井ノ原快彦主演の大人気シリーズ『特捜9』が、2021年4月7日放送からスタート。
正義感あふれるリーダー浅輪直樹(井ノ原快彦)、紅一点の小宮山志保(羽田美智子)、行動力のある若手刑事・新藤亮(山田裕貴)、第3シーズンから加わった特捜班・班長・国木田誠二(中村梅雀)ら特捜班の個性派刑事たちの活躍を描いた本作。第4シーズン目に突入する今期は、特捜班のメンバーが抱えるそれぞれの事情や関係性にこれまで以上にフォーカスを当てていく。
もくじ
第1話あらすじ&感想
第1話のあらすじ
死後10日ほど経過した若い女性の刺殺体が、寂れた雑居ビルの空き店舗で見つかった。さっそく浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班が、捜査を開始。遺体の身元は/昨年、故郷の大分県から上京した女子大学生・澤村香奈とわかる。香奈は新たな環境になじめなかったらしく、大学にはほとんど顔を出していなかったようで、寂しさを埋めるためなのかマッチングアプリを使っていたことが判明。青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は、事件直前、彼女がある男と会う約束をしていたことを突き止める。一方、小宮山志保(羽田美智子)と村瀬健吾(津田寛治)は、被害者の住むアパートでしっこくチャイムを鳴らしていた不審な男がいたことを調べ上げる。また、直樹と新藤亮(山田裕貴)は、香奈が大学内に残したわずかな痕跡を根気強く探っていた。
その矢先、監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)が重要な情報をもたらす。香奈を殺害した凶器と、先日発生した弁護士夫婦強盗殺人事件の凶器のナイフの特徴が一致するというのだ。弁護士夫婦強盗殺人事件の被疑者・八木敬司はすでに逮捕・送検され、検察で取り調べを受けていたが、一貫して犯行を否認。自身が目撃した、黒いジャンパーの男こそ真犯人だと主張していた。
検察で取り調べ中の八木に話を聞こうとする直樹だったが、大きな壁が立ちはだかる。それは、東京地検次席検事・渡辺理人(佐野史郎)。特捜班の班長・国木田誠二(中村梅雀)と深い因縁を持つ渡辺は、特捜班の依頼を冷酷にはねつけて…。
第1話の感想:まっすぐなリーダー・浅輪、青柳&村瀬の協力、班長・国木田の機転…初回から特捜班はチーム万全!
「特捜9」シーズン4がついにスタート!
名優たちが集結した個性派ぞろいの特捜班が活躍するこのドラマの新シリーズ、楽しみにしていました。
第1話は、女子大学生の刺殺事件からスタート。事件の中で重要な役目を果たすのがマッチングアプリで、時代の流れを感じさせましたね。ただ、特捜班のメンバーの大半には、世代的に聞きなれない言葉だった様子。小宮山さんはちゃんと知っていましたが、おかげで、本人は否定したけれど、まさか使ったことあるんじゃ…という一抹の疑いは消えなかったかも。
浅輪&新藤、青柳&矢沢、小宮山&村瀬が捜査にのりだし、監察医・早瀬川からの情報もあって、容疑者候補が絞られていきますが、捜査はなかなか難航。青柳と村瀬は意見が合わなくて対立し、さらに、捜査を阻む思わぬ壁として、第3シーズンの最終回に登場したあの渡辺理人が立ちはだかります。
みんなのまとめ役であるリーダーの浅輪は、特捜班の中で誰よりも包容力がある優しき男ですが、それゆえに苦労も多い。今回も、青柳と村瀬の狭間で方向性を定められず、さらに、渡辺から圧をかけられ、苦しそうな顔を見せます。
しかし、奥さんの助言もあって、浅輪の迷いは吹っ切れる。自分たちの仕事は犯人を当てることではなくて、真実がわかるまで捜査を続けることだから、方向性を一つに絞れないなら、絞れないまま捜査を続ければいい…と改めて立ち向かっていきます。
この、ある意味単純明快でまっすぐなところが、浅輪という男の魅力。揺るがない優しさと正義感と包容力を持った彼がいるからこそ、くせ者揃いの特捜班がまとまって心を一つにしていけるのです。
そして、行き詰った面々をここぞとばかりに助けたのが班長の国木田。事件の真相のカギを握る男・八木から情報をつかむために、八木が乗った巡回護送車に青柳と村瀬を同乗させて話を聞き出す作戦に出ます。
護送車が検察庁ではなく警視庁の管轄であることに目をつけたこの見事な作戦。権力的な渡辺の裏をかく展開にスカッとしました。そして、対立していた青柳と村瀬が、護送車の中で一切喧嘩をせずに任務を遂行する場面も胸熱(多少皮肉交じりの態度ではありましたが)。ぶつかることも多いけれど、それは誇りを持って捜査しているからこそで、事件を解決したい志は同じ。ここぞというときにともに立ち向かう特捜班は、個性派というだけじゃない、プロフェッショナルな刑事たちの本当にかっこいいチームです。
国木田の機転と青柳と村瀬の協力のおかげで、特捜班はぐっと真実に近づき、真犯人は被害者の元彼である可能性が浮上。八木は嫌疑不十分で釈放になりました。結果的に特捜班にしてやられた渡辺は、浅輪と国木田に「後悔することになるぞ」という言葉を放ちます。それを「『後悔させる』ということですか」と受け取った国木田班長。この流れ、おそらく渡辺は今シーズン再び登場してくるのではないでしょうか。
この作品は、出演陣がうまい役者揃いで、個々の演技を見ているだけでも唸るばかりなのですが、第1話でひときわ異彩を放ったのは、やはりこの人。渡辺理人を演じた佐野史郎さんでした。
かつて“冬彦さん”として一世を風靡した誰もが認める名優・怪優の演技は、さすがの一言。八木と対面してメガネをはずしながら話すとき、言葉やしぐさの一つ一つから静かな圧が伝わってきて、渡辺理人という男の恐ろしさがよくわかりました。
メンバーたちの関係性にこれまで以上にフォーカスしていく…というこのシーズン4。確かに第1話から青柳と村瀬の関係性などが明確に描かれているところが、目を引きました。そして、前シーズンで加わった当初はまったく捜査をする気がなかった国木田が、今シーズンは最初からしっかり班長としての手腕をふるっているのが、とても感慨深かった。これから国木田が特捜班の司令官として活躍する姿もたくさん描かれるのではと期待しています。
初回から、渡辺という検察の大物を敵に回してしまった特捜班ですが、班長・国木田と主任・浅輪を中心にこれまで以上にチームは万全。これから毎週楽しみです。
–{第2話あらすじ&感想}–
第2話あらすじ&感想
第2話のあらすじ
アパレルメーカーのデザイナー・浅川塔子(広山詞葉)が、自宅で撲殺されているのが見つかった。臨場した浅輪直樹(井ノ原快彦)は、第一発見者である2人、食品メーカー勤務・鈴木真央(梶原ひかり)と主婦・岡野久美(池亀未紘)から話を聞く。彼女たちによると、塔子を含めた3人は、“2.5次元俳優”の結城翔(久保田秀敏)の大ファン。事件前日も結城の舞台を観るために集まったというが、直樹は突然、2人から「私たちも命を狙われている。かくまってほしい」と頼み込まれてビックリする。
実は3年ほど前から、3人はインターネットで結城のネガティブなニセ情報を流す人物を見つけ出して追及する活動を開始。それが徐々に、不正受給者や悪質なクレイマーなどズルい人間を探し出して塔子の“裏アカウント”でさらす、“ネット自警団”のような活動にエスカレートしていったという。だが最近、塔子たちへの殺人予告ともとれる差出人不明の脅迫メールが届いていたらしい。
さっそく捜査を始めた青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は、結城のもとを訪ねる。彼は塔子がデザインを手掛けるブランドのイメージキャラクターを務めており、塔子とは親しかったが、自宅に行ったことはないと証言。しかし、2人はさわやかで好感度の高い結城が裏の顔を持っていることを直感。付き人の高橋一太(堀丞)が、何かを隠している様子なのにも気づく。
一方、塔子のオフィスに向かった小宮山志保(羽田美智子)と村瀬健吾(津田寛治)は、部下の証言から、彼女に恨みを抱く人物の存在をつかむ。それは3年前、塔子に追い出されるようにして退職した元チーフデザイナー・杉山英子(佐藤乃莉)だった。そして、新藤亮(山田裕貴)は、塔子たち3人が過去にネットで悪事をさらした人々を追いかけるが…!?
