近頃なんてことないタイミングで、特撮の話題がSNSのトレンドに入ってくることがしばしばあります。
年末にSNSを賑わせたハッシュタグの中にこんなものがあり、大変盛り上がっていました。
♯衝撃を受けた特撮・アニソンの歌詞
僕も書き込もうと思いどの特ソンが衝撃的だったかを思い返してみたら、あまりにも数が多すぎて絞るのが困難で、でもそれを考えるのが楽しすぎて結局投稿せずに終わってしまいました。でも、この度なんとか厳選できましたので、ここに書かせていただきたいと思います。
–{篠宮暁の頭にまず浮かんだ特撮ソングとは?}–
このテーマで考えてみたとき、すぐ頭に浮かんだのが『仮面ライダークウガ』主題歌の歌い出しでした。
「からっぽの星 時代をゼロから始めよう」
仮面ライダーのブランド力は依然として高かったものの、長らくテレビシリーズとしては展開していなかった『仮面ライダークウガ』の放送開始当時。
いざ仮面ライダーの名を蘇らせてみたものの、いつまた途切れるやもしれない中、2020年の今日まで繋がる礎をしっかり築こうという強い意志が感じ取れる歌詞。
主題歌のみならず、作品全体から時代をゼロから始めるという想いが感じられて衝撃を受けましたが、仮面ライダーシリーズが続けば続くほど、この歌詞の重みがどんどん増していく不思議なフレーズでもあります。
そこから『仮面ライダーディケイド』主題歌『Journey through the Decade』の歌い出し。
「見上げる星 それぞれの歴史が輝いて」
「クウガ」の“からっぽの星”を意識して書かれてるかはわかりませんが、「ディケイド」で平成ライダーが10作も続き、からっぽだった星が平成ライダー達によって輝く、という表現が平成ライダーの成功を表しているんだなと勝手に解釈しております。
しかし、この曲がただの成功賛歌ではないということはサビを見ればわかります。
「僕の目の前に広がる 9つの道はいつか 重なって 新しい夜明けへと続く 道に変わるのだろう」
平成二期シリーズへの道標といいますか、エールといいいますか、続くことが当たり前じゃなかった平成一期を経て、これからも作り続けていくという決意も読み取ることができます。
この2曲、本当にすごいんですが、衝撃度でいうと幼少期に聞いた曲の方が勝っていて今でも体の芯に響いています。
–{衝撃度ナンバーワンはこの曲!}–
その曲は『超人機メタルダー』の主題歌で、ささきいさおさんが歌う、
『君の青春は輝いているか』
当時4歳の僕にはタイトルの意味がさっぱりわかりませんでしたし、曲調も子供が好むハイテンポのロック調ではなくスローテンポのオペラ調。
買ってもらったこの主題歌が入ってる「コロちゃんパック」のカセットテープも、しばらくはこの曲を飛ばしてエンディングの水木一郎さんが歌う『タイムリミット』ばっかり聴いてました。
まずは歌詞を見てください。
「君の青春は輝いているか 本当の自分を隠してはいないか
君の人生は満たされているか ちっぽけな幸せに妥協していないか」
そしてサビの最後には、
「愛が欲しければ誤解を恐れずに ありのままの自分を太陽にさらすのだ」
この歌詞を子供に理解しろといっても難易度が高すぎます。
青春だの人生だの妥協だの初めて聴くフレーズばかり。
しかし、曲のパワーでしょうか。
なぜか次第に『君の青春は輝いてるか』を聴くようになり、どんどんこの曲の虜になっていきました。
しばらく経って、歳を重ねて成長して何気なしにこの曲を口ずさんでみたときに、ふと気づくのです。
なんて深く壮大な歌詞なんだと。
こんないい歌詞を、ささきいさおさんは僕らに向けて歌い上げてくれていたのかと。
子供に向けたわかりやすい曲も好きですが、こうして時間経ってから体に染み込む浸透速度が遅い曲は潜伏期間が長かった分、表面に出てきた時にはじっくり熟成されており、人生に旨味を与えてくれました。
ゆえに特ソンは人生の教科書と言えるでしょう。
皆さんの教科書にはどの曲が書かれてるか、是非教えてください。
(写真・文:篠宮暁)
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