シネマズ公式ライターのアスカでございます。
2015年9月12日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで『天空の蜂』の初日舞台挨拶が行われました。ステージには江口洋介さん、本木雅弘さん、仲間由紀恵さん、綾野剛さん、國村隼さん、佐藤二朗さん、松島花さん、永瀬匡さん、堤幸彦監督の9人が登壇。初回上映を観終えたばかりの観客の前で舞台挨拶と素敵なトークが繰り広げられましたよ!
超巨大なヘリコプター“ビッグB”の開発に携わった主人公・湯原を演じた江口洋介さんは「すごくいろいろと揺さぶられている状態だと思いますけど、僕達も神経を使いながらデリケートに宣伝活動をしてきまして、この映画に傷がつかず今日という日を迎えられたことをすごく嬉しく思います。」と、原発がテロの標的になってしまうという本作のテーマに触れつつも、ちょうど撮影してから1年後のこの時期にようやく公開できたことを喜んでいる様子でした!
また、原発の設計士、三島を演じた本木雅弘さんは「長い長いプロモーションという陣痛の期間を終えて、ようやく出産することができました。あとは無事にたくましく育ってほしいと思うばかりです。皆さんもご協力お願いします(笑)」と、観客に口コミをお願いする場面も。
三島の恋人である赤嶺役の仲間由紀恵さんは「大雨でたいへん多くの方が被害にあい、亡くなられた方もいらっしゃいます。まずはお悔やみ申し上げます。まだ安否確認が取れていない方と早く連絡が取れ、復興が行われますようお祈り申し上げます。」と、鬼怒川の氾濫など記録的大雨による被害にあった方々を気遣いながら、「『天空の蜂』はきっと皆さまの心に響くものがたくさんあると思う作品だと思います。父と子、男たちが信じる者、愛する者のために熱く戦う映画です。」と、困難に立ち向かう者たちの力強さを描いた作品であることを伝えると同時に、こんなときだからこそ観てほしいとアピールしていました。
仲間由紀恵さんの次に、ヘリを奪った雑賀役を演じた綾野剛さんが挨拶をすると、出演の皆さんから一斉にいじられる場面も!綾野剛さんが「無事、初日おめでとうございます。おめでとうございます。」と、まるでお祝いに出席した客のように挨拶すると、「他人事みたいに(笑)」と隣の佐藤二朗さんにすかさず突っ込まれていました。
さらには本木雅弘さんが「(綾野さんは)3週続けていろんな舞台挨拶出てますからね。きょう何に来たか覚えてないんじゃないの?天空の蜂で来ましたからね!」と言うと、綾野剛さんは「きょうは綾野Bです!」と、ビッグBにかけて自分を“綾野B”と表現したことに会場は大爆笑。「そんなに上手くないけどね」と突っ込まれると、「堤さんが付けてくれたんじゃないですか!」と暴露。慌てた堤監督は「新聞に書かれちゃうんで続けてください」と、ごまかしながらもその場の雰囲気を温めていました。
–{東野圭吾さんからのメッセージ!}–
ここでなんと、原作者である東野圭吾さんからメッセージが届き、会場で読み上げられました。
公開初日、おめでとうございます。
映像と演技の熱さに目がヤケドしました。 東野圭吾
これを聞いた江口洋介さんは「目がヤケドしましたってなかなか言えることじゃないです。すごく嬉しいです!」と、原作者の東野圭吾さんのメッセージに喜んでいましたよ。
また、本木雅弘さんが急な無茶ぶりをし、『天空の蜂』の主題歌になっている秦基博さんの曲「Q&A」をアカペラで歌うことになった永瀬匡さん。なんと、ステージ上でおもむろに取り出したのは歌詞カード!これにはさすがにお客さんも驚いたようで、会場からは「持ってるの!?」との声も聞かれました(笑)
永瀬匡さんが「Q&A」を熱唱すると、本木雅弘さんが「何が言いたかったのかというと、この映画にはこういった若手の魅力ある人たちがたくさん出ていることなんですよね。」と、若手俳優たちの活躍を称えるコメントに会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
綾野剛さんはアクションするシーンで、前もってこれだけは倒さないでねと言われていた柵をまんまと倒してしまったそうで、堤監督が「柵を倒した請求書は後で送るから。」と、ステージ上で事務的な連絡が行われる場面に会場もつい苦笑い!
そして、作品のなかでの魅力は江口洋介さんと本木雅弘さんが演じる2人の男です。お互いの印象はどんなものかという質問では堤監督が「江口さんのトム・クルーズ、すごかったですよね!生身で上空400メートル!」と言うと、会場から拍手。
江口洋介さんは本木雅弘の印象として、「本木さんとは同じ時代を生きてきた気がします。この作品を始めるとき、企画の段階で本木さんの名前があったときにこれはうまくいくなと思いました。お互い家族がいますし、いろいろな社会状況を感じながら現場ではかなり刺激的を受けて楽しかったです。」とコメントしていました。
本木雅弘さんは「現実として江口さんは思い描いていた以上にとても繊細で、湯原を演じる方が難しいと思うんですね。リアルにやるのは難しかったと思うんですが、江口さんは情感が身体から溢れ出ていて、湯原と重ねあわせて感じながら演じることができていたので、凄かったです。主演ということで結果としてすべてを背負うのは大変だったと思うのですが、その分、自分は助演ということで自由にやらせてもらえました。自分で言うのもあれですが、(共演が)初めてだった割にはいい化学反応だったと思います。」と言うと、ここで本木雅弘さんの言葉に感激した江口洋介さんが握手を求め、二人でガッチリ握手。男二人の熱い気持ちがステージ上で一つになりました。
–{お前たちは蜂に刺される!}–
最後に、本木雅弘さんが「5人といわず、天空の蜂にちなんで80人にこの映画を口コミしていただくようにお願いしたいと思います。さもなければ、お前たちは蜂に刺される!」と、劇中のセリフで締め、会場全体から拍手が起こりました!
終始笑いに包まれていた楽しい初日舞台挨拶となったと思います。
映画『天空の蜂』は無人飛行が可能な巨大ヘリコプター“ビッグB”がテロリストに乗っ取られ、標的となった原発を巡り、そこで繰り広げられる人々の戦いを描いた作品。“3.11”以降、深刻なテーマとなっている原発の有無についても鋭い描写があり、それぞれの立場にいる人々を興味深く見ることができる作品です。
『天空の蜂』公式サイト:http://tenkunohachi.jp/
(C)2015「天空の蜂」製作委員会
(取材・アスカ)