がんのためこの世を去った女性と、その5歳の娘と夫、家族との日々をつづった同名エッセイを映画化した『はなちゃんのみそ汁』が、2015年12月19日に東京と福岡で先行公開となった。公開初日となった昨日、福岡・TOHOシネマズ天神 ソラリア館で、公開初日舞台挨拶が行われ、主演の広末涼子らが登壇した。
広末「淡々とした日常の中の小さな大切なことを教えてくれる」
映画『はなちゃんのみそ汁』の舞台となった福岡での公開とあって、家族連れなど待ちわびた観客で会場は満席状態となったこの日、鑑賞を終えたばかりで感動冷めやらぬ中、広末涼子、滝藤賢一、一青窈、阿久根知昭監督が登場した。
冒頭、主人公・安武千恵役の広末涼子は「家族や命の温かさを感じさせてもらえる映画になったのではないかな、と思っています。初日を迎えて、皆さんの温かい笑顔を見ることができて、本当に幸せです。この映画に関われてよかったな、と思います」と初日の喜びを口にした。
続いて挨拶した安武信吾役の滝藤賢一は「安武信吾を演じました、滝藤賢一、ばい。福岡の皆さんと迎えられたことがとってもうれしい、ばい」と博多弁風にあいさつすると客席からは笑いが起こっていた。
広末の姉・千恵役で出演し、出産後これが初イベントとなる一青窈は「この映画に携わっていた間中、妊娠、そして今出産したあとで、私にとってはものすごい人生の大きな変換期をこの映画と過ごすことができました。それを見てくださったことがすごく私の中でうれしい」とコメント。
本作について、広末涼子は「本当にどのシーンも大切なエピソードがいっぱい詰まっていて」と前置きし「急に涙を誘われたり、また笑わされたり、そしたらまた次ちょっと切なくされたり。それがすごく日常的というか、淡々とした日常の中の小さな大切なことを教えてくれるから、すべてのエピソードが愛しくて大切です」と噛みしめるように思いを語った。福岡で思い入れのあるロケ地は、実際に原作の安武さんが勤務する新聞社と言う滝藤賢一は「僕のファーストシーンで、広末さんと芝居するのも初めてだったので思い入れがありますね。実際の場所でやれるって気持ちが違いますよね」と振り返った。
–{一青窈によるサプライズが…}–
みなさんの勇気につながったらうれしい
そして、舞台挨拶では一青窈が主題歌「満点星」をサプライズで初披露。大拍手が沸き起こる中、映画の余韻も相まって涙を拭う人の姿も見られた。隣で聞いていた広末涼子も口ずさみ体を揺らしながら聴き入っていたが、曲が終わると「滝藤さんが汗を拭いているのか涙を拭いているのか分からなくて」とツッコミが。滝藤賢一は「もちろん涙です。生で聴けると思わなかったんで、鳥肌がたってきました」とコメントした。
歌い終えた一青は「生まれてくれてありがとうという気持ちを毎日実感しながら、自分の音楽と対峙しているんです。それが実際歌詞に書けて、これから歌い続けていけることが自分にとってもすごくうれしいです。阿久根知昭監督も「いい曲です。僕は運がよかったと思います。この曲を作っていただいて映画の魅力がさらに増したと思います。ありがとうございます」とコメントした。
さらに広末涼子は「記憶がよみがえってきて感動しました。この映画の力というか、もしつらいことがあったり困難があっても、きっと打ち勝てると思わされる力強い歌声」と大絶賛し、続けて「この映画もみなさんの勇気につながったらうれしいなと改めて感じさせられました。本当に、たくさんの人に愛される映画になったらいいなと思います。これからも『はなちゃんのみそ汁』をよろしくおねがいします」とあいさつし、舞台挨拶は終了した。
映画『はなちゃんのみそ汁』は、テアトル新宿&福岡県内先行公開中、2016年1月9日(土)より全国拡大公開。
(C)2015「はなちゃんのみそ汁」フィルムパートナーズ
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