スパイダーマン第3弾の正式タイトルが『Spider-Man: No Way Home』に決定し、勢いとどまるところを知らないマーベル作品群。
コロナ禍による映画『ブラック・ウィドウ』『シャン・チー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス』『エターナルズ』の三作品の公開延期と、それ以降の作品(主に映画)の撮影延期に伴って、完全に止まっていたもののファンの期待は全くオチていません。
新作映画・ドラマへの企画立案・アイデアの詰め込みを繰り返し、さらに追加キャストも決まりと準備万端です。(一方で『ブラックパンサー』を演じたチャドウィック・ボーズマンの急逝などの悲報もありました。)
そこで、ここでは凄い展開を見せ始めたDisney+のドラマ「ワンダビジョン」とMCUフェーズ4、さらにはフェーズ5までわかっていること大きくまとめていきます。
–{まずは、MCUフェーズ4の2021年のスケジュール }–
まずは、MCUフェーズ4の2021年のスケジュール
とにかく映画については公開自体が不確定なので、なんとも言えません。とこれでは話が止まってしまうので、それぞれの動きについて2021年初頭の時点の情報をかき集めてみます(諸々、ちょっとネタバレを含みます)。
まず『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』までで“インフィニティ・サーガ”と呼ばれる大きな枠組みが完結しています。
わかりやすく言えば、アイアンマン=トニー・スターク=ロバート・ダウニー・ジュニア、キャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャース=クリス・エヴァンスが軸となるサーガが終了と言うことです。
不幸中の幸いですが、この“インフィニティ・サーガ”がコロナ禍前に終了して本当に良かったです。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を見せられたあと、もし『エンドゲーム』が公開延期になっていたらと考えると怖くて仕方がありません。
このように大きな区切りを受けて、新しいフェーズに移ろうというタイミングで新型コロナウィルスの感染拡大がぶつかりました。そんな中で非常に流動的ながら、まず、とにかく次の映画は『ブラック・ウィドウ』に決定しています。ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ(=スカーレット・ヨハンソン)の主役の物語で、『キャプテン・マーベル』に続く女性主役の大作です。
『エンドゲーム』で描かれたあのような結果の中でブラック・ウィドウの物語がどう描かれるのか、というのが焦点です。おそらく時系列をさかのぼる形になるのではと思いますが、どの時期までさかのぼるのかは今のところ不明です。
『アベンジャーズ』以前の話になるのか『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』の間の話になるのか。MCUの空白期はその二点くらいなのでどちらになるのでしょうか。トニー・スタークの登場という話もありますが、果たして。
これに続くタイトルが『シャン・チー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス』です。アジア系のカンフーヒーローで、主演のシム・リウのほか、トニー・レオン(ハリウッドデビュー!)オクワフィナ、ミシェルー・ヨーなどアジア圏の俳優で出演者が固められています。
その次が『エターナルズ』。なんと主演はここへ来てのアンジェリナ・ジョリー。女優業から少し遠ざかっていた彼女ですがマーベル大作でカムバックします。不死の宇宙種族エターナルズの物語と言うことでキャストも多種多様です。リチャード・マッデン、サル・ハエックなどに加えて大ヒットした韓国製ゾンビ映画『新感染ファイナル・エクスプレス』で大ブレイクした豪腕俳優マ・ドンソクが登場。
監督は中国出身の女性監督クロエ・ジャオ。公開の順番が逆になりましたが、監督三作目の『ノマドランド』が2021年の賞レースの中心になっている注目の逸材です。
『ブラック・ウィドウ』はこれまでのMCUファンにとっても素直に楽しめる作品になり、『シャン・チー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス』はアジアテイスト、『エターナルズ』は『マイティ・ソー』以来の神話系映画となることでしょう。
–{MCUフェーズ4の2022年のスケジュール}–
MCUフェーズ4の2022年のスケジュール
マーベル、MCUの映画の不文律として年に三本までというモノがあります(2021年からは年四本計画説あり)。2021年の三本に続き、2022年もすでにタイトルが発表されています。まず、ソニー・ピクチャーズとの合同企画であるトム・ホランド主演のスパイダーマン第三弾『Spider-Man: No Way Home』。トム・ホランドはなんと六本目のスパイダーマンとなります。