第2話の感想:揺るがない正義というものがあるなら、浅輪が貫いたそれのようなものであってほしい
ネットの誹謗中傷、パワハラなど、世相を表す言葉が飛び交いましたが、今回の何よりのキーワードは“正義”。
殺された浅川塔子は、不正をした人をさらすネット自警団の「ディケー」という裏の顔をもち、彼女に協力していたのが、殺人の第一発見者の久美と真央。彼女たちの自警団ぶりは、パソコンを駆使して捜査に協力するほどで、塔子がこれまで晒した人たちの現在の情報や、2.5次元俳優・結城翔の自宅や本名まで割り出してしまいます。
そして、特捜班が捜査を進める中で、「ディケー」とは、ネットの正義の味方のカリスマ的存在であり、ディケーを名乗るアカウントがいくつもあることが判明。ただし、初代の真のディケーが誰かはわかりません。
なぜ、こんなふうに正義の味方を名乗るアカウントが次々出てくるのか?と疑問が浮かぶ展開の中で、早瀬川と国木田が次のような言葉を放ちます。
「正義には中毒性がある。人の脳は、悪い人を見つけて罰することに快感を覚えるようにできていて、真面目な人ほどその快楽にはまってしまう。自分が正義だと思ったときに、人はどこまでも残酷になれる」(早瀬川)
「正義の反対語は正義ともいう。すべての争いごとはそれぞれの正義のぶつかりあいから始まり、正義は振り上げたときに、形を変えて凶器にもなる」(国木田)
正義を守ろうとする思いが行き過ぎたとき、それが恐ろしいものに変わってしまうことも十分ありえる…二人の言葉は、人が社会で生きるうえでの非常に重たい課題に切り込んでいると感じました。
協力者のおかげでいろいろ情報は得られましたが、もちろんそれだけに頼らず、いつものように足を使って捜査を行う我らが特捜班。青柳・矢沢は結城翔の、小宮山・村瀬は塔子から職場を追われた杉山英子の捜査をすすめ、塔子が杉山英子を脅していたこと、それに結城翔と付き人の高橋も一枚噛んでいたことが判明。
そんな中で、13年前、当時不良だった結城翔のグループから女の子を守ろうとした女性が公園の階段から落ちて死亡したことも明らかになります。
そして、事件の真犯人は、この亡くなった女性の娘でネット自警団の一人、真央でした。
正義を貫いて亡くなった母の代わりにネットで悪事を裁いてきたという真央。彼女こそが初代「ディケー」であり、母を殺したのが結城翔だと確信して裁こうと塔子にもちかけるも、塔子が自分を利用していただけだったことを知り、母親を侮辱された怒りで彼女を殺害。
そして、真央がついに母の敵である結城翔を裁こうとしたとき、間一髪で浅輪が止めに入ります。
「悪い人を見つけて裁くのはお母さんの正義じゃない。正しく生きれば君が幸せになれるって信じてた。それだけだよ」という浅輪の言葉に泣き崩れていく真央。
そう、お母さんはきっとそうだったと思う。でも、母を亡くした悲しみと自責の念で娘の正義は違う方向に向かってしまった。これまで苦しんできたに違いない真央ですが、その心を理解して向き合った浅輪の言葉のおかげで、きっと心の中で何か浄化するものがあったことでしょう。
今回2.5次元俳優・結城翔を演じたのは、ミュージカル「テニスの王子様」にも出演していたリアル2.5次元俳優の久保田英敏さん。さすがというか、衣装の短パン姿が非常にはまっていて、2.5次元俳優ぶりにリアルな臨場感がありましたね。ちなみに舞台の演目はテニスではなく卓球だったけど(笑)。
そして、特捜班のメンバーの中で笑わせてくれたのは、小宮山さん。
被害者がデザイナーをつとめるアパレルブランドは、クールビューティをコンセプトにした人気ブランドで、小宮山さんも、以前よく着ていたそうですが、いつも行動をともにしている相棒の村瀬から、それを「全然覚えていない」といわれて、イラっとして思わず舌打ち。村瀬はこういうとこ本当ポンコツというか(笑)、本当に覚えてないから正直に言っただけだとは思いますが、もう少し小宮山さんの女心をわかってあげてほしい。なお、小宮山さん、本当にこのブランドが好きだったみたいで、おしゃれなワンピースを着た自分の写真を撮っていて捜査に活用していました。
もう1人、なにげにキャラが立っていたのが国木田班長。お茶出ししたり美味しいお菓子を買ってきてくれたりと、和みキャラぶりを発揮し、最後、美味しそうに大福を食べる姿をネットに晒されてあわてているところも微笑ましかった。本当に前シーズンとはうってかわって部下たちと仲よくしていて、しかも捜査の決めるべきところはきっちり決める、魅力あふれる司令官になってきています。
正義とは実はとてもあやういものであり、自分が正義だと思いすぎてしまうのはときに危険なことでもある。
それでも、もしも揺るがない正義というものがあるのだとしたら、今回、真央の悲しみによりそい真摯に向き合った浅輪が貫いたそれのようなものであってほしい…と願っています。
–{第3話あらすじ&感想}–
第3話あらすじ&感想
第3話のあらすじ
特捜班のメンバー・村瀬健吾(津田寛治)はある朝、戸惑いを抱えながら登庁していた。なぜなら、どうしても思い出せないものが見つかったのだ。それはブドウをかたどったイヤリング。着なくなった服を整理していたところ、古いスーツのポケットから出てきたのだが、いつどこで紛れ込んだのかまったく思い出すことができなかったのだ。
通勤途中に会った浅輪直樹(井ノ原快彦)に件のイヤリングを見せて心当たりがないか聞いてみるが、まったく知らないという。そんなことを直樹と話しているうち、村瀬は刑事として未熟だった直樹が主任になるまでの成長を思い返していく事に…。また、”犬猿の仲”青柳靖(吹越満)をはじめとする特捜班メンバーにも聞くが、皆イヤリングに見覚えはないと言う。いったいこのイヤリングは何だったのか?と考えるうちに、遺留品がポケットに残っていたのではないかという疑惑にたどり着く。しかし、大事な証拠品を紛失していたとなれば懲戒処分も免れないと聞きつけた村瀬は大いに焦る。村瀬は様々な記憶を呼び起こし、イヤリングの謎に迫ろうとする!
この日、特捜班には出動要請が入らず、何もかもが穏やかに過ぎていくと思われたのだが…?
第3話の感想:村瀬が小宮山との絆を再確認した平穏な1日…のはずが…!
今回は、出動要請のない特捜班の1日を描いたストーリー。
仕事用スーツから出てきたイヤリングの出所について悩む村瀬が、これまでのことを振りかえる。「9係」時代からの、レギュラー陣の懐かしいシーンが次々出てきて、しかも村瀬がモノローグで各キャラクターのことを詳細に語ってくれるので、今シーズンから初めて見る人にはとても助かるガイド編といっていい。加納倫太郎(渡瀬恒彦)、宗方朔太郎(寺尾聡)ら歴代班長も登場したのが、シリーズを続けて見ているファンにはうれしいところでした。
あくまで村瀬の視点で振り返るので、もちろん彼の主観ありき。やはり…というか犬猿の仲の青柳に対しては、かなり悪口多めだったのがおかしかったですね。
今回は村瀬が青柳・矢沢コンビと昼ごはんに出かける意外な展開も楽しめました。青柳がサバの定食、村瀬がハムエッグ定食を注文していて、二人のキャラクターをよく表していた。そして、食後に訪れたたい焼き屋で、たい焼きを落とした子どもに自分のを譲った矢沢に、ごく当たり前のように自分のを半分こにして差し出す村瀬と青柳がよかった。ときには本気で喧嘩をして一方でおやつを分け合う、なんて素敵な大人たちのチームでしょうか。
いろいろ批判も交えてはいましたが、それでも仲間の一人一人に信頼を寄せて振り返っていた今回の村瀬。そして、同僚たちの中で、唯一彼にとって「言葉にできない」存在だったのはやはりこの人、小宮山志保でした。
長年コンビを組んで捜査をしてきて、二人の間でいろいろなこともあった村瀬と小宮山。その関係は、村瀬が語った通り「言葉にできない」もの。なので、あえてここでもこれ以上は言葉にしないでおきたいと思います。そんな二人であることを、これまで見守ってきたファンはちゃんとわかっていますよね。
そもそも、村瀬のスーツからイヤリングが出てきた…となったとき、「いや、絶対小宮山さんのでしょ?」と筆者はまず思いましたし、見ている人の多くがそう感じたのではないでしょうか。
案の定イヤリングは小宮山のもので、1日の終わりに村瀬が小宮山との絆を再確認して、「明日もまた会えるわけだし」と別れる二人。
これで一件落着、たまにはこんな回もいいよね…と思っていたのですが…そこへまさかの衝撃のラストシーン。
何者かに刺されたらしく血を出して倒れた村瀬。彼に何が起こったのか? こんなことをした犯人は誰なのか?
次回が本当に見逃せなくなってしまった。村瀬の無事をただただ祈るばかりです。
–{第4話あらすじ&感想}–
第4話あらすじ&感想
第4話のあらすじ
仕事帰り、何者かに刺された村瀬健吾(津田寛治)――。直前まで一緒にいた小宮山志保(羽田美智子)は混乱するばかり。しかしそんな状況などおかまいなしに、管理官は志保を事情聴取し、まるで被疑者扱い…。浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班メンバーも同様に聴取を受け、捜査本部が設置されるも特捜班の参加は許されなかった。疑いまでかけられて怒りの収まらない志保は、特捜班メンバーに独自で捜査することを提案。誰もが同じ気持ちで、さっそく事件を調べはじめる。
青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は、手がかりを求めて地元の不良グループが入りびたるレストランへ。志保は班長の国木田誠二(中村梅雀)と事件現場を再訪する。
一方、直樹と新藤亮(山田裕貴)は119番通報が公衆電話から発信されたことを突き止める。説明が的確だったことから通報者は土地勘があるようだったが、なぜか名乗らないまま電話を切っていた。
ひとまず通報場所を訪れた直樹は、近くの一軒家の2階から自分たちの様子をうかがっている人物がいることに気づく。その家には、年金暮らしの母・溝口亮子(東ちづる)と、いわゆる“ひきこもり”状態の息子・泰幸(川合智己)が暮らしていた。直樹は泰幸から話を聞きたいと頼むが、息子を刺激しないでほしいと亮子に追い返されてしまう。
しかしその後、直樹は通報者の“ある特徴”から、泰幸こそが救急車を要請した緊急通報者であり、事件の詳細を知っているのではないかとにらむのだが…!?
第4話の感想:村瀬は無事…涙する小宮山・微笑む青柳から見えた特捜班の絆
前回の衝撃のラストからどうなることかと思いましたが…村瀬は生きていた!
