「鬼滅」VS「シン・エヴァ」初日の体感比較レポート!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』前代未聞の平日・月曜日初日!

映画コラム

「当初」の緊急事態宣言明けとなる2021年3月8日月曜日、延期が続いていた超話題作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』がついに公開されました。

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前代未聞の平日・月曜日初日!!

 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は当初2020年の6月の公開が告知されたものの、これが新型コロナウィルスの感染拡大を受けて延期に。改めて20201年の1月23日に公開日が設定されました。旧作の劇場リバイバル上映やテレビ放映など1月23日に向けて“全集中”という感じでしたが、二度目の緊急事態宣言が発令。またもや公開延期となってしまいました。

こうなると次の公開日は一体、いつになるのかということに注目が集まります。4月からGWかけては『名探偵コナン 緋色の弾丸』や『るろうに剣心 最終章 The Final』もありますし、その後も話題作は過密状態、この網をどうかいくぐってくるのだろう?と思っていたところ、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はなんとなんと3月8日月曜日という前代未聞の平日初日を発表してきました。

この日付は緊急事態宣言の(当初の)終結の翌日の日付で、1月23日の公開延期を決めたときに「共に乗り越えましょう」というメッセージを添えた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の“Withコロナ”体制を体現するような日程と言えるでしょう。

待ちに待った公開初日3月8日

そして待ちに待った公開日3月8日を迎えました。インターネットでの販売が3月5日午前0時に解禁されIMAXシアターの上映回などでは早々に完売も出るなど、おおよそ普通の平日である月曜日の様相とは違うことになっているのだろうと感じながら映画館に向かいました。

私が向かったのは映画館はTOHOシネマズ新宿。『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』公開の時には40回以上の上映回数を確保して、大ヒットの震源地の一つとなったシネコンです。私は『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』もこのTOHOシネマズ新宿で初日に見ており、「鬼滅と比べてシン・エヴァンゲリオン劇場版はどんなことになっているのだろうか」と恐いもの見たさのような感情を持ちながら映画館に足を踏み入れました。ちなみに、今回TOHOシネマズ新宿は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に20回ほどの上映回数を確保しています。『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』と比べると約半分の回数ですが、競合作品も多く、緊急事態宣言の20時制限もある中で最大限の上映枠と言っていいでしょう。

建物の周りは特に人だかりがあると言うこともなかったのですが、電光掲示板でのタイムスケジュールをみると半分ほどの回が完売、残りの回も残りわずかという表記が出ていました。

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劇場体感レポート

いざ、劇場に入ると、そこは“3密”も何もあったものではないというほどの混み具合。立錐の余地もないというのはこういうときに使う言葉なのでしょう。グッズショップの列はロビースペースに延々と連なり最後尾からグッズショップが見えないほど。これに入場を待っている人たち、チケット購入・発券の人たちの列が重なり、一見するとロビーにできているこの列は何の行列なのかと思ってしまうほどです。

いざ、開場となりましても通常の導線だけでは賄えず、非常階段を開放するなどして対応。私が選んだ劇場は当初狙っていたIMAXシアターのチケットが残念ながら取れなかったので、それでも少しでも大きな画面でと思いTCX( TOHO CINEMAS EXTRA LARGE SCREEN)のシアターへ。

ここは座席数も多いと言うこともあるのでしょうが、入場者プレゼントを渡しながら観客を入場させるために、劇場に入る前にここでも行列ができるという事態が発生。劇場入り口を前にして中に入れないとないという状態が予告編が流れ始めても続きました。

『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』でも入場者プレゼントの受け渡しはありましたが、もっとスムーズであったと記憶しています。この差は人員の配置量の差などもあるのかもしれませんが、こんな大混乱は過去にさかのぼってもちょっと見たことがありません。

肌感覚では盛り上がりの度合いは『鬼滅』と互角かそれ以上!

実は、今回私は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を2回続け見ました。何せあのエヴァの新作で完結編なので一回見ただけではわからないことが多いのではと思ったからです。このことは作品の理解と同時に初日の凄まじい混み具合を目撃するということにもなりました。

結論を言うと(あくまでも個人的な肌感覚ではありますが)上映回数に違いはあれど、観客の量と熱に関しては『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は決して『劇場版 鬼滅の刃無限列車編』に負けていないと感じました。むしろ、上映回数のことを考えると約半分の上映回数で『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』に匹敵する観客の盛り上がりと熱量を持った初日を『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が迎えたことは特筆するに値するといっていいでしょう。

私は過去に映画興行(映画館)の場に身を置いていて色々な混雑の風景を見てきましたが、祝祭日ではない普通の月曜日でこんなに映画館が混んだことは記憶にありません。初日の数字のリリースがいずれ発表されるでしょうが、日本の月曜日史上最も映画館が混んだ日になったのではないでしょうか。

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(文:村松健太郎)

–{『シン・エヴァンゲリオン劇場版』作品情報}–

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』作品情報

基本情報
総監督:庵野秀明

監督:鶴巻和哉/中山勝一/前田真宏

製作国:日本

公開日:2021年3月8日

上映時間:155分

配給:東宝=東映=カラー

予告編

スタッフリスト
企画・原作・脚本:庵野秀明

総作画監督:錦織敦史

作画監督:井関修一/金世俊/浅野直之/田中将賀/新井浩一

副監督:谷田部透湖/小松田大全

デザインワークス:山下いくと/渭原敏明/コヤマシゲト/安野モヨコ/高倉武史/渡部隆

CGIアートディレクター:小林浩康

2DCGIディレクター:座間香代子

CGI監督:鬼塚大輔

CGIアニメーションディレクター:松井祐亮

CGIモデリングディレクター:小林学

CGIテクニカルディレクター:鈴木貴志

CGIルックデヴディレクター:岩里昌則

動画検査:村田康人

色彩設計:菊地和子(Wish)

美術監督:串田達也(でほぎゃらりー)

撮影監督:福士享(T2 studio)

特技監督:山田豊徳

編集:辻田恵美

テーマソング:「One Last Kiss」宇多田ヒカル(ソニー・ミュージックレーベルズ)

音楽:鷺巣詩郎

音響効果:野口透

録音:住谷真

台詞演出:山田陽(サウンドチーム・ドンファン)

総監督助手:轟木一騎

制作統括プロデューサー:岡島隆敏

アニメーションプロデューサー:杉谷勇樹

設定制作:田中隼人

プリヴィズ制作:川島正規

制作:スタジオカラー

配給:東宝、東映、カラー

宣伝:カラー、東映

製作:カラー

エグゼクティブ・プロデューサー:庵野秀明/緒方智幸

コンセプトアートディレクター:前田真宏

監督:鶴巻和哉/中山勝一/前田真宏

総監督:庵野秀明