この後がベネディクト・カンバーバッチ主演の『ドクター・ストレンジ』の第2弾『ドクター・ストレンジ イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』。なんと監督は2000年代に『スパイダーマン』三部作を監督したサム・ライミ監督と言うことで、まさかまさかのマーベル映画復帰となります。どうやらワンダ=スカーレット・ウィッチの登場があるようです。
また、『マイティ・ソー』の第4弾『ソー・ラブ&サンダー』が決まっています。これには『ダークナイト』三部作でバットマンを演じたクリスチャン・ベールがヴィランとしての出演が決まったとのことです。
ティム・バートン監督の『バットマン』でバットマンを演じたマイケル・キートンも『スパイダーマン:ホームカムミング』に出演しているので、もうマーベルもDCコミックも関係がないと言えるのかもしれません。
ただし、これらの作品はまだ準備段階で、2022年にちゃんと公開されるかもわかりません。2021年の映画、三本が順当に公開されなければまたまた先延ばしになるやもしれません。
–{もはや見ていないでは済まされないMCUフェーズ4ドラマ}–
もはや見ていないでは済まされないMCUフェーズ4ドラマ
このように映画が先行き不透明な中で、ついに始まったのがドラマ「ワンダビジョン」です。
これまでもMCUから派生する形で「エージェント・オブ・シールド」や「エージェント・カータ」「インヒューマンズ」、さらにNETFLIXオリジナルで“ディフェンダーズ“シリーズ(「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」「アイアン・フィスト」「ルーク・ケイジ」「パニッシャー」)などのドラマシリーズが展開されてきましたが、どれもそれぞれのドラマの枠内で納まる形になっていました。
これに対してDisney+で配信が始まった「ワンダビジョン」はこれまでの発表からMCUフェーズ4の本流に深く食い込んでくるものとして位置づけられています。同時期に制作が発表されたドラマ群も同様の位置づけにあるようです。つまり、今後のDisney+のマーベルドラマでの出来事は、いずれ必ず登場するであろう大型クロスオーバー映画作品の中で“当たり前のこと”“物語の前提条件”となる可能性が高いのです。
しかも、Disney+は3月19日には新たなドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」を配信予定、さらに「ロキ」の主役ドラマも決まっています。
さらにジェレミ・レナー主演の「ホークアイ」、MCU初のアニメシリーズとなる予定の「What if…?」、キャプテン・マーベルとの繋がりがどうなるのか気になる「ミス・マーベル」、スター・ウォーズシリーズのオスカー・アイザックが出演するのではといわれる「ムーンナイト」、ブルース。バナー=ハルクの従兄妹が登場すると思われる「シー・ハルク」がすでに2021年中に配信されるのではと言われています。
マーベル映画は年三本という不文律(2021年からは年四本計画説あり)がありますが、ドラマに関しては倍近い本数を一年に投入してくる態勢を整えつつあります。
–{「ワンダビジョン」はいったいどうなる?}–
「ワンダビジョン」はいったいどうなる?
さて、いよいよ始まった「ワンダビジョン」。あのマーベルのロゴから始まってくれるのはうれしいのですが、なんと第一話はモノクロでスタート。しかも50~60年代のアメリカのテレビドラマで多くとられた観客の笑い声が入る“シットコム”を採用。撮影に実際に観客を入れるという生ドラマで日本でもヒットした「奥さまは魔女」がこの代表例です。
ドラマ「ワンダビジョン」は基本的にはこのシットコム形式でストーリーが進んでいきます。要所要所で不気味な描写や話数が進む中で時代背景が50年代から70年代に進み、さらにモノクロ画像がカラー画像に変わっていくという変遷を見せています。
挿入されるドタバタ調の笑いとマーベル超人ギャグは笑いを誘いますが、その一方でいったい我々は何を見せられているのだろうというような気持ちにもなります。
そして大きく話が動く第4話では『マイティ・ソー』に登場したナタリー・ポートマン演じるジェーンの親友の天文学者ダーシー・ルイス、『アントマン』に登場したFBIのウー捜査官、さらに『キャプテン・マーベル』でマーベルの親友を演じた空軍パイロットのマリア・ランボーとモニカ・ランボーがそれぞれ登場。
さらに『アベンジャーズ/エンドゲーム』のラストでサノスの“指パッチン”で消えた人々が五年の空白を経て復活する描写が描かれます。そして、どうやらワンダことスカーレット・ウィッチの現実改編能力が鍵となることが描かれ始めます。
–{大型クロスオーバー「ハウス・オブ・M」をアレンジか?}–
大型クロスオーバー「ハウス・オブ・M」をアレンジか?
