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先日、映画『バトルシップ』の地上波放送が中止となったニュースが流れ、Twitterでは悲しみの声が続々と届きました。「実況を楽しみにしていたのに」、「この日のために有給休暇を取ったのに」などなど……映画のネット配信サービスが台頭している現代において、ここまで地上波放送を待ち望まれ、愛されている『バトルシップ』は本当に幸せな作品ですね。
今回は中止となりましたが、金曜ロードShow!の公式Twitterでは「『バトルシップ』はまた別の機会にお届けします」と宣言されています。いつかまた、地上波放送される日が来ることを、信じて待ち続けようではありませんか!
お知らせ)今週の放送は予定を変更して「ダークシャドウ」をお届けします。「バトルシップ」はまた別の機会にお届けしますので、楽しみにしてくださっていた方ごめんなさいー?? #ダークシャドウ #kinro pic.twitter.com/N60A0kKFTN
— スタンリー@金曜ロードSHOW! 公式 (@kinro_ntv) 2017年6月19日
さてさて、「男の子の夢を映画化した!」「いい意味でバカバカしくて楽しい!」「ツッコミどころ満載!」「めっちゃアツくなった!」などといった気持ちを喚起できる『バトルシップ』の素晴らしさを知った方、“バトルシッパー”と呼ばれるファンの皆さんは、きっと“バトルシップロス”な状態になっていることでしょう。ここでは、『バトルシップ』の地上波放送を待ちきれない方におすすめの、15の映画をご紹介します。
- 1:『キング・オブ・エジプト』本国では大不評だけど日本で愛された!
- 2:『コマンドー』筋肉で全てを解決!素晴らしき日本語吹替にシビれろ!
- 3:『G.I.ジョー』男の子の夢がまた叶った!おもちゃが現実でド派手なアクション!
- 4:『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』全編アクションと見せ場だらけ!
- 5:『スカイライン -征服-』宇宙人から逃げ惑うシンプルさと、衝撃のラストに驚け!
- 6:『HiGH&LOW THE MOVIE』イケメンたちの戦いを見届けろ!
- 7:『SPACE BATTLESHIP ヤマト』日本の“バトルシップもの”の問題作(?)
- 8:『ガールズ&パンツァー 劇場版』かわいい女の子と戦車の組み合わせは正義だ!
- 9:『ジョン・カーター』主演は『バトルシップ』と同じ!失敗作だからこその魅力も!
- 10:『ベリー・バッド・ウェディング』初監督作が“超悪趣味”だった!
- 11:『ロック・アウト』これぞモノホンのB級映画やで!
- 12:『カウボーイ&エイリアン』西部劇と宇宙人侵略ものの夢のコラボ!
- 13:『マーズ・アタック!』最高にバカバカしい宇宙人侵略ものだ!
- 14:『眼下の敵』知略に満ちた“駆逐艦VS潜水艦”の戦いを堪能できる!
- 15:『インディペンデンス・デイ』宇宙人侵略ものの代表作だ!
- おまけ:Twitterでこのタグをチェックしてみよう!
- まとめ:“敬意”に溢れた作品だった
1:『キング・オブ・エジプト』本国では大不評だけど日本で愛された!
『バトルシップ』は先行公開された日本でスマッシュヒットを遂げた作品ですが、本国アメリカでは興行的にも批評的にも大惨敗、最低な映画を決めるラジー賞では6部門にノミネート、うち1部門を受賞してしまいました。同様に、『キング・オブ・エジプト』も日本のごく一部で熱狂的なファンを得たものの、本国でラジー賞に5部門ノミネートされてしまったのです。(なお、バトルシッパーと『キング・オブ・エジプト』のファンの多くは、なぜかラジー賞ノミネートをむしろ喜んでいるふしがあります)
日本のマンガ『聖闘士星矢』さながらの黄金の鎧を身にまとうという設定、主人公のチャラさ、大きな予算に反比例するかのようなどこか間の抜けたストーリー展開など、どことなく『バトルシップ』に似た「なぜか愛してしまう」魅力がたっぷり。「I’m not just one god!(俺はただの神ではない)」を「俺は超合神だ!」と訳すセンスも最高です。
2:『コマンドー』筋肉で全てを解決!素晴らしき日本語吹替にシビれろ!
地上波放送の時にネットが“お祭り”になる映画と言えば、『バトルシップ』と『天空の城ラピュタ』、そして『コマンドー』でしょう。アーノルド・シュワルツェネッガーの筋肉で全てを解決してしまうような荒々しい物語と、日本語吹替板の素晴らしい語録の数々は今なお多くの映画ファンに愛されています。「なぜか弾が当たらない」というツッコミどころがありますが、たぶん観ているううちにどうでもよくなります。個人的なお気に入りセリフは「筋肉モリモリマッチョマンの変態だ!」です。
3:『G.I.ジョー』男の子の夢がまた叶った!おもちゃが現実でド派手なアクション!
