<イタイケに恋して>最終回まで全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

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菊池風磨・渡辺大知・アイクぬわらの3人が、シェアハウスに同居しながら相談人の悩み事を解決する「イタイケに恋して」が2021年7月1日より放送スタート。

「おっさんずラブ」「私の家政夫ナギサさん」などを手掛けた徳尾浩司の脚本による完全オリジナル作品。ミュージシャン、トップアイドル、お笑い芸人という個性豊かな3人が不器用な男子に扮して、恋のキューピッドとして奮闘する物語が展開され、好評を得ている。

cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

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もくじ

・第1話ストーリー&レビュー

・第2話ストーリー&レビュー

・第3話ストーリー&レビュー

・第4話ストーリー&レビュー

・第5話ストーリー&レビュー

・第6話ストーリー&レビュー

・第7話ストーリー&レビュー

・第8話ストーリー&レビュー

・第9話ストーリー&レビュー

・第10話ストーリー&レビュー

・「イタイケに恋して」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

第1話のストーリー


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影山(渡辺大知)、飯塚(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)は、シェアハウスで共同生活を送っている。彼らは、恋愛を研究する大学院生・佐知(石井杏奈)が運営する恋愛サイエンス総合研究所の住み込みアルバイトに採用されたのだ。

研究所には、恋の悩み相談が舞い込む。3人は、依頼人の悩みを解決する仕事を任される。そんな中、研究所に大学生の果帆(大友花恋)が訪れる。

果帆は毎朝乗る電車で東京から秋葉原に向かう間、ほんの12秒ぐらい同じスピードで並走する電車の窓際に立つ男性を見かけるようになった。しかし、ここ最近、彼の姿が見られず、果帆は気になって仕方ない。どうやら果帆は、彼に恋をしたようだった。3人は、その男性を捜すことに。しかし、手掛かりは、果帆が電車の車内から向かい側の電車に乗る男性を写した写真だけで…。

第1話のレビュー


ネガティブな売れないシンガーソングライター・影山を渡辺大知が、プライドだけが高い売れない俳優・将希を菊池風磨が、ピュアすぎる売れない漫画家・マリックをアイクぬわらが演じる本作。菊池風磨の菊池風磨っぷりが炸裂した第1話だった。

影山、将希、マリックが住み込みのアルバイトをしている“恋愛サイエンス総合研究所”に、大学生の果帆(大友花恋)が訪ねてくる。並走する電車で、ほんの12秒間だけ目が合っていた男性を探してほしいという。彼は、ある日を境にその電車に乗ってこなくなってしまった。以来、ずっと彼のことを考えてしまうという果帆に、「それは…恋だね」という将希。そんな将希に落ちた視聴者も多かったのではないだろうか。

翌日、問題の彼を探すため、影山とマリックは駅で張り込みをすることに。将希も張り込みを命じられていたが、「無理」と帰ってきてしまっていた。このやる気のない感じ、非常に悪くない。
そこへ、研究所の所長・佐知(石井杏奈)がAIシミュレーターの六郎さんを持ってくる。話しかけることで会話ができるのだそう。なんともトリッキーなアイテムが登場した。いわく、「恋愛は思い込みに注意」とのこと。この時点で察した人も多いだろうが、これがちょっぴり大事なキーワードになる。

張り込みから戻ってきた影山とマリックは、彼を見つけた! とうれしそうに報告する。すぐに果帆を呼び、見つかったことを伝える。しかし、改めて確認してみると、探していたのは違う男性だったことが発覚した。いや、最初にちゃんと確認しよう!? と、思わずツッコんでしまった。でも、六郎さんのアドバイスがちょっとだけ繋がる。そう、思い込みは禁物…。

新たに探すことになった男性、実はマリックが以前に会ったことがあり、秋葉原にある“アニメシティ”というお店の店長だったことが判明する。これで万事解決したと高を括る3人だったが、翌日お店を訪ねると、すでに閉店していた。彼が電車に乗ってこなくなったのは、勤務先が変わったためだったのだ。

調査は振り出しに戻った。手掛かりは、果帆が最後に男性を見た日、「きみはほんとうにうつくしいです」と言っていたことだけ。個人的に、毎日ガラス越しに顔を合わせていた人にそんなことを言われたら、間違いなくひいてしまうだろう。例え好意を持っていた相手だとしてもちょっとキツイ。この少ない手がかりをもとに、六郎さんにアドバイスを求めてみると、「僕が店長なら、次の店の場所を教える」と、シュミレーターとして正解かは分からないが的確なヒントをくれた。そのおかげで、彼の勤め先を突き止めることに成功する。

ついに、果帆と店長の対面が叶う時。めでたしめでたし…と思ったのも束の間、顔を合わせるなり、彼が異動先を伝えたかったのは果帆ではなかったと言い出す。いやいや…もう! 言葉も出ない。六郎さんがせっかく「思い込みは禁物」って言っていたのに。結局最後まで思い込みが絡まり合っていた。

恋愛サイエンス研究所の1つめの相談は、人探しだった。これって結局、直接的な恋愛相談ではないよな? という疑問がふとよぎったが、調査の過程で“人は12秒で恋ができるのか?”“「美しい」と言われてうれしいのか?”などの問題を結構真剣に議論する3人の男子たちに愛おしさを感じた。
中でも、将希を演じた菊池風磨の印象が強い。自信たっぷりの受け答えとそのちょっとサムイ感じ、同棲していた彼女に家を追い出されるヒモ男というクズっぷり、でもなぜか許したくなるふにゃっとした笑顔、そしてすぐに人を好きになってしまうチャラさ…本人の人格は置いておいて、バラエティー番組で見せる菊池風磨の面白いところがぎゅっと凝縮されている。それを将希という役柄に、見事に昇華させていたように感じた。

頭は使わずとも見れる、軽妙なテンポの会話劇が小気味いいドラマだった。3人は今後、恋愛ができるのだろうか? こっそり見守らせてもらいたい。

※この記事は「イタイケに恋して」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第2話ストーリー&レビュー}–

第2話ストーリー&レビュー

第2話のストーリー

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影山(渡辺大知)、飯塚(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)、佐知(石井杏奈)は、石渡(オラキオ)という男性から相談を受ける。石渡は最近、交通事故に遭って入院。彼が意識を取り戻した時、見知らぬ女性がそばにいた。