そのことにまず安堵しました。
この事件で被疑者扱いされて捜査からはずされた特捜班。しかし、彼らが黙って引き下がるわけがない。「村瀬さんを刺した犯人はあたしたちが捕まえなきゃ」という小宮山の言葉を受けて、みな、思い思いの言葉で奮い立ちます。
ここで、「懲戒処分なんて怖くない」と真っ先にうなずいた矢沢にはしびれました。普段は青柳に一歩も二歩も譲っているのに、こういうときにこのセリフは男前すぎる。前回村瀬も語っていましたが、チームの中で一番頼れるのは実は彼なのかもしれません。
他のメンバーももちろん思いは同じ。躊躇する者は誰一人いない。この結束、強い仲間への思い、これぞ特捜班。浅輪&新藤、青柳&矢沢、そして、小宮山は国木田班長と組んで捜査を始めます。
通報場所近くに暮らすひきこもりの青年・泰幸が何かを知っているのでは…とにらんだ浅輪と新藤。通報者の電話の声が“イケボ”であること、溝口家のポストに声優養成所の名前入りの封筒があったことをヒントに、泰幸が声優のオーディション用に送ったボイスサンプルと通報者の音声が一致する、つまり通報者が泰幸であり、事件当日村瀬と接触していたことを突きとめます。
さらに、事件現場近くで見つかったレジ袋から25年前に殺害事件を起こし逃亡中である被疑者の指紋が検出された。このレジ袋がカギとなり、村瀬を刺した犯人が、25年前の事件の被疑者であり、泰幸の母・溝口亮子になりすましていた曽根明子であることが判明しました。
溝口亮子は2年前に死んでおり、母の死で年金が受給できなくなるのを恐れた泰幸が、偽名を名乗り亮子のヘルパーをしていた明子とともに母の遺体を埋めて、明子が亮子に変装して一緒に暮らしていた。そして、明子と対峙した浅輪の言葉からすると、あの日村瀬に正体を気づかれたので明子が村瀬を刺した…というのが事件の真相だった模様。
事件は解決し、物語のラストにようやく村瀬は意識を取り戻しました。
村瀬の回復を知って思わず泣き出してしまったのは、小宮山。
長年コンビを組んで、しかも直前まで一緒にいた。誰よりも心配していたのは間違いないのに、事件を解決しようと皆をリードし気丈に振舞い続けていた彼女。無事を知って涙が止まらない姿から、どれだけ案じていたか、そして無事を知ってどれほど安心したかが痛いほど伝わってきた。小宮山役の羽田美智子さん、泣きの演技が非常に見事でした。
そして、他の面々が喜びをあらわにする中、一人黙って伏し目がちに微笑んだ青柳。普段はすぐ怒ったり皮肉を言ったり何かとうるさい彼が、これほど静かに喜びと安堵を見せるなんて…さすがにぐっと来ました。
涙が止まらない小宮山、静かに微笑む青柳から見えたのは、特捜班の絆。仲間のために必死になり無事を心から喜ぶ彼らの姿は本当にすがすがしかった。
村瀬は次回も引き続き療養する様子。とはいえ予告編を見ると、病室でも何かしら捜査の動きはありそうなので、次回は特捜班フルメンバーでの活躍を期待しています。
–{第5話あらすじ&感想}–
第5話あらすじ&感想
第5話あらすじ
昼食の買い出しに出かけた新藤亮(山田裕貴)は街中で突然、銃声を耳にする。驚いていると、プラスチック製の銃を手にした覆面3人組に遭遇。とっさに強盗と判断した新藤は、自分のスマートフォンを犯人たちの車に投げ込んだ後、公衆電話から浅輪直樹(井ノ原快彦)に連絡し、GPSを使って車を追うよう依頼。すぐさま国木田誠二(中村梅雀)が位置情報を解析し、青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)が追跡を開始する。
だが、連絡を終えた直後、新藤は驚くべきものを発見する。近くの路地で、高級そうなスーツを着た男性が頭から血を流して死んでいたのだ。まもなく、遺体の身元は有名建築家の岩井剛太郎(長江英和)と判明。強盗が放った流れ弾に当たったものと思われた。
ところが、監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)が遺体を調べた結果、意外な事実が発覚する。後頭部に“接射痕”が見つかり、岩井は流れ弾に倒れたのではなく、何者かに故意に殺害されたことがわかったのだ。しかも、弾丸や銃は、強盗犯が使っていたものと特徴が一致。2つの事件で使われた銃は、おそらく同じ設計図をもとに3Dプリンターで作られたものと推測された。
その頃、小宮山志保(羽田美智子)は、一時は意識不明の重体だった村瀬健吾(津田寛治)の病室を訪ねていた。ようやく村瀬が一般病棟に移ることができ、ホッとした志保はケンカしながらも何かと世話を焼くが、奇しくも同室の入院患者・諸星雄一郎(河合我聞)と妻・悟子(遊井亮子)が岩井が社長を務める建築事務所の一員だと知る。志保は、彼らからそれとなく事情を聴こうと考えるが…!?
第5話の感想:村瀬と小宮山がついに…?支えあうバディの未来に希望あれ
今回は3Dプリンター製の銃による殺人事件。会社のオフィスにある機器で銃が作れるとは、すごい時代になったものです。
事件を紐解いていくと、被害者・岩井は部下から「クズ・オブ・ザ・クズ」と罵倒されるほどひどい男。狩猟が趣味で、かつて少年を誤って散弾銃で撃つ事故を起こしていたこともわかり、同情の余地がどうにも見つかりませんでした。
事故で亡くなった少年の関係者が殺人事件に絡んでいるのでは…とにらんだ特捜班。青柳と矢沢が少年の母・青井春菜を追ったところ、彼女が殺人の実行犯だと判明します。
取り乱して自害しようとする春菜を止める青柳と矢沢。ここで「そんなことしちゃダメ!」とひたすら叫ぶ青柳に胸を打たれました。彼の言葉はただただ人の命を守ろうとする真摯さにあふれていた。悪ぶっていても至極真剣に仕事に取り組んでいる、青柳の本質が垣間見えた瞬間でした。
そして、青井春菜に3Dプリンター銃を握らせたのは、病院で村瀬と同室になった諸星雄一郎の妻・悟子。彼女もまた夫の仕事を自分の手柄にしていた岩井が許せず、余命間近の雄一郎のために復讐を試みたのでした。
今回は被害者がひどいだけに、加害者たちのやりきれない思いが強く感じられた。悟子の供述を聞き終えた後に特捜班の面々が何も言わなかったのもそういうことなのではないでしょうか。事件解決後、手術に向かう雄一郎の「妻が戻ってくるまで、何があっても生きていようと思う」という言葉だけが救いのように感じました。
今回はもう一つ、事件の捜査と並行して描かれた村瀬と小宮山のドラマから目が離せませんでした。
村瀬が入院する病院でICUには家族しか入れないと言われ、思わず「妻です!」と口走ってしまう小宮山。その後も、かいがいしく世話を焼く小宮山となんやかんや文句をつける村瀬の微笑ましいやりとりが見られます。
そんな中、村瀬が歩けなくなるかもしれない…と、衝撃の事実が明らかに。
さすがにこれはショックが大きかった。小宮山が知ったら…と心配せずにいられませんでした。
とはいえ、彼らは気丈な強いバディでした。
小宮山に事実を伝える村瀬は弱音を一切吐かず、「リハビリで治ったケースがないわけでもない」と前を向いていた。小宮山も「信じてリハビリをやるしかないのね」とうなずく。
おそらく、このときに小宮山は覚悟を決めたのだと思います。
そして、彼女は自身のサインが入った婚姻届けを持参して「家族にならない?」と村瀬に実質的なプロポーズをしました。
小宮山の言葉に狼狽する村瀬。結局二人でバタバタして婚姻成立には至らずでしたが、小宮山の「あたしが支えるから大丈夫」という言葉に村瀬への思いを見た気がしました。プロポーズは、自分が村瀬を支える…という彼女の決意のあらわれだったのではないでしょうか。
村瀬の返事は「今は聞かなかったことにするわ。今はな」というもの。彼からすれば今の状態での結婚はプライドが許さないのか、あるいはプロポーズは自分からしたいのかもしれません。いずれにしても「今はな」なので、拒否ではなく保留といってよさそう。
村瀬と小宮山。この先二人にどんな運命が待ち受けているのかわからないけれど、支えあって進むバディの未来にはきっと希望があると信じています。
–{第6話あらすじ&感想}–
第6話あらすじ&感想
第6話あらすじ
ある夜、青柳靖(吹越満)は突然、見知らぬ少女に「助けて!」と抱きつかれてビックリ。一緒にいた恋人の垣内妙子(遠藤久美子)、矢沢英明(田口浩正)も驚くが、3人をさらに驚愕させたのは、少女に連れて行かれた一軒家にあった男性の遺体だった。
その少女は若き天才と世間から注目を集める19歳の画家・神崎えりな(尾崎真花)で、亡くなっていたのは画商の伊藤伸雄(二階堂智)。伊藤は、えりなの才能に目をかけ、2人は同居していたらしい。
監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)が検視した結果、死因は窒息死と判明。ヒ素が混入されたコーヒーを飲んで急性ヒ素中毒を起こし、嘔吐したものがのどに詰まったようだった。
伊藤は絵画を気軽に購入できるシステムを開拓し、“美術界の革命児”とよばれている人物だった。小宮山志保(羽田美智子)と国木田誠二(中村梅雀)が探ったところ、彼に恨みを抱く人物は多いとわかる。その筆頭が、美術界の大家にして老舗画廊を営む小鳥遊幸哉(冨家規政)。直撃した浅輪直樹(井ノ原快彦)と新藤亮(山田裕貴)の前でも、小鳥遊は伊藤が美術界の品位を貶めていたと語り、死者への憎しみを隠そうとしなかった。それだけでなく、小鳥遊と伊藤はえりなのことで深い因縁があった。えりなの才能を最初に見出したのは小鳥遊だったが、えりなは彼のもとを去り、伊藤を頼っていたのだ。
そのころ、青柳と矢沢は、ショックを受けて入院中のえりなのもとへ。すると、えりなは自分の母親・神崎さつき(長田奈麻)が伊藤を殺した犯人だと言い出す。さつきはえりなを幼い頃に施設に預けて姿を消していたが、娘が天才画家として脚光を浴びたとたん現れ、彼女を引き取ろうとしていた。事件の起きた夜もさつきが伊藤を訪ね、揉めていたとえりなは証言するが…。
第6話の感想:飾りのない言葉から見えた、青柳という男の優しさ
第6話は、ほぼほぼ青柳・矢沢コンビの回でした。
被害者は美術界の革命児・伊藤。捜査を進めると、複数の被疑者候補が浮かびあがります。
一方、死因となったコーヒーに含まれるヒ素は致死量でないことが判明。事件より前から被害者の身体にヒ素が蓄積されていたらしい…とわかってきました。
日常的にヒ素を混入できるのは同居していたえりなでは…という線が出てくるも、それを認めつつ浮かない顔をしたのが青柳。自分に助けを求めてきたえりなに思うところがあったのか、彼はどこか彼女を気遣っている様子が見られました。
その後、事件を解決に導くヒントは、思わぬところから飛び込んできました。
かつて美術の世界で「呪われた色」とされていた緑。それを妻の倫子から聞いた浅輪は、「呪われた色」の理由を調べて何か気が付きます。そして、伊藤の自宅を訪れ、カーテンに緑の染料・パリグリーンが使われているのを突きとめました。
湿気を浴びるとヒ素が含まれた有毒ガスを発散する性質があり、19世紀ごろ「死を呼ぶ緑」といわれていたパリグリーン。これこそが殺人の凶器で、カーテンをすり替えて伊藤とえりなにヒ素を吸わせていた真犯人は、伊藤の会社の専属画家・尾上宗輔。えりなを売りだそうとする一方で、自分に安い仕事ばかりさせる伊藤を恨んで犯行に及んだのでした。
結局、被害者の一人だったえりな。ヒ素中毒に倒れて病院に運ばれた彼女に、青柳は「死ぬなよ!」と叫びかけます。
この言葉だけで、彼がえりなを心配していた思いがはっきりと伝わってきました。青柳役の吹越満さんは、短いセリフやちょっとした表情で青柳という男の人間味を表すのが本当に見事。今回のように温かい一面があるとわかるからこそ、日ごろ反抗的でえらそうでも青柳を好きにならずにいられなくなるのです。
事件解決後、再びえりなの病室を訪れる青柳。彼女が大人たちに人生を決められて苦しんでいるのを見抜いていた彼は、「君は悪くないんだよ。君の人生は君のもんだ」という言葉を贈ります。ぶっきらぼうさが抜けきらなかったけれど、飾りのない言葉の奥には確かな優しさがありました。
えりなから「わかってるよ!」と言い返されて、「ならよかった」と青柳は出ていきますが、その後は矢沢がしっかりフォロー。相棒として一番近くで青柳の思いを理解していたに違いない彼も、えりなに「がんばって!」と大きな声でエールを贈るのでした。
若者を心をこめて応援する彼らは、本当に素敵な大人の刑事たち。村瀬・小宮山もいいけれど、青柳・矢沢もやはり名コンビだと実感した第6話でした。
今回入院中の村瀬はお休みでしたが、ラストシーンでは特捜班の面々が彼の似顔絵に挑戦。予告動画を見ると次回は村瀬も出番があるようなので、みんなが描いた似顔絵の披露も期待しています!