『バトルシップ』は男の子向けのボードゲームを原案とした映画です。そうであれば、『トランスフォーマー』と同様に男の子向けのおもちゃを映画化した『G.I.ジョー』をおすすめしないわけにはいかないでしょう!ハイライトとなるのは、身体機能を強化するハイパー・スーツを身につけてパリの街を疾走するシーン。ド派手で大興奮できるアクションが「これでもか!」と目の前に飛び込んできますよ!
4:『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』全編アクションと見せ場だらけ!
「もうお腹がいっぱい!これを観ればしばらくアクション映画を観なくてもいい!」と嬉しい悲鳴を挙げてしまいそうなのが、この『ハムナプトラ2』。オープニングから圧倒的なスケールの合戦が展開、その後も普通の映画の5〜6倍はあろうかという見せ場の連続なのです。ちなみに監督は前述の『G.I.ジョー』と同じスティーヴン・ソマーズで、他にも『ザ・グリード』や『ヴァン・ヘルシング』など、予算をかけまくった単純明快娯楽作をよく手がけている信頼できるお方です。
5:『スカイライン -征服-』宇宙人から逃げ惑うシンプルさと、衝撃のラストに驚け!
『バトルシップ』は何しろ“宇宙人侵略もの”という側面があるので、こちらも紹介しなければいけますまい。物語は「やたらとまぶしい宇宙生物から逃げ惑う」とシンプルで、1人また1人と犠牲になっていく緊張感もあり、SFスリラーのおいしいところがしっかり揃っている作品でした。何よりラストがすごい!誰もが想像だにしない、想像の斜め上すぎるオチだよこれ!
6:『HiGH&LOW THE MOVIE』イケメンたちの戦いを見届けろ!
邦画からはこちらも。EXILE TRIBEのカッコイイお兄さんたちが、荒廃した街の中で争いを繰り広げながらも友情を築いていくという熱い内容で、『マッドマックス 怒りのデスロード』にオマージュを捧げたかと思しきシーンも登場します。日本の作品とは思えないほどのスケール感やいい意味での荒唐無稽さにノックアウトされた映画ファンは数多く、キャストのファン以外からも存分に愛されていました。『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』は2017年8月19日公開予定です。
7:『SPACE BATTLESHIP ヤマト』日本の“バトルシップもの”の問題作(?)
バトルシップつながりではこちら。『宇宙戦艦ヤマト』を実写映画化した作品で、新たな解釈を加えた設定や、2時間弱に詰め込んだ物語などにより、大きな賛否両論(やや否のほうが多め)を呼んでいました。悪役“デスラー”の意外な姿やラストシーンの美しさなど見どころは多く、かつ良くも悪くもツッコミどころも満載の内容なので、観ている間は存分に楽しめるでしょう。
8:『ガールズ&パンツァー 劇場版』かわいい女の子と戦車の組み合わせは正義だ!
萌え萌えな女の子と戦車バトルを掛け合わしたアニメーションで、その面白さから何度も劇場に足を運ぶファンが続出、体感型の4DX上映も大評判を呼び、超ロングヒットを遂げた作品です。ずっとアクションがぶっ続くサービス精神、すぐに特徴を覚えられるキャラのかわいらしさなど、ミリタリーファンと美少女アニメオファンにとってこの世のユートピアと呼ぶべき内容でした。テレビシリーズを観ていなくても存分に楽しめますよ。
9:『ジョン・カーター』主演は『バトルシップ』と同じ!失敗作だからこその魅力も!
往年の名作SF小説を原作としていながら、興行成績は歴史に残る赤字を記録してしまった作品です。ツッコミどころは勢いで乗り切る力強さ、お金を湯水のように使って構築された世界観とアクション、オチの意外性など見どころは満載。何より『バトルシップ』のテイラー・キッチュ主演作であるので、バトルシッパーの皆さんにはぜひご覧いただき、その画面が溢れ出ているかのような“失敗作っぷり”を堪能してほしいところです。
10:『ベリー・バッド・ウェディング』初監督作が“超悪趣味”だった!
監督作では『バトルシップ』と『ハンコック』が特に有名なピーター・バーグですが、彼が初めて監督および脚本を務めていた作品が、“超悪趣味”であったことをご存知でしょうか?その映画の名は『ベリー・バッド・ウェディング』。物語は結婚前に男友だちとどんちゃん騒ぎをしたらとんでもない事態が起きて……という『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』にも似ているものなのですが、そのトラブルがもうドン引きするほど最悪。観る人が観れば激怒をしてしまうかもしれません。個人的には超ブラックなコメディ、または“サイコパスな友人がいたらどうなるか”を描いたホラーとして存分に楽しめました。
なお、ピーター・バーグ監督の最新作『パトリオット・デイ』が現在公開中です。こちらは『バトルシップ』のような大味さはなく、とことん実際に起きたテロ事件をリアルに描いた作品で、『ベリー・バッド・ウェディング』とはほぼ正反対な“世界平和への願い”も込められた志の高い傑作に仕上がっていました。
–{さらにトンデモな“宇宙人侵略もの”とは?}–
11:『ロック・アウト』これぞモノホンのB級映画やで!