アメリカンコミックはそれぞれのヒーローの名前を冠したものが週刊で発行され、その一方でアベンジャーズなどの(DCコミックで言えばジャスティスリーグ)のようなクロスオーバーイベントが作品を横断する形で描かれます。
映画の『アベンジャーズ』の各タイトルや『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』なども原作のアメコミのクロスオーバー作品をもとにしたタイトルです。
マーベルコミックのクロスオーバー大型企画の中には「アベンジャーズ vs X-MEN」などというものまであります。夢のような話ですが、『X-MEN』の映画化権を持っていた20世紀FOXがマーベル・スタジオと同様にディズニーの傘下に入っているので、究極的にはこのような映画も誕生するかもしれません。後述しますが実際にその可能性を感じさせるサプライズがありました。
そのクロスオーバー作品にワンダことスカーレット・ウィッチの能力が半ば暴走、ミュータントやヒーローと一般の人間の地位が逆転するという「ハウス・オブ・M」というエピソードがあります。映画=MCUでのワンダ=スカーレット・ウィッチの能力としてはサイコキネシスとマインドコントロールが主でしたが、どうやらMCUでも現実改編能力があることになりそうで、ドラマ「ワンダビジョン」の世界は「ハウス・オブ・M」の縮小版的ワンダによる想像&創造の世界の物語になっていきそうな気配を見せ始めました。
–{ついにX-MENブランドと合流か?}–
ついにX-MENブランドと合流か?
マーベル映画というと少し前まで大きな流れが三つありました。一つはマーベル・スタジオが仕切るMCU。いわゆるアベンジャーズのシリーズです。
次がソニー・ピクチャーズが仕切るスパイダーマンのユニバース。サム・ライミ監督&トビー・マグガイア主演の三部作、アンドリュー・ガーフィールド主演で二作品作られた『アメイジング・スパイダーマン』、そしてトム・ホランド主演のスパイダーマンシリーズ。
これにスピンオフの『ヴェノム』などがあります。トム・ホランド版からはMCUと歩調を合わせるようになって、独立のシリーズはソニー・ピクチャーズが仕切り、合流作品はマーベル・スタジオが取り扱うようになっています。他にも一時期は『パニッシャー』や『ゴーストライダー』なんかの権利も持っていました。これは今はマーベル・スタジオに戻ってきています。
そして、もう一つが20世紀FOXが仕切っていた『X-MEN』ブランドシリーズ。これには派生した『ウルヴァリン』シリーズや『デッドプール』シリーズなども含まれます。他にも『ファンタスティック・フォー』や『デアデビル』の権利を持っていた時期もありました。
という形で、この三系統があったわけですが、マーベル・スタジオと20世紀FOXがディズニー・ピクチャーズの傘下に入り、権利関係が再整理されて『ファンタスティック・フォー』や『X-MEN』ブランドはディズニー傘下のマーベル・スタジオ管理案件となりました。
そして、『X-MEN』ブランドの『デッドプール』がちゃんとR指定作品としてMCUに合流するなどというニュースが流れ、いずれはアベンジャーズシリーズとX-MENシリーズが大合流するのでは?などと思っていたところで、衝撃的な展開を見せたのが「ワンダビジョン」の第5話。
ドラマのヒロイン・ワンダことスカーレット・ウィッチの兄ピエトロ=クイックシルバーが登場するのですが(そもそもMCUでは死んでるはずなので、それだけでも驚きなのですが…。)なんとこのピエトロを『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に登場したアーロン・テイラー=ジョンソンではなく『X-MENフューチャー&パスト』と『アポカリプス』に登場したエヴァン・ピーターズが登場したのです。小さな接点ですがMCUとX-MENブランドが確かなつながりを持った瞬間です。マーベル原作映像作品はいよいよ、一本化へ大きく進んでいくようです。
ちなみに、ライバルのDCコミックはもともとワーナー・ブラザースの傘下企業と言うことで映像化作品は全てワーナー・ブラザースの映画。経営難によって映像化権を切り売りしていたマーベルとはここが大きく違います。
–{フェーズ4ではキャップ復活か!?}–
フェーズ4ではキャップ復活か!?
