて“死者0”という使命を全うする。

第11話はまさに、みんなが主役の回だ。

喜多見が不在の中、音羽、弦巻(中条あやみ)、蔵前(菜々緒)、ミン(フォンチー)、冬木(小手伸也)、徳丸(佐野勇斗)、そしてレスキュー隊の千住(要潤)という頼もしいメンバーが爆弾に巻き込まれた人々を救い、危機管理対策室では赤塚の代わりを担った白金と駒場(橋本さとし)が中心となって現場を動かす。お馴染みの「死者はゼロです!」というセリフに、思わず小さくガッツポーズを取ってしまった。

この国にはたとえ注目されなくとも、たくさんのヒーローたちが存在する。コロナ禍という厳しい現実の中、医療従事者たちが多くの命を救ったように。

最後は喜多見が妹の命を奪った張本人である椿を再び助け、「命を救えて良かった」とつぶやく。椿は、数としてはただの“1”でも誰かにとって生きる全てだった尊い命を奪った罪を生きて償わなければならないのだ。

この物語は決して、綺麗事ばかりではなかった。いつの世界にも暗闇で覆い尽くすような悲劇が時として訪れる。それでも悪意に飲み込まれず、希望の光を探し続けたい。「TOKYO MER」はそんな風に感じさせてくれる、大作だったと言えよう。

※この記事は「TOKYO MER」の各話記事を一つにまとめたものです。

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(文:シネマズ編集部)

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–{「TOKYO MER~走る緊急救命室~」作品情報}–

「TOKYO MER~走る緊急救命室~」作品情報

コロナ禍という未曾有の恐怖の中、危険を顧みず命を救うために闘う医療従事者たちの“勇気”に人々は心を打たれ、胸を熱くした。

重大事故、災害、事件の現場に駆けつけ、命を救うために危険な現場に勇猛果敢に飛び込んでいく救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く物語!

主演・鈴木亮平が演じる主人公は、“TOKYO MER”のリーダーでスーパー救命救急医・喜多見幸太。「待っているだけじゃ、救えない命がある」ーー命を救うためなら命も懸ける使命感と強い信念を持つ医師。

大事故、大災害……かつてない超スケールで描く、命を巡る熱く胸躍るヒューマンドラマ!

出演:鈴木亮平/賀来賢人/中条あやみ/菜々緒/小手伸也/佐野勇斗/石田ゆりこ/要潤

出演者放送前コメント


鈴木亮平

僕が演じる喜多見幸太は、患者が搬送されてくるのを待っているのではなく、自ら事故や災害の現場に駆けつけ、いち早く命を救う救命救急チーム「TOKYO MER」のチーフドクターです。そして喜多見は、命懸けで危険な現場に飛び込み、勇敢に患者さんを救おうとする情熱を持っています。

また、この作品で注目してほしいのは、オペ室を完備した最新鋭の“ERカー”が登場することです。監修の救命救急医の方々から、「理想の医療」だという声もお聞きしました。

この作品が、今の大変な状況の中で働く医療従事者の方々へのエールになればうれしいですし、一つ一つの命の大切さを改めて伝えていけるようなドラマにできればと思っています。

“日曜劇場”らしく、熱く、スケールの大きなドラマをお届けしたいと思いますので、楽しみにしてください。

賀来賢人
台本を読んで、撮影がとにかく大変になるだろうなと思ったほど、スケールがとても大きい作品です。脚本家の黒岩勉さんの「TOKYO MERのメンバーがヒーローに見えるような作品にしたい」というイメージを聞いて、すごくワクワクしています。

私が演じる音羽は、厚生労働省の官僚であり医師でもあるという複雑な役です。鈴木さん演じる喜多見とは対照的な役柄ですが、音羽には音羽なりの正義があると考えています。クールなキャラクターですが、実際のところはどうなのか、放送を楽しみにしていただければと思います。放送を観て、また次の日も頑張ろうと思えるような作品になるよう頑張りますので、ぜひ皆様に観ていただければうれしいです。

中条あやみ
初めて日曜劇場に出演できる喜びを噛みしめつつも、これから闘いが始まるんだなと実感しています。これまでにも研修医役を演じたことはありましたが、本格的な医療ドラマは今回が初めてです。救命救急の医療指導も受けさせていただきましたが、難しい医療用語や器具の使い方など覚えることが多く、共演者の方々においていかれないか不安もありました。でも、練習を重ね、みんなで力を合わせて作品を作っていくんだと思うと、もっと頑張りたいというパワーが湧いてきます。

一人一人の命を救いたいという医療従事者の方々の熱い思いを大切に、素敵で熱いドラマを皆様にお届けできればと思います。

脚本・黒岩勉
コロナ禍におきまして、人間の一番キレイな部分といいますか、心を動かされる瞬間というのは、自己犠牲を払って他の誰かを助ける姿なのだなと改めて思いました。こんな時代だからこそ、誰かのために必死に戦うヒーローが見たい。最強のナイスガイ・鈴木亮平さんとその仲間たちがきっと叶えてくれます。

とても真剣な医療モノなのですが、とことん痛快な「アクションエンターテインメント」を目指して書かせていただいています。医療従事者だけではなく、その周りでサポートする人々も含め、危機的・絶望的な状況の中でも、冷静に、的確に、前向きに、ただひたすら命を助けようと奮闘する人たちのお話です。

これを見ると、自分の周りにいる人たちに感謝したくなる。ささくれ立っていた気持ちがちょっとだけ優しくなる。そんなテレビ番組になれれば最高に幸せです。

演出・松木彩
以前、救急医療やレスキューの現場を拝見する機会があり、見ず知らずの他人のためにこんなにも危険を顧みず人生を懸けている人たちがいるのかと大変衝撃を受けました。彼らの凄まじさと、その時感じた「この人たちがいればきっと大丈夫だ」という安心感を、喜多見とMERチームの姿を通して伝えていきたいです。

真夏の日曜夜にスカッと前向きになれる作品をお届けしたいと思いますので、どうぞご期待ください。