直木賞受賞作家・小池真理子の半自叙伝的同名小説を『三月のライオン』『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司監督が完全映画化する映画『無伴奏』の本予告が解禁となった。
若者たちの時代と恋愛に翻弄される姿を映し出す『無伴奏』
1969年。日本中で学生たちが学生運動を起こす混沌とした時代に仙台の高校に通う多感な女子高校生の響子(成海璃子)。同級生のレイコやジュリーとともに、時代に流されて制服廃止闘争委員会を結成し、学園紛争を行っていた。レイコに連れられ、初めてクラシック音楽の流れる喫茶店「無伴奏」へ足を運ぶ響子。そこで偶然にも渉(池松壮亮)、祐之介(斎藤工)、エマ(遠藤新菜)と出会う。響子は、席が隣り合わせになったそんな渉に興味を抱く。ある日、大学での集会で怪我をして自分の甘さを痛感し、学生運動から離れた響子は、逃げ込んだ「無伴奏」で、渉たちと再会する。響子は、渉に逢うたびに強く惹かれていった。時に嫉妬や不安に駆られ、それでも熱い想いを渉に傾けていく。だが、いつしか見えない糸が絡み始め、どうすることもできない衝撃に包まれていく――
映画『無伴奏』は直木賞受賞作家・小池真理子の半自叙伝的同名小説を『三月のライオン』『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司監督が完全映画化した作品。学生運動が盛んだった時代に多感な青春時代を過ごす1人の女子高校生を中心に、男女の悲喜こもごもな恋愛模様と時代の潮流を映し出す青春物語だ。
主人公の響子を成海璃子が演じ、響子が想いを傾ける渉役を池松壮亮、渉の親友・祐之介を斎藤工、さらに祐之介の恋人・エマをnon-noモデルの遠藤新菜と、注目の若手が集結し当時の若者達の恋愛模様を描く。
このたび公開された本予告では、エマ役の遠藤新菜の映像が初解禁となった。本作が初脱ぎとなった遠藤新菜は、斎藤工が演じる祐之介との若さを剥き出しにした大胆な濡れ場を演じており、その一部が本予告にもおさめられている。
また今回の予告解禁に併せて、斎藤工と遠藤新菜からのコメントもシネマズに到着した。
–{”脱ぐ脱がない”の幼稚な基準では無く…}–
斎藤工/関祐之介役
Q.祐之介役について
A.祐之介は確かにそこに存在するのだけれども、その存在は幻想の如く脆く危い”影”のようなイメージ。 もしかしたら渉の意識の中の一つ象徴かも知れない好きな人の見たくない内側の一面。 響子にはそんな風に映っていたら良いなと思いました。
Q.遠藤新菜とのシーンについて
新菜さんが“体当たり”と言われているのは彼女の覚悟や心、内面的なものであるべきです。矢崎監督に負けじと私は近い距離でその迷いの無い強い覚悟を感じていたからです。作品や監督の目的を身を持って体現するのが我々役者の責務ですがやはり男女の違いはあります。当人にとってではなく周りの受け止め方が違います。
日本人特有の”脱ぐ脱がない”の幼稚な基準では無く、矢崎監督が映し出した彼女のエマの美しさ、新菜さんの心を多くの方に 感じて欲しいと祐之介として強く思います。
Q.オールアップ後の感想
矢崎組は苦しくも幸せな映画的な日々でした。祐之介のオールアップは渉との会話の無い会話をするシーンでした。そのシーンを何度も何度も繰り返した記憶があります。その刹那な感じの全てが無伴奏に対する自分の関わりを象徴していた気がしました。
遠藤新菜/高宮エマ役
エマは、憎めない大胆さがあり、私自身「エマってすごいな」って思った部分もありました。私がキャスティングされたのだから、グラマラスなセクシーさを求められているのではなく、響子と違い、セックスが身近にる、エマの等身大の描写を求められているのだと思いました。
(斎藤)工さんは、キスシーンとかも決め込んでこなく、先輩だけれど「こうしよう」とか「こう行くからこう来て」ということを何も言わないで、その場の感覚で全部やるというのがすごく有り難かったです。変な緊張を持ったシーンが無かったので「こうやって相手 に気を遣わずに自分が思った通りにやることで、初めてちゃんとお芝居が成立するな」と一番思いました。
私が脱いでいて工さんがくっついている濡れ場のシーンでカットがかかった時も、衣装さんとかが毛布を持って来てくださるまでずっとそのままで待っていくださいました。カットがかかってパッて離してくださってもいいけれど、その方が私がトップが見えたままで待つから恥ずかしいとわかって、ずーっとぎゅっとしたまま「もうちょっともうちょっと」「毛布持ってきて」って言って毛布をかけてから離れてくれる。そういう配慮がさすがだなって思いました。祐之介役が工さんで本当に良かったって純粋に思います。
今回、初めてオールアップで号泣してしまいました。矢崎さんもそこで涙目になってくださっていて「今までエマが弱みを見せまい見せまいと気を張り続けていたところがプツンって切れたような気がして、すごく抱きしめたくなった」と言って頂きました。本当にその通りで、やっと力が抜けた瞬間でした。
映画『無伴奏』は2016年3月26日より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー。
(C)2015 「無伴奏」製作委員会
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