その女性・日菜美(山崎紘菜)は石渡の恋人だったらしいのだが、彼には身に覚えがなかった。石渡は、記憶を失っていた。彼は日菜美に感謝しながらも、恋人としての愛情は持てない。石渡の相談は「どうしたらもう一度、日菜美に恋することができるのか?」というものだった。

影山は、人が恋に落ちるにはきっかけとタイミングが重要なのではないかと思いつく。石渡と日菜美が付き合ったきっかけは、友人同士のバーベキューだった。3人と佐知は、石渡を呼んで実際にバーベキューをしながら当時の出来事を再現。

石渡に、恋した時の気持ちを思い出してもらおうとするが…。

第2話のレビュー

影山、将希、マリックが暮らす“恋愛サイエンス総合研究所”にやってきた相談者は石渡(オラキオ)という男性。交通事故にあってしまい、記憶がないという。病院では恋人だと名乗る日菜美(山崎紘菜)がつきっきりで看病をしてくれたが、彼女に好きという感情を持てず悩んでいた。

テーマは、もう1度彼女を好きになる方法。

「生まれ変わっても一緒」とよく言うらしい将希は置いておいて、影山は生まれ変わっても好きになるという運命論を信じるらしい。そう話し、突如思案顔に。何やら路上ライブをしていたときに助けてくれた女性を思い出しているようだ。あれは一体誰なんだろう…?

なんやかんやと今日も恋愛談義を紡ぐ3人。“人が恋に落ちるにはきっかけとタイミングが重要”という仮説を導き出した。たしかに、どんなになんとなくの積み重ねだったとしても、気持ちが動くからにはそこに何か理由があるはずだ。3人は、六郎さんに「人はどういう時に恋に落ちるのか?」と質問をする。すると、「じわじわ時間をかける場合と、瞬間的に好きになる場合がある」が、そのどちらにも決定的な瞬間があるはず、と六郎さん。しごくまっとうなことを言うAIである。

そこで、石渡が日菜美を好きになったきっかけを調べて、それを再現してみることに。3人は石渡の友人らに聞き込みを行い、付き合い始めたきっかけがバーベキューだったことを突き止める。佐知を巻き込み、それぞれが友人役や日菜美役に徹し、検証を続けるのだが…。
佐知が日菜美に扮して繰り出す、近距離で目が合うドキドキも、吊り橋効果も、髪をかき上げる色っぽい仕草も、「ひと口ちょうだい」も、「寒くない?」と上着を掛ける思いやりも、全然通用しない。それはそうだよ、と思いながら、ただ佐知の心のHPだけが削られていく。その傷心をSNSにぶちまけていたところ、思い悩んでいる後ろ姿に惹かれたのだと石渡が突如思い出す。

これで万事解決とはいかず、なぜか六郎さんが「カメラは確認した?」と意味深発言。
同じ頃、佐知が“ブル美”として運営するSNSに「彼が失踪した」と相談のDMが届く。なんと、その彼こそ、石渡その人だったのだ。
まさか、あの石渡が二股を…? 結構誠実そうな人に見えたけどな、などと、ちょっと人間不信に陥りそうになる。

六郎さんのアドバイスに従い、マリックが調査を行った結果、石渡を事故にあわせたのは日菜美だったことが判明する。石渡にフラれ、彼がすでに新しい恋人を救っていた事実が受け入れられず、してしまったという。なかなかに行きすぎた愛情だ。
後半、物語は一気にサスペンスの様相を呈す…かに思えたが、刃物を振り回す日菜美を止めるべくスローモーションで繰り広げられた乱闘(?)で、変に緊迫感を出すことはせず、むしろおふざけに徹した。そしてどさくさ紛れに日菜美に告白しちゃう将希に、「この世界観、最高じゃないトゥナイ?」と語りかけられた気持ちになった。

今回、将希が何気なく「何でこんなことをしているのか?」と尋ねるシーンがあった。そうそう、それ聞きたかった! と膝を打ったが、明確な答えは出ず。これから明らかになるだろう理由と、来週はどんな相談が舞い込んでくるのか、ワクワクしながら待ちたい。

※この記事は「イタイケに恋して」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第3話ストーリー&レビュー}–

第3話ストーリー&レビュー

第3話のストーリー

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研究所に、依頼人のみなみ(黒川智花)が訪れる。影山(渡辺大知)、飯塚(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)は、彼女の相談を聞く。みなみは、高校時代に同級生の悠也(笠原秀幸)と付き合っていたが、卒業して別れを告げられた。数年後、みなみは、悠也とそっくりな聖里矢(笠原・2役)と付き合い始めた。しかし、聖里矢は悠也と性格がまったく違い、だらしない男だった。みなみは周囲から、顔が好きなだけで付き合っていると聖里矢との交際を反対されていたが、「同じ顔の人を好きになっても構わないはずだ」と主張する。話を聞いた影山とマリックは、みなみが悠也の幻影を追っているのではないかと心配をし始める。すると、みなみは怒り出して帰ってしまい…。

第3話のレビュー

今回のテーマは、顔で好きになるのは悪いことか?
個人的に、顔を含め外見が興味を持つきっかけになることもあるだろうし、必ずしも悪くはないと思う。ただ、好きな理由がそれだけになってしまうと、また話は変わってくるかも。
果たして今宵、3人のイタイケな男子たちはどんな答えを導き出すのか。

相談にやって来たみなみ(黒川智花)は、高校時代に付き合っていた彼氏・悠也(笠原秀幸)と結婚の約束までしていた。ところが悠也は、卒業と同時に突如渡米。それ以来一切彼と会うことはなかった。数年後、みなみの前に悠也に瓜二つの男性・聖里矢が現れる。みなみは聖里矢と付き合うことになるのだが、周囲は反対。なぜなら、聖里矢は悠也と違ってだらしないタイプで、いわゆるヒモだったからだ。(「ヒモ」という言葉が出た時の、影山と将希、マリックの掛け合い、めちゃくちゃ気持ちのいいテンポだった。)

周りからは、「顔が好きなだけだよね」「別れた方がいい」などと言われる。たしかに、顔が同じで性格がまったく異なるとなると、共通点は顔だけになってしまうから、自然と好きになった理由も“顔がよかったから”ということになってしまう。ここでみなみは、「誰を好きになろうと私の勝手ですよね」と言い出す。そこまで自信があるのならば、君は何で相談に来たんだい…? と思いつつ、将希が「顔だって立派な個性」と同調。これ、すごくいい表現だなと思った。顔(だけ)が好き、というとなんとなく後ろめたさを感じそうにもなるが、たしかに1人1人違う、個性だ。みなみに近づくために同意しただけだろうけど、将希、いいこと言う…!

