松山ケンイチ&東出昌大、我を忘れて歓喜した理由とは…。:『聖の青春』初日舞台挨拶

INTERVIEW

 

 

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はじめましての方もそうでない方もこんにちは。

八雲ふみねです。

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街中はクリスマスの賑わい ♪♪

 

 

…というコトで。

 

 

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.84

 

 

今回は…。

 

 

『聖の青春』初日舞台挨拶の模様をお届けします。

 


 

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羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖。
病と闘いながら全力で駆け抜けた、 わずか29年の生涯を描く奇跡の実話映画『聖の青春』が、いよいよ11月19日に全国公開となります。
その初日舞台挨拶に、主演の松山ケンイチさん、東出昌大さん、リリー・フランキーさん、柄本時生さん、森義隆監督が登壇。
八雲ふみねが司会を務めました。

–{松山ケンイチ、渾身の役作りが明らかに…}–

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「あいにくの雨ですが、どこかひねくれた一面もあった天国の村山さんが降らせたのかなと思います(笑)。」と、笑顔で挨拶する松山ケンイチさん。
同じく雨の公開初日に触れて「“雨降って地固まる”とも言いますので…。映画の公開を心待ちにしてました」と、満面の笑みを浮かべる東出昌大さん。
登壇者の皆さんの清々しい表情が印象的でした。

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話題は、松山ケンイチさんの“デニーロ・アプローチ”とも呼べる役作りについて。
「劇中で村山さんが師匠からマージャンを教わったというセリフがあるんです。でも実際はマージャンシーンはないんですが、松山君は役作りのために一度僕とマージャンをしてみたいと言って…」と切り出したリリー・フランキーさんが、なんと新井浩文さんとピエール瀧さんに協力を得て、マージャンをしたとの驚きのエピソードを披露。
松山さん「しかも新井さんの自宅でしたよね。」
リリーさん「この作品に関係ないのに、すごく動いてくれて…。エンドロールに“協力”ってクレジットしてもいいんじゃない?」
息の合った子弟コンビのやり取りに、お客様からも大きな笑いが。

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役作りと言えば、プロ棋士役を演じた柄本時生さんも苦労した様子。
「僕は左利きなので、右手で将棋を差すことが大変で。指先まで綺麗に使うって難しいですよね」と、撮影当時を振り返ります。
そして「羽生さんご本人にそっくり!!!」と、公開前から話題となっていた東出さんは…。
「当初、この映画のお話をいただいたときは『果たして将棋が映画になるのだろうか』と疑問が湧きましたが、出来上がった脚本を読ませて頂くと本当に素晴らしくて。是が非でも羽生先生役は自分が演じたいと思いました」と、羽生善治役と最初に対峙した時の様子を情熱的に語って下さいました。

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挨拶する段になると、会場からはアツい拍手が湧き起こり、ちょっぴり照れ笑いを浮かべた森義隆監督。
「29歳で原作に出会ってやっと今日、初日を迎えることが出来ました。8年の歳月がかかりましたが、それは素晴らしいキャストたちに出会うための期間だったのだなと思います。手塩にかけた子どもが旅立つような心境です」と、胸の内を明かして下さいました。

–{いよいよ、ご本人が登場!}–

そんな映画『聖の青春』において、主人公・村山聖の最大のライバルであり、本作のヒロイン的存在とも呼べる羽生善治さんご本人が登場。
満員の客席からは、歓喜の声が上がりました。

 

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「この映画を通じて村山聖さんという存在を知っていただけて嬉しいです。映画に関わった全ての人にお礼を言いたい」と挨拶をする羽生善治三冠。
本作をご覧になった感想については…。
「村山さんにまた会えたような気持ちになり、嬉しかったです」と、笑顔。
またご自身のキャラクターが映画に登場することについては「普通は死んだ後に映画で描かれることは多いんじゃないかと思うのですが…」と切り出したので、場内大爆笑。
それでも「生きているうちに観られるのは幸運なのかもしれないですね」とおっしゃってました。

さて、本作では松山ケンイチさん、東出昌大さん共に役作りのために将棋道場へ通って精進を重ね、結果として壮絶な対局シーンをスクリーンに焼き付けることが出来ました。
その努力を称えて、公益法人日本将棋連盟より、お二人へ初段の免状を贈呈いただけることに。
しかも通常は将棋連盟会長・名人・竜王の直筆署名入りであるところ、それに加え特別に羽生三冠の署名入りの特別免状を、羽生三冠ご本人から手渡しされました。

 

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まずは、松山ケンイチさん。
「この免状は『もっと頑張りなさい』という自分への戒めと捉えて受け取りたい」と、感謝の言葉を述べました。

 

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そして、東出昌大さん。
「映画の舞台挨拶だという事を忘れて舞い上がっております」と、ニッコリ。
「実力的にまだまだなので、将棋を続けて段を取りに行きたい」と、さらなる精進を誓いました。

 

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本作を「一生に一本の作品」と位置づけ「村山さんと羽生さんが対局の先に新しい世界を見たように、僕も東出君と演技の先にある世界を見ることが出来ました」と語る、松山さん。
「もう二度と体験出来ないかもしれないと思いつつ、またあの世界を見たいと思っています」と、さらなる“役者道”への決意も新たな様子。
そんな松山さんの言葉に聞き入りながら、笑顔を浮かべる東出さん。
本作を通じてお二人が目の当たりにした世界がいかに素晴らしいものだったかが垣間見える、初日舞台挨拶でした。

 

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それではまた次回、お会いしましょう。

お相手は、八雲ふみねでした。

 

 

 

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聖の青春
2016年11月19日から丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:森義隆
原作:大崎善生(角川文庫/講談社文庫)
出演:松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田顕、柄本時生、北見敏之、筒井道隆、竹下景子、リリー・フランキー ほか
©2016「聖の青春」製作委員会

 

 

 

八雲ふみね fumine yakumo

八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。
八雲ふみね公式サイト yakumox.com