日々情報が更新されていく中で、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でMCUから卒業したはずのクリス・エヴァンス=キャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャースが帰ってくるのではないかというニュースが飛び込んできました。演じる本人=クリス・エヴァンスが“初耳だ!?”というコメントを出しているのでどこまで本当なのかわかりませんが、アイアンマンとキャプテン・アメリカの二代目襲名は今後のMCUには絶対に欠かせない展開です。
特にキャプテン・アメリカについては原作では死んでいた(のちに死んでなかったことが判明)期間中ファルコン=サム・ウィルソンとウィンター・ソルジャー=バッキーがそれぞれ新たなキャプテン・アメリカを務めたというエピソードがあります。映画の『エンドゲーム』のラストでもキャプテン・アメリカがトレードマークのヴィヴラニウムのシールドをファルコンに託すシーンがあります。
3月19日からDisney+で配信予定のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」ではこの二代目キャップ襲名エピソードがドラマシリーズの長い放映尺を使って丁寧に描かれるのではないかと思われます。最新予告、ビジュアルからはバロン・ジモというヴィランが登場予定なのが分かります。このキャラクター、キャプテン・アメリカととても縁の深いヴィランでもあります。予告ではキャップのシールドを扱う二人の姿もあるので、どうなるのかが楽しみです。
キャップ=クリス・エヴァンスは回想シーンや写真の中でというような登場の仕方ならありえるのかもしれませんね。
–{フェーズ4の映画、えらいことになりそうな、スパイダーマン第三弾}–
フェーズ4の映画、えらいことになりそうな、スパイダーマン第三弾
フェーズ4の映画は『ブラック・ウィドウ』『シャン・チー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス』『エターナルズ』の三作が決まっていて、その後も複数のタイトルが控えていますが、その中で特にえらいことになりそうなのがスパイダーマン第三弾『Spider-Man: No Way Home』。
『ファー・フロム・ホーム』をご覧になっている方はご存知かと思いますが、マーベル映画お馴染みのエンドロール後のおまけ映像にJ・Kシモンズ演じる鬼編集長JJJことJ・ジョナ・ジェイムソンが登場したのです。
これはサム・ライミ×トビー・マグワイア版でのJJその人であることは変わりないとのことで、いったい何が起きているのかと見る側を大混乱させました。ここで思い出していただきたいのが長編アニメーション『スパイダーマン:スパイダーバース』。
平行世界から多くのスパイダーマンが集結するという映画でしたが、これと同じことを実写のMCUでもやって見せるのではという見方が拡がっています。一説には『スパイダーマン2』のヴィランでアルフレッド・モリーナが演じたドクター・オクトパス、『アメイジング・スパイダーマン2』のヴィランでジェイミー・フォックスが演じたエレクトロ、さらにベネディクト・カンバーバッチのドクター・ストレンジが登場予定だとか…。
こんなことがあるのかと驚かられる方も多いと思いますが、この並行世界の手法、アメコミでは“マルチバース”という言葉を使って、よく使われる手法の一つだったりもします。コミック版「スパイダーバース」には100人近いスパイダーマンが一堂に会し、日本の特撮実写版のスパイダーマンも登場しています。