しかし、影山とマリックは「本当に好きなのか疑問です」と正論をぶつける。うん、それも分かる。でも、たぶん今みなみが欲しかった言葉はそれじゃない。答えが出そうにないこの手の問題、ただ同意が欲しいあれだ。案の定、みなみは怒って帰ってしまう。

みなみを怒らせたことで佐知(石井杏奈)の怒りを買ってしまった3人は、今回の相談に向き合うことに。人はどうして顔で好きになるのか? 顔が目立つから、本能的に…。今回は六郎さんが早めに登場。いわく、「顔の左右対称性を見ているという説がある」らしい。顔が左右対称だと、強い遺伝子を持っている可能性が高いんだって。マメ知識だ。

結局答えを出せなかった3人。翌日、将希がみなみの家を訪ねると、「みなみに変なこと言っただろ」と聖里矢に因縁をつけられてしまう。逃げた将希だったが、研究所の場所を教えてしまったという。見るからにガラの悪そうな写真写りだった聖里矢。影山とマリックが嫌がる中、研究所に新たな来客が。聖里矢と同じ顔、しかし服装はきっちりとスーツを着ていた。これはもしや…と思ったら、やっぱり悠也その人だった。

悠也は10年も前に別れたきりだが、まだみなみへの思いは消えていないという。
そこで、実験! どちらがどちらか分からないように同じ服を着、みなみと30分一緒に過ごすことになった。

A:パスタを作って食べ、黒ひげ危機一髪をする
B:パンケーキを作って食べ、スーパーボール掬いをする

最初こそ、みなみは見分けがついていないと、けろっとしていた。ただ、時間を過ごすうちに、なんとなく空気は変わっていき…。

いざ、運命の時。なんとみなみは、どちらが悠也で、どちらが聖里矢か分かった状態で聖里矢を選んだ。

「自分の中でもやもやしていたものがはっきりしました」
「でもわたし、顔だけじゃなくてちゃんと聖里矢のことが好きなんだって気づきました」

そう語るみなみの目は、自信にあふれている。聖里矢のことをちゃんと好きでも、周囲からは疑いの目で見られるし、自分の中でどうしたって悠也がちらついていたことだろう。それが今回、自信をもって聖里矢を選ぶことができた。興味を持ったきっかけは顔だったけど、今は心から聖里矢を好きということ。これって非常に興味深い。何にしても、みなみが自分の思いを再確認できるきっかけを与えられて、今回の相談も大成功だったんじゃないだろうか。

前回から引き続いて解決していない騒音問題だが、夜中に冷蔵庫をあさるおじさんの姿が…? まだまだ騒がしくなりそうだ。

※この記事は「イタイケに恋して」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第4話ストーリー&レビュー}–

第4話ストーリー&レビュー

第4話のストーリー

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影山(渡辺大知)、飯塚(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)は、結婚式から花嫁を奪うために結婚式場に来ていた。飯塚とマリックが式場に潜入し、影山の指示の下で計画を実行するはずだった…しかし、最初からトラブルが続発し、まったく計画通りに進まない。果たして3人は依頼人のエレナ(尾崎由香)からの「自分を式場から奪って欲しい」という依頼を遂行できるのか? エレナの想いが迎える結末とは果たして?

第4話のレビュー

今回の相談者は、明日に迫った結婚を辞めたいという花嫁のエレナ(尾崎由香)。彼に嘘をつかれたことが分かり、この結婚は絶対にうまくいくわけがないと言い張る。
ところが、「恋愛相談所なので、そういう依頼は受けかねる」と佐知(石井杏奈)。エレナは、人に話せたことですっきりしたと言うが、思いっきり残念そうだ。
するとその背中に向かって、「明日の結婚式で、俺、エレナさんを奪いに行きます!」と立ち上がる将希(菊池風磨)。おお、ちょっと今日かっこいいんじゃないの…!

スパイ映画さながら、会場の地図を広げてしっかり作戦を練っているかに見えた3人。
しかし、マリック(アイクぬわら)はカメラマンとして会場入りに成功するも肝心のカメラを忘れてしまうし、将希は期限切れのプリンでお腹を壊して使い物にならない(弱ってる姿も、これはこれで悪くない)。代わりに影山(渡辺大知)が運送業者に扮して潜入しようとするが、目の前でドアが閉まってしまう。それぞれがちょっとずつどんくさくて、やっぱり上手くいかない。そこが憎めないんだけど、結局、マリックと影山はご祝儀を払う羽目になって可哀想。薄給なのにね…。

その後もドタバタ劇は続き、結局、元カノと会場に来たことを思い出して動けなくなってしまった影山に代わって、腹痛から回復した将希がタキシードに着替えて会場に潜入することに。途中、エレナの元カレと名乗る男性・岡部(坂口涼太郎)に遭遇する。岡部もエレナから「結婚したくない」と聞き、奪還しに来たらしい。モテるな、エレナ…! 1度はエレナの親に言われるまま別れてしまったという岡部。将希による「エレナのこと守れんの? 神に誓える?」というお前誰だよ的な意思確認の末、2人はチャペルに乗り込み、無事に花嫁の奪還は成功した。エレナと岡部は仲良く手をつなぎ、バスに乗ってその場を後にする。なんか分かんないけど、これで良かったんだろう。

今回ついに、将希はエレナにきちんと告白することもさせてもらえなかった。奪還までしたのに、残念だ。その後、「俺も駆け落ちして~」と天を仰ぐ将希。私が! と手を挙げた視聴者は多かったんじゃないか。式場での生着替えといいタキシード姿といい、今回も将希からのサービスが多い。

ところで、今回のテーマは、“好きだからつく嘘はアリか?”というものだった。
個人的には、相手を傷付けず、かつ絶対にバレない自信があって、自分が一生その罪悪感を背負う覚悟ならばアリだとは思う。が、それってかなりハードルが高いよな、とも思う。そもそも、今回エレナの婚約者は、なぜ占い師を仕込むという手間のかかりすぎる嘘をついたんだろう。そこまでするほどエレナのことが好きだったんだろうか。嘘はたしかに良くないが、花婿側の話もちょっとは聞いてあげてほしかったな。

