フジテレビ・オトナの土ドラ枠で2021年6月5日(土)にスタートした「#コールドゲーム」。
-45℃の氷河期を迎えた地球を舞台に避難所でたくましく生きる人々を笑いあり・涙ありで描く本作。極限の世界でタフに生き抜こうとする主人公の女詐欺師を羽田美智子が演じる。
本記事では、cinemas PLUSのドラマライターが第7話の様子を紐解いていく。
「#コールドゲーム」第7話のレビュー
第6話に引き続き、第七支部にどうにも不穏な空気が漂っている。
前回大輝を逃したのは黒崎。しかし、彼はその罪を小橋になすりつけ、如月は小橋を懲罰室に入れてしまう。これはさすがにひどくないか?…と思ってしまった。小橋はここまでずっと如月の太鼓持ちをして、相当尽くしてきたのは間違いない。その如月からこの仕打ち。あまり好感が持てない男だったけれど、小橋がどうにも気の毒になった。
そして、避難所の男性たちも何かおかしい。というか、どう見てもクーデターを計画しているようにしか思えない。これも黒崎の差し金らしいが、彼は如月の前で「あんたと俺が助かればいい」と言っていて、彼の真意が本当にわからずじまいである。男たちは一体何をしようとしているのか。
そんな中、大輝が一人の少年とともに戻ってくる。大輝がつれていたのは祥子の息子・裕翔だった。
意識が戻らない裕翔を保健室のベッドに寝かせた後、祥子は大輝や陽菜の前で自分の過去を明らかにしていく。
かつて祥子は如月と恋をして結婚の約束もしていた。しかし、如月が別の女性に乗り換えて捨てられたため、しばらくして再会したときに彼から大金を騙しとって復讐。その後も、自分と同じように騙された女性を助けて詐欺を重ねてきたのだった。なお、裕翔は如月と別れた後に結婚した男性との間の子どもだが、その夫は飛行機事故で他界したらしい。
祥子が逮捕された経緯も今回明らかになった。一度目は詐欺、二度目は裕翔を連れ戻そうと彼の養父母の家に入った際に捕まってしまった(このときに刑務所で椿と知り合った)。そして、氷河期になったときに一人の刑務官のおかげで刑務所を脱出。裕翔を見つけようと第七支部にたどりつき、如月の命を狙う大輝と協力関係を結ぶ。さらに椿から彼女の孫娘の陽菜を託され、最後に隆を誘って偽装家族として暮らし始めたのだった。
ここまで見てきて、平気で嘘をつく狡猾な一面もあるけれど、決して悪人ではないのが伺えた祥子。なので、過去を知って、そういうことだったのか…とだいぶ納得した。椿から「悪い男を騙すのが楽しくなったんじゃないの?」と言われて悪びれず認めていたので、詐欺稼業をそこそこエンジョイもしたようだけれど、その根っこにあったのは苦しむ人を見過ごせない彼女の優しさと包容力だった。そして、祥子を捨てておきながら「君との思い出は忘れないよ」と言ってのける如月は本当にひどい男。彼の正体もようやくわかった気がした。
何はともあれ、ここに来てようやく息子と出会えた祥子。
しかし、安堵したのはほんのつかの間。ショッキングな現実が彼女を襲った。なんと、裕翔の養母もまたこの避難所に暮らしていたのだ。
保健室で泣き崩れながら裕翔を抱きしめる養母。そして、意識が戻った裕翔は彼女を「お母さん」と呼ぶ。そんな彼らを目の当たりにする祥子。もう見ていてただただやるせなかった。
今回見た限り、養母の女性も確実に裕翔に愛情を注いでいる。この現実を知った祥子は果たしてどうするのだろうか。実の親子でなくても絆や愛情を育めることは、大輝や陽菜を守ってきた彼女が一番よくわかっているはず。もしかすると祥子は悲しい決断をしてしまいかねない…と、今後の展開が非常に心配になってきた。
そして、事態はさらなる急展開。隆が大輝を体育館へ連行し、そこに待っていたのは黒崎と如月。しかも、如月の手には拳銃が握られていた。「話が違う。大輝を連れてきたら穏便にことを収めるって…」と驚いて大輝を庇う隆。そこに祥子と陽菜も駆けつけるが、揃った木村家に如月は「偽装家族のみなさん」と呼びかける。ついに祥子たちと如月は直接対決のときを迎えた。
はたして彼らの運命はどうなるのか? 7回を回ったサバイバルゲームは次回ついに最終回。どうかどうかつらいことにならないでほしい。木村家の4人、そして、第七支部の住人たちの無事を心から願っている。
「#コールドゲーム」第7話ストーリー
祥子(羽田美智子)の息子・裕翔(川口和空)を救うために、決死の覚悟で外界へ向かった大輝(結木滉星)。避難所では、大輝に如月(中村俊介)を狙わせたとして小橋(和田琢磨)が懲罰室に入れられ、黒崎(篠原篤)がその地位にとって代わっていた。
祥子は避難所の前で行き倒れ手当を受けていた山田(福田転球)を問い詰め、山小屋で裕翔が生きていることを知る。襲い来る吹雪の中、なんとか山小屋までたどり着いた大輝だったが、その中には誰もおらず…。
(文:田下愛)
–{「#コールドゲーム」作品情報}–
「#コールドゲーム」作品情報
マイナス45°Cの氷河期に襲われた地球。
ここ、避難所第七支部では逃げ込んできた数十人がぎりぎりの生活を送っていた。
もはや文明は崩壊し、金や地位は何の意味も持たず、缶詰ひとつ、毛布一枚がなによりも必要とされる、価値観が一変した世界。
人類は、生きたいという本能的な欲望の強い者だけが生き残る極限状態に直面していた。
主人公は、そんな弱肉強食の世界に負けず、どんな手段を使ってでも生き抜くことを決意した前科2犯の天才欺師・木村祥子。たどり着いた避難所はなぜか“家族”優先に運営されており、祥子は寄せ集めの”偽装家族”の母親として過酷な日々に立ち向かう!
絶対に生き延びてやる!祥子が放つ爆発的な生きるエネルギー!
その裏には、生き別れた息子に一目会いたいと願う母の切なる想いが煮えたぎっていた。
キャラ立てハッキリ、あざとさ満載、情には厚くテンポよく。
厳しい人間模様の中にも明るく温かな物語を展開させます。
善人に見える人、悪人に見える人、しかし一枚仮面を剥ぎ取れば、善の裏にも悪が潜み、悪の片隅にも予想外の善が息づいている。
追い詰められた環境の中でこそ現れる人間の本性を、笑い泣きのエピソード満載で描きます。
放送日時
2021年6月5日(土)スタート。毎週土曜夜11時40分~
放送局
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
出演
羽田美智子
結木滉星
久間田琳加
やす(ずん)
篠原篤
和田琢磨
山田転球
椿鬼奴
銀粉蝶
中村俊介
原作・脚本
小松江里子
音楽
中村巴奈重
斎木達彦
主題歌
ファーストサマーウイカ「帰り花のオリオン」
作詞・作曲・編曲:粗品(ユニバーサル ミュージック/ Virgin Music)
挿入歌
神はサイコロを振らない「徒夢の中で」(ユニバーサル ミュージック/ Virgin Music)
企画
市野直親(東海テレビ)
プロデューサー
松崎智宏(東海テレビ)
宮川晶(ケイファクトリー)
演出
千葉行利(ケイファクトリー)
後藤庸介
制作
東海テレビ
ケイファクトリー