これ入ってんの?どうなの?濡れ場の濃さ、断トツNO.1『私の奴隷になりなさい』

映画コラム


■映画の濡れ場大好き芸人の濡れ話

今紹介するべきじゃない映画かもしれない。

別に『火花』が公開して、その監督が板尾さんで、なんやかんや色々あったからといって、今回この映画の濡れ場を紹介するわけじゃないです。

濡れ場芸人として、近年の映画の濡れ場の濃さ、断トツNO.1のこの映画を紹介せずにはいられません。

『私の奴隷になりなさい』

累計35万部を超えるベストセラーとなった、サタミシュウの小説が原作。

性奴隷として被虐の喜びにもだえるようになった女と、彼女に翻弄(ほんろう)される男が行き着く先を描いたエロス・ドラマ。

グラビアアイドルの壇蜜があやしげな魅力を振りまくヒロインとして、フルヌードや緊縛などの体を張った官能シーンに挑む。そして、彼女を調教する謎の男を演じるのは、板尾創路。

–{次のページであらすじを紹介}–

出版社に転職した僕(真山明大)は、どこかなまめかしいムードを漂わせる先輩社員の香奈(壇蜜)に心を奪われてしまう。彼女をものにしようとアプローチを仕掛けていくが、香奈はまったく僕を相手にしようとしない。そんなある日、彼女から「今夜、セックスしましょう」と思いも寄らない誘いを受けて、体を重ねることに。それ以降、体だけの関係を続けていた彼らだったが、僕は香奈の自宅で怪しげなビデオを見つけてしまう。恐る恐る再生してみると、そこにはとんでもない秘密が収められていた。

まずその物すごい量の濡れ場。

当然、「壇蜜さん」「奴隷というタイトル」「R−15(ディレクターズカット版はR-18)」というワードだけで、ある程度の濡れ場は担保されている。こちらもそれ相応のハードルをかかげたつもり。

しかし壇蜜さんの覚悟は、それを優に超えていた。

ぶっちゃけグラビアアイドルを主戦場にしてきた壇蜜さんが演じる難役の芝居は、「味ある演技」では片付けられない。

上手くはない。

それはもう、僕が汚れ役になってもいわなければならない。

しかしそれを大きくかき消す覚悟。こっちのハードル天高く跳び、各種の濡れ場を魅せてくれました。

緊縛、剃毛、バイブ、自慰行為、レイプ…

数え上げればキリがない。脱がない女優へのアンチテーゼとばかりに服をハラリと脱ぎ捨て、ミッションこなしていき…果てていく。

演技よりも覚悟に圧倒され続ける1本。

そして観てて何よりも気になった点。

撮影方法が気になる。

–{撮影方法が気になったあのシーン}–
よく映画を観ていて、「どうなってるんだ?どう撮ってるんだ?」と思う事あるでしょう。

『インセプション』を観て、「CG嫌いのノーラン監督がこれはどうやって撮ったんだ?」とか『プライベートライアン』の「ノルマンディー上陸作戦の迫力もどうやって撮影したんだ?」とか。

この映画も思う。

板尾さんが壇蜜さんにバイブ突っ込んでるんやけど、

これ入ってんの?

どうなの?

流石に入ってはないか…?

角度的にはどうなん? と、ちょっとテレビを斜めに観る。

何より音声さんとか照明さんも、股間大丈夫?

ちょっと待って。気になってストーリー入ってこない。

ちょっと一旦停止。

ふー。

画面いっぱいのバイブ。夜中起きて来た妻になんて言えばいい。再生。

いや、やっぱり入ってるよなぁ!!

の繰り返し。

結果「入ってる」として最後まで観ました。最高です。

まだの方是非。

今は「先生」演じる板尾さんにも現実と相待って集中できないので来年に観るのをオススメします。

(文:南川聡史)

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