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–{第5話ストーリー&レビュー}–

第5話ストーリー&レビュー

第5話のストーリー

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研究所に3人組の女性・清水(山村紅葉)、田崎(千葉雅子)、瀬戸口(石野真子)がやってくる。ただし、彼女たちは依頼人ではなかった。

影山(渡辺大知)がスーパーで買い物をして帰ろうとした時、田崎たちに声をかけられた。彼女たちはお茶できる場所を探していたのだが、近くに喫茶店はなかった。清水は靴擦れして、あまり歩けないという。困っている彼女たちを放っておけなくなった影山は、研究所に連れて帰ってきた。その結果、影山は彼女たちのおしゃべりに付き合わされるハメに…。

彼女たちは高校の同級生で、同窓会から帰るところだった。同窓会では、卒業式の時に埋めたタイムカプセルをみんなで開けることになった。すると、当時書いた手紙や懐かしい写真がたくさん出てきた。その中に、彼女たちの初恋の人・充が書いた手紙も見つかる。

彼の手紙の最後には“俺はT・Sが好きだ。40年後、必ず会おう”と書かれていた。T・Sとは一体誰なのか? 充は同窓会を欠席していたため、本人に聞くこともできなかった。
3人とも、イニシャルがT・Sに当てはまる。彼女たちは、自分こそがT・Sだと言って譲らない。言い争う3人を前に、影山は困惑するばかり…。

飯塚(菊池風磨)とマリック(アイクぬわら)は影山から、女性3人組との一部始終を聞く。とるに足らない話だと意見が一致する影山、飯塚、マリック。しかし、彼女たちが忘れていった40年前の写真を見た飯塚は、コロリと態度を変える。18歳の頃の3人は、とてもかわいかったのだ。飯塚は、彼女たちの力になってあげようと言い出す。
翌日、研究所に清水が訪れ、飯塚が応対する。飯塚は清水から、T・Sが自分だという証拠を見せられるが…。

第5話のレビュー

オープニング早々、おばちゃんたちの圧がすごい。

買い物帰りらしい影山(渡辺大知)は、道端で多恵(山村紅葉)、せい子(千葉雅子)、千佳子(石野真子)に声を掛けられる。彼女たちは休める場所を探していたのだが、近くに適当な場所はない。優しい影山、彼女たちを研究所に連れてくる羽目に。

同窓会帰りの3人は、タイムカプセルを掘り返したらしい。そこには、当時から3人が思いを寄せていた“充ちゃん”が書いた手紙も入っていて、なんと「俺はT.S.が好きだ。40年後、必ず会おう」と書かれていた。そのT.S.に、3人がちょっとずつ当てはまるような、決定打には欠けるような。そんな状況だが、我こそはT.S.だと言って誰も譲らない。高校時代の恋心に今も全力投球できるこの姿勢は元気が出るし、なんならちょっと見習いたい。あまりにも前のめりな3人に押されてたじたじになってる影山は可哀想だけど可愛かった。

今日の出来事を将希(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)に共有する影山。「でもさ~それってどうなんだろうね~」と、とあるコメンテーターのモノマネを挟みつつ応じる将希。に、似てる…。
この段階までは完全におふざけモードだったのに、40年前の3人の写真を見た将希の態度は一変。案の定、「めっちゃ可愛くない?」と言い始めた。女好きもここまできたか! と思ったけど、「老いることは恥ずかしいことじゃない」というスタンスは悪くない。いいぞ、将希もっとやれ。

佐知(石井杏奈)からもこの相談を引き受けるよう言われ、正式に“T.S.”を探すことになった。
後日、将希が筋トレをしているときに多恵が訪ねてくる。一目見て写真の人物と一致しているのもすごいし、もう初手から完全に口説きモードなのもすごい。大女優・山村紅葉を相手に、菊池風磨が引けを取ることなく躍動している。
多恵たちは研究所の帰りに、充ちゃんに会いに行ったらしい。ところが、今はもう話せる状態じゃないという。なんとなく切ない予感…。多恵は、自分がT.S.である証拠として、充ちゃんからもらったという第二ボタンを見せる。1歩リード、かに思えたが…

せい子は充ちゃんと文通をしていた手紙の束を持参し、千佳子は自分の日記に「卒業式の日に手をつないだことが書いてある」(これはすごく弱い気がするけど)と主張する。
高校卒業から40年たった今もなお仲が良い3人だから、こんなことで仲違いはしてほしくない。でも、当人たちにとってはこんなことではないし、必死だった。

そして突如始まる討論会。将希が多恵に、マリックがせい子、影山が千佳子にそれぞれ紛争して論を戦わせる。カツラをかぶってブラウスを纏う影山、まったく違和感がない。
異様な盛り上がりを見せる討論会だったが、佐知がどこからともなく当時の卒表アルバム&文集を取り出し、新任の音楽教師説が濃厚に? もうこれ、本人に聞くしか方法はなさそう。

ところが後日、千佳子の日記を読み返していた影山が、T.S.の正体に気づいた。そんなタイミングで充ちゃんが危篤に。影山は病院へ向かう。3人の仲を裂くような結末にだけはならないで、と祈りつつ…。

でも、そんな残酷な結末ではなかった。
実は、T.S.というのは「チームそばかす」、つまり3人のことだったのだ。手紙に書かれていたのは、「40年後にも、仲良しの3人組とまた会いたい」という、充ちゃんからの優しくて素敵なメッセージだった。自称していたチーム名を忘れてしまっていたのには、おいおい! という気持ちになったし、充ちゃんが3人それぞれにちょっとずつ思わせぶりな態度だったのは気になるが、結果的には3人の絆をさらに深めることができた。思い出は思い出のままの方がいいケースもある中、40年もの時を経た友情の物語と別れに心が揺さぶられる。このドラマで泣くつもりはなかったのに! してやられた。

続く佐知のセリフもいい。「何で相談に乗ろうと思ったの?」と将希に問われ、「あのおばちゃんたち、過去の恋愛が楽しそう」「無理して忘れなくてもいい」と返した。たしかに、忘れようとするから余計に考えてしまって辛くなるのかもしれない。影山がまさに今、その状態だ。佐知、これはもしかして影山たちのバックグラウンドを知って採用したのか…?