–{第7話あらすじ&感想}–
第7話あらすじ&感想
第7話あらすじ
裏道で男性の遺体が見つかり、特捜班が捜査を開始する。浅輪直樹(井ノ原快彦)と新藤亮(山田裕貴)は、被害者・高宮良介(朝倉伸二)が所持していたレシートを手がかりに、一軒の定食店に向かう。
店主の吉田かおり (町田マリー)は高宮が事件当日の夜、3時間ほど店にいたと証言。滞在時間が長かったのは、かおりのひとり息子で小学6年生の一輝(齋藤優聖)と数字パズルをしていたからだと話す。女手ひとつで息子を育てるかおりは、高宮が一軍の面倒を見てくれることに感謝しつつも、他人とコミュニケーションを取るのが苦手な一輝が高宮にのみ心を開いている現状をよく思っていない様子だった。直樹は、一輝が高宮と挑んでいたパズルが意外にも高難度であることを知り、ビックリするが…。
一方、高宮が住んでいたアパートの部屋を調べた青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は室内が荒らされ、パソコンが盗まれていることに気づく。部屋を調べているとそこへ、上岡昇(上川周作)と名乗る男が部屋に入ってくる。高宮に借りていた金を返しに来たというが…。 青柳はそのとき、“半グレ”の男たちがこの部屋の様子をうかがっているのを目に留める。
そんな中、高宮が天才的な数学研究者であった事実が判明する。大学卒業後、渡米して研究に従事していたが、8年前に突然帰国。以来、国内の大学からの誘いを断り続け、数学界とは距離を取っていたらしい。その矢先、衝撃の事態が起きる!解剖結果を聞くため、小宮山志保(羽田美智子)と国木田誠二(中村梅雀)が監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)のもとを訪ねたところ、なんと解剖前の高宮の遺体がこつ然と消えていたのだ。いったい遺体はどこに、そして誰が何のために盗んだのか!?
謎は深まるばかりで…
第7話の感想:少年を思いやる浅輪 の“らしさ”が見えた回
今回は、浅輪がきっちり主役らしい活躍を見せてくれた回でした。
被害者は数学研究者の高宮。彼は、定食屋の息子・一輝に数学の才能を見出し何かと面倒見ていました。それだけに、この事件で最も傷ついたのは、おそらく一輝。慕っていた先生が突然この世を去り、どれだけきつかったことでしょうか。さらに、ドラマ中盤では母親が容疑者扱いされていることを知らされてしまいます。
そんな一輝の心情を浅輪は見逃しませんでした。
一輝と二人でベンチに座る浅輪。「お母さんは殺してない」という一輝に、「そう思うよ。でも俺も刑事だからいろんな人のお話聞かなきゃいけないんだよ。一輝くんも聞かせてくれる?」と協力を求めます。
こうやって、いつでも目の前にいる人間を決して軽んじないのが浅輪という男。真摯な言葉、態度から一輝に寄り添おうとしているのがよく伝わってきました。この優しさ、温かさこそが本当に彼の魅力だと思います。
浅輪の率直さのおかげで心を開いた一輝。高宮と一緒に難問「リーマン予想」の証明に取り組んでいたノートを浅輪に託すのでした。
その後、高宮の口の中で見つかったコンタクトレンズがカギになって、コンタクト購入者=高宮の出身大学の准教授・島崎が犯人だと判明。
大学教授に復帰する代わりに一輝の未来を最優先させてほしいと願う高宮と折り合いがつかず、揉み合いの末に高宮の後頭部を打撲させてしまった島崎。その後首を絞めて殺害し、さらに「リーマン予想」の証明成果を横取りするべく高宮のパソコンを盗み出していました。
「貴重な論文を闇に葬れない。数学界のため」と弁解する島崎に、一輝のノートに書かれた証明がまだ未完成だったことを明かし、「あなたが手に入れたとしても、続きを完成させることができたか」と浅輪は突きつけます。
「純粋に学問を追求することによって、はじめて喜びを感じることができる。その究極が研究成果となる」と一輝に語っていた高宮。証明は純真な発想で数字を解く一輝だからできたこと。学者らしい探究心などもはや失った島崎には所詮無理だったといえるでしょう。
事件解決後、浅輪は一輝の母・かおりと対面して高宮の思いについて語ります。一輝をサポートすることに生きがいを見出していた高宮の思いをかおりもようやく理解して、息子の数学への思いを応援するのでした。
少年を思いやる優しさを忘れず事件に立ち向かった浅輪。非常に“らしい”彼を見られた7話でした。
他の面々ももちろん活躍。青柳・矢沢は、高宮の死体を盗んだ犯人・上岡の取り調べで机に座って思いきり上から目線でドスを利かせてくれました。見た目が怖い青柳の迫力と身体が大きい矢沢の圧力のおかげか、上岡は洗いざらい白状。二人の息の合った脅しっぷりに笑わせてもらいました。
一方、ここのところ国木田とのコンビで捜査を続けている小宮山。村瀬とはまた一味違うこの凸凹コンビの掛け合いもなかなか楽しくなってきました。毎回上司の国木田を強引に連れ出して、しっかり尻に敷いているあたりはさすが小宮山。もちろん、真の相棒・村瀬のことも忘れず、病室にみんなが描いた似顔絵を貼るなど、引き続き「妻」らしくお世話。村瀬も精力的にリハビリに取組んでいました。
早いもので、もう7話まで来たシーズン4。個人的にはそろそろ新藤主役の回があるといいなと思っています。個性的な先輩たちの狭間の絶妙な中和剤である彼にもぜひスポットを当ててほしい。ひとまず期待しつつ、次回も楽しみにしています!
–{第8話あらすじ&感想}–
第8話あらすじ&感想
第8話あらすじ
ビル清掃員・宮川文子(田島令子)が自宅リビングで刺殺されているのが見つかり、浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班が臨場する。無断欠勤した文子の様子を見に来て窓から遺体を発見した同僚によると、文子には大手商社でバリバリ働く娘がいるものの家を出ており、現在はひとり暮らしとのことだった。
ところが、誰もいないはずの2階から物音が聞こえてきた。階段を駆け上がった直樹たちは、奥の部屋の押し入れに隠れていた文子の娘・雪(春木みさよ)を発見! 雪は確かに大学卒業後、商社に勤務していたが、15年ほど前に退職して以来、ずっとひきこもっていたようだ。ハリネズミのぬいぐるみがついたパーカーのフードを目深くかぶった雪は手をケガしており、現場が密室状態だったことから、彼女に母親殺しの疑惑がふりかかる。
その後、警察病院に収容された雪は食事にも手を付けず、投げやりな態度で「夕飯に嫌いなニンジンが入っていたから殺した。それでいいんじゃない?」と犯行を認めるような言葉を放つ。しかも、直樹が何か食べたいものはないか聞くと、「ミルワーム」と謎の言葉を発する… 。
そんな中、小宮山志保(羽田美智子)は、文子が最後に電話で会話した相手、人権派弁護士の成瀬聡美(松浦佐知子)を訪問。文子が翌日行われる裁判に、証人として出廷する予定だったことを知る。聡美は同じく弁護士である娘・莉子(新井郁)とともに、パワハラによって不当解雇された原告の代理人を務めていたが、文子はそのパワハラ現場を目撃した唯一の証人だったのだ。だが、青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)が文子の同僚に話を聞くと、金に固執していた文子が仕事を失う可能性があるにもかかわらず、雇い主に歯向かう証言をすることに疑問がわき上がる。
その頃、国木田誠二(中村梅雀)と新藤亮(山田裕貴)は、雪が時折、訪れていたハリネズミカフェへ。実は、“ミルワーム”とはハリネズミが好んで食べるエサ用の虫のことだったのだ。その店では毎晩、ハリネズミの生態を生配信していることがわかり…!?