DCコミック&ワーナー・ブラザースが先行してこの手法を映画やドラマに取り込み始めていて、例えばドラマ「ARROW/アロー」の最後のお祭り企画「クライシス オン・インフィニット・アース」では新旧のドラマから映画まで平行世界として取り込んでいろんなスーパーマン、いろんなバットマンが登場しています。昨年ホアキン・フェニックスがアカデミー賞主演男優賞を受賞した『ジョーカー』もマルチバース扱いの作品で、前後のバットマン映画などとは繋がっていませんでしたね。
どうやらMCUも20世紀FOX案件を取り込む至り、このマルチバース路線に舵を切ることになりそうです。見る方は追いかけるだけで大変ですが…。
ちなみに『Spider-Man: No Way Home』の脚本を読んだトム・ホランドは“最も野心的な単独ヒーロー映画になる”と表現しているのでどんなことになるのか楽しみです。
また、このスパイダーマンの独自路線=ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクターからはトム・ハーディ主演の二作目『ヴェノム:レット・ゼア・ビ・カーネジ』とジョーカー俳優ジャレッド・レト主演の『モービウス』の二作品がすでに公開待機中。本来ならもう公開されているのですがコロナ禍で延期延期となっています。キアヌ・リーヴスのスピンオフ『クレイヴン・ザ・ハンター』への登板の噂もありますが、果たしてどのタイミングになるのでしょうか。
–{フェーズ5最大の難関は王の帰還}–
フェーズ5最大の難関は王の帰還
まだ、フェーズ4のドラマシリーズ一本が始まったばかりですが、フェーズ5以降のスケジュールもアナウンスされています。
「ワンダビジョン」でX-MENブランドがMCUに繋がったわけですが、この路線はさらにキープされるようで、まずは『デッドプール』の三作目がMCU初のR指定作品として準備中とのことです。何よりR指定作品であることがファンには大歓迎されています。
『X-MEN』本隊ブランドとの合流はいつどのような形になるのか、今頃、首脳陣は頭を捻って考え続けていることでしょう。例えばヒュー・ジャックマンが卒業したウルヴァリンを誰が演じるのか、というようなこと一つとっても大きなトピックになりそうです。
ドラマシリーズの話も出ているのが『ブラックパンサー』の続編プロジェクト。アメリカで社会現象となり、アカデミー賞作品賞にもノミネートされた『ブラックパンサー』の第一作目。アメリカ国内だけに限って言えば興行収入はなんと『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を上回る成績を上げ、黒人社会のシンボルとなった『ブラックパンサー』。
その続編というだけでも大きなプレッシャーなのに加えて、タイトルロールのブラックパンサー=ティチャラを演じたチャドウィック・ボーズマンが急逝するという予期せぬ出来事が起こり、主役をどうするのか、物語をどうするのか、ほぼほぼ企画が白紙になっているようです。ティチャラ役に代役は立てずに妹のシュリが新たなブラックパンサーになるのではと言われていますが、果たしてどうなることでしょうか。
『ブラックパンサー』の監督ライアン・クーグラーの制作会社とマーベルが五年契約を結んだという話も出ていまして、場合によってはブラックパンサーの祖国ワカンダを舞台にしたドラマシリーズで地ならしをしたうえで、映画で二代目ブラックパンサーの襲名披露となるのではないかと思われます。果たして、気高き黒きワカンダの王の帰還はどのような形になるのでしょうか。
–{あのキャラクターたちも心機一転、再登場!}–
あのキャラクターたちも心機一転、再登場!