感動の後は、しっかり笑いも忘れない。
充ちゃんが息を引き取ったと連絡を受けた将希は、佐知にけしかけられ、多恵に会いに走る。そして、「これからの40年は俺にくれませんか」とめちゃくちゃ本気の告白をぶっかます。多恵もハグを受け入れて、まんざらでもなさそう? いや、でも冒頭で多恵は苗字変わってるって言ってなかったっけ。結婚してるのでは…と逡巡していたら、ふいに始まるトレンディドラマ的展開。深夜にくすくす笑いが止まらない。

平和なムードだったが、影山との別れを一向に受け入れない元カノ?・結花(石川恋)が研究所を訪ねてきたところで次回へ。研究所で様々な恋模様を見てきた影山がどう向き合うのか、必見だ。

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–{第6話ストーリー&レビュー}–

第6話ストーリー&レビュー

第6話のストーリー

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放送週に追記します。

第6話のレビュー

放送週に追記します。

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–{第7話ストーリー&レビュー}–

第7話ストーリー&レビュー

第7話のストーリー

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影山(渡辺大知)、飯塚(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)は金欠で、佐知(石井杏奈)に払う電気代もなくなっていた。猛暑なのにエアコンがつけられず、3人はグッタリ。
そんな中、佐知が2つの仕事を持ってきて、どちらかを選ぶようにと告げる。1つは、比較的簡単に解決できる相談だが報酬が少ない。もう1つは、難しい相談だが報酬が多い。3人は、難しくて報酬の多い相談を引き受けると即答する。

依頼者はデパートに勤める女性・羽月(北香那)で、好きになった相手に告白して思いを伝えたいという相談。ただし、告白する相手は、レモン侍という着ぐるみのキャラクターだった。
羽月は、デパートで開催する物産展の企画を担当していた。物産展開催中のある日、羽月が仕事でミスをして上司に叱られてしまう。落ち込む彼女の前に、物産展に参加していたレモン侍が現れる。レモン侍は、羽月を慰める。その後、彼女は自分がレモン侍に恋をしていることに気付いた。しかし、彼女はレモン侍に入っている中の人ではなく、外見と中身を含めたレモン侍そのものに恋したのだという。

まず3人は、レモン侍に会いに行くことに。すると、レモン侍は着ぐるみが2つあり、中の人も何人かいることが分かった。3人は、羽月を慰めたレモン侍を手分けして捜し回る。
その頃、研究所では影山、マリック、佐知が羽月の話を聞いていた。彼女は、決して結ばれない恋と知りつつ、最後の思い出にレモン侍とデートをしたいと頼む。
羽月が帰った後、飯塚がレモン侍を連れて戻ってくる。中に入っていたのは、萩原という男性だった。羽月のことを聞かされた萩原は、自分も彼女が気になっていたと言い出し…。

第7話のレビュー

今回のトリッキーな依頼内容は、警察が行う捜査会議よろしく共有された。
この遊びの効いた演出のおかげで、毎回主要キャストたちのコスプレ(今回は刑事ドラマ風)が見られるのが、筆者はひそかに楽しみだったりする。

依頼者の宮部羽月(北香那)は、勤務先であるデパートの物産展にやってきた“レモン侍”というゆるキャラに恋をしてしまったらしい。仕事でのミスを怒られ泣いていた羽月を励ますレモン侍は、たしかに茶目っ気の中にも優しさと包容力があった。
ただ、羽月が恋をしたのはあくまでもレモン侍であって、いわゆる“中の人”という概念はないらしい。影山(渡辺大知)、将希(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)が困惑するのも当然だ。

ひとまず3人は、レモン侍に会いに行くことに。
人気キャラであるレモン侍は、着ぐるみ自体も何体か存在し、中の人も複数人いるらしい。各地を周り、なんとか物産展を担当していたレモン侍(の中の人)を将希が突き止めた。
羽月が探していたレモン侍を見つけたことを伝える影山とマリック。そこで、影山が物産展に来ていたのとは別のレモン侍の写真を見せるも、羽月は即座に「違いますよね…?」と言った。どうやら彼女は、特定の中の人が入ったレモン侍を見分けることができるらしい。ある意味、特殊能力だ。個人的には、着ぐるみに恋をするなんてありえないと思ってしまう。だが、本当に見ただけで違いが分かるなら、その人格を持った着ぐるみを判別できるということになる。であれば、羽月の気持ちは本物なのだろう。同僚に話しても理解してもらえないと話す羽月が何だか切ない。

研究所にやってきたレモン侍。中から出てきた萩原と名乗る男性を演じていたのは…なんとEXILEのMATSUこと松本利夫!! 思ってもみない人物の登場に驚いた。
萩原自身も、羽月のことを気になっていたという。そんな萩原に、羽月が恋をしているのは中の人ではなくレモン侍なのだと伝えるが、「羽月ちゃん多分、僕のことが好きなんだと思うんです」と食い下がる。
筆者としても、実際に会って話してみたら萩原さんのことも好きになるのではないかと思った。だが、その後行われた2度目の捜査会議のあと、「萩原さんが可哀想」という影山に応える六郎さんの言葉が印象的だ。曰く、「覆面レスラーだって俳優だって、素の自分が好かれているわけじゃない。作り上げた虚像が恋の対象になってるだけだ」。…あぁ、まさにその通り。レモン侍という虚像を通して生まれた恋に、生身の萩原がぶつかっていっても、それはきっと上手くはいかないのだろう。厄介な恋をしてしまったものだ。

叶わないと分かっていながら、けじめとしてレモン侍に告白する決意を固めている羽月は、研究所の面々に頼んで、レモン侍と2人きりでデートをする。乗り物こそ乗れないが、一緒にゲームに興じたり、お弁当を広げたり、なんだかいい空気。
途中、トイレに行った萩原は、「やっぱりこの体で勝負します!」と思いつめた表情に。やはり、羽月の告白を自分自身として受けたいというのだ。でも、羽月が好きなのはあくまでもレモン侍。気持ちを押し殺し、着ぐるみに袖を通す萩原の背中が悲しい。

その後の羽月の告白に、着ぐるみの中の萩原は逡巡するも、手持ちのホワイトボードに書かれた「ありがとレモン」の文字を見せ、去っていく羽月を見送った。それを見守る影山、将希らの目からは一筋の涙が。きれいな泣き顔…いや、そんなことよりも、切なすぎる…。

「叶わない恋は不毛なのか?」と議論する3人。叶わなくても意味があると考える将希とマリックに対し、叶わないと分かっているなら悲しいと影山は否定的だ。三者三様。このバランスが心地いいなぁと思った。
※この記事は「イタイケに恋して」の各話を1つにまとめたものです。

