櫻井翔、俳優としての魅力~優等生キャラだけではない深み~

俳優・映画人コラム

2021年4月11日スタート「ネメシス」(日本テレビ提供)

news zeroのキャスターや音楽番組の司会をこなす姿を見て、嵐・櫻井翔について真面目な優等生というイメージを持つ方も多いでしょう。実際、嵐ではまとめ役を担うことが多いです。

2020年12月31日、嵐はグループ活動に一旦幕を下ろし、櫻井翔も自らの道を歩き始めました。

俳優業ではさっそく4月から主演ドラマ「ネメシス」がスタートします。

今回は彼が出演したドラマの中から5本をピックアップして、ファン目線で語っていきます。

「木更津キャッツアイ」シリーズ~貴重なチャラ翔~

宮藤官九郎が脚本を執筆したハチャメチャな青春&人情ドラマ。リーダーのぶっさん(岡田准一)やバンビ(櫻井翔)たち5人が結成した怪盗団「木更津キャッツアイ」がおバカでアホな騒動を巻き起こしていくストーリーです。

男の友情やギャグ要素が満載で、まさに若かりし頃の青春の1ページを切り取ったかのような「バカなのに最高!」なドラマです。

クドカンワールド炸裂の世界観や表と裏の二部に分けられた独特な展開、濃すぎるキャラたちにハマったファンが続出しました。

櫻井翔演じるバンビは野球部の元エースでありながらもまさかの童貞というキャラ。作中でも仲間から童貞いじりされている姿が、普段の「アイドル櫻井翔」を見慣れていると新鮮に感じられます。

木更津キャッツアイの撮影時に多忙でセリフを覚えられず、台本を脇に挟んで撮影に臨んだ(そして後に懺悔した)というエピソードもファンならご存じのはず。

また木更津キャッツアイでは、今となってはもう拝めない貴重な「チャラ翔」をたっぷりと楽しめます。

優等生なイメージの「櫻井翔」も好きですが、オラオラ感と若干の初々しさが残るチャラ翔も彼の魅力の1つです。

「山田太郎ものがたり」~王道ハイスペックイケメン王子様~

「山田太郎ものがたり」は、容姿端麗・成績優秀・運動神経抜群とハイスペックだが、家がド貧乏な山田太郎(二宮和也)が、貧乏ながらも愉快に生きる物語。

櫻井翔演じる御村託也は主人公である山田太郎(二宮和也)の親友という役です。

連ドラで嵐のメンバーが共演する、今となってはありえないような豪華すぎるキャスティングです。

「二宮和也×櫻井翔」の字面のインパクトたるや……

御村くん(櫻井翔)は抜群のルックスとクールな表情に加えて実家が裕福という、非の打ちどころのないクールな王子様キャラで、未だにファンの心をがっしりと掴んで離していません。

笑顔が素敵なイケメン・山田くん派かクールなイケメン御村くん派か悩みどころですが……

私は御村くん派です。普段はクールな表情が多いためか、ふとした時のほほえみや笑顔の破壊力が桁違いなのです…

櫻井翔の爽やかさと抜群のルックスが100%詰め込まれた、「THE イケメンな王子様」を心ゆくまで楽しめる貴重なドラマです。

–{愛おしいポンコツキャラ?}–

「特上カバチ!!」~愛おしいポンコツキャラ~

「特上カバチ!!」は、行政書士事務所で行政書士補助者として働く田村勝弘(櫻井翔)と行政書士で田村の指導者でもある住吉美寿々(堀北真希)がタッグを組んで法律を武器に奮闘しながら成長するストーリー。

櫻井翔演じる田村は素直でまっすぐな性格でお人よしで周囲によく振り回されています。

田村を一言で表すなら“ポンコツ”。

「櫻井翔」といえば優等生なイメージを持っている方も多いですが、実はポンコツキャラも得意なのです。

櫻井翔が演じることで、爽やかさと愛らしさが加わり「憎めないポンコツキャラ」に仕上がります。

メインストーリーは法律家としての奮闘や成長ですが、垣間見える恋愛模様も注目ポイントです。

嵐のラブストーリーコンテンツといえば「松本潤」であると嵐のメンバーも明言しています。実際、櫻井翔のラブストーリー系の数は少なめです。

だからこそ、ドラマ内でひっそりと見え隠れする恋愛は貴重!

愛おしいポンコツな爽やか青年を堪能できます。

『謎解きはディナーのあとで』~ドSな毒舌発言がハマり役~

『謎解きはディナーのあとで』において、櫻井翔演じる影山は執事兼運転手として、世界に名を轟かせる「宝生グループ」の総帥の一人娘でありながら、国立署の新米刑事である宝生麗子(北川景子)を支えています。麗子が持ち帰った迷宮入り寸前の難事件をあっさり解決していくストーリーです。

謎ディを語るうえで忘れてはいけないのが、「お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」などという毒舌発言。

「失礼ながらお嬢様……」のセリフが出るたびに、毎回どのような毒舌が飛び出るのかワクワクしてしまいました。

影山の毒舌発言にハマるファンも多く、家族全員で楽しめる内容であることもあって、高い人気を集めています。

櫻井翔は世間的に「優等生アイドル」なイメージもありますが、謎ディでは執事らしい冷静で頭脳明晰な印象を出しつつも、毒舌発言(ほとんど暴言)でギャップを出しています。

個人的に「櫻井翔×銀縁メガネ」のイメージはなかったのですが、いざドラマが始まったらすっかり影山の虜になってしまいました。

整った顔から至近距離で飛び出す毒舌が気持ちいい!

謎ディで「櫻井翔×毒舌」というハマり役を見られた我々は幸せなのかもしれません。

「家族ゲーム」~狂気で見せた新境地~

「家族ゲーム」は、やや不気味で得体の知れないスーパー家庭教師・吉本荒野(櫻井翔)が、一見理想の一家に見えるが多くの問題を抱えている家族を更生させていく「教育と家族」の物語。

狂気に満ちた怪演ぶりを見せて、「優等生&好青年」な世間のイメージを良い意味でぶち壊しました。まさしく俳優・櫻井翔にとっての転機と言えます。

吉本は一言で表すなら「狂気」。

予測不能で突拍子もない言動で周囲を翻弄し、表面上は完璧だった家族を崩壊へと導いていきます。

「いいねぇ~」というお馴染みのセリフが飛び出す度に鳥肌がたってしまいます。

櫻井翔の抜群のルックスが吉本の狂気に不気味さを加え、異質さに惹きつけられて離れられない、思わず見入ってしまうドラマです。

吉本の狂気と苦悩、絶妙な正義感を見事に演じきり、新しい可能性を見せてくれました。

まとめ

「櫻井翔」と聞くと、ニュースキャスターのイメージが強いかもしれません。しかし、王道イケメンキャラからポンコツキャラ、狂気に満ちたキャラまで、俳優としての演技の幅も広いです。

個人的には、家族ゲームのような狂気さが溢れるキャラをもう一度見てみたいです。

とはいえ、4月スタートの新ドラマ「ネメシス」で彼がどんな顔を見せてくれるのか、その先の「櫻井翔」がどんな演技を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がないです。

(文:坂田)