マーベル最古参のヒーローチームでありながらも微妙な映画か続き、直近のリブートが失敗してしまった『ファンタスティック・フォー』やNETFLIXオリジナル作品として配信された「デアデビル」もMCUへの合流が内定したようです。
スパイダーマン、デアデビル、ファンタスティック・フォーはニューヨークを拠点にしているヒーローで原作コミックでは共演することが何度もありましたので、このあたりのヒーローがまとめて登場するかもしれませんね。
マーベルの映画と言えば丸々黒歴史だった時代を経て、初めてビジネス的に成功したのがウェズリー・スナイプス主演の『ブレイド』三部作。
このヴァンパイアハンターの映画を改めてMCUに取り込みなおすことも決定。演じるのは『ムーンライト』と『グリーンブック』で二度アカデミー賞助演男優賞を受賞しているマーハシャラ・アリ。あまりアクションのイメージがない彼ですが、実はフィルモグラフィをみるとSFアクションなどの作品も多くあります。マーベル作品(=NETFLIXドラマ「ルーク・ケイジ」)にも出演済みですが、どうやらそれはなかったことにしてMCU登場と言うことになりそうです。時期的なことをみるとマーハシャラ・アリはアラフィフになるタイミングでのMCU参加となりますがそのあたり大丈夫なのでしょうか。
続編続きで言うと『キャプテン・マーベル』のパート2と『アントマン&ワスプ』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の3が予定されています。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に関しては監督のジェームズ・ガンの降板、再登板騒動があったりしましたが、とりあえず話は進んでいるようです。このごたごたの間にジェームズ・ガンはDCコミックの『スーサイド・スクワッド』を撮っていたりもします。
他に久しぶりに『ハルク』の単独タイトルの話も出ています。同時進行でその従兄妹が主人公の『シー・ハルク』が配信予定なので、もしかしたらこれに合流するのかもしれません。実は『インクレディブル・ハルク』はMCU映画の中で一番ヒットしていない映画なので、なかなか“ハルクのその次”には二の足を踏んでいるようです。なので『マイティ・ソー バトルロイヤル』のようなゲスト出演という形になりがちですが、そろそろ単独タイトルが出てもいいのかもしれません。もしかしたらなにかと因縁のあるロキ主演のドラマシリーズ「ロキ」での登場があると面白いでしょうね。
–{アイアンマンはどうなる?}–
アイアンマンはどうなる?
キャプテン・アメリカの二代目襲名と同時にMCU、アベンジャーズに欠かせないのがアイアンマンの存在。ロバート・ダウニー・ジュニアが主演した『アイアンマン』は、なんと言ってもMCUの記念すべき第一作で、以降メインと脇で11本のMCU作品に登場。ロバート・ダウニー・ジュニア自身はMCU卒業を発表しましたが映画『ブラック・ウィドウ』にも何らかの形で出る予定とされています。
が、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のラストでああ言う形になりましたので、こちらも二代目を担ぎ出す必要が出てきます。
そんな中で聞こえてきたのがドラマシリーズの「アイアンハート」。若き天才的な少女(飛び級で15歳でMITに入った黒人キャラクター)リリ・ウィリアムズがハイテクアーマーを開発して“アイアンハート”を名乗るというストーリーラインになりそうです。原作コミックにもある設定なのでそこを踏襲してくるのでしょう。
もう一つの可能性が『アベンジャーズ/エンドゲーム』に登場したトニーとペッパーの間に生まれた一人娘。エンドゲームでアイアンマンのマスクを被ってお茶目に登場したり、『エンドゲーム』のラストで何か金属を加工する音を残したりしていてこの娘も何らかの形でアーマーを纏うことになるかもしれません。
キャプテン・アメリカの時もそうなりそうですが、こちらもドラマシリーズで丁寧に地ならしをすることになりそうです。
これにはキャプテン・アメリカとアイアンマンという、大名跡の二代目襲名披露は2時間の映画では収まり切らないという判断があるのでしょう。見る側からしてもこの部分はじっくりと描いて欲しいところなので、期待しましょう。
また、アイアンマン繋がりで言うとドン・チードル演じるローズ=ウォー・マシンを主人公にした「アーマー・ウォーズ」も間もなく撮影スタート。ドン・チードルは「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」への出演も明言しているので新旧世代の見守り役になりそうですね。
–{まとめ}–
まとめ
MCU全体を仕切るケヴィン・ファイギは頭の中にはフェーズ4、フェーズ5以降のこともすでにアイデアはあり、向こう5~6年のプロジェクトは進行中だともと公言しています。スター・ウォーズシリーズにも絡むという話もあって、大丈夫かなと思ってしまいますが、まぁ、これまでのことを考えるとやってのけるのでしょう。監督などのスタッフに思い切ったチャレンジ登用が見られそうなのも楽しみです。
また、ディズニー・ピクチャーズ自体が配信に重きを置くということを宣言していますので、コロナ禍が過ぎてもDisney+でのドラマシリーズや映画の劇場と配信のハイブリット公開などの可能性が高くなりそうです。
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ブラックパンサー、さらにはウルヴァリンなどのキャラクターを新たに誰が演じるのか。どうやっても反論が出てしまうであろう難題にどう挑むのか。そこがまた注目のポイントになって興味を引き続けてくれますね。
(文:村松健太郎)