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–{第8話ストーリー&レビュー}–

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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影山(渡辺大知)は、研究所に押しかけてきた結花(石川恋)を、もう話すことはないと突き放す。しかし結花は帰らず、六郎(升毅)の許可を得て研究所に泊まる。翌朝、結花と顔を合わせた飯塚(菊池風磨)とマリック(アイクぬわら)は驚く。
まもなく相談者が研究所に来る予定だったが、劇団の公演が始まる飯塚は欠席。飯塚に代わって、結花が影山とマリックとともに相談を聞く。

相談者は、ドイツの証券会社に勤務する常楽寺(奥野瑛太)。彼は2ヵ月間、一時帰国していて、ドイツに戻る前に結婚相手を見つけたいと考えていた。それからマッチングアプリを使って2000人の女性とマッチし、さらに20人まで絞り込んだものの、誰が本当の“運命の人”なのかが分からない。常楽寺は、自分にふさわしい女性を探し出す手伝いをしてほしいという。
研究所には、常楽寺とともに20人の女性が集まっていた。影山たちは、常楽寺の“運命の人”を見極めるため、女性たちを観察する役目を任される。

まずは、ハードな海外生活を乗り越えられる知性と体力を試すクイズで、20人から10人に絞る。常楽寺を射止めるためにバトルを繰り広げる女性たち。その様子は、まるで恋愛リアリティーショーのようで…。
続いての課題は、常楽寺と2ショットデート。10人になった女性たちは、自分の特技を使って常楽寺にアピールする。
過酷な戦いを勝ち抜いたのは、3人。それでも常楽寺は、誰を選べばいいのか決められない。
最終審査はグループデート。常楽寺と3人は、意外な場所でデートすることになるのだが…!?

第8話のレビュー

今回相談にやってきたのは常楽寺清太郎(奥野瑛太)。ドイツの証券会社に勤務している、いわゆるエリートの清太郎は、一時帰国している間に結婚相手を見つけたいという。マッチングアプリでマッチした2000人の女性たちの中から運命の1人を探す。華やかなドレスに身を包んだ女性たちが競い合う絵面は、某恋愛リアリティーショーそのものだ。

自身が所属する劇団の公演があるという理由で将希(菊池風磨)はいないし、影山(渡辺大知)と話をするために研究所まで押しかけてきた結花(石川恋)が将希のピンチヒッターを務めるし、なんかちょっと調子が狂う。

体力と知力を競う「ジャンピング・クイズ」や2ショットデートを経て、候補者は3人へと絞られていく。

途中、清太郎がお金持ちだからという理由で女性たちが集まってきているのかと勘繰る結花。実は筆者も同じ考えだったものの、経営者やらハーピスト、大工見習、華道家など、どれくらいの稼ぎがあるのか定かではないが、独自のお仕事を持っている人が多い。単純に1人1人と話がしてみたいと思ってしまった。

女性たちの個性が際立ったのはやはり2ショットデート。
あれはお金がかかりそう、あの言動はあざとい…など、佐知(石井杏奈)と結花、女性陣2人が意気投合するのが面白かった。この談義、賛否両論あるだろうけど、ずっと聞いていたいくらいだ。

そんな中、なぜかふとコルクに扮して熱唱する影山を思い出す佐知。
え…まさか、好きなの? どこで好きになった?

選ばれた3人を1人に絞れないと悩む清太郎に、六郎さんが「素敵な人を選ぶのではなく、選んだ人と素敵な関係になればいい」と静かに語った言葉が印象的だった。たしかに、人は往々にして“理想の人”を求めてしまいがちだ。でも、実際には自分の理想を100%体現している人などそう出会えるものではない。そうであれば、あとはお互いの努力次第。これに気付き、行動に移すことができれば、きっともっと生きやすくなるだろう。

最後は女性3人と清太郎でのグループデートへ。みんなで将希の舞台を見に行くことになった。
劇場への道中、結花に「影山さんはトラウマを抱えていて、今はリハビリ中」であると話す佐知。そんなことを言っちゃうあたり、影山への思いは確定と見てまず間違いなさそうだ。

結花は、浮気は影山の勘違いだったと言うが、その理由が言い訳にしか聞こえない。影山が結花の家のベランダで鉢合わせたのはストーカーだったなんて、そんなことあるだろうか?
そして、「好きなんでしょ、ノブくん(影山)のこと」と結花。まだ佐知自身も確信できていなかっただろう思いをあっさり言葉にされてしまった。動揺する佐知がなんだかかわいい。同時に、この先制攻撃は結構ダメージがありそうだ。

「ある刹那…」とはじまる将希らの演劇は、ほとんど蜘蛛の糸だった。楽しそうに観劇する男性陣だったが、清太郎は横に並ぶ女性たちを見て残念そうだ。彼は何を見たのか?

研究所に戻り、清太郎が選んだのは結花だった。
最終ラウンドのグループデートの前、結婚相手に求めるものを問われ「笑」と答えていた清太郎。将希の舞台を見て、3人の候補者はつまらなそうにしていたが、結花は清太郎と同じように大爆笑していた。たしかに清太郎と笑いの価値観が合うようだ。でも、結花が好きなのは影山だけ。清太郎の告白を断り、去って行く。

ここにきて、マリック(アイクぬわら)は結花を、結花は影山を、佐知は影山を好きという複雑な構図が出来上がった。惚れっぽい将希がここに参戦していないなんて!と思いきや、「ただいま~さき」(いつか使う)と帰宅した彼は、佐知を好きになってしまったかもしれないと、まさかのカミングアウトをする。ここから、研究所を舞台に恋愛模様が描かれていくのだろうか。いや…カオス!!!(笑)

※この記事は「イタイケに恋して」の各話を1つにまとめたものです。

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第9話ストーリー&レビュー

第9話のストーリー

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結花(石川恋)のことがまだ好きだと言い放った影山(渡辺大知)。彼の思いを知った佐知(石井杏奈)は、ショックを受ける。
飯塚(菊池風磨)は影山とマリック(アイクぬわら)に、佐知を好きになったと宣言。影山とマリックは、すぐに告白するクセをやめた方がいいとアドバイスする。
そんな中、佐知が倒れる。彼女はショックのあまり、眠らずに一晩中SNSでつぶやき続けて、アカウント凍結されてしまった。六郎(升毅)は、佐知をゆっくり休ませてあげようと提案。研究所も休みにしようとしたその時、相談者が訪れる。