第8話の感想:謎を解いたのはハリネズミ!二組の親子から見えた葛藤と絆
8話のテーマは、いうなれば母と娘の葛藤と絆。ドラマの中には二組の親子が登場します。
一組目は被害者の宮川文子とひきこもりの娘・雪。もう一組は親子揃って弁護士の成瀬聡美と娘の莉子。
一見シリアスな問題を抱えているのは文子と雪のように思えましたが、実はそうではありませんでした。
特捜班が捜査を進めると、事件に15年前の裁判が絡んでいるとわかります。
当時、雪の恋人の透が過労自殺。彼の母が会社を訴えるも、透の同僚の証言で自殺の原因は雪への失恋だとされて棄却。しかし、証言は偽証で、それを仕組んだのが成瀬聡美でした。
偽証の証拠品である覚書を手に入れた文子は、聡美に真実を話してほしいと頼みます。それはもちろん娘の雪を思ってのこと。
そして、そんな文子の元を訪れて殺害したのは聡美の娘・莉子でした。
謎を解き明かしたのはハリネズミ。莉子が録音していた文子の証言音声データに事件の夜に雪が見ていた生配信のハリネズミの鳴き声が入っていて、犯行時刻に莉子が宮川家にいた動かぬ証拠となりました。
なぜそんなことをしたのかと問われて、「母が私に何をしてほしいのかわかってしまう。母がしたくない悪の部分を私がするようにうまくあやつられてきた」と語った莉子。母を守ろうとして、そして母の過度な期待に応えようとしてきた末に彼女は殺人に手を染めてしまったのでした。
見ていくうちにわかったのですが、聡美は偽証を仕組んだり文子に「一千万円出す」と口止め料でだまらせようとしたりとかなり問題のある人格。「子どもなんてほめてやれば…」というひどい言葉も口にしていて、こうした彼女の傲慢さが娘の心を歪ませてしまったのでしょう。犯人ではありますが、母との関係に苦しんだ莉子がなんともかわいそうに思えました。
一方、ある意味親子断絶のようにも見えていた文子と雪。しかし、こちらは文子が「娘を恥ずかしいと思ってたけど、本当に恥ずかしいのは見栄っ張りの私。親の過度な期待が子どもをがんじがらめにしてしまった」と過ちに気づいていました。
ラストで、浅輪は文子が生前使っていたパソコンを雪の元へ届けます。そこに残されたファイルから、ハリネズミ生配信のチャットで雪とやりとりしていた相手が文子だったとわかりました。
「そのままでいい。一人じゃないよ。ずっと味方だよ」
つたないパソコン操作で懸命に娘の心に寄り添おうとしていた文子。彼女が娘に贈った言葉からはただただ温かさが伝わってきて、筆者は見ていて思わず涙がこぼれました。
親の愛情をようやく知ることができた雪はきっともう大丈夫。母の言葉を胸に強く生きていってくれると信じています。
今回は珍しく浅輪と小宮山、新藤と国木田が組んで捜査しましたが、新藤&国木田が意外にもなじんでいた様子。ハリネズミカフェを訪れてハリネズミに「かわいい~」とニコニコしたり、音声データを一つのイヤホンで一緒に聞いたりする仲よしぶりでほっこりさせてくれました。小宮山と組んだときは尻に敷かれている感の強かった国木田ですが、新藤とはさながら孫とおじいちゃん?のような感じ。この新たな和み系ペアはまたぜひ見てみたい気がします。
そして、次回9話はその新藤についにスポットが当たる気配。予告で彼がパルクールに挑むらしき姿が見えたので、期待度高めで楽しみにしています!
–{第9話あらすじ&感想}–
第9話あらすじ&感想
第9話あらすじ
路地裏で不動産会社の社員・脇坂芳樹(永倉大輔)の遺体が見つかった。何者かに突き飛ばされ、地面の石で後頭部を強打したものと思われたが、臨場した浅輪直樹(井ノ原快彦)と新藤亮(山田裕貴)は、路地裏の壁に足跡がついているのを発見。なんと、その足跡は直樹たちの身長よりも高い位置に残されており、どうしてこんなところに足跡があるのかと、2人は首をかしげる。
その頃、青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は事件の夜、脇坂と食事をしたという2人の同僚、山口早希(佐藤みゆき)と森下紀見彦(和知龍範)に事情を聴いていた。森下がこっそり明かしたところによると、脇坂と早希には交際しているというウワサがあり、事件当日も食事を終えたあと2人は一緒だったのではないかという。そんな中、脇坂が手のひらにアクセサリーの一部と思われる真珠の玉を握りしめていたことが発覚。さらに、財布は現場に残され、スマートフォンだけ持ち去られていたことから、顔見知りの女性による犯行という線が浮上する。
ところが、国木田誠二(中村梅雀)が署内のデータベースを検索した結果、意外な事実が明らかになる。1カ月ほど前、脇坂は公園で“パルクール”の練習をしていた若い男と接触してケガをしたと主張、強引に被害届を出していたのだ。さっそく直樹たちが接触事故の相手・福井翔(元木聖也)に会いに行ったところ、彼は話もろくに聞かず、飛び蹴りするふりをして新藤の背後の壁を蹴り上げ、これみよがしに宙返りを決めて去っていく。だが、壁に付着した翔の足跡を事件現場のものと照合したところ、完全に一致! 直樹たちは事情を確認するため、翔の実家である町工場を訪ねるのだが…。
一方、脇坂の周辺を調べていた小宮山志保(羽田美智子)と国木田は、脇坂が20年ほど前から関連会社に出向させられた挙句、何社も転々と異動してきた事実を知り…。
第9話の感想:新藤の成長が確認できた回 元木聖也の見事なパルクールにも注目!
9話は、待ちに待った新藤メインの回。
事件のカギとなるのはパルクール。難しいアクションを誰がどうこなすのか…と思ったのですが、ゲスト俳優がアクロバットに定評のある元木聖也さんで大いに納得しました。
元木さん演じる福井翔は、被害者の脇坂に被害届を出されていたことから事件の容疑者に。現場の高いところにパルクールの名手である彼のつけた足跡が残り、自身も脇坂を突き飛ばしたと犯行を認めます。
しかし、翔はまだいろいろ隠している…と納得いかないのが新藤。
納得いくまで捜査しようと決めた彼は、「翔以外のやつが飛んだら、別の可能性だって出てくる」と翔がつけたのと同じ場所に自身の足跡をつける挑戦=検証をスタート。
新藤の挑戦はある意味無謀ともいえるものでしたが、若い刑事らしいエネルギッシュさがとてもすがすがしかったです。実際、こうした若さと体力が必要な捜査は、特捜班では最年少の彼にしかできないことといえます。
へとへとになりつつも続けたおかげで、新藤は翔よりも高い場所に足跡をつけることに見事成功。やり遂げて上を見上げたときに目に入ってきたのは、空調の排気口でした。
この排気口の熱のせいで現場の気温が想定よりも高かったことがわかり、死亡推定時刻が訂正。犯行が行われた本当の時間に翔はアリバイがありました。
そして、死亡推定時刻に現場周辺の防犯カメラに映っていたのは翔の妹・理彩。彼女は事件当日脇坂に呼ばれて現場に行き、脇坂に乱暴されそうになって突き飛ばしたのを認めます。翔は妹の罪を被ろうとしていたのでした。
しかし、これでもまだ事件は解決しません。犯行現場で「大きな月が自分を見ていた」という理彩の言葉がひっかかった浅輪は、新藤、翔とともに再度現場を捜査。遺体があった場所から月は見えない=理彩がいたのは別の場所だと突きとめます。
結局、真犯人は翔でも理彩でもなく、脇坂の同僚・森下でした。
犯行動機は復讐。彼はかつて脇坂が担当した仕事で自殺に追い込まれた夫婦の息子で、脇坂が当時のことをまったく後悔していないと知って怒りのあまり殺害。そして、理彩に罪をなすりつけるべく、脇坂になりすまして彼女を呼び出し襲いかかったのでした。
今回、「浅輪を見て学べ」という村瀬の助言(第3話)を守って、まさに浅輪のようにまっすぐな思いで捜査を進めていった新藤。彼の刑事としての成長が確認できた回でした。「新藤亮、行きます!」と壁に立ち向かっていく姿は本当にかっこよかったです!
また、この9話の忘れてはならない見どころは、元木聖也さんのパルクール。軽やかなアクションの数々が本当に見事で見とれるしかなかったです。「おとうさんといっしょ」の“せいやくん”や「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」の高尾ノエルなど、子どもに人気のおにいさん・ヒーローのイメージが強い元木さん。今回は反抗的な不良っぽさのある青年役で、また一味違う顔が見れた新鮮さもありました。
次回は、爆弾が持ち込まれたかもしれない?危険なバスツアーが舞台。バスに乗り込んだ青柳・矢沢の活躍に期待です!