たまに“コテコテのB級映画”を観たいと思う時はありませんか?そんな時におすすめしたいのがこちらの『ロック・アウト』。「脱出不可能な宇宙の牢獄から美女を助け出せ!」というシンプル極まりないプロットからもう最高、後はチャラい主人公の活躍をぼーっと観ているだけでOK。高級料理ばっかり食べると飽きちゃうから、たまには安っすいハンバーガーでも食べるかって感じで観ると幸せになれる映画です。
12:『カウボーイ&エイリアン』西部劇と宇宙人侵略ものの夢のコラボ!
西部劇と宇宙人侵略ものを掛け合わせるという素っ頓狂なアイデア、つっこみどころオールアラウンド状態の大味展開など、『バトルシップ』ライクなスピリットに溢れたステキな作品です。ダニエル・クレイグとハリソン・フォードという、『007』のジェームズ・ボンドとインディジョーンズの共演が見られるというのも大きな魅力ですね。宇宙人の設定にも、『バトルシップ』にそっくりなところがありますよ。
13:『マーズ・アタック!』最高にバカバカしい宇宙人侵略ものだ!
宇宙人侵略ものを極限と言えるまでにバカバカしく(※褒めています)仕上げたのが、この『マーズ・アタック!』。ジャック・ニコルソンやマイケル・J・フォックスやナタリー・ポートマンなどの豪華キャストがなかなかにヒドい(※褒めています)役をこなしており、ハリウッドおよび俳優たちの懐の深さを存分に知ることができるでしょう。宇宙人は脳みそが見えていてグロテスク、やっていることも悪逆非道のはずなのに、いつしかかわいらしく見えてくる(※感じ方には個人差があります)のも不思議です。
14:『眼下の敵』知略に満ちた“駆逐艦VS潜水艦”の戦いを堪能できる!
大味なアクション映画だけでなく、こちらの“知略”を楽しめる名作を観ているのもいいでしょう。端的に内容を表せば、“ベテランの艦長たちによる、駆逐艦VS潜水艦の一進一退の攻防”というもの。方や優勢、方や一発逆転を狙うという、それぞれの状況の見せ方が抜群に上手く、50年以上前の映画とは思えない面白さに満ち満ちています。
15:『インディペンデンス・デイ』宇宙人侵略ものの代表作だ!
やはり、宇宙人侵略ものの代表とも言える『インディペンデンス・デイ』も挙げずにはいられません。『バトルシップ』に通ずる「みんなの力を合わせて宇宙人と戦おう!」な内容を観ると、世界平和のヒントはこの映画にあるのかも……としみじみと思います。なお、20年ぶりに公開された続編『インディペンデンス・デイ:リサージェンス』は輪をかけてツッコミどころ満載な作品に仕上がっており、ある意味で期待通りでした。
おまけ:Twitterでこのタグをチェックしてみよう!
以上に挙げた作品以外にも、シリーズ随一のツッコミどころが満載の『バイオハザード:ザ・ファイナル』、頭空っぽで筋肉アクションが楽しめる『トリプルX:再起動』(ソフトは7月5日発売)、設定がガバめの宇宙人侵略もの『世界侵略: ロサンゼルス決戦』、戦争を皮肉しまくった残酷描写が満載のSF『スターシップ・トゥルーパーズ』、兄妹が魔女をグロく倒しまくるファンタジー『ヘンゼル&グレーテル』、エログロに振り切ったモンスターパニック『ピラニア3D』、男の中の男たちがイチャイチャしながら敵を倒す様がギャグと化している『エクスペンダブルズ2』、ヒーローたちが集結した『アベンジャーズ』なども、『バトルシップ』に通ずる「お祭り映画だ!フゥー!」な映画としてオススメです。
Twitterでは「#バトルシップの代わりに放送して欲しい映画」「#バトルシップの代替作品を考える」というタグが発案されており、バトルシッパーが連想した素晴らしき作品がたっぷりと挙げられているので、チェックしてみるとより幸せになれるでしょう。
まとめ:“敬意”に溢れた作品だった
イージス艦衝突事故を受けて中止となった『バトルシップ』ですが、Blu-rayの特典映像では、特攻した若い兵士の遺体を水葬し、死者への礼節を重んじていた、という事実が告げられています。この特典映像は、事故で尊い7名の命が失われた今でこそ、観て欲しいと思えるものでした。
映画本編も、「戦艦が簡単に沈むか!」「だが(死ぬのは)今日じゃない」などの名台詞が示しているように、むしろ命が失われてしまう悲劇に真っ向から立ち向かうかのような、志の高さを感じます。第二次世界大戦を生きのびた本物の兵士たちを役者として起用しているのも、戦艦や駆逐艦に乗っている人々への多大な敬意があるからでしょう。
これほどの素晴らしさが満載だった『バトルシップ』、今回の放送中止は残念ではありますが、いつの日か、みんなで盛り上がれる地上波放送で再会できますように……。
(文:ヒナタカ)