やってきたのは、大学生の花巻(上川周作)。学生の傍ら、写真家であり映像クリエイターとして活躍する彼はいかにもモテそうな男性で、恋愛に悩んでいるようには見えなかった。
花巻が恋をしたのは、仲のいい女友達・美咲(塩川菜摘)。花巻は、告白に失敗して今までの関係が壊れるのを恐れていた。
花巻と美咲がどれだけ親密なのかを知るため、花巻のスマホに残っているSNSのやりとりや写真をチェックしていく。すると、美咲がブル美のファンだと分かる。
佐知が美咲と電話で話すことに。佐知が「親友から恋愛に発展することってあると思いますか?」と尋ねると、美咲は「あると思います」と答える。美咲も、花巻を恋愛対象として意識し始め、彼との関係を恋愛に発展させていいのか悩んでいた。

花巻と美咲は、すでに両思い。後は、お互いにその思いを伝えればいいだけだった。しかし、美咲からアドバイスを求められた佐知は「私だったら、友達のままでいい」と言ってしまう。
行き場のない影山への思いで自分自身をコントロールできなくなった佐知。結花を忘れられない影山。一方、大切な人だからこそ関係を変えたくないという佐知の言葉を聞いた飯塚は、告白をためらう。研究所メンバーをめぐる恋愛模様は、複雑にもつれていく…!

第9話のレビュー

突如カオスな恋模様へと展開した研究所の面々。
影山(三浦大知)とマリック(アイクぬわら)に、今回ばかりは様子を見つつ告白をしたほうがいいと忠告を受けるも、将希(菊池風磨)は「俺は俺のタイミングで告るし~」とどこか拗ね気味だ(ここ、とんでもなくかわいかったですね…)。

今回はそんな将希のためかと思われるような相談。
大学生の花巻(上川周作)は、親友と思っていた美咲(塩川菜摘)が失恋して弱る姿を見、ギャップにやられて彼女を好きになってしまったという。でも、今の関係性を壊したくないから告白を迷っていた。

そこで、3人はまず花巻と美咲の関係性を探ることに。
メールのやり取りでは、花巻の熱量に対して美咲がそっけない印象。返信時間も空いているし、テンポがいいのは頼みごとがある時だけ。そもそも、花巻に対して敬語を使っている。
さらに、過去の写真を見返してみても、花巻が撮る写真から美咲への思いの大きさこそ伝わってきたけれど、2人が一緒に写っているものは1枚もなかった。
この状況では、花巻の片思いと判断せざるを得ない気がする。もしも筆者が花巻の大学の友人だったら、彼の背中を押すことはしないだろう。もうちょっと距離を縮めてからがいいかもね、協力するよ、なんてきっと言っていた。

ところが、ブル美ファンだという美咲に、佐知がブル美として電話をしてみると、美咲もまた花巻に好意を持ち始めていたらしいことが分かる。
美咲にとって花巻はどんな姿も見せられ、かつ相手からの好意にもうすうす気が付いていたからこそ、安心してああいうやり取りになっていたようだ。外から見ただけでは分からないものだなと反省すると同時に、それって恋愛として上手くいくのだろうかという一抹の不安が過る。なんというか、2人の思いの重さや方向性みたいなものが少しずれているように筆者は感じた。

美咲に「恋人に発展させたほうがいいと思いますか?」と聞かれた佐知。好意を持っている同士なのだから背中を押すのが筋のはずだが、「大切な人だからずっと変わらない関係でいたいと思っちゃう」と答えてしまう。それを聞いた美咲は、大好きなブル美の言葉に「そうですよね!」と納得した様子で通話を終えた。

一方、六郎(升毅)も改めて花巻のメールを解析、2人を「知り合い」と診断していた。AIの診断結果によると、花巻が告白をしてもフラれる可能性が高かったことから、あえて嘘の結果を伝えたらしい。
デキるAIだな…というか、そんな風に告白の成功率まで分かっちゃうAIがあるのなら、早く市場に出回ってほしい、なんて思ってしまった。夢がなくなるだろうか。

影山が結花(石川恋)に未練があることを知ってから、どうも様子がおかしい佐知。先ほどの美咲の質問にも、完全に影山のことを思いながら答えていた。
そんな佐知は、結花を飲みに誘い、話をすることに。そして、人を好きになるとその人だけになってしまうからもう恋愛はいいや、と思っていたことを打ち明ける。だからこそ、影山の気持ちを知り、「別れたんじゃねーのかよ」などの言葉を夜通しSNSに投稿していたのだ。恋愛表現が重いタイプらしい。

リアルでの恋愛を諦めた佐知だったが、コルク(影山)の配信ライブを見て、ネットの中だけの存在だからと好きになってしまった。まさかその“中の人”が自身の研究所のバイトとしてやって来るなんて、ある意味運命なんじゃないかと思うのだが…。

研究所に帰ってきた佐知。影山がコルクとしての活動をスタートさせたのは結花がロック好きだったことがきっかけだとマリックに話しているのを聞いてしまう。自分が好きになったものが、結花の生み出したものだと知る。差を見せつけられたようで、相当しんどいだろう。佐知も辛そうな様子で研究所を出て行ってしまう。

みんながそれぞれの思いを抱える夜だった。
影山、将希、マリック、六郎の4人はこれまでのことを振り返りながら飲み明かす。結婚式から花嫁を奪還に行ったり遊園地に行ったり流しそうめんをしたり。今思えばキラキラした、楽しかった思い出を回想する。放送当日の少し肌寒い気候が夏の終わりを感じさせ、寂しい気持ちになってしまった。

酔い潰れ、各々の場所で眠る3人。突如AIシミュレーターに「サ」の文字が映し出され、研究所の解散が告げられてしまう。佐知の様子からすると、もう影山といることが辛くなったのだろう。でも、本当にこれでおしまいなのだろうか。

ところで、将希が主演した舞台のポスターのそばに「青いバラの人より」と書かれた祝い花の札らしきものが貼ってあった。筆者はすっかり見逃していたが、前回からあったのかも。遊び心のある演出にニヤけてしまった。キャストへの愛が感じられる作品だけに、次回が最終回というのは悲しいが、こちらも愛を持って見届けたいと思う。