–{第10話あらすじ&感想}–
第10話あらすじ&感想
第10話あらすじ
ある朝、掃除当番にもかかわらず登庁してこない青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)に班長・国木田誠二 (中村梅雀)が苛立っていると、新藤亮(山田裕貴)がスマートフォン片手に大騒ぎで出勤してきた。新藤はその日、朝から、お気に入りのアイドル・ルリ (小池美由)のファンミーティングバスツアーの生配信をチェックしていたのだが、なんと参加者の中に青柳と矢沢の姿を見つけたのだ。新藤から映像を見せてもらった浅輪直樹(井ノ原快彦)、小宮山志保(羽田美智子)はビックリ。確かに、盛り上がるファンたちに混じって2人がバスに乗っているのを確認する。
実は出勤前、矢沢は青柳とともに立ち寄ったコンビニエンスストアで、若い男性客のリュックの中に爆弾らしきものが入っているのを目撃。前日、とある倉庫から爆薬の原料となる化学肥料が盗み出された事件が発覚していたことから、2人は念のため男のあとをつけ、彼が乗り込んだバスにそのまま同乗したのだ。ところが、発車して早々、2人はそれぞれ携帯電話を忘れてきたことに気づき、特捜班に連絡できないことにがく然とする…。
その後、いったん駐車場に立ち寄ったところで、矢沢はトイレに行きたいと嘘をついてバスを降り、公衆電話から特捜班に連絡を入れようとする。しかし、その様子を見ていたルリに、容赦なく電話を切られてしまう。ルリによるとファンミーティング中は、ルリだけに集中してほしいため外部との連絡は一切禁止。参加者の携帯電話も没収するルールなのだという。一方、青柳は爆弾らしきものを所持していた若い男に接近。“ユウマ”(林裕太)と名乗るその男は意外と人懐っこく、青柳と他愛のない話で盛り上がる。
その頃、青柳と矢沢がバスに乗りこんだ事情を察知した直樹たちは、捜査を開始。バスツアーに同乗している事務所社長・瀬戸口俊信(中野順一朗)に、このところ頻繁に殺害予告メールが届いていた事実をつかむ。しかも、鑑識・佐久間朗(宮近海斗)が解析した結果、殺害予告を送った人物がバスに乗っていることが判明! だが、車内全員の携帯電話は没収もしくは電源が切られているため、内部と連絡ひとつ取れない。直樹たちの緊張は一気に高まるが、さらに予想外の事態が発生し…!?
第10話の感想:青柳&矢沢の雄姿にしびれた回!新藤のガチオタぶりも楽しい
舞台はアイドルのバスツアー。
“ルリリン”ことルリに熱狂するファンたちの中で、明らかに浮いている青柳と適度になじんでいる矢沢の対比がなんともおかしかったです。たぶん青柳だけだったら「本当にファン?」と疑われた可能性があり、バスに乗り込めたのは間違いなく矢沢のおかげでしょう。
途中、ツアーのテーマがそもそも「青空でミリタリー」だとわかり、追跡していた青年・悠真のリュックの中身もそれ用のおもちゃと知って安堵する二人。しかし、その後事態は急展開。悠真と他のファンがルリと社長の瀬戸口を縛り上げてしまいます。彼らはルリと瀬戸口が付き合っているのを知って、瀬戸口をこらしめようとしたのでした。
暴徒化した彼らを前にして、至極冷静に立ち向かったのは矢沢。「彼女(ルリ)を見なさい!」とドスをきかせて一喝し、「これ以上、大好きな彼女を怖がらせないでください」と諭します。さすがプロの刑事。普段は和みキャラ担当だけど、ここぞというとき他の誰よりも頼りになる男、それが矢沢です。
矢沢の凄味のおかげでようやく騒ぎが収まるかと思いましたが、「そう都合よくいかない」とナイフを出したのが悠真。彼はやはり爆弾犯で、すでに本物の爆弾をバスに仕掛けていました。
実は瀬戸口とルリは、覚醒剤の売人とその共犯としてマークされていた容疑者。ルリと大学のクラスメイトだった悠真は、彼女から薬物の入ったバッグを預かったために逮捕され、執行猶予はついたものの、大学を退学になり就職先の内定も取り消しに。人生が終わった…という絶望で、瀬戸口とルリを殺して一緒に死のうとしたのでした。
このピンチをなんとかするべく捨身でナイフを持った悠真の腕を掴む青柳。そこにバスの運転手に変装していたルリの父親もスパナを投げつけて参戦(スパナは矢沢の頭に激突しましたが…)。二人の迫力に観念したのか、悠真は爆弾を止めるには白い線を切ればいい…と告げます。
しかし、彼の言葉は嘘。線を切ろうとしたときに「ごめんなさい!」と叫んだ悠真を見た青柳はそれを察知して、白ではなく黒の線をカット。青柳の機転のおかげで、無事に爆発を阻止することができました。
バスツアー中、青柳と笑顔で会話していた悠真。あそこで、青柳は悠真が決して悪い人間ではないとわかっていたのだと思います。第6話でもそうでしたが、彼は自分を慕ってくる相手に本当に優しい。自供した悠真に、青柳は当時ルリが悠真に罪をかぶせるつもりではなかったことを伝えて、精一杯の励ましを贈るのでした。
「こっから先何があるかわかんない。もっと悪いことがあるかもしれない。けど、死んじゃったら本当にわかんないまま終わりだよ。だから、とりあえず生きとけ」
青柳の言葉に泣きながらうなずいていた悠真。きっとこれで絶望から立ちなおってくれるのではないかと思います。
動じることなく冷静に暴徒たちを止めた矢沢。ケガを恐れず悠真に向かっていった青柳。二人のタフさ、熱さがとにかくかっこよくて、その雄姿にしびれた回でした。
なお、青柳・矢沢とは別の意味で熱かったのが新藤。ルリの大ファンらしく、青柳たちがツアーに参加していると知って「なんで俺を誘ってくれなかったんだよ!」とくやしがり、プロダクションに喜びいさんで聞き込みに行くも、ルリと瀬戸口の関係を知って大ショック。挙句に悠真に協力したファンたちの取り調べで、社長からルリを守ろうとしたという彼らに共感して意気投合。気合の入ったガチオタぶりで楽しませてくれました。
そして、今回ラストに一つ衝撃がありました。
いまだ病院で療養中の村瀬。彼が「班長に渡しといてくれる」と小宮山に差し出したのは、「辞表」の文字が書かれた封筒。
この辞表、すんなり受理されるとはとても思えないので、ひとまず見守りたいと思いますが、ファンとしては村瀬が辞職してしまうのは正直つらい。できたらそうはならないでほしい…と願うばかりです。
次回は伊東四朗さん演じる猪狩哲治が久々に登場。ベテラン鑑識官がまさかの殺人容疑者?という展開。猪狩が真犯人ではないことを祈りつつ楽しみにしています。
–{第11話あらすじ&感想}–
第11話あらすじ&感想
第11話あらすじ
ベテラン鑑識官・猪狩哲治(伊東四朗)が殺人事件の容疑者として連行され、浅輪直樹(井ノ原快彦)は複雑な思いを抱きながら取調室で対峙していた…。猪狩は所轄署で黙秘を貫きとおしており、長年親交のある直樹ならば口を割るのではないかという中原圭一郎管理官(小須田康人)の判断で、特捜班に捜査がまわってきたのだ。
猪狩は直樹に対し、たまたま前を通りかかったアパートから争う声を聞き、その直後に慌てた様子で逃げていく男を目撃したと証言。気になってアパートを確認したところ、奥の部屋で若い男が殺されているのを発見したが、ちょうどそこに宅配業者が現れたため、犯人と間違われ連行されたのだと話す。
しかし、猪狩が疑われるのには理由があった。被害者の前島公也(岸田タツヤ)は、猪狩の亡き後輩の息子だったのだ。公也は警察官の父に反発したのか素行が悪く、猪狩は彼を更生させようと何かと声をかけていたが、最近2人の間ではもめ事が起きていたようだった。ところが、公也との関係を指摘しても、猪狩ははぐらかすばかり。しかも現場からは公也と猪狩の指紋しか検出さず、状況はすべて猪狩が犯人だと告げていた。
そんな中、猪狩の”弟子”でもある鑑識課員・佐久間朗(宮近海斗)がどんな結果でも真実を突き止めてほしいと、猪狩の携帯電話の通話記録を調べ上げてきた。それによると、猪狩は何度か人材派遣会社に電話をかけていたことが判明。青柳靖(吹越満)と新藤亮(山田裕貴)がその会社を探ったところ、介護サービスを標榜しながら“恋人レンタルサービス”で稼いでいる事実が浮上した。しかも、猪狩が何度か指名していた、レンタル恋人の“マミ”こと広瀬舞(岡本あずさ)の連絡が取れなくなっていることがわかり…!?
一方、矢沢英明(田口浩正)は事件当夜、現場近くに止まっていたトラックの車載カメラ映像を入手。猪狩の証言どおり“逃げていく男”が映っていることを期待しながらチェックするが、事件の夜、アパートから出てきたのは”思わぬ人物”だった…!?