※この記事は「イタイケに恋して」の各話を1つにまとめたものです。

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第10話ストーリー&レビュー

第10話のストーリー

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放送週に追記します。

第10話のレビュー

佐知(石井杏奈)による突然の解散宣言から、六郎(升毅)が新しい依頼者となる急展開。
2年前、六郎の前に現れた佐知は失恋によりボロボロの状態だった。その後SNSで“ブル美”という別人格を作り上げ発信をすることで、なんとか精神を保ってきたらしい。現代っぽいというか、なんというか。誰も傷つけていないからいいものの、闇深さを感じてしまう。

そんな佐知が失踪してしまったことを心配する六郎からの依頼は、佐知を探すこと。
(「人間宣言」はスルーします…)

研究所を探してみると、論文に挟まって佐知の常軌を逸したメモが発見され、慌てる影山(渡辺大知)、将希(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)。「まだそう遠くは行っていないはず」という六郎の言葉により、3人は周辺を捜索することに。これまでのエンディングの映像が、ここにきて繋がった。ちょっと鮮やかな回収だった。

考えてみれば、たしかに今回の佐知の恋愛はしんどいと思う。仲間だと思っていた人の別の顔が、実は兼ねてから憧れていた人で、でもその人には好きな人がいて。行動を起こす以前に、気持ち全部をへし折られそうだ。
一方で、研究所で雇われた3人は少しだけ前に進んでいるようともいえる。影山は結花(石川恋)への気持ちを自認し、将希は佐知に恋をするも秒で告白はせず、マリックは結花にナナちゃんを重ねて思いを募らせていた。それもこれも、佐知が提供した研究所での経験があってこそのはずだが、佐知自身はまだ2年前と同じ場所にいるようだ。

案外あっさり見つかった佐知。影山らは悩みを聞き出そうとするが、簡単に口を割りそうもない。
そこで、白々しいサイコロトークを開催したり、AIの七ちゃんを登場させたりして、佐知が話したくなる雰囲気を作ろうとする。しかし、端から見ていても話したいという気持ちが1mmも湧いてこない…。

仕方なく、3人と六郎はお別れ会を開催することに。
落語やモノマネなど、にぎやかな時間が続く。こんなどんちゃん騒ぎ、もうどのくらいやってないだろうと遠い目になりつつも、楽しそうな面々を見てこちらまで明るい気持ちになった。

そして、突如はじまる告白タイム。
マリックは結花に思いを告げるも、「もっとぴったりな人がいる」と潔く身を引いた。
将希は緊張の面持ちで、告白通り越してプロポーズをぶっかますが玉砕。
佐知がみんなへの感謝の気持ちを語っていると、影山がコルクの姿で登場、熱唱しはじめる。もはや涙を流すのでは?というくらい真剣に、食い入るように見つめる佐知。思いの真剣さが伝わってくる。そうか、これだけ全力で1つ1つの恋に向き合っていたら、終わるたびに壊れてしまうのも仕方ないのかな。
そして影山は「今はまだ戻れない。音楽と向き合いたい」と結花に伝えた。

それぞれが出した答えは、どれも納得がいくものだった。
ただ、佐知だけはまだ影山に思いを伝えていない。すると「影っちには何も言わなくていいの?」と将希。佐知が影山を好きだということを見抜いていたらしい。思わず、出たよ…と呟いてしまった。将希という人はこういうところがズルいのだ。意外と誰よりも周りを見ているし、我が強いようでみんなの幸せを考えることができてしまう。さらには「さっちゃんが大事な仲間だから言ってんだよ!」「思いっきりブチ当たって、またぶっ壊れりゃいいじゃん。粉々になっても俺たちが絶対、絶対受け止めてやっから…」なんて。最高か!

ところが、感動も束の間、結花を送りに出ていたはずの影山に一部始終を聞かれていた。
やっちまったな、将希…。だが、そのおかげで佐知は影山に思いを伝えることができた。フラれはしたが、結果オーライだろう。一瞬壊れたかに見えたが、将希をビンタした後と、ブル美復活で見せた佐知の笑顔がとても素敵だった。仲間っていいな。この経験で、佐知も少し成長できたはず。

そして、翌日。大きな荷物を抱える一同に、改めて終わりを実感させられる。ドラマは最終回だったとしても、研究所はそこにあってほしかった。解散は寂しい…。
そんな感傷的な気分に浸っていたが、扉の外にたくさんの依頼者が来ていると佐知。
ブル美が凍結解禁で大量のつぶやきをした時、「おかしくなっちゃった人、どんどん相談して下さい」と投下していたからだろう。粋な演出だ。

そんなわけで、存続が決まった恋愛サイエンス総合研究所。最後にはゲストとして安達祐実が登場するサプライズも。彼女の相談は果たしてどんな内容だったのだろうか。

「イタイケに恋して」、なんだか妙にクセになる作品だった。番組公式アカウントの「続きはまたいつか」という言葉を信じて、もうしばらく余韻に浸りたいと思う。

※この記事は「イタイケに恋して」の各話を1つにまとめたものです。

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(文:シネマズ編集部)

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「イタイケに恋して」作品情報

渡辺大知、菊池風磨、アイクぬわら(超新塾)の3人が主演の7月期新ドラマ「イタイケに恋して」。脚本は「おっさんずラブ」、「私の家政夫ナギサさん」などを手掛けた徳尾浩司による完全オリジナル作品!

ミュージシャン、トップアイドル、お笑い芸人という個性豊かな3人が不器用な男子に扮して、恋のキューピッドとして大奮闘する物語が展開される。主題歌にはワールドワイドで話題沸騰中の女子高生シンガーソングライターのオリヴィア・ロドリゴが歌う「ドライバーズ・ライセンス」が決まった事でも注目を集めている。

本作品は影山(渡辺大知)、飯塚(菊池風磨)、マリック(アイクぬわら)の不器用でモテない拗らせ男子3人が、恋愛インフルエンサー・ブル美(石井杏奈)の助手として恋愛相談の解決に奮闘する物語。影山の元カノ・結花(石川恋)、謎の恋愛AIシミュレーター六郎さん(升毅)らも交えて、ちょっぴりイタくて、ちょっぴりカワイイ男子たちを見守らずにはいられない“イタきゅん”ラブコメディが展開される。

出演:菊池風磨/渡辺大知/アイクぬわら/石井杏奈/石川恋

監督:豊島圭介

音楽:スキャット後藤

主題歌:オリヴィア・ロドリゴ「ドライバーズ・ライセンス(英語版)」

チーフプロデューサー:沼田賢治

プロデューサー:福田浩之、坪ノ内俊也

制作協力:R.I.S Enterprise

製作著作:読売テレビ

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