第11話の感想:鑑識官・猪狩と特捜班の絆を再確認した回!チャラ男扮装にノリノリな新藤にも注目
今回、ベテラン鑑識官・猪狩哲治が殺人事件の容疑者に。シリーズのファンとして、あの猪狩が殺人犯のはずがない、人を殺すわけがない…と決して信じることができませんでした。
当の猪狩からはっきり情報が掴めないまま、捜査に乗り出す特捜班。何人も容疑者が出てくる中、今回は逮捕までかなり難航したように思えました。
事件を動かしたのは、矢沢が入手した事件現場近くの映像。そこには猪狩が指名していたレンタル恋人のマミ=舞が映っていました。ただ、彼女は公也の部屋に行ったことは認めましたが、ついたときすでに公也は死んでいた…と犯行を否定。
そして、小宮山・国木田が殺人現場のアパートで見つけたのは、人材派遣会社の社長・藤木が女性を脅迫する音声が録音された携帯。
実は藤木はレンタル恋人の女性たちに売春を強要しており、それに耐えきれず自殺したのが携帯の持ち主であり前島公也の恋人だった女性でした。
さらに、青柳・新藤の調査で、恋人の死の真相を知った公也が藤木を責めた際、藤木が「警察は俺たちの味方だ」と意味深な言葉を残していたのがわかります。そして、この味方=警察内の藤木の協力者が猪狩の取り調べに同席した管理官・中原であることも判明。中原は舞のお客であり、写真をネタに藤木に協力させられていたのでした。
中原、藤木らの悪事が続けて明らかになったものの、彼らはいずれも殺人を否定。結局、真犯人は公也の友人・加藤だと最後にわかりました。小宮山と国木田に捕獲された彼は、公也に藤木からお金を巻き上げようともちかけるも断られて、怒りのあまり公也を殺害したことを自供します。
事件の日に公也のアパートを訪れた猪狩は、公也の遺体を前に怯える舞と遭遇。実は舞は公也と同じく猪狩の後輩の娘で、猪狩は彼女を見守ってきていました。藤木と警察の繋がりを知った猪狩は彼女を逃がし、痕跡を消して通報しようしたところでまさかの容疑者に…というのが事件の真相でした。
容疑者となった当初は頑なだった猪狩。口を閉ざしたのは、舞を守りたい、藤木の協力者に情報を知られたくない、浅輪たちに迷惑をかけたくない…など、いろいろな理由があったのでしょう。しかし、その一方で彼は何かあったら特捜班を頼るようにと公也に話していました。そして、公也が自分の言葉を守って特捜班に助けを求めていたのを知ったとき、自分も彼らを信じて頼ればよかった…と気づいたのだと思います。
「9係」の頃からの付き合いである浅輪たちと猪狩。この11話は彼らが長年培ってきた深い絆を再確認できたストーリー。久々登場の猪狩が容疑者になったのは悲しかったですが、浅輪、小宮山らの捜査で疑いが晴れて本当によかったです!
他、特に印象的だったのは、前回のケガが治っていない矢沢に替わって青柳に同行した新藤。レンタル恋人の女性を呼び出すためチャラ男に扮して、かなりノリノリな様子で笑わせてくれました。ここのところ、パルクール→ガチオタ→チャラ男と魅力が次々開花している感ありの新藤。今回の青柳とのペアもかなり新鮮で、このコンビもまたそのうちにぜひ見てみたいです。
なお、前回から何より気になっていた村瀬の辞表ですが、どうやら彼は思いなおした様子。小宮山が返した辞表をゴミ箱に捨てていてホッとしました。
ただ、次回の予告映像で流れたのは、そんな村瀬の運命が動きだす…という兆し。
かなり佳境に来ていますが、まだまだ見逃せない展開が続くこのシーズン4。村瀬や他の特捜班の面々に何が起こるのか? 期待と不安まじりで次回放送を待ちたいと思います。
–{第12話あらすじ&感想}–
第12話あらすじ&感想
第12話あらすじ
妻・倫子(中越典子)の誕生日に休みを取り、夫婦で港の見える公園に出かけた浅輪直樹(井ノ原快彦)。その日1日、倫子と過ごすつもりだったが、なんと到着した矢先、海面に浮かぶ男性の遺体を発見してしまう。
遺体の身元は、投資会社の役員・古賀武久(木下政治)と判明。死後数日が経過しており、ひとりで釣りをしている最中に誤って転落死したというのが所轄署の見解だった。しかし所持品の財布に現金がなかったことから、直樹は事件の可能性もあると見て、早瀬川真澄(原沙知絵)に遺体の解剖を依頼する。
その後、直樹は古賀の妻・優子(三津谷葉子)に会うため、高級住宅街にある邸宅へ。優子は1週間ほど友人と北海道旅行に出かけていたため夫の行方不明に気づかなかったと話すが、同行した小宮山志保(羽田美智子)は夫の死を知った直後とは思えない彼女の冷静さに違和感を覚える。そして、直樹は優子が出したコーヒーの味に引っ掛かるものを感じる。高級店のオリジナルブレンド品だというが、妙に薄い気がしたのだ。直樹はあえてコーヒーをほめ、優子から豆をわけてもらうことに成功する。
解剖の結果、古賀の死因は溺死とわかる。後頭部に外傷があり、しかも足には縛られたような跡が残っていたことから、真澄によると、足に重りをつけて海に沈められた可能性もあるという。
そんな中、青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)が、古賀が生前、顧客とトラブルを起こしていた事実を突き止める。古賀は会社を通さず、個人で会社経営者・屋敷賢(岡部尚)の資産運用を請け負った挙句、5000万円もの大損失を出していたのだ…。
一方、直樹は新藤亮(山田裕貴)とともに優子のアリバイを確認するため、一緒に旅行に出かけた友人・遠山美里(太宰美緒)に会いに行く。高校時代の同級生だという彼女は、旅行中はずっと一緒だったと証言するも、優子は高校時代から見た目ばかり気にする見栄っ張りだったと酷評して…!?
第12話の感想:謎解きのヒントは“水”!見栄っ張りの妻・優子が強烈すぎた回
12話のカギとなったのは“水”。軟水と硬水をはじめ、さまざまな水の違いが謎を解くヒントになりました。
当初、海で事故死したようにも見えた被害者の古賀。しかし、鑑識の結果、遺体の中にあったのは人工海水。遺体が発見された現場の海水とは別物で、殺人の可能性が高くなります。
そんな中、古賀の妻・優子がかつて交際していた高校時代の担任・河内と接触していた疑いが発覚。優子が河内に夫を殺させた?という線も出てきますが、当の河内が行方不明で、青柳たちも見つけることができません。
ますます謎が深まる展開に。しかし、証拠や証言が次々揃う中でようやく浅輪が気づきます。そもそもスタートが間違っていたのだと。
翌朝、国木田から「河内を容疑者と考えている」と聞かされた優子は、家を出て河原に行きホームレスの男に弁当を差し出します。そこにいたのは、河内…ではなく、殺されたと思われた彼女の主人・古賀。
実は、殺されたのは古賀ではなく河内の方でした。
投資家たちから請け負った資産運用の利益の一部を自分のものにするため、損失が出たと嘘をついた古賀。死んだと見せかけて高跳びしようと計画し、身代わりにするべく河内と優子を近づけ、自身が経営する寿司屋に河内を呼び出して殺害。寿司屋の水槽の水と遺体の体内の人工海水が同じもので、彼の犯行だとわかりました
自身の犯行を認めつつも妻の優子を庇う古賀でしたが、そんな彼に浅輪たちは非情な事実を伝えます。優子が持ってきた弁当には毒物が入っていた…と。
友人から「ただの見栄っ張り」と称されていたこの優子。彼女の強欲さが、今回とにかく強烈でした。
優子が国木田に媚びた態度をとって小宮山をイラつかせていたあたりから(これが村瀬だったらどんなことになっていたか…)、性格に難がありそうだと思ったのですが、事件の取り調べで歪んだ人格が明らかに。当初は「主人にさからえなかった」としおらく振舞うも、弁当のことを指摘されると態度を豹変。夫の古賀について「お金のないあの人には何の価値もない」「あの人を生かしておいたらつかまる気がした」と平然と言ってのけます。
これまで「特捜9」では、一見傲慢な女性が実は愛情深くて真犯人を庇っていた…というケースもあったのですが、今回の優子はそれとは別物。正直、ここまで悪質な犯人(厳密には共犯者ですが)は久々に見た気がしました。取り調べにあたった国木田と小宮山も「かわいそうな人」(国木田)「救いようがない」(小宮山)と、怒りを通り越して憐れむようなまなざし。これから犯した罪と向き合うことになる優子ですが、ここまで歪んでいる彼女にちゃんとそれができるのかは、ちょっと難しい気もします。
次回はついに最終回。予告映像を見ると、村瀬が刺されたあの事件の行方、栗山千明演じる渡辺理人の部下・小泉真希の登場など気になる内容が盛りだくさんでした。しかし、最も衝撃だったのは、ウェディングドレスをまとった小宮山とスーツ姿の村瀬。あのツーショット、“むらこみ”がついに…なのでしょうか? 時間も拡大されるラストの回、期待大で楽しみにしています!
–{第13話あらすじ&感想}–
第13話あらすじ&感想
第13話あらすじ
車椅子生活となった村瀬健吾(津田寛治)のため、バリアフリーの物件を探していた小宮山志保(羽田美智子)はパトカーのサイレンから近くで事件が起きたことを知り、現場に駆けつける。事件が起きた高架下にはすでに捜査一課が到着していたが、志保は運び出されてきた被害者の遺体から、“ある香り”がするのに気づく。それは、村瀬が刺された事件のときに感じた香水の匂いと同じだった。志保は、そのことを捜査一課の主任・高木(利重剛)に伝えるものの、まったく取り合ってもらえない。
同じ頃、浅輪直樹(井ノ原快彦)たちも村瀬が刺された事件について話し合っていた。直樹と新藤亮(山田裕貴)は、被疑者・曽根明子(東ちづる)と親子を装って暮らしていた溝口泰幸(川合智己)から話を聞き、泰幸の犯行だと思いこんだ彼女が罪をかぶろうとしているのではないかと考えたのだ。となると、高架下で起きた殺人は、村瀬を刺した真犯人が新たにおよんだ凶行なのではないか…疑念を抱いた特捜班は、独自の捜査を開始する。
そんな中、村瀬が特捜班に復帰する。村瀬もまた、自身を刺したのは明子ではないという考えを一同に明かす。実は刺されたとき、村瀬は薄れゆく意識の中で逃走する犯人の足音を聞いていたのだ。その歩数や足音の印象から、村瀬は自分を刺したのは男だと直感していた。
そこへ、高架下の事件の被疑者確保の知らせが入る。
その矢先、捜査本部を訪ねた国木田誠二(中村梅雀)は、東京地検察次席検事・渡辺理人(佐野史郎)直属の部下である切れ者検事・小泉真希(栗山千明)の姿を見かけ、地検がこの一件の早期送検に向けて捜査一課に圧力をかけていることを知るが…!?
第13話の感想:ついに村瀬と小宮山が…最終回は最高の「グッデイ!!」に!
このシーズン4では、真犯人がはっきり断定されなかったエピソードがいくつかありました。
一つは、第1話の弁護士夫妻と女子大生が殺された連続殺人事件。
もう一つは、3~4話にかけての村瀬が刺された事件。
いずれも若干もやっとした回だったのですが、真相がついに判明。この13話で起きた殺人とあわせて同一人物の犯行であることがわかりました。
一連の事件の真犯人はまさかの人物。第1話で特捜班が容疑を晴らしたあの八木でした。
犯行を重ねた理由は、彼の深い悲しみの中にありました。
かつて病気の母親と暮らしていた八木。当時母のためにイチゴを万引きして逮捕され、絶望のあまりに母の首を締めてしまいました。その心の傷から人生に期待するのをあきらめていたため、夢や希望を持つ大切さを説いた弁護士の小川や「君は警察になれたかもしれない」と話す村瀬に苛立ちを覚えて、犯行に及んだのでした。
「夢は呪いで希望は毒」だと思い、ゆえにそれらを押しつけてくる他人が許せなかった八木。その心情は察するところもありますが、しかし、だからといって人を殺していいわけはなく、特捜班の面々は憤ります。
「人の善意を何だと思ってるんだ」と声を上げる新藤や「勝手なのはお前のほうだ」と怒鳴る青柳。そして、誰より激しく怒ったのは小宮山。彼女の気持ちは痛いほどよくわかりました。八木のせいで彼女の大切な相棒は歩けなくなるかもしれない重傷を負ったのですから、怒りは至極当然といえます。
ただ、そんな中で国木田が一つの真実を伝えます。彼の母の死因は呼吸不全、首を締められる前にすでに亡くなっていた…と。
この事実を知ってショックを受ける八木に働きかけたのは浅輪。「君がやるべきことは、罪と向き合って奪った夢や希望の重さを感じることだ」と力いっぱい諭しながら八木を抱きしめます。この優しさ、この温かさこそが浅輪の魅力。ときに犯人さえも包み込む彼の包容力をこの最終回で改めて見ることができました。
しかし、その後、1話であの渡辺理人が浅輪たちに放った「後悔することになるぞ」という言葉が強くのしかかってきます。当時渡辺を出し抜く形で捜査をした特捜班。結果、そこで八木が釈放されたために、さらなる被害者を生むことになってしまいました。
この責任をとるべく、退職を決意する浅輪。しかし、周りが許しませんでした。辞意を伝えようとする浅輪に自分も辞める…と次々言い出す青柳や村瀬ら。そして、警視総監・神田川も記者会見で「捜査方針が間違ったとは考えていない」と断言。この言葉と国木田らの説得を受けてようやく浅輪も辞意を思いとどまるのでした。
そして、シーズン4の最後を飾ったのはとびきり素敵なサブライズ。
ついについに…村瀬と小宮山が結婚を決めました!
小宮山のウェディングドレスは村瀬の夢オチでしたが、プロポーズは正真正銘本物。特捜班のみんなと早瀬川や倫子、佐久間ら仲間たちの証人サインが入った婚姻届けとともに、みんなが見守る中で村瀬が小宮山に結婚を申込みました。
長らくつかず離れずの関係を続けてきた村瀬と小宮山。今シーズン、村瀬の負傷という難局に支え合って立ち向かい、そしてついに結ばれました。涙を流して抱き合う姿はただただ感動的。そんな中でV6が歌う「警視庁捜査一課9係」第1シーズンの主題歌「グッデイ!!」が流れてきたのが、なんとも憎い演出でした。
1話から13話まで難事件もありましたが、常に自分たちの信念のもと捜査をしてきた特捜班。笑いと涙にあふれた大人の刑事たちの活躍は毎回見応え抜群。まさに極上のエンターテイメントでした。そして、シーズン4のラストが、彼らにとって最高に喜ばしい「グッデイ!!」になって、本当によかったです!
ありがとう、特捜9
そして、村瀬&小宮山、本当におめでとう!
–{『特捜9 season4』作品情報}–
『特捜9 season4』作品情報
『警視庁捜査一課9係』が、井ノ原快彦主演で装いも新たにスタートした『特捜9』。
難事件に挑む個性豊かな刑事たちとともに、彼らの背景にある人間模様を真摯に描いたドラマで支持を集める本作。2021年春、待望のseason4がスタート。
最新作では、これまで同様、おのおのの個性を発揮し、時には衝突しながらも信念を一つにして特捜班の刑事たちが全力疾走で捜査に当たる姿を描くとともに、ミステリーとしての面白さもさらに追求する。
放送局
テレビ朝日系24局
放送日時
2021年4月7日(水)スタート 毎週水曜21:00~
出演
井ノ原快彦
羽田美智子
津田寛治
吹越満
田口浩正
山田裕貴
宮近海斗(ジャニーズJr./Travis Japan)
中越典子
原沙知絵
中村梅雀
脚本
徳永富彦 ほか
音楽
吉川清之
主題歌
V6『僕らは まだ』(avex trax)
監督
細川光信ほか
ゼネラルプロデューサー
大川武宏(テレビ朝日)
プロデューサー
神田エミイ亜希子(テレビ朝日)
金丸哲也(東映)
丸山真哉(東映)
森田大児(東映)
制作
テレビ朝日/東映
動画配信
特捜9 season4 – TELASA(テラサ):映画・ドラマ・アニメが見放題!
キャストコメント
井ノ原快彦(浅輪直樹役)コメント
「season4」に突入し、チームワークはますます安定感を増しています。昨日今日、出会った人たちでは作れない“匂い”は、僕らがともに歩んできた時間あってこそのものだという自負もありますね。山田くんは特捜班の中でいちばん年下なのに、実はいちばんのしっかり者。助けてもらうところは助けてもらっています。
積もる話が多すぎて、特捜班メンバーとはクランクイン直後から隙を狙ってこの1年間に何があったのか、報告しあっています(笑)。撮影では気をつけなければいけないことはたくさんあるので、昨年スタッフさんが徹底的に考えてくださった対策を今年も引き継いで、気を緩めることなく撮影に臨んでいます。
『特捜9』 は基本的に1話完結なので、最初からご覧いただいている方はもちろん、初めて見る方もどこからでも楽しめます、と常にお伝えしてきました。今回の『season 4』もそれは変わりませんが、ずっと応援してきてくだったみなさんが「見続けてよかった」と思える内容になっています。第1話から最終回までつながるストーリーが展開します。多くの伏線が張られ、それがどう回収されていくのか、楽しみにしてください。
「誰がこんなことを思いついたの!?」と驚くような事態も起きて、特捜班メンバーの関係性も大きく変わっていくのではないか、という予感も….もしかしたら、今までにはなかったようなやりとりが出てくるかもしれません。
『特捜 9』では殺人事件を背景に人間の悲しく切ない一面も描かれますが、特捜班が爽快に事件を解決していく姿からは、「明日も頑張ろう」というパワーを受け取っていただけるはずです。まだまだ大変な状況が続きますが、1週間の真ん中の水曜日に、みなさんに活力をお届けします!
羽田美智子 (小宮山志保役)コメント
私の中で、「特捜9』は普段とは別の世界でずっと存在しているような感覚です。だから撮影がない間も、どこかでつながっている感じ。振り返ると大変なことが起きるたび、井ノ原(快彦)さんをはじめとする特捜班メンバーと一丸となって立ち向かった気がしています。東日本大震災のときも、渡瀬恒彦さんがお亡くなりになったときも、みんな一緒だったから乗り越えられた…。だから、新型コロナウイルスもきっと乗り越えられると信じています。
みんなで集まると、全員が全員のことを好きだと思っていることが伝わってくるんです。津田(寛治)さんも吹越(満)さんも田口(浩正)さんも俳優として何十年選手ですから、現場でどうすればいいのかそのさじ加減は心得ていますし、ワイワイ言いながら、みんなで山田裕貴くんのことを息子のようにかわいがっています(笑)。そして要所、要所でイノッチが「さ、やりましょう!」という空気を醸し出してくれるんです。
『特捜9』 は、それぞれのバディのパートナーシップに違いがあるところが魅力だと思います。この「season4」で関係性がどう変わっていくのかぜひ見守っていただきたいですね。刑事ドラマは事件関係者にどんなドラマがあり、どんな風に事件の真相が明らかになるかが醍醐味ですが、この作品では事件を追う刑事たちにもさらなるドラマがあって、それが毎回の事件にどのように関わっていくのかもみどころです。「season4」では私たち特捜班メンバーにもいろいろなことが起こり、いろいろなことに挑戦しますので、ご期待ください。
山田裕貴(新藤亮役)コメント
『特捜 9. の現場で井ノ原(快彦)さんをはじめとする先輩方とお会いするようになって、4年目。特捜班メンバーはそれぞれが愛情や優しさ、思いやりにあふれ、俳優としてだけでなく、人として学ぶべきところがたくさんあります。とにかくみなさん温かくて、一緒にいるとホッとしすぎてつい気がゆるんでしまうので、そのたびに「ちゃんとしなきゃ」と自分で自分に言い聞かせています。「先輩方のような大人になりたい」と思いますし、いつも支えてもらっている分、自分ももっと『特捜9』に貢献したい。そして、ほかの現場で学んだことをしっかりお見せしたいという思いも、僕の中にあります。
この作品に携わるようになって、世間の動きというものに敏感になりました。ドラマの中で描かれている事件や、その背景にある人間の情悪や悲しみは実際の生活の中にあってもおかしくないものです。リアルな事件性や、感情描写なども注目してください。
この4年で浅輪さんと新藤の関係も変わってきました。最初、新藤は浅輪さんのことを「主任」と呼んでいたのに、気がつくと「先輩」になっていました。事件を解決した浅輪さんに対してやっかむこともなくなったし、「先輩ってそういう考えですよね」と人間性も理解できるようになり、多少は成長できている気がします。「season4」では、そんな新藤の柔らかさや、大人の考えができるようになったところも演じられたら…。できることなら、新藤の恋愛話などもあるといいな。新藤の婚約者を募集したいです(笑) ! 全体としてもこれまで以上に壮大な物語が展開しますので、伏線の張られ方や回収の仕方など、全話を通